【2025年参院選公約】国民全員一律2万円の給付金はいつから?

給付金
【最新情報】
・国民全員一律2万円、住民税非課税世帯と子供には2万円上乗せして支給する給付金案が自民党公約に明記されました。(2025/6/19)
・国民全員一律2万円、住民税非課税世帯には2万円上乗せして支給すると発表されました。(2025/6/11)
・自民党と公明党が、国民1人当たり、数万円程度の給付金の支給を、参院選の公約に盛り込むことにしました。(2025/6/9)

2025年6月19日、自民党は国民1人当たり2万円、住民税非課税世帯と子供には2万円上乗せして支給することを、参院選の公約に明記しました。

国民一律は、2020年に国民一律10万円の給付金が支給されて以来のことです。
わかっている範囲で最新情報をお伝えしていきます。

1.給付金の対象者、支給時期、申請方法など

(1)対象者

国民全員一律所得制限はない予定です。

なぜなら、政府の関係者は「上振れした税収を国民に還元する」と発言しており、もし、そうであれば、税金を納税した国民全員が対象になると考えられるからです。

まだ発表はありませんが、今年のある時点で、住民基本台帳に記録されている人が対象になると考えられます。

※2020年の特別定額給付金(10万円)では、2020年(令和2年)4月27日に、住民基本台帳に記録されている人が対象になりました。

(2)いくらもらえる?

2025年6月19日に発表された自民党の参院選公約には、石破総理が事前に会見で説明した通り、国民1人当たり現金2万円、住民税非課税世帯と子供は1人当たり4万円と明記されています。

子供というのは、民法では18歳未満ですが、児童手当などと同様に、18歳になった年度の3月31日までの子供が、対象になると考えられます。つまり、高校3年生までが対象です。

世帯別に見てみると、独身の人は2万円、子供のいない夫婦は合計4万円、夫婦と子供2人の4人家族は12万円、住民税非課税世帯の夫婦は8万円となります。

マイナポイントの給付案

マイナポイントで給付するという案も浮上していました。
マイナンバーカードを持っている人はマイナポイントで支給し、持っていない人には現金で支給するという案のようです。
(個人的には、現金が欲しいために、マイナンバーカードをあえて返納する人が増えそうな気がしますが・・・)

(3)いつもらえる?

今回、参院選公約に盛り込むように指示しただけであって、まだ、支給すると決定されたわけではありません。

7月末に参院選があり、その後、秋ごろに予算案が国会で成立して、年内の支給となると思われます。

参議院の任期満了は7月28日ですので、その1週間前の、7月20日に参院選が行われる予定です。
ちなみに、7月20日は、3日間の連休の中日です。連休の中日に投開票を実施するのは、国政の選挙では、1952年以来、73年ぶりの実施となるようです。

あと、給付金は、自民党が公約に盛り込むだけですので、仮に、参院選で自民党が惨敗すれば、その後の国会での審議が難しくなり、給付金の案が成立しない可能性もあります。

公約に盛り込むということは、給付金がほしいなら、自民党と公明党に投票してください、とも読み取れるので、選挙での買収ではないかという、批判的な意見もあるようです。

(4)申請方法

まだ発表はありませんが、2020年の給付金と同様に、世帯主が家族分をまとめて申請し、指定された銀行口座に振り込まれることになると予想されます。

住民税非課税世帯向けには、過去何度か給付金を支給していますので、申請をしなくても、委託事業者を経由して、迅速に振り込みできるシステムが、すでに用意されています。おそらく、支給が決定されれば、すぐに振り込まれることになるでしょう。

子供についても、毎月の児童手当の支給で、把握していますので、迅速な振り込みが可能です。ただ、今回は、親も含めて全員が対象ですので、その仕組みは利用されないかもしれません。

マイナンバーカードを持っている人は、マイナポータルからオンラインで申請が可能になるでしょう。
または、郵送での申請も設けられるはずです。

公金受取口座を指定している人は、特に他の口座を指定しない限り、その口座に振り込まれることになるでしょう。

2.給付金、再復活の経緯

今回の給付金は、政府・与党が2025年4月に発表したが、国民からの批判を受けて見送り、再度、復活させたものになります。その経緯に簡単に触れておきます。

(1)2025年4月に、5万円の給付金を発表したが見送り

政府・与党は、2025年4月9日、突然、国民全員に一律5万円の給付金を支給する方向であることを発表しました。

しかしながら、4月11日、林官房長官は、新年度予算案が成立したばかりだとして、「新たな給付金や減税を検討している事実はない」と言及しました。

一方で、4月13日、森山裕幹事長は、物価高を受けた経済対策を講じるため、2025年度補正予算案の編成を明言しました。与党内でも、いろいろな意見があり、方向性が定まっていなかったようです。

結局、4月17日、政府は、国民一律の現金給付案を断念したとの報道がありました。国民からの批判が多いというのが理由のようです。

(2)2025年6月に、給付金の案が再復活

野党は、消費税の減税を打ち出していましたが、与党は、財源がないことを理由に、頑なに拒んできました。

しかし、7月の参院選を前に、何も対策をしないのでは不安があるということで、与党内でも、給付金の再検討を求める声が強まっていました。

2025年6月6日には、公明党が、生活応援給付として、税収の増加分を国民に還元することを、参院選の公約として明記しました。

これらの経緯を踏まえて、今回、与党として、給付金を再検討することになりました。

そして、6月13日、石破総理大臣は、国民1人当たり2万円、住民税非課税世帯と子供には2万円上乗せして支給することを、参院選の公約に明記するように自民党に指示しました。

