確定申告マイナンバーカード方式のメリット、マイナポータル連携方法

マイナンバーカード

e-Tax(オンライン申告)を利用した確定申告のやり方には、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2通りの方法があります。

それぞれの方法を簡単に紹介したうえで、今回は、マイナンバーカードを使って自宅から電子申告を行うメリットと、マイナポータル連携方法を解説します。

1.e-Taxを使った確定申告

e-Taxを利用する場合は、「申告しているのが確実に本人かどうか」を確認するために個人認証を行うことが必要です。
個人認証には次の2つの方法のどちらかを使います。

  • マイナンバーカードを使った「マイナンバーカード方式
  • マイナンバーカードを使わない「ID・パスワード方式

マイナンバーカードを使った「マイナンバーカード方式」

マイナンバーカードを使って本人確認を済ませます。
この記事のメインテーマですので、次章で詳しく説明します。

マイナンバーカードを使わない「ID・パスワード方式」

ID・パスワード方式の場合は、e-Taxを利用する前に、事前にID・パスワードを取得する手続きが必要です。

運転免許証などの本人確認書類をもって税務署に出向き、e-Taxの開始届出書を提出すれば、ID・パスワードを発行してもらえます。
このID・パスワードを使用してe-Taxにログインして、確定申告を行います。

この記事では解説しませんので、詳しく知りたい方は以下の関連記事をご覧ください。

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【参考】国税庁

2.確定申告のマイナンバーカード方式のメリット・デメリット

個人認証にマイナンバーカードを使う方法を「マイナンバーカード方式」と言います。マイナンバーカード方式の特徴やメリット・デメリットについて見ていきます。

(1)マイナンバーカード方式のメリット

「ID・パスワード方式」と比較した「マイナンバーカード方式」のメリットを見ていきます。

①ID・パスワードの入手や管理が不要

マイナンバーカードを持っていれば、すぐにe-Taxを始めることができます。

一方、「ID・パスワード方式」では、e-Taxを使い始める前に税務署に出向いて、ID・パスワードを発行してもらう必要があります。
また、次年度以降も同じIDを使いますので、忘れないように厳重に管理しないといけません。

②将来性

国税庁では、「ID・パスワード方式は、マイナンバーカード及びICカードリーダーが普及するまでの暫定的な対応」との扱いです。
将来的には、ID・パスワード方式を廃止なし、このマイナンバーカード方式に統一していく方針のようです。

将来性を考えると、マイナンバーカード方式のほうが良いと考えられます。

(2)マイナンバーカード方式のデメリット

①マイナンバーカードが必要

当たり前ではありますが、マイナンバーカードが必要となります。
現在マイナンバーカードがない場合は、役所で発行してもらう必要があり、手間がかかります。

②マイナンバーカードを読み込む機器が必要

マイナンバーカードを読み込む機器として、「ICカードリーダー」や「マイナンバーカード読取り対応スマホ」が必要です。

パソコンで申告する方は「ICカードリーダー」、スマートフォン・タブレットで申告する方は、「マイナンバーカードを読み取れるスマホ」を利用します。
※マイナンバー読み取りに対応したスマートフォンはこちらをご覧ください。

といっても、最近は、ほとんどの人がスマートフォンを持っており、近年発売されたスマートフォンであれば対応していますので、そこまでデメリットとはいえないかもしれません。

3.マイナポータル連携の方法

マイナポータルとは、政府が運営するオンラインサービスで、子育てに関する行政手続がワンストップで利用できたり、行政機関からのお知らせが確認できたりするサービスです。

このマイナポータルには、「もっとつながる」機能というのがあり、この機能を利用してe-Taxと連携させると、医療費控除などのデータを取り込むことができ、入力する必要がなくなり便利です

