確定申告にマイナンバー、マイナンバーカードは必要?

確定申告 マイナンバー

この記事では、確定申告にマイナンバー・マイナンバーカードは必要なのか、マイナンバーカードがない場合はどうすればいいのかについて解説します。

1.確定申告にマイナンバーは必要?

(1)確定申告にマイナンバーは必要

確定申告書にはマイナンバーを記入する欄があり、マイナンバーの記載が義務付けられています

e-Taxを利用する場合でも、郵送で申告書を提出する場合でも変わらずマイナンバーが必要です。

(2)マイナンバーがわからない時の確認方法

マイナンバーがわからない場合は、次の2通りの方法で確認することができます(マイナンバーカードがなくても大丈夫です)。

通知カード・個人番号通知書を確認する

マイナンバーカードの発行は任意ですので、カードを申請していない場合は手元にないでしょう。

ですが、マイナンバーカードを発行していない方にも、通知カード、あるいは個人番号通知書は送付されているはずです。

通知カードや個人番号通知書は住民登録された住所に送られます。

これらの書類でマイナンバーを確認することができます

なお現在は通知カードは廃止されており、通知カードの再発行はできません。

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通知カード(新宿区HPより画像引用)

マイナンバーが記載された住民票を発行する

マイナンバーは住民票に記載されています。

住民票を市町村役場で発行してもらい、マイナンバーを確認するというのもひとつの方法です。

マイナンバーを記載するかは、住民票の発行を申請するときに選択します。マイナンバー記載の住民票が欲しい場合はその旨を役所で伝えましょう。

※マイナンバー記載の住民票のサンプル

住民票 マイナンバー

(3)マイナンバーを書かないで確定申告するとどうなる?

先ほど説明した通り、マイナンバーを記載して確定申告書を提出することが義務付けられています。

それではマイナンバーを書かないで確定申告書を提出した場合は、確定申告が認められないのか疑問に思う方もいると思います。

「申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号を記載していない場合、税務署等で受理されないのですか。」という質問に国税庁は以下のように回答しています。

税務署等では、社会保障・税番号<マイナンバー>制度に対する国民の理解の浸透には一定の時間を要する点などを考慮し、申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合でも受理することとしていますが、マイナンバー(個人番号)・法人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出してください。
なお、記載がない場合、後日、税務署から連絡をさせていただく場合があります。
ただし、その場合でも、税務職員が電話で直接マイナンバー(個人番号)を聞くことはありません。

結論としては、マイナンバーを記載しないで確定申告書を提出したとしても、確定申告の手続きについては問題なく税務署で行われます。

マイナンバーの記載は義務ではありますが、特に罰則等があるわけではないのです。確定申告は認められ、還付金が返ってくる還付申告の場合でもきちんと還付されます。

ただ、特に理由がなければマイナンバーを記入しましょう。

【参考】国税庁

(4)準確定申告は相続人のマイナンバーが必要

所得税の確定申告の対象になる方が1年の途中で亡くなると「準確定申告」が必要となります。

準確定申告では相続人のマイナンバー(個人番号)を記載しなければなりません。相続人が複数いる場合は全員分のマイナンバーの情報が必要になります。

準確定申告については関連記事で解説していますので併せてご確認ください。

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2.確定申告にマイナンバーカードは必要?無くても申告できる?

先ほど説明した通りマイナンバーの記載は義務ですが、マイナンバーカードがなくても申告はできます。

(1)マイナンバーカードを利用した確定申告

確定申告では、確定申告書を文書で提出する方法とオンライン上で申告する方法(e-Tax)があります。

そのうちe-Taxには、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」があります。

  • マイナンバーカード方式:「マイナンバーカード」と「ICカードリーダライタ、又は対応のスマートフォン」を利用
  • ID・パスワード方式:事前に税務署で取得したIDとパスワードを利用

「マイナンバーカード方式」で申告する場合にその名の通りマイナンバーカードが必要となります。

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(2)マイナンバーカードがなくても確定申告する方法はある

