【2026年】基礎年金1.9%/厚生年金2.0%増で決定、増額はいつから

年金

厚生労働省より、2026年度(令和8年度)の公的年金の改定額が発表されました。前年度より、基礎年金は1.9%、厚生年金は2.0%、引き上げられます

国民年金、厚生年金などが具体的にいくら増額されるのか、詳しく紹介します。

1.公的年金の金額

(1)国民年金(老齢基礎年金)の金額

2026年度(令和8年度)の国民年金(老齢基礎年金)の金額は、月額70,608円(年額847,300円)です。前年度からの増額金額は、月額1,300円(年額15,600円)です(2025年度より、1.9%増額)。

※1966年(昭和31年)4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金は、月額70,408円(年額845,300円)です。前年度からの増額金額は、月額1,300円(年額15,600円)です。

  2025年度
(令和7年度)
2026年度
(令和8年度)
増額分
国民年金
(老齢基礎年金)
月額:69,308円
年額:831,700円
月額:70,608円
年額:847,300円
月額:+1,300円
年額:+15,600円

(2)厚生年金(老齢厚生年金)の金額

2026年度(令和8年度)の厚生年金(老齢厚生年金)の標準的な金額(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む金額)は、月額237,279(年額約285万円)です。前年度からの増額金額は、月額4,495円(年額53,940円)です(2025年度より、約2.0%増額)。

厚生年金の金額は人によって違いますが、厚生労働省は、以下のような夫婦家庭をモデルにして発表しています。

  • 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5 万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))

夫婦2人分の老齢基礎年金を差し引いて、厚生年金だけの金額で見ると、月額96,063円(年額約115万円)です。前年度からの増額金額は、月額1,895円(年額22,740円)です。(2025年度より、約2.0%増額

  2025年度
(令和7年度)
2026年度
(令和8年度)
増額分
厚生年金
(夫婦2人分の
老齢基礎年金を含む)
月額:232,784円
年額:2,793,408円
月額:237,279円
年額:2,847,356円
月額:+4,495円
年額:+53,940円
厚生年金のみ 月額:94,168円
年額:1,130,016円
月額:96,063円
年額:1,152,756円
月額:+1,895円
年額:+22,740円
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2.公的年金の増額はいつから

公的年金(国民年金・厚生年金)の金額は年度単位で決まっています。4月~3月までが一つの年度です。
2026年度とは、2026年4月から2027年3月までのことをいいます。

つまり、2026年1月分から3月分までは2025年度の金額、4月分から2026年度の増額された金額となります。

年金が振り込まれるのは偶数月の15日であり、前月と前々月の分が振り込まれます。

  • 2月15日に振り込まれるのは、12月分と1月分
  • 4月15日に振り込まれるのは、2月分と3月分
  • 6月15日に振り込まれるのは、4月分と5月分

となりますので、
具体的に増額された公的年金が振り込まれるのは、例年は、6月15日からです。

2026年6月15日は月曜日ですので、日付の調整はなく、2025年6月15日(金)となります。

3.その他の社会保険関連の増額

(1)障害基礎年金・遺族基礎年金

障害基礎年金・遺族基礎年金は、老齢基礎年金の金額を元にしていますので、同様に1.9%増額されます。

  2025年度
(令和7年度)
2026年度
(令和8年度)
増額分
障害基礎年金
(1級)
月額:86,635円
年額:1,039,620円
月額:88,260円
年額:1,059,120円
月額:+1,625円
年額:+19,500円
障害基礎年金
(2級)
月額:69,308円
年額:831,700円
月額:70,608円
年額:847,300円
月額:+1,300円
年額:+15,600円
遺族基礎年金
(基本額) 
月額:69,308円
年額:831,700円
月額:70,608円
年額:847,300円
月額:+1,300円
年額:+15,600円