マイナポータル連携方法を、画面を使って解説していきます。

【参考】マイナポータルサイト

事前準備①マイナンバーカードの取得

マイナンバーカードを持っていない方は、まず、マイナンバーカードを入手する必要があります。
マイナンバーカードは、お住まいの市区町村に申請して入手します。
カード発行まで、通常1ヶ月程度、混雑している場合はそれ以上かかりますので、確定申告に間に合うように、余裕を持って申請しましょう。

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事前準備②マイナポータルの利用者登録

マイナポータルを初めて利用する方は、最初に利用者登録する必要があります。

PCの場合、マイナポータルにアクセスし、画面中段ほどの「利用者登録/ログインして使う」から利用者登録をします。

スマートフォンの場合は、ブラウザ以外にもマイナポータルアプリ(マイナポータルAP)からも利用者登録が可能です。

ログインの手順はマイナポータルサイトで詳しく解説しています。

【参照】マイナポータル

(1)マイナポータルとe-Taxの紐づけ

マイナポータルとe-Taxを紐づけることにより、マイナポータル経由でe-Taxが使えるようになり、確定申告を行うことができます。

マイナポータルとe-Taxを紐づける方法は、パソコンとスマートフォンを使う場合で異なります

パソコンとスマホそれぞれの設定方法を説明します。

(2)パソコンを利用する場合

①「ICカードリーダー」またはマイナポータルに対応したスマホの準備

ICカードリーダーがない場合、スマホやタブレットでQRコードの読み込みをすればマイナポータルへのログインが可能です。

②マイナンバーカードでマイナポータルにログインする

パソコンやタブレットでマイナポータルにログインする場合、次の3つの方法があります。

  • ICカードリーダーライターでマイナンバーカードを読み取る
  • マイナポータルアプリをインストールしたスマホでマイナンバーカードを読み取る
  • マイナンバーカードをスマホに搭載する(Android端末のみ)

①のようにカードリーダーを使う方法を選択した場合、ICカードリーダライタをパソコンに接続後、マイナンバーカードをセットしてカードの読み取りを行います。ただしその前に、マイナポータルアプリをダウンロードして、ブラウザ拡張機能をインストールする必要があります。

②③のようにスマホを利用する方法を選択すると、画面の下の方に「QRコードを表示する」というボタンが出てきますので、そちらをクリックしてQRコードを表示しましょう。

つづいて、スマホのマイナポータルアプリを起動し、画面の一番下にある「読み取り」というボタンをタップします。スマホのカメラが起動するので、PC画面に表示されているQRコードを読み取りましょう。それから、スマホ画面に出てくる案内に従い、暗証番号入力とマイナンバーカードの読み取りを行えばログインは完了します。

③マイナポータルとe-Taxをつなげる

ログイン後、PC画面をスクロールして、「サービス一覧」の中から「もっとつながる」をクリックします。

マイナポータルと連携できるウェブサイトの一覧が出てきますので、その中から「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」をえらんで、「つなぐ」のボタンをクリックしましょう。

その後、同意確認のページで「同意」をクリックします。

④アカウント登録用情報の送信
  • マイナンバーカードとICカードリーダーを使って、必要事項を読み取ります。
  • 読み取り内容を確認し、送信します。

⑤e-Taxの設定を行い、利用を開始する

e-Taxに移動し初期設定(事前準備セットアップ)を行います。
これで、マイナポータル経由でe-Taxを利用することができるようになります。

下記の記事で、実際に初期設定を行った画面を利用し説明しています。併せてご覧ください。

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【参考】国税庁

(3)スマートフォンを利用する場合

①「マイナンバーカード読取り対応スマホ」を準備
  • スマホを使う場合は、マイナンバーカードが読み込める「マイナンバーカード読取り対応スマホ」を準備します。
    ※下記の手順は「iPhone」を例に説明しますが、「Android端末」でも基本的に同じです。
②マイナポータルAPでマイナポータルにログインする
  • App Store から「マイナポータル AP」をインストールした後、マイナンバーカードをスマホで読み取ってログインします。
    ※この時マイナンバーカードの「利用者証明用電子証明書パスワード(カード発行時に設定した4桁の数字)」が必要になります。

