初めての確定申告完全ガイド|準備からやり方までわかりやすく解説!

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確定申告書 記入

何かと難しそうなイメージのある確定申告。普段確定申告を行わない方は特に、何から手を付けていいのかわからないという事もあるでしょう。

この記事では、「初めての確定申告」のためのガイドラインをお送りします。

この記事でお伝えすること

  • 確定申告に必要な準備
  • 用意しなければいけない書類
  • 初めての確定申告におすすめの方法と手順

1.初めての確定申告を始める前に

確定申告が初めての皆さんの中には、「たぶん確定申告が必要だと思うんだけど……」「本当に確定申告が必要かどうか、実はちょっと自信がない」という方もいるのではないでしょうか。

この章ではまず、どんな場合に確定申告が必要なのかを簡単におさらいしていきます。もちろん、「今年確定申告が必要なことはもうわかってる!」という方もいるでしょう。そういう方は、この章は飛ばして次章の「初めての確定申告の準備と申告のやり方」にお進みください。

確定申告をしないといけない人

下記に当てはまる人は「確定申告をしないといけない人」です。

ニュースでたまに「所得隠し・脱税」なんて言葉を聞いたりすることがありますよね。

日本では稼ぎに応じた税金を払うルールになっていますから、下記に当てはまる人は確定申告をしないと、「稼ぎを隠して納税を怠った」ということになってペナルティの対象になってしまうのです。

  • 個人事業主、フリーランスで一定以上の稼ぎがある人(収入-経費が48万超)
  • 副業の儲け(収入ー経費)が1年で20万を超えた人
  • 給料が1年で2000万を超えた人
  • 競馬に当たって高額の儲けが出た人
    など

このような場合、申告を忘れて期限が過ぎるとたとえ悪気がなくても「延滞税」や「無申告加算税」などが課されてしまいますから注意が必要です。

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確定申告をしないと損な人

下記に当てはまる人は、「確定申告をしないと損な人」です。この場合、確定申告をしないと税金を払いすぎたままになってしまうため「損」なのです。

  • 去年たくさん医療費を支払った(保険金を差し引いても10万※を超えた)場合
  • 会社員や公務員で住宅ローンを組んで1年目の場合
  • 個人事業主やフリーランスなど、年末調整を受けていない人が住宅ローンを組んでいる場合
  • 源泉徴収されたのに年末調整を受けていない場合
    など

ただしこの場合、5年以内に確定申告を行えば還付(税金の返金)を受けることが可能です。

※収入金額等によっては医療費が10万以下の人も当てはまります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

2.初めての確定申告の準備と申告のやり方

それではいよいよ、確定申告の手順を解説していきましょう。「確定申告」はざっくりいうと下記の流れで行います。

  1. 確定申告書を作成する
  2. 必要な書類を添付して税務署に提出する
  3. 税金を支払うor還付金が振り込まれるのをまつ

とはいえこれでは実際に何から手を付けていいのかが分かりにくいので、もう少し細かく具体的なタスクを洗い出すと以下のようになります。

ステップ1~3は「申告を始める前の準備」でステップ4からが本番です。各手順について順に説明していきますが、最初から読む必要がないという人は上記のリストの必要なところから読み始めてくださいね。

ステップ1 利用できる控除を確認する

初めての確定申告でまず大切なのは、ご自身が利用できる「控除」の確認です。

そもそも控除って何?

確定申告の「所得控除」「税額控除」というのはざっくりいうと「節税のための制度」です。

利用できる控除が多ければ多いほど、控除の金額が大きければ大きいほど、税金が安くなります。

稼ぎにかかる税金(所得税)は「所得×税率」で計算するのですが、控除を利用するとこの計算をする時に所得の金額から一定の金額を差し引くことができるのです。だから、税金も安くなるのですね。

控除は「自己申告」

控除にはいろんな種類があって、それぞれに適用条件があります。

ただし、控除の利用条件に合致するからといって勝手に適用されるわけではありません。また、「あなたはこの控除を利用できますよ」なんてことを親切にお知らせしてくれるわけでもありません。

