【2024年版】確定申告はスマホで!やり方と注意点を徹底解説

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スマホ 確定申告

税務署に行かずに、確定申告を自宅などからオンラインで済ませる方が年々増えています。

パソコンだけでなく、スマホでも作業ができるため、ちょっとしたすきま時間で確定申告を済ませることもできるようになりました。

この記事では、スマホでの確定申告のやり方を紹介します。

この記事がおすすめの方!

  • 確定申告をスマホで行いたい方
  • スマホ確定申告のメリットを知りたい方
  • 確定申告をスマホで行う具体的な手順を知りたい方

なお、記事が大変長くなっておりますので、すぐにスマホで「確定申告書等作成コーナー」の使い方を知りたいという方はこちらからご覧ください。

1.スマホで確定申告をする方法とは

(1)スマホで申告ができる対象者&内容

スマホで確定申告ができる対象者はどんどん拡大しています。

【スマホで申告できる収入】

  • 給与所得:会社員、公務員、パート、アルバイト、派遣などの給料
  • 事業所得(※):フリーランス・個人事業主
  • 不動産所得(※):大家
  • 雑所得:年金、副業収入(FX、株、原稿執筆FXなど)
  • 一時所得:宝くじ、競馬、満期保険金など
  • 上場株式等の譲渡所得・配当所得(損失の繰り越しを含む)

※確定申告書作成コーナーで青色申告決算書・収支内訳書を作成する場合のみ

【所得・税額控除】

  • 全ての所得控除
  • 政党等寄付金特別控除
  • 災害減免額
  • 外国税額控除
  • 予定納税額
  • 本年分で差し引く繰越損失額

ここで注意点ですが、「上記以外の収入」に該当する収入がある方はスマホ画面からPC用の画面になり、PC用の画面で入力することになります。

よってスマホで行うことはできますが、スマホでPC用の画面を入力することは大変面倒なので、もし該当する場合はPC上の「確定申告書作成コーナー」を利用するとよいでしょう。

PC版の「確定申告書等作成コーナー」の使い方が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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※上記以外の収入一覧
・利子所得
・配当所得
・総合課税の譲渡所得
・土地建物等の譲渡所得
・先物取引に係る雑所得等(損失の繰り越しのみの場合を含む)
・山林所得
・退職所得

(2)スマホで確定申告書類を「作成」する

確定申告の主な作業は、「申告書の作成」と「申告書の提出」に分けられます。

この「作成」と「提出」の2つのプロセスのうち、まずは「作成」について説明します。

スマホで確定申告書を「作成」できるのは、次の2通りの方法です。

会計ソフトの「やよいの青色申告オンライン」や「マネーフォワード(MF)クラウド」、「Freee」などは、スマホで確定申告書を作成できます。

このなかで「Freee」「マネーフォワード(MF)クラウド※」であればスマホで提出まで対応可能です。

また、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でも、同様に申告書作成が可能です。

※一部未対応の申告書があります。詳細はこちらをご確認ください。

(3)スマホで「提出」する

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にて作成した確定申告書類は、スマホで「提出」することが可能です。

スマホで提出する場合は、次の2通りの方法があります。

  • マイナンバーカードを利用する(マイナンバー方式)
    ※マイナンバーカードの読み取りに対応しているスマホ、あるいはICカードリーダーが必要です
  • 税務署で取得したIDとパスワードを利用する(ID・パスワード方式)

マイナンバー方式であれば、対応機種のICカードリーダーもしくはマイナンバーカード読み取り対応のスマホが必要です。

対応機種かどうかは、国税庁のHPにて「スマートフォンの推奨環境」と「マイナンバーカードに対応したスマートフォン機種一覧」で確認できます。

対応機種でない場合でも、ID・パスワード方式で「提出」まで可能です。ただし、事前に税務署でIDとパスワードを取得する必要があります。

こちらはマイナンバーカード方式が普及するまでの暫定的な措置のため、サービスが終了することもあるため注意が必要です。

※参考:国税庁「e-Taxソフト(SP版)を利用するに当たって
※参考:国税庁「マイナンバーカードに対応したスマートフォン機種一覧

2.スマホで申告書作成だけも可能

スマホで確定申告書類を提出する場合は「マイナンバー方式」の場合はマイナンバーカードとICカードリーダー/マイナンバーカード読み取り対応のスマホが、「ID・パスワード方式」の場合は税務署に行きID・パスワードを発行してもらう必要があります。

