【2025年】国民全員一律5万円の給付金はいつから?

給付金 2025年

政府・与党は、2025年4月9日、突然、国民全員に一律5万円の給付金を支給する方向であることを発表しました。

2020年に国民一律10万円の給付金が支給されて以来のことです。

わかっている範囲で最新情報をお伝えしていきます。

1.給付金の対象者、支給時期、申請方法など

(1)対象者

国民全員所得制限はない予定です。

まだ発表はありませんが、今年のある時点で、住民基本台帳に記録されている人が対象になると考えられます。

※2020年の特別定額給付金(10万円)では、2020年(令和2年)4月27日に、住民基本台帳に記録されている人が対象になりました。

(2)いくらもらえる?

2025年4月9日の朝日新聞の報道によれば、現金5万円となっています。

ただ、別の報道によれば、3~5万円の範囲で検討しているというものもあります。

おそらく、3~5万円の範囲になると予測されます。

(3)いつもらえる?

詳細時期は不明ですが、報道によれば、財源を確保するため今年度補正予算案を編成したうえで、6月末までの今国会での成立を目指すとのことですので、7月以降になると想定されます。

与党としては、2025年7月に行われる、参議院選挙の対策をしたいという、思惑もあると予想されますので、それまでに支給の方向でいくのではないかと予想されます。ちなみに、参議院の任期満了日は7月28日ですので、それまでに選挙は実施されます。

(4)申請方法

まだ発表はありませんが、2020年の給付金と同様に、世帯主が家族分をまとめて申請し、指定された銀行口座に振り込まれることになると予想されます。

マイナンバーカードを持っている人は、マイナポータルからオンラインで申請が可能になるでしょう。

または、郵送での申請も設けられるはずです。

2.給付金の財源は?

給付金をもらえるのは、嬉しいと思いますが、気になるのは財源ではないでしょうか?

なぜなら、減税や国民支援の話題になると、政府はいつも「財源がない」と言っており、実行を渋っているからです。

たとえば、2024年11月に国民民主党が、「178万円の壁」として、所得税と住民税の基礎控除額をそれぞれ75万円アップし、大幅な減税をする提案をしましたが、政府・与党は、7.6兆円の減収になるとして猛反発しました。

その代わりに、「160万円の壁」として、低所得者のみ所得税の基礎控除額を大幅に引き上げる案を示し、2025年3月4日に衆議院で可決されました。これによる減収の見込額は6,210億円であり、大幅に抑えられています。

【衆議院】所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案(自民・公明案)

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(1)財源はいくら必要になる?

2020年の国民一律で10万円の給付金を支給した際の事業費総額は12兆8802億円(うち、諸費用は約1458億円)でした。

今回、5万円の給付金とすると、諸費用を含めて、その約半分、6兆5000億円程度が必要になると想定されます。

政府は6月末までに補正予算を編成したうえで支給する予定です。

ただ、国民民主党が提案した「178万円の壁」の財源7.6兆円に対しては、あれだけ渋っていたにもかかわらず、6兆5000億円の予算をわずか2ヶ月程度で決定できるとなると、国民の多くは腑に落ちないかもしれません。

減税は恒久的でずっと財源が必要ですが、給付金は1回限定であるという違いはあります。ただ、2024年に行われた定額減税のように1回だけの減税も可能ですので、減税には予算をつけられないが給付金には簡単に予算をつけられることの説明にはならないでしょう。

(2)なぜ、このタイミングで給付金?

2022年以降、海外のインフレの影響を受けて、国内でも物価が上昇しています。2024年の消費者物価指数の上昇率(全体)は2.7%ですが、生鮮食品は7.0%も上昇しており、国民の負担が大きく増加しています。

【引用】総務省統計局:消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)

加えて、2024年には、主食であるコメ価格の高騰が発生、2025年4月には、米トランプ政権が関税措置を発表し、今後の経済は不透明さを増しています。

政府は、これらを「国難」と位置づけ、経済対策の一環として、給付金を支給する検討をしているようです。

ただ、ここまでは、あくまでも建前的な話です。

どちらかというと、7月28日に行われる参院選の選挙対策としての位置づけが大きいでしょう。

そもそも、国民の生活が苦しくなったのは、2020年のコロナ禍以降で、そこからずっと続いています。その間にやろうと思えばできたはずです。このタイミングで突然行う理由は、選挙対策と捉えられても致し方ないでしょう。

3.今後、増税の可能性もある?

2025年7月に参議院選挙が行われますが、石破政権の支持率は芳しくなく、今回の給付金は選挙対策としてのバラマキの可能性は大いにあります。
そうなると、政府としては、ばらまいた分だけ後で回収したいと考えているでしょう。

参院選で自民・公明の与党が勝利した場合、2025年秋以降に、増税の話が出てくる可能性もあります。

中でも、国民負担を大きく増やすものとして、考えられるのは、次の2つです。

  • 厚生年金保険料の引き上げ
  • 消費税の税率の引き上げ

厚生年金保険料の引き上げ

政府は、公的年金の財政検証の結果として、今後、高齢者に支給される年金額の現役世帯に対する割合(所得代替率)は減っていくものの、公的年金の財政は安定しており、破綻するような兆候はまったく見られないとしています。

ただ、それは、現状と同じくらいのスピードで経済が成長することが前提であり、将来ゼロ成長が続くと厳しくなることも予想されています。

予測はあくまでも予測であり、将来どうなるかは誰もわかりませんので、年金財政の収入を今のうちに増やしておくに越したことはないでしょう。

そのために手っ取り早いのが、厚生年金保険料を引き上げることです。
引き上げるといっても、現在の厚生年金保険料率は18.3%(労使折半のため従業員分は9.15%)で固定されており、これを引き上げるわけではありません。
その代わり、高所得者の保険料を引き上げます

厚生年金保険料では、標準報酬月額の上限が65万円であり、その金額を超えている人は、65万円分の保険料を払えば良いことになっています。この上限を、75万円、あるいは、83万円、98万円に引き上げることで、厚生年金保険料を増やそうとしています。

消費税の税率の引き上げ

消費税は、国税の中で、最大の金額であり、かつ、もっとも安定した税収です。下記の図を見ると、過去約30年間で、消費税の税収がどれだけ増えたかがわかります。

一般会計税収 2024年

政府や一部の経済団体(経済同友会など)は、消費税の税率をさらにあげて、税収を増やすことを、以前から言及しています。

具体的には、消費税の標準税率を12%にあげるとともに、生活に必要な国民負担を増やさないようにするため、軽減税率8%の範囲を拡大するのではないかと想定されます。

財務省が作成している資料を見ると、将来的には、消費税の標準税率を20%まで引き上げることが視野に入っていると考えられます。

動画でも解説

同様の内容をYouTube動画でも、さらに多くの図を使って解説していますので、ご覧ください。

また、少し他の観点からも動画で解説しています。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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