マイナンバーカードには有効期限があります!更新方法を解説

期限

「マイナンバーカード」には有効期限があります

「マイナンバー」という数字は、一度1人の人に付与されると一生変わらないのですが、「マイナンバーカード」は、定期的に更新しなければなりません。更新しないと身分証明書として使えなくなります

また、マイナンバーカードに埋め込まれているICチップには、電子証明書のデータが保存されていて、これにも有効期限があり更新が必要です。

マイナンバーカード・電子証明書の有効期限と更新方法を解説します。

1.マイナンバーカードの有効期限

マイナンバーカード(個人番号カード)とは、マイナンバー(個人番号)、氏名、住所、生年月日、性別、顔写真が記載されたカードです。マイナンバーカードには、ICチップも埋め込まれています。
ICチップは電子データを保存する、手の指の爪くらいの小さな装置です。

マイナンバーカード

マイナンバーカードのICチップには、「署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書」(以下、電子証明書)のデータが格納されています。

(1)有効期限は5年間 or 10年間

有効期限は、マイナンバーカードと、電子証明書の両方に設定されています。

マイナンバーカードと電子証明書の有効期限を迎える日は、発行した日の年齢によって異なり、5年間または10年間です。
正確には次のようになります。

  マイナンバーカードの
有効期限
電子証明書の
有効期限
発行日時点の年齢が
20歳以上の人
発行日から10回目の誕生日 発行日から5回目の誕生日
発行日時点の年齢が
19歳以下の人
発行日から5回目の誕生日 発行日から5回目の誕生日

「発行日から○回目の誕生日」という箇所がポイントです。

たとえば、誕生日が4月1日の大人が、4月2日に発行した場合は、約10年間の期限ですが、
3月31日に発行した場合は、約9年間の期限ということになります。

以降は、説明を簡略化するために、有効期限は5年間または10年間とします。

(2)署名用電子証明書、利用者証明用電子証明書とは

電子証明書には、「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」があります。

「署名用電子証明書」は、氏名、住所、生年月日、性別のデータで構成され、e-Taxの確定申告など、電子文書を送信するときに使います。

「利用者証明用電子証明書」は、住民票の写しや印鑑登録証明書などをコンビニで受け取るときに使います。ICチップ内のデータによって、本人であることを証明できるので、役所以外の場所でも住民票の写しなどを交付できるわけです。

(3)有効期限が切れるとどうなるのか

有効期限が切れると、マイナンバーカードとしての機能や、電子証明書としての機能が失われます。

マイナンバーカードの有効期限(5年間または10年間)が過ぎると、マイナンバーカードを身分証明書として使えなくなります
マイナンバーカードは、2021年3月から「健康保険証」として利用できるようになりますが、有効期限を過ぎると、健康保険証としても使えなくなります。

ただ「数字としてのマイナンバー」は一生有効なので、マイナンバーカードの有効期限が切れても「マイナンバー」はそのまま同じです

署名用電子証明書の有効期限(5年間)が過ぎると、e-Taxの確定申告などの電子文書を送信できなくなります。
利用者証明用電子証明書の有効期限(5年間)が過ぎると、住民票の写しや印鑑登録証明書などのコンビニ交付ができなくなります

ただし、電子証明書の有効期限(5年間)を過ぎても、マイナンバーカードの有効期限内(10年間の場合)であれば、身分証明書としては引き続き利用可能です。

(4)有効期限切れでも更新できる、手数料は無料

マイナンバーカードと電子証明書の更新は、有効期限が切れる前に行うことが理想ですが、有効期限が切れたあとでも更新できます

更新手続きは、有効期限(誕生日)の3カ月前から可能です。
更新手数料は原則、発生しません。無料です。有効期限の到来後に更新しても無料です。

マイナンバーカードは、最初の交付も、更新時も無料ですが、紛失をした場合は再発行の手数料として1,000円徴収されます。

したがって、マイナンバーカードを紛失して、有効期限の更新手続きをするときは、マイナンバーカードを再発行しないとならないので1,000円がかかります。

2.マイナンバーカードの更新の流れ

マイナンバーカードの更新の流れは、やや複雑なので、概略を紹介してから、次に、流れの詳しい解説をします。
概略は次のとおりです。

  1. 有効期限の2、3カ月前に、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)から本人に「マイナンバーカード・電子証明書有効期限通知書」が郵送されます。
  2. マイナンバーカードの更新は、1)スマホ、2)パソコン、3)証明用写真機、4)郵送のいずれかで行ないます。
  3. 新しいマイナンバーカードができるまで、1カ月ほどかかります。