そういった手間をかけてまでスマホで提出することにメリットを感じないという方は、スマホで「作成」まで行うことがおすすめです。

確定申告書類を作成するには「会計ソフト」を利用する方法と「確定申告書等作成コーナー」を利用する方法の二つがあります。

ここで気になるのが、どちらを利用するのが自分に合っているのか、といったことだと思います。

判断基準として以下の二点になります。

  • 確定申告に慣れているか
  • 今後確定申告だけではなく、日々の経費記録も行いたいか

確定申告に慣れているか

まず、確定申告に慣れているかどうかですが、確定申告に慣れていない方は会計ソフトを利用することをおすすめします。

なぜなら確定申告書等作成コーナーは手書きの確定申告書を電子版にしたようなものなので、確定申告に慣れていない方がゼロから入力するのは難しいといえます。

しかし、会計ソフトを利用する場合であれば、質問に答えるだけで確定申告書類が作成することができたり、もしわからない場合は質問すれば答えてくれるサポート体制も充実しています。

そのため、確定申告に慣れていない方であれば会計ソフトを利用したほうがスムーズに確定申告を終わらせることができるでしょう。

確定申告だけではなく、今後経費記録も行いたいかどうか

次に確定申告だけではなく、今後経費記録も行いたいかどうかです。

経費記録を行いたくない、もしくは経費計算は別の確定申告ソフトやツールを使っているといった場合では確定申告書等作成コーナーを利用したほうがいいでしょう。

というのも、確定申告書等作成コーナーはあくまでも確定申告書類を作成することに特化したツールなので確定申告書類を作成すること以外は行うことができません。

そのため、確定申告だけ行いたいといったことであれば確定申告書作成コーナーを利用するのがよいでしょう。

反対に、確定申告書類の作成だけではなく、今後の経費記録も行いたいという場合であれば会計ソフトを利用するのをおすすめします。

また、会計ソフトを利用することによって、次回の確定申告から日々入力した金額から確定申告書類を作成してくれるので、来年からは確定申告書類を作成する手間が省けるでしょう。

3.スマホで確定申告を行うメリットとは

ここでは、スマホで確定申告するメリットを4つ紹介します。

時間や場所に左右されない

スマホで確定申告する一番のメリットは、時間や場所にとらわれず、いつでもどこでも確定申告ができることです。

e-Taxでの電子申告なら、土日祝日に関係なく、24時間好きな時に提出できます(メンテナンス等が入ることもあります)。

計算ミスや入力漏れが少なくなる

スマホ確定申告では、収入を入力すると、一部の所得や税金を自動的に計算してくれますので、計算ミスはほとんどなくなります。

数値の入力についてもマイナポータル連携で省略できるものが多いです(医療費、ふるさと納税の寄付金額など)。

また、指示に従って入力していけば、入力漏れも少なくなります。

修正や確認を簡単に行える

スマホであれば、間違いの修正や確認がその場ですぐに完了します。

手書きであれば、間違えると修正や書き直しを気をつけなければなりませんが、スマホであれば修正も簡単です。

添付書類の提出が不要

e-Taxの場合、源泉徴収票や保険料控除証明書などの添付書類を提出する必要はありません。

書類を集め、印刷する手間も省けます。しかし、提出を省略した添付書類は、税務署から提出を求められることもあるので、法定申告期限から5年間は保存が必要です。

還付がスピーディーに受け取れる

e-Taxで還付申告をした場合は、通常より早く還付金を受け取ることができます。

スマホで申告をすることで、作成から提出までの時間も短縮でき、さらに還付まで早く受け取れるなどメリットが多いといえるでしょう。

4.スマホで確定申告を行う手順

ここでは、スマホで確定申告をするときの手順(STEP)を具体的に紹介します。

(1)確定申告書等作成コーナーを利用し書類の作成のみを行う場合

PC画面に遷移した場合、PC版の確定申告書等作成コーナーを利用するのと変わらないため、今回はスマホ専用画面の場合のみに限定しています。

利用前の確認

まずは利用前の確認です。
以下でいくつかの質問に答えることによって、スマホ専用の画面のみで確定申告書作成コーナーが利用できるのかがわかります。

本人確認と利用規約の確認

本人確認と利用規約に同意し、次に進みます。

収入・所得金額の入力

質問に答えた結果、問題がなければスマホ専用画面のまま、収入・所得金額を入力していきます。

確定申告 スマホ5

給与所得の記入例

次に、手元に源泉徴収票を用意し、「+」をタップして入力していきます。

複数ある場合は一枚ずつ入力してきます。

源泉徴収票をスマホのカメラで撮影することで画像から自動で読み取りをすることも可能です。また、令和6年から、マイナポータル連携によって源泉徴収票の情報を取得することも可能になります(勤め先が税務署にe-Taxで源泉徴収票を提出している方のみ)。