自分がどの控除を利用できるのかは自分で確認しないといけないし、控除の条件に合致していても自分から申告しないと税金は安くはならないのです。

ちなみに、控除の大半は年末調整でも申告できますが、確定申告をする人は年末調整で申告した控除についてももう一回申告しないといけません。これも要注意ポイントです。

確定申告で利用できる控除

下記に控除の種類と利用できる人のおおまかな条件をリストアップしたので、使えそうな控除を洗い出し、「ご自身が条件に当てはまるかどうか」と「必要な証明書」と「控除額」を確認していきましょう。

寄付金控除 ふるさと納税等の寄付をした方[詳細はこちら]
住宅ローン控除 住宅をローンで購入・リフォームした方[詳細はこちら]
扶養控除 家族を養っている方[詳細はこちら]
配偶者(特別)控除 妻・夫を養っている方[詳細はこちら]
基礎控除 年間所得が2,500万円以下の方[詳細はこちら]
寡婦(寡夫)控除 シングルマザー・シングルファザーの方[詳細はこちら]
勤労学生控除 学生で給与収入が130万以下の方[詳細はこちら]
医療費控除 一定以上の医療費を支払った方[詳細はこちら]
セルフメディケーション税制 薬局でたくさん薬(対象商品)を購入した方[詳細はこちら]
雑損控除 災害や盗難で損失が生じた方[詳細はこちら]
社会保険料控除 健康保険や公的年金の保険料を支払った方[詳細はこちら]
生命保険料控除 生命保険などの保険料を支払った方[詳細はこちら]
地震保険料控除 地震保険の保険料を支払った方[詳細はこちら]
小規模企業共済等掛金控除 iDeCoなどの掛け金を支払った方[詳細はこちら]
障害者控除 障害を有する方やそのご家族[詳細はこちら]

ステップ2 確定申告書の作成に必要な資料と添付書類を集める

続いて「これがないと申告書の作成ができない!」という資料と、申告書に添付が必要な書類を紹介します。

申告書の作成に必要な資料

  • 自分の1年の収入がわかるもの……源泉徴収票、支払調書など
  • 自分のマイナンバーが分かるもの……マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーつき住民票
  • 自分が利用する控除の証明書……利用する控除による[解説はこちら]
  • 還付金を振り込んで欲しい口座の番号が分かるもの……通帳など
  • 経費を証明できる物(個人事業主)……領収書・レシート等[解説はこちら]

特に、お給料が収入のメインという方や年金を受け取っている方は「源泉徴収票」が確定申告のマストアイテムです。

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また、少しケースが絞られますが株での儲けがある人などは「特定口座年間取引報告書」や「上場株式配当等の支払通知書」も必要です。

税務署に提出しなければいけない書類

続いて、申告書を税務署に提出する際に、申告書に添付する必要がある書類を紹介します。なお、オンラインで提出する場合は本人確認書類等、一部の書類の添付が不要になります。

青色申告決算書と収支内訳書は自営業・個人事業主・フリーランサーの皆さんのようにご自身で事業をされている方のみ必要な書類で、後述する「申請書の作成」の際に併せて作成することになります。青色申告と白色申告でお悩みの方は下記の記事も併せてご覧ください。

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少しケースが絞られますが、株や不動産などを売却した利益がある人は「譲渡所得の内訳書」という書類が必要です。

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ステップ3&4 申告書の作成方法を決める&申告書を作成する

確定申告書の作成方法と提出方法はいくつかあって、大まかにいえば以下の3つです。

  1. 手書きして税務署に持ってくあるいは郵送する
  2. スマホやPCでオンライン作成した申告書を印刷して税務署に持っていく、あるいは郵送する
  3. スマホやPCでオンライン作成した申告書をそのままオンラインで提出する

この中でおすすめするのは②と③です。のちほどもう少し詳しく説明しますが、オンライン作成の方が手書きよりも作り方がシンプルでミスするリスクが少ないからです。

けれど注意点もあります。③の「オンライン提出」は利用できる人が限られるのです。

確定申告書をオンラインで提出できる条件

それではオンライン提出の利用条件を確認していきましょう。まず、皆さんはマイナンバーカードをお持ちでしょうか? 「通知カード」ではなく、ICチップが埋まっていて顔写真が入っている、ご自身が役所に行って直接受け取ったカードです。