初めてログインする場合は、マイナンバーカードを使用した利用者登録が必要になります
なお、android端末の場合はGoogle Playからダウンロードします。

③マイナポータルとe-Taxをつなげる
  • ログイン後、マイナポータルトップページ下部の「もっとつながる」を選ぶと連携できるサイトの一覧が出ます。

  • 「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」を選んで「つなぐ」をクリックします。
  • その後、同意確認のページで「同意」をクリックします。

④アカウント登録用情報の送信
  • マイナンバーカードとスマホを使って、必要事項を読み取ります。
  • 読み取り内容を確認し送信します。

⑤e-Taxの設定を行い、利用を開始する(サービスメニューからe-Taxソフト(SP版)を利用)

e-Taxに移動し、パソコンの場合と同様に初期設定を行います。
これで、マイナポータルと連携してe-Taxを利用することができるようになります。

4.よくある質問

ここでは、マイナンバーカードを使ってe-Taxを利用する上で、疑問に思っている点、よくある質問について見ていきます。

通知カードならあるんだけど、代用できる?

パソコンやスマホでマイナンバーカードを読み込む必要がありますので、通知カードでは代用できません
マイナンバーカードを入手しましょう。

そもそも、電子申告(e-Tax)の何がいいの?

e-Taxを利用した時のメリットには、次のようなものがあります。

  1. 24時間いつでも、どこからでも、パソコンやスマホから、自分の都合に合わせて確定申告ができる。
  2. 一般的な確定申告の期間(原則2月16日から3月15日まで)より早く、1月初旬から確定申告ができる。
  3. 還付申告の場合は、確定申告の手続き後、確定申告期間の前であっても、順次処理されて早く還付される。還付申告でない場合は、2月16日までの受付分は2月16日の受付として処理される。
  4. 提出書類を省略できる場合がある。(医療費の領収書、生命保険料控除の証明書など)
  5. 条件を満たした青色申告の特別控除が65万円となる。e-Taxを使わない場合は55万円に減額される。
  6. 確定申告ソフトと連携して使うことにより、より簡単に申告でき、より省力化できる。

特に、青色申告の個人事業主にとっては、「5.条件を満たした青色申告の特別控除が65万円」が大きなメリットです。

マイナンバーカードを読み取れるスマホの機種は?

スマホを使う場合は、マイナンバーカードが読み取れるスマホを準備する必要があります。

該当のスマホ機種については、こちらをご覧ください。

【参考】マイナポータル:よくあるご質問

電子証明書って何?

電子証明書とは、信頼できる第三者(認証局)が間違いなく本人であることを電子的に証明するもので、書面取引における印鑑証明書に代わるものです。
悪者による「なりすまし」を防止して、間違いなく自分本人であることを証明する事ができます。

マイナンバーカードにはICチップが組み込まれており、このICチップに「電子証明書」が記録されています。
ただし、マイナンバーカードが悪者に渡ってしまうと悪用されてしまいますので、使用においては、パスワードを入力する必要があります。

マイナンバー電子証明書の詳細については、下記記事をご覧ください。

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マイナンバーカードの発行時に「電子証明書」という言葉を耳にしませんでしたか。 同じくカードの発行のときに電子証明書の…[続きを読む]

確定申告でマイナンバーカード方式のメリット・デメリットは?

メリットは、マイナンバーカードを持っていればよく、ID・パスワードが不要なことです。

デメリットは、マイナンバーカード所得に手間がかかることと、マイナンバーカードを読み込み機器が必要なことです。

詳しくは、こちらをご覧ください。

マイナポータル連携すると何がいいの?

マイナポータル連携することで、医療費控除などのデータを取り込むことができ、入力する必要がなくなります。詳しくは、こちらをご覧ください。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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