給与所得の入力(源泉徴収票の入力)

この画面では、源泉徴収票に書いてある内容を転記していきましょう。

記入する項目は以下の記入する項目は以下のA~Lで、全て源泉徴収票から転記すれば問題ありません。

  • A 支払い金額
  • B 源泉徴収額
  • C (源泉)控除対象配偶者の有無等
  • D 控除対象扶養親族の数の記載
  • E 社会保険料等の金額
  • F 生命保険料の控除額の記載
  • G 地震保険料の控除額の記載
  • H 住宅借入金特別控除額の記載
  • I 所得金額調整控除額の記載
  • J 「本人が障害者」、「寡婦・ひとり親」、「勤労学生」のいずれかの記載
  • K 支払者:住所(居所)又は所在地
  • L 支払者:氏名又は名称

源泉徴収票

なお、入力の際にはこちらの源泉徴収票をご確認ください。

控除の入力

ここでは各種控除の入力を行います。
2ページ分あるので自分が該当する項目について、抜けがないように入力しましょう。

控除の入力①

控除の入力②

住民税に関する項目の入力

ここでは住民税に関する項目を入力していきます。

該当する方は忘れずに入力していきましょう。

納税・還付金額

この画面では今まで入力してきた金額に基づいて、還付もしくは納付金が表示されます。

基本情報の入力

本人情報や現住所などを入力していきます。

本人情報の入力

現在の住所の入力

マイナンバーの入力

マイナンバーは番号通知カードでも確認することができるので、必ず入力しましょう。

申告書の印刷手順

印刷後の作業

最後に自分が選択した提出方法によってどんな作業が必要になるのかが記載されています。
申告書は作成して終わりではなので、必ず申告まで終えましょう。

(2)確定申告をID・パスワード方式で行う場合

確定申告をID・パスワード方式で行う場合は、まず確定申告書等作成コーナーにて、上記で説明した「書面で提出」ではなく「e-Tax(ID・パスワード方式)」にチェックを入れましょう。

すると以下のような画面が現れますので、税務署で発行してもらった番号を入力します。

その後以下のように確認画面に遷移しますので、次へをタップし先ほど説明した「確定申告書等作成コーナーを利用し書類の作成のみを行う場合」を参照しながら確定申告書の作成を進めていきましょう。

 

(3)確定申告をマイナンバー方式で行う場合

令和3年1月からスマホで確定申告を行う際に必要となるアプリが一つになりました。iPhone・android共に、「マイナポータルAP」をダウンロードし、確定申告を進めましょう。

手順は以下の通りです。

  • アプリをインストールする
  • マイナンバーカードを読み取る
  • 申告書を作成する

マイナンバー方式での確定申告については以下の記事をご確認下さい。

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まとめ

2023年は、スマホで確定申告ができる対象者の幅も広がり、全ての所得控除も申告できるなど、昨年に比べてより一層便利なシステムとなっています。

スマホであれば、いつでもどこでもちょっとした隙間時間に、確定申告の手続きを進められます。
日頃から忙しいビジネスマンにとって、大変利用しやすいシステムといえるのではないでしょうか。

「確定申告期間は1ヶ月間あるから」と油断していると、あっという間に申告期限になってしまいます。
とりあえず、スマホで確定申告に取りかかることが大事といえそうです。

よくある質問

スマホの確定申告は誰でも利用できる?

スマホの確定申告では以下のような所得の申告が可能です(一部のみ抜粋)。他の所得がなければ、スマホ確定申告が可能です。

  • 給与所得
  • 雑所得
  • 事業所得/不動産所得
  • 上場株式の譲渡所得

詳しくは、こちらをご覧ください。

スマホで確定申告をするメリットは?

スマホ確定申告には次のようなメリットがあります。

  • 時間や場所に左右されない
  • 計算ミスや入力漏れが起きにくい
  • 添付書類の提出が不要

詳しくは、こちらをご覧ください。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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