(2)給付金・手当などの金額

障害者や母子家庭などに対する給付については、物価変動に応じて改定されます。令和7年の物価変動率(3.2%)に基づき、3.2%の引上げとなります。

表が大きくなりますので、月額と年額に分けて掲載します。

月額

給付金・手当などの月額(単位:円)
    2025年度
(令和7年度)
2026年度
(令和8年度)
増額分
障害者などに対する給付 特別障害給付金
(1級)
56,850 58,650 1,800
特別障害給付金
(2級)
45,480 46,920 1,440
特別児童扶養手当
(1級)
56,800 58,450 1,650
特別児童扶養手当
(2級)
37,830 38,930 1,100
特別障害者手当 29,590 30,450 860
障害児福祉手当 16,100 16,560 460
原子爆弾被爆者に
対する給付
健康管理手当 37,900 39,130 1,230
年金生活者支援給付
金法に基づく給付
老齢年金生活者
支援給付金
5,450 5,620 170
障害年金生活者
支援給付金
(1級)
6,813 7,025 212
障害年金生活者
支援給付金
(2級)
5,450 5,620 170
遺族年金生活者
支援給付金
5,450 5,620 170
母子家庭・父子家庭
などに対する給付
児童扶養手当
(第1子)
46,690 48,050 1,360
児童扶養手当
(第2子以降)
11,030 11,350 320

年額

給付金・手当などの年額(単位:円)
    2025年度
(令和7年度)
2026年度
(令和8年度)
増額分
障害者などに対する給付 特別障害給付金
(1級)
682,200 703,800 21,600
特別障害給付金
(2級)
545,760 563,040 17,280
特別児童扶養手当
(1級)
681,600 701,400 19,800
特別児童扶養手当
(2級)
453,960 467,160 13,200
特別障害者手当 355,080 365,400 10,320
障害児福祉手当 193,200 198,720 5,520
原子爆弾被爆者に
対する給付
健康管理手当 454,800 469,560 14,760
年金生活者支援給付
金法に基づく給付
老齢年金生活者
支援給付金
65,400 67,440 2,040
障害年金生活者
支援給付金
(1級)
81,756 84,300 2,544
障害年金生活者
支援給付金
(2級)
65,400 67,440 2,040
遺族年金生活者
支援給付金
65,400 67,440 2,040
母子家庭・父子家庭
などに対する給付
児童扶養手当
(第1子)
560,280 576,600 16,320
児童扶養手当
(第2子以降)
132,360 136,200 3,840

(3)在職老齢年金

賃金(賞与込み月収)と老齢厚生年金の合計額が、一定金額を超える場合には、その超える部分の2分の1の年金が支給停止されます。これを「在職老齢年金」といいます。

在職老齢年金の支給停止される基準額は、厚生年金保険法第46条第3項の規定により、名目賃金の変動に応じて、毎年度改定されます。
2026年度(令和8年度)は、金額改定と、名目賃金の変動を合わせて、51万円→65万円に増額されます。

  2025年度
(令和7年度)
2026年度
(令和8年度)
増額分
在職老齢年金
の基準額
51万円 65万円 +14万円

※令和6年水準では、50万円から62万円に引き上げられます。ただし、実際の基準額は、令和8年水準で決定されます。
令和8年度の基準額は、令和7年度に用いた名目賃金変動率(2.3%)と、令和8年度に用いる名目賃金変動率(2.1%)を62万円に乗じて四捨五入することにより、65万円となります。

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(4)国民年金保険料

国民年金保険料は、現状、平成16年度水準では、17,000円に固定されています。

国民年金保険料は、国民年金法第87条第3項の規定により、名目賃金の変動に応じて、毎年度改定されます。
2026年度(令和8年度)は、17,510円→17,920円に増額されます(約2.3%増)。

  2025年度
(令和7年度)
2026年度
(令和8年度)
増額分
国民年金保険料 月額:17,510円
年額:210,120円
月額:17,920円
年額:215,040円
月額:+410円
年額:+4,920円
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4.年金増額の仕組み

「基礎年金は1.9%、厚生年金は2.0%増額」の割合は、どのようにして決まるのか、簡単に説明します。

(1)物価と賃金の変動から決定

年金の支給額は、物価と賃金の上昇・下落に合わせて決まります。

いくつかのパターンがありますが、物価と賃金の両方が上昇し、かつ、物価上昇率>賃金上昇率の場合(下図の⑥)には、賃金上昇率に合わせて改定します。
マクロ経済スライド 年金額改定

具体的には、消費者物価指数(CPI)と、名目賃金変動率(※)から計算します。

※名目賃金変動率とは、2~4年度前(直近3年度平均)の実質賃金変動率に、前年の消費者物価指数(CPI)の変動率を足したものです。

2025年度の消費者物価指数(CPI)は、3.2%であり、2025年度の名目賃金変動率は2.1%であるため、「物価上昇率>賃金上昇率」となり、名目賃金変動率2.1%が、年金の増額率になります。