マイナンバーカードを持っていない場合

この場合、一回税務署に行って「オンラインで確定申告をするためのIDとパスワード」を発行してもらわなければいけません。それが面倒ならば、オンライン作成した書類を印刷して、税務署に持っていくか郵送することになります。

マイナンバーカードを持っている場合

この場合、以下のどちらかを持っていたらオンライン提出ができます。持っていないならマイナンバーカードがない場合と同様、オンライン作成した書類を印刷して郵送するか、税務署持参の形の提出になります。

  • パソコン&マイナンバーカードの読み取にに対応したICカードリーダー
  • 比較的新しいスマホ(対応機種一覧

確定申告が初めての人におすすめの申告書作成方法

先ほども少し触れましたが、確定申告書は手書きするよりネットで作成するのがおすすめです。

確定申告書には様々な数字を記入しますし、その数字をもとに様々な計算をしなくてはいけません。この「計算」がやっかいで、所得の金額等によって税率や計算の条件が変わったりと、何かとルールが複雑なのです。

オンライン作成の場合は、計算は自動で行われるので自分でやる必要はありません。手書きの場合はこの計算のルールを自分で調べる必要があります。計算ミスもしやすいです。

以上が、確定申告書のオンライン作成をおすすめする理由です。具体的には以下の2つの方法がおすすめです!

① 確定申告書作成コーナーを利用する

「確定申告書作成コーナー」は国税庁が提供しているページで、質問に答えていくだけで確定申告書が完成します。基本的な内容であればスマホでも利用可能です。

確定申告書作成コーナーでは、確定申告書の他にもこんな書類を作成できます。

  • 収支内訳書
  • 青色申告決算書
  • 譲渡所得の内訳書
    など

作成方法については、下記のとおりです。

  • 手順1 「確定申告書作成コーナー」にアクセスし「作成開始」をクリック/タップ
  • 手順2 事前の質問に答える&提出方法を選択する
  • 手順3 事前に用意した資料を見ながら、自分の収入や控除について、該当するものをガイドラインに従って入力する
  • 手順4 内容を確認して印刷またはそのままオンライン提出する

手順2の「提出方法の選択」についてですが、どの方法を選ぶべきかは次の章で解説しています。早速申告書を作りたいという人は「ステップ5 期限までに書類を税務署に提出する」をご覧くださいね。

また、確定申告書作成コーナーの詳しい使い方については以下の記事で、作業画面の画像付きで解説しています。

② 確定申告ソフトの無料体験版を使ってみる

市販の「確定申告ソフト」は確定申告書作成コーナーよりももっとサービスが手厚く、チャットやメールでサポートを受けることできます。

有名なところでいうと以下の3つで、いずれも「無料体験」が可能です。確定申告書作成コーナーで作るのが難しそうだと思った人は、試してみてもよいでしょう。経理の機能もありますから、個人事業主デビューした人は特に、一度使ってみることをおすすめします。

無料体験ができる確定申告ソフト

やよいの青色申告オンラインは1年間じっくり無料でお試しできます。Freeeとマネーフォワードはそれぞれ30日間・1ヶ月と弥生より少し短いですが、無料でもメールやチャットでのサポートを受けることができ、申告書の提出まで行うことが可能です(マネーフォワードは一部の書類を除く)。

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確定申告書を手書きで作成したい場合は?

ネット環境がある方には申告書のオンライン作成をおすすめしていますが、もちろん手書きで確定申告書を作成することも可能です。

下記の記事で書き方を図解で説明しています。

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ステップ5 期限までに書類を税務署に提出する

作成した申告書の提出方法は、下の3つから選べます。

  • 自分で税務署にもっていく
  • 郵送する
  • オンラインで提出する(e-Tax)

確定申告の期間は通常2/16~3/15(土日祝がかぶる場合はずれ込む)ですが、特殊な条件がある年もあるので提出期限は毎年確認が必要です。

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初めての確定申告ではどの提出方法を選ぶべき?

「オンライン提出できる人はそれが一番便利じゃない?」とお思いの方も多いでしょう。

税務署は基本的に平日開庁ですから確定申告期間中に平日休みをとるのが難しい人にとっては特に、オンライン提出が魅力的にみえるのではないでしょうか。

けれど、「印刷した書類を税務署にもっていく」のにもメリットはあります。

「確定申告書作成コーナー」や「確定申告ソフト」は確かに便利ですし、手書きよりはミスが少ないことは確かです。けれど「自分一人で作る」ことに変わりはありません。そう思うと「申告書にミスがないか心配……」とは思いませんか?

