マイナンバーカードを運転免許証代わりに!スマホ連携も

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2022年10月13日、政府は、2024年秋、今の健康保険証を廃止して、マイナンバーカードに統合する予定であると発表しました。運転免許証についても、廃止とまでは言及していませんが、マイナンバーカードに統合する予定です

日常的に運転しなくても、運転免許証を身分証明書代わりに利用している人も多いと思いますが、将来的に、慣れ親しんだ運転免許証が使えなくなるかもしれません

1.マイナンバーカードが運転免許証代わりに

マイナンバーカードを普及させるために、マイナンバーカードを運転免許証としても使えるようにします。

実は、すでに2021年3月から、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになってはいます

さらに運転免許証としても利用できるようにすることによって、マイナンバーカードの利便性を高める狙いがあります。

運転免許証に限らず、各種国家資格証や、中長期間在留する外国人に発行される在留カードなどもマイナンバーカードとの一体化が検討されています。

2020年6月23日、マイナンバー制度の普及促進を検討する政府の作業チームの初会合が開かれ、マイナンバーカードを、運転免許証や各種国家資格証、在留カードなどとしても使えるようにするための改正案作成の検討をすると発表しました。

導入時期は、2024年度末としてきましたが、2022年10月13日に政府は、「前倒しできないか、検討を警察庁と一緒に進める」と表明しました。

さらにマイナンバーカードのデジタル化ということで、普及率が高くなっているスマホと一体化することの検討も行われています。マイナンバーのデジタル化を推進することで、運転免許証や国家資格証もデジタル化することを検討しています。

2.運転免許証とマイナンバーカードの統合のメリット

運転免許証とマイナンバーカードが一体になることで、利用者にも警察署にもいくつかのメリットが考えられます。

利用者のメリット

警察署での住所変更が不要に

住所が変わったとき、今までは、市区町村の役所での転入届とは別に、警察署に出向いて住所変更を行う必要がありました。マイナンバーカードであれば、転入届を提出する際に、同時にカード表面の住所変更を行いますので、改めて警察署での住所変更が必要なくなります

免許更新の講習もオンラインで可能

定期的な免許更新の際に、現在は、最寄りの免許更新センターに行って講習を受けていますが、これが、オンラインで受けられるようになります。

警察署のメリット

交通違反者の免許の確認は、マイナンバーカードのICチップに読み取り端末をかざして行います。免許の種類や番号、有効期限などの情報が表示されます。違反者の管理もやりやすくなるでしょう。

3.統合までのスケジュール

各都道府県でバラバラな警察のITシステムを統一する必要があり、共通のクラスドシステムに移行するようです。その後、共通システムとマイナンバーカードのシステムを連携します。

当初は、2026年くらいになると見られていましたが、政府は、なんとしてでもマイナンバーカードを普及させたいと考えていて、2024年秋に前倒しされる予定です。

4.デメリット・リスクは?

マイナンバーカードと運転免許証を統合、そして、マイナンバーカードのデジタル化に伴い、スマホとの一体化が検討されていますが、どのようなデメリットやリスクが考えられるでしょうか。

(1)個人情報が見られてしまうのでは?

マイナンバーカードが、運転免許証にも健康保険証にも、いろいろな用途で利用できるようになると、ICチップに保存される個人情報も増えていきます。

これらの情報が第三者に見られてしまうのではという不安があるかもしれませんが、それぞれの機関で必要な情報のみ読み取り、それ以外の情報にはアクセスできないようにするとしています。

たとえば、警察では免許証の情報のみ読み取り可能にし、病院では、加入している健康保険の情報のみ読み取り可能にします。

(2)マイナンバーカードやスマホを紛失すると運転できなくなる?

マイナンバーカードが運転免許証代わりとなるということは、マイナンバーカードを紛失した場合は、運転免許証不携帯となり、自動車の運転ができなくなってしまうのでしょうか?

もし、マイナンバーカードしか所持していなければ、免許証不携帯となりそうです。運転免許証はまだすぐには廃止されない予定ようですので、しばらくの間は、運転免許証も携帯しておいたほうが良さそうです。

また、マイナンバーカードがスマホと一体化した際に、スマホを紛失した場合も同様です。こちらも、運転免許証を携帯していれば問題ないでしょう。

マイナンバーカード、あるいは、スマホに機能が集約すればするほど、紛失・盗難時のリスクが大きくなりますので、利用者自身がリスク分散を考える必要があるでしょう。

(3)顔写真に関しては?

現在、運転免許証の写真は、免許更新センターで撮影して、そこでカードに貼り付けますので、本人であることは間違いありません。

一方、マイナンバーカードでは、あらかじめ用意した写真を郵送またはオンラインアップロードの形式で申請します。
受け取り時には、原則として本人が市区町村の窓口に行く必要がありますが、特別な事情がある場合には、代理人が代わりに行くことも可能です。

特別な事情には「本人が新型コロナウイルスに感染するなどして外出を自粛している場合」も含まれますので、その時々に応じて適切な理由をつければ、本人でない顔写真で作成できてしまう可能性もあります。

このように、マイナンバーカードと従来の運転免許証では、同じ公的証明書といえども、作成方法がまったく異なりますので、どのように運用していくのかがポイントとなりそうです。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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