マイナンバーカード無しで確定申告する方法は以下の2つです。

  • 確定申告を書類で提出する
  • e-Taxの「ID・パスワード方式」で申告する

この場合、マイナンバーの記載だけで十分です。マイナンバーカード自体が必要になるわけではありません。

ID・パスワード方式を行うためには、税務署に1度訪れてIDとパスワードを発行してもらう必要がありますが、マイナンバーカードもICカードリーダもなしで確定申告できます。

詳しくは以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。

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(3)確定申告でマイナンバーカードを利用したほうがいい理由

マイナンバーカードがなくても確定申告は可能ですが、あったほうが便利なことに変わりはありません。マイナンバーカードがあれば税務署に一度も行かずに確定申告の手続きが全てオンラインで完了しますし、各種入力も簡単になります。

ID・パスワード方式は暫定措置

「ID・パスワード方式」でもe-Taxは利用できますが、この方法はマイナンバーカードが普及するまでの暫定措置です。

今後「ID・パスワード方式」は廃止され「マイナンバーカード方式」に一本化されることが検討されています。

つまり、そのうち「ID・パスワード方式」は使えなくなって、どのみちマイナンバーカードがないとe-Taxを利用できない……という日が来る可能性があるという事です。

ふるさと納税、医療費控除の控除額の自動入力が利用可能!

マイナンバーカードがあると、「マイナポータル連携」の設定が可能です。

この設定をすると、確定申告に必要なデータや控除証明書をオンラインで取得し、自動で申請書に反映することができます。

マイナポータル連携で取得できるのは、具体的には以下のデータです。

  • 医療費控除の証明書(令和3年分から)
  • ふるさと納税の証明書(令和3年分から)
  • 株式の特定口座の年間取引報告書
  • 住宅ローン控除関係の証明書
  • 生命保険料控除の証明書(令和2年分から)
  • 地震保険料控除の証明書(令和3年分から)

医療費やふるさと納税の控除金額をいちいち計算しなくていいし、入力も簡単になります!

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給与所得の入力も楽々!

マイナンバーカードがあれば、会社から発行された源泉徴収票をスマホで撮影するだけで、給与収入や給与所得などが確定申告書類に自動で反映させることができますので、いちいち源泉徴収票を見ながらひとつひとつ数字を入力・記入する必要がありません。

e-Taxのメッセージボックスが使える

e-Taxでは、メッセージボックスで確定申告の申告データや処理状況、還付金の振込日などが確認できるようになっています。

ただし、e-Taxのメッセージボックスの閲覧にはマイナンバーカードを発行するときに設定する暗証番号が必要になります。

マイナンバーカードがあれば、メッセージボックスを利用できるため便利です。

青色申告特別控除を満額利用できる

平成30年度の税制改正により、2021年(2020年分)の確定申告から青色申告特別控除額が変更になりました。

今までは、青色申告すれば「65万円の控除」を受けることができましたが、改正後はこの控除額が「65万円、55万円、10万円」と3種類にわけられます。青色申告でもe-Taxではなく文書による申告であれば、控除額は55万円に減額されます。

e-Taxで申告すれば従来どおりの65万円の控除を受けることが可能ですので、この点からもマイナンバーカードを利用した確定申告がおすすめです。

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3.まとめ

確定申告にはマイナンバーは必須ですが、必ずしもマイナンバーカードが必要というわけではありません。

しかし、確定申告に慣れてくれば、「e-Taxのマイナンバーカード方式」で申告するのが一番簡単なやり方だと思います。

また、将来的にマイナンバーカードでは健康保険証としての利用免許証との一体化などが想定されています。
まだマイナンバーカードを発行してない人は、発行を検討してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

確定申告にマイナンバーは必要?

確定申告書にはマイナンバーを記入する欄があり、マイナンバーの記載が義務付けられています。詳しくは、こちらをご覧ください。

確定申告にマイナンバーカードは必要?

確定申告書では、マイナンバーカードがあると、e-Taxで申告することができ便利です。しかし、マイナンバーカードがなくても確定申告は十分に可能です。詳しくは、こちらをご覧ください。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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