6月19日、自民党は参院選公約を発表しましたが、ここに、総理が指示した通りの金額で給付金が明記されました。公明党公約にも、自民党と金額を合わせた金額が追記される形となっています。

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3.給付金の検討状況に関する最新情報

2025年6月19日、自民党の参院選公約が決定しました。

「日本を動かす 暮らしを豊かに」とキャッチコピーがつけられた公約の中には、6月13日に石破総理が会見で発表していた通り、国民一律で支給する給付金が、政策として明記されています。

支給金額にも変更はなく、基本の2万円を国民全員に支給し、上乗せの2万円を、住民税非課税世帯の大人、そしてすべての世帯の子供に支給する、つまり、子供と、住民税非課税世帯の大人には1人4万円ずつ、課税世帯の大人には1人2万円ずつの現金給付、ということになります。

これを受け、公明党の公約に記載されていた生活応援給付についても、自民党と足並みをそろえ、同じ金額が併記されるようになりました。

今後の焦点は、選挙後の迅速な支給に向けて、支給方法や支給時期についての協議が進められることになります。

また参院選後は、給付金の支給には3兆半ばの費用が掛かるため、この予算を通すために野党との政策協議等が進められるでしょう。

4.給付金の財源は?

給付金をもらえるのは、嬉しいと思いますが、気になるのは財源ではないでしょうか?

なぜなら、減税や国民支援の話題になると、政府はいつも「財源がない」と言っており、実行を渋っているからです。

たとえば、2024年11月に国民民主党が、「178万円の壁」として、所得税と住民税の基礎控除額をそれぞれ75万円アップし、大幅な減税をする提案をしましたが、政府・与党は、7.6兆円の減収になるとして猛反発しました。

その代わりに、「160万円の壁」として、低所得者のみ所得税の基礎控除額を大幅に引き上げる案を示し、2025年3月4日に衆議院で可決されました。これによる減収の見込額は6,210億円であり、大幅に抑えられています。

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(1)財源はいくら必要になる?

2020年の国民一律で10万円の給付金を支給した際の事業費総額は12兆8802億円(うち、諸費用は約1458億円)でした。

仮に、今回、国民1人当たり2万円、住民税非課税世帯と子供には2万円上乗せして支給となると、約3.2兆円、事業費を含めると約3.3兆円が必要になると想定されます。

(2)上振れした税収を国民に還元

与党は「上振れした税収を国民に還元する」としています。

6月13日の読売新聞の報道によると、2024年度の国の税収は、5年連続で、過去最高を更新する見通しとなりました。2023年度の税収は2.5兆円の上振れとなりましたが、それをさらに上回る上振れが予測されます。

結果がわかるのは7月ですが、すでに、3.2兆円以上の上振れが確実であることが判明したので、石破総理大臣は、給付金を公約に盛り込むことを、正式に発表したのではないかと思われます。

(3)国の税収は毎年増加中!

下図は、1990年度と2024年度の国の税収の比較ですが、2019年10月に消費税が10%に増税されてから、大きく税収が増えました。2024年度は定額減税により、所得税が減り、もともと69.6兆円の予定でしたが、3.8兆円増えて、73.4兆円になりました。

一般会計税収 2024年

実際、財務省の「一般会計税収の推移」のグラフを見ると、2025年はさらに税収が増える見込みです。定額減税がないことで、所得税が3兆円程度増えるほか、インフレで消費税がさらに増えて、税収は77.8兆円の予想です。

財務省 税収推移

2020年と比較すると、17兆円も税収がアップしています。割合でみると、約30%アップ、年間では約6%アップです。インフレ率は3%程度ですから、インフレよりも遥かに大きな税収アップとなっています。

この税収の増加分の一部を国民に還元するということは、理にかなっていると考えられます。

5.なぜ、このタイミングで給付金?

2022年以降、海外のインフレの影響を受けて、国内でも物価が上昇しています。2024年の消費者物価指数の上昇率(全体)は2.7%ですが、生鮮食品は7.0%も上昇しており、国民の負担が大きく増加しています。

【引用】総務省統計局:消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)

加えて、2024年には、主食であるコメ価格の高騰が発生、2025年4月には、米トランプ政権が関税措置を発表し、今後の経済は不透明さを増しています。

政府は、これらを「国難」と位置づけ、経済対策の一環として、給付金を支給する検討をしているようです。

ただ、ここまでは、あくまでも建前的な話です。

どちらかというと、2025年7月20日(予定)に行われる参院選の選挙対策としての位置づけが大きいでしょう。

そもそも、国民の生活が苦しくなったのは、2020年のコロナ禍以降で、そこからずっと続いています。その間にやろうと思えばできたはずです。このタイミングで突然行う理由は、選挙対策と捉えられても致し方ないでしょう。

動画でも解説

同様の内容をYouTube動画でも、さらに多くの図を使って解説していますので、ご覧ください。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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