(2)マクロ経済スライドで減額

ここで、「マクロ経済スライド」により、年金額を毎年少しずつ減額します。

やや概念が難しいのですが、非常に簡単に説明すると、賃金や物価が上昇しても、年金の上昇を抑える仕組みです。現役世代の人口が減少していく中で、将来の年金支給を維持するために、現役世代に対する所得代替率を少しずつ減らしていきます。

「年金減額制度」といったほうが直感的かもしれません。

マクロ経済スライドによる減額率は、2026年は、基礎年金が-0.2%、厚生年金が-0.1%となります。
賃金上昇率2.1%から、この減額率を、引きます。

  • 老齢基礎年金:2.1%―0.2%=1.9%
  • 老齢厚生年金:2.1%―0.1%=2.0%

マクロ経済スライド 2026年

マクロ経済スライド 2026年

2026年度(令和8年度)のマクロ経済スライドの減額率

2026年度(令和8年度)のマクロ経済スライドの減額率の減額率は、次の計算式となります。

被保険者数の変化率(+0.1%)+平均余命の伸び率を勘案した一定率(▲0.3%)=▲0.2%

厚生年金の調整率は、次期財政検証翌年度(2030年度を予定)まで1/3に緩やかとすることから、厚生年金の調整率は、▲0.1%となります。

5.なぜ、基礎年金より厚生年金のほうが増額率が高いの?

2025年度は、基礎年金と厚生年金の増額率は、どちらも1.9%と同じでした。

ところが、2026年度は、基礎年金は1.9%、厚生年金は2.0%と、厚生年金の増額率のほうが、基礎年金の増額率よりも高くなりました。その理由を簡単に説明します。

(1)基礎年金を3割減額予定

少子高齢化に伴って、将来の年金財政は厳しくなることが予測されています。

そこで、過去30年間と同じ経済状況が続いた場合を想定すると、2024年から2057年にかけて、マクロ経済スライド(年金減額制度)により、基礎年金を3割減額する予定となっています。

具体的には、2024年時点で、基礎年金の所得代替率(現役男性の平均的な手取り収入に対する割合)は36.2%ですが、これを、2057年にかけて25.5%まで減額する予定です。

一方、厚生年金は、比較的、財政が安定しているため、今後約30年かけても、0.1%程度の減額ですみます。

(2)基礎年金底上げで、減額を抑える予定

年金受給者の中で、老齢基礎年金のみ受給している割合は約2割ですが、老齢基礎年金の月額は約7万円であり、現時点でも、とても生活できる金額ではありません。

さらに、就職氷河期世代が65歳に達したとき、会社員として厚生年金に加入していた期間が短いため、たとえ、厚生年金をもらったとしても、生活に必要な十分な年金をもらえないことが、大きな課題となっています。

そこで、大きな話題となりましたが、2025年6月に、年金制度改革法案に、厚生年金の積立金を活用して基礎年金を底上げする案が盛り込まれました。

具体的には、2057年時点で、基礎年金の所得代替率25.5%であったところを、2037年までに33.2%まで減額したあと、その後は減額せず固定します
一方、厚生年金も2037年までに22.9%まで減額したあと、固定します。

図で直感的に説明すると、底上げ前は、基礎年金が3割減額される予定でしたが、底上げ後は、厚生年金分を減らし、基礎年金分を増やします。

年金底上げが実施されると、底上げ前より、一時的にマクロ経済スライドの減額率が大きくなり、年金が減りますが、2036年くらいで減額が終了します。そして、2041年には、底上げ前よりも年金支給額が多くなります。

ただし、年金制度改革法案には盛り込まれましたが、実施するかどうかの判断は、2029年以降に先送りされることになりました(次回の5年後の財政検証のタイミング)。

上記の図の年度は、すべて2025年時点で実施した前提ですので、2030年以降に実施する場合は、より後ろにずれこむことが予想されます。

年金底上げについて、詳しくはこちらをご覧ください。

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東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP®(日本FP協会認定)、日商簿記検定1級。
税理士試験 財務諸表論 科目合格。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を10年以上担当。
税金やお金に関することが大好きで、関連記事を2000本以上、執筆・監修。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
著書「届け出だけでもらえるお金大全
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