電子証明書だけの更新方法は、「電子証明書の更新方法」で別途解説します。

3.マイナンバーカードの更新方法3STEP

概略をつかめたところで、マイナンバーカードの更新の流れを詳しく解説します。

「マイナンバーカード・電子証明書有効期限通知書」とは

J-LISから本人に届く「マイナンバーカード・電子証明書有効期限通知書」には、次の4点が入っています。

  • 更新方法を解説した紙
  • 有効期限通知書
  • 照会書兼回答書
  • 照会書兼回答書封入用封筒

このうち、本人が申請する際に利用するのは、最初の2つだけです。

(1)STEP1:申請 4つの方法

マイナンバーカードを更新する方法(申請方法)には、

  • 1)スマホ
  • 2)パソコン
  • 3)証明用写真機
  • 4)郵送

の4つがあります。いずれかを選択します。

1)スマホでの申請方法

スマホで申請するには、まず、スマホで本人の顔写真を撮影します。

次に、スマホで、有効期限通知書に記載されている「交付申請用QRコード」を読み取ります。

QRコードを読み取ると、サイトが開くので、そこにメールアドレスを登録します。

登録したメールアドレスに申請用のURLが届くので、そのURLを開き、顔写真を登録し、必要事項を入力します。
これで申請が完了します。

2)パソコンでの申請方法

パソコンで申請するには、6カ月以内に撮影した顔写真のデータを用意して、パソコン内に取り込んでおく必要があります。例えば、スマホで顔写真を撮り、それをパソコンに取り込みます。

次に、パソコンで「申請用Webサイト」(外部URL)を開き、有効期限通知書に書かれてある23桁の「申請書ID」を入力し、さらにメールアドレスを登録します。

登録したメールアドレスに「申請者専用WEBサイト」のURLが届くので、同サイトを開いて、顔写真のデータや必要事項を入力します。
これで申請が完了します。

3)証明用写真機での申請方法

証明用写真機とは、市中に設置してあるインスタント証明写真装置のような機器です。

証明用写真機を使って更新するには、証明用写真機のタッチパネルから「個人番号カード申請」を選択します。

次に、顔写真の撮影用のお金を証明用写真機に投入します。
有効期限通知書に印刷されている「交付申請用QRコード」を、証明用写真機のバーコードリーダーにかざして読み取らせます。

続いて、必要事項を入力します。

必要事項の入力が終わると、顔写真が撮影されます。顔写真の画像データを含むすべてのデータが送信されます。
これで申請が完了します。

4)郵送での申請方法

郵送で申請するには、以下の専用サイトから、交付申請書と封筒を入手します。
https://www.kojinbango-card.go.jp/kofushinse-yubin/

または、市区町村の窓口で、交付申請書と封筒を入手します。

次に、交付申請書に必要事項を記入して、6カ月以内に撮影した証明写真を貼り付けます。
交付申請書を封筒に入れて郵送します。
これで申請が完了します。

(2)STEP2:「交付通知書」が届く

マイナンバーカードの更新の申請が完了すると、1、2カ月後に「交付通知書」が「本人限定受取郵便」で届きます。

この交付通知書を持って、市区町村の窓口で手続きをすれば、新しいマイナンバーカードを受け取ることができます。

(3)STEP3:市区町村の窓口で受け取る

新しいマイナンバーカードを受け取るために市区町村に行くときは、

  • 1)交付通知書
  • 2)更新前のマイナンバーカード
  • 3)本人確認書類

の3点を持参してください。

本人確認書類は、次のAまたはBが対象になります。

  • A:有効期間内の更新前のマイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、身体障害者手帳など
  • B:健康保険証、年金手帳、学生証など

Aであれば、Aのうち1点で構いません。
Bであれば、Bのうち2点必要です。

更新前のマイナンバーカードは回収される

新しいマイナンバーカードを市区町村で受け取るとき、更新前のマイナンバーカードは回収されます。

もし、紛失するなどして、更新前のマイナンバーカードを市区町村に渡すことができない場合は、再交付手数料として1,000円が徴収されます。

4.電子証明書の更新方法

マイナナンバーカードの有効期限(10年間)はまだ来ていないが、電子証明書の有効期限(5年間)が来た場合、電子証明書のみの更新の手続きをします。

電子証明書のみの更新は、本人が市区町村に行って行う必要があります。持参するものは、マイナンバーカードと有効期限通知書です。それと、新たに設定する電子証明書の暗証番号が必要になります。

市区町村の窓口で、マイナンバーカードのICチップ内の電子証明書のデータを書き換えてもらいます(更新してもらいます)。
手続きはこれで終了です。

5.窓口は混雑しているかもしれません

マイナンバーカードや電子証明書の更新では、市区町村役場の窓口が混雑している可能性があります

特別定額給付金のオンライン申請や、マイナポイント制度の導入に伴って、マイナンバーカード申請やパスワードロック解除のために時間がかかるからです。

そのため、市区町村によっては、更新手続きを予約制にしています。市区町村役場に行く前に、サイトや電話で確認したほうがよいでしょう。

また、有効期限が切れても、無料で更新できますので、急ぎでなければ、市区町村役場が落ち着いたころに行ってみてはいかがでしょうか。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2023年時点)。
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