確定申告ソフトの場合、プランによりますが電話やメール、チャットなどでサポートを受けられますから、そこまで不安にならないかもしれません。確定申告書作成コーナーでも、入力値に矛盾がある場合はエラーメッセージで知らせてくれることもありますが、100%ではありません。

冒頭で「確定申告は、ケースによってやらないと納税義務に反したペナルティを食らったり、税金を払いすぎて損したりする」とお伝えしましが、間違った内容で申告をしてそのまま確定申告期限を過ぎてしまった場合にも同じことが言えます。

「わざとじゃないけど本来より税金を少なく払ってた」なんて場合は悪気がなくても延滞税がかかってしまうし、逆に「多く払ってた」という場合も「誰かが気付いて払いすぎた分を返してくれる」という事はないのです。

税務署の窓口では書類を簡易的に確認してくれる

ですから、オンライン作成した書類を印刷して税務署にもっていって、提出の時に税務署の職員さんに簡単に確認してもらうというのは1つの手なのです。

ただし、悩ましいのがコロナの影響です。

人が集まる確定申告会場に行くのは不安という人もいるでしょう。実際、国税庁もオンラインでの提出(e-Tax)を推奨していて、申告内容に不安がある人のために、電話相談なども受けつけています。この辺りは個人の判断になるでしょう。

もちろん、税務署でも感染症予防の対策は取っています。その一環で、税務署(確定申告会場)への入場整理券を配布しています。当日に会場で整理券を貰う方法と、LINEで事前にもらう方法もあります。

また、当日の持ち物については下記の記事にまとめてあります。

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オンライン提出ができない人・税務署に行くのが難しい人は郵送で

オンライン提出の環境がそろっていない場合や、税務署に提出に行くのが難しい場合は郵送で確定申告を行いましょう。

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ステップ6 納税が必要な人は期限までに納税する

最後は「納税」と「還付」についてです。

確定申告の結果、還付が受けられることになった人(税金を払いすぎていた人)は、確定申告書に記入した口座に還付金が支払われるのを待てばOKですが、納税が必要になった人は確定申告の期間が終わるまでに納税手続きをしないといけません。

納税方法にはいくつかの方法があります。

  • 現金による納付
  • 口座振替による納付
  • e-Taxによる納付(ダイレクト納税・インターネットバンキング納税)
  • クレジットカード納付
  • QRコードによるコンビニ納付

「どれを選ぶべき?」というところでは、ポイント還元を受けられるクレジットカードによる納付をおすすめします。

それぞれの方法の詳しい手順は下記の記事で解説しています。

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最後に

いかがでしたでしょうか。今回は「初めての確定申告」のためのガイドラインをお送りしました。確定申告では書類の準備などに時間がかかるケースもありますので、できるだけ余裕をもって準備しましょう。

なお、確定申告で間違った内容を申告してしまった場合については下記の記事で解説しています。

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確定申告の流れは?

初めての確定申告は次のような流れで行うのがおすすめです。

  • ステップ1 利用できる控除を確認する
  • ステップ2 確定申告書の作成に必要な資料と添付書類を集める
  • ステップ3 申告書の作成方法を決める
  • ステップ4 申告書を作成する
  • ステップ5 期限までに書類を税務署に提出する
  • ステップ6 納税が必要な人は期限までに納税する

確定申告書の作成に必要な書類は?

確定申告書の作成方法にはいくつかありますが、いずれにしても以下の書類が必要になります。

  • 自分の1年の収入がわかるもの……源泉徴収票、支払調書など
  • 自分のマイナンバーが分かるもの……マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーつき住民票
  • 自分が利用する控除の証明書……利用する控除による
  • 還付金を振り込んで欲しい口座の番号が分かるもの……通帳など
    ※振込先に公金受取口座を指定する場合は不要です
  • 経費を証明できる物(個人事業主)……領収書・レシート等
服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
服部 貞昭 プロフィール この監修者の記事一覧
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