年末調整で自動車保険・自動車税・自動車ローンは控除できる?

年末調整では、いろいろな保険の保険料や、住宅ローンの控除を受けられます。
自動車保険・自動車税・自動車ローンなど、自動車関連について、年末調整できるかとりあげます。
目次
1.自動車保険料は年末調整で控除できない
年末調整で受けられる控除は、基礎控除や配偶者控除などいくつかありますが、その中の1つが保険料控除です。
保険料控除では、その年に払った保険料の一部または全部を控除できます。
(1)自動車保険の保険料は年末調整で控除できない
保険料控除の対象となるのは、以下の4つの保険料です。
- ①生命保険料控除
- ②地震保険料控除
- ③社会保険料控除
- ④小規模企業共済等掛金控除
この中に自動車保険は含まれていません。自動車保険で支払った保険料は年末調整で控除できないのです。
(2)税制改正前は損害保険も保険料控除の対象だった
そもそも保険料控除には、税額を優遇することによってその保険への加入を促すという目的があります。
平成18年(2007年)の税制改正までは損害保険料控除が適用され、その中の一つである自動車保険料も控除の対象でした。
平成18年をもって損害保険料控除の制度が廃止されたのは、国民のほとんどが損害保険に加入するようになったためです。損害保険については国民に十分に周知され、保険料控除の目的は果たされたということです。
そして、平成19年分からは代わりに「地震保険料控除」が適用されています。地震大国である日本において地震保険の普及を目的として「地震保険料控除」が新設され、この改正により国民全員の地震に対する意識を高めようとしています。
2.自動車税は年末調整で控除できない
自動車を所有している人は、毎年必ず自動車を払いますが、その払った自動車税を年末調整で控除することはできません。
そもそも、自動車税は保険料ではなく税金のひとつであり、年末調整にも確定申告にも、払った税金を控除する制度はありません。
3.自動車ローン(カーローン)は年末調整で控除できない
自動車ローン(マイカーローン)を組んで自動車を購入する人も多いと思いますが、その自動車ローンを年末調整で控除することはできません。
ローン関連で控除できるのは「住宅ローン控除」のみです。
住宅ローン控除は、主に若い世代の人が住宅ローンを組んで住宅を購入しやすいように、設けられた制度です。住宅市場が活性化すれば、経済も好転するからです。
自動車については、若者の人口の減少などにより、国内での販売数量は減っていますが、海外への輸出で各社とも大きな利益をあげていますので、特に支援する必要はないという政府の考えでしょう。
4.事業用の車の場合は保険料を経費として計上できる
自動車保険については控除を受けることはできませんが、個人事業主等が社用車にかける保険の保険料は経費として計上できます。
これらの経費は他の経費と同様に確定申告を行う必要があります。
また、社用車を事業用に使うと同時に自家用車として使用している場合は、その車の保険料全額を経費として計上することはできません。
事業用とプライベート用で使用している割合を考慮して経費計上する必要がありますので注意が必要です。
5.年末調整できる保険料控除
先ほどもお伝えしましたが年末調整で受けることができるのは、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済掛金控除です。
それぞれについて、詳しくは各関連記事をご覧ください。
生命保険料控除
Q.支払った生命保険料はいくら控除できる?
→【関連記事】生命保険料控除の上限額と計算方法
Q.生命保険料控除を受けたいときの確定申告の手続きは?
→【関連記事】[図説]生命保険料控除の確定申告書の書き方(計算例つき)
社会保険料控除
Q.社会保険料控除とは?
→【関連記事】生命保険料控除の上限額と計算方法
Q.支払った国民年金、国民健康保険料は控除できる?
→【関連記事】年末調整で国民年金国民健康保険料も控除できる?
地震保険料控除
Q.地震保険料控除って何?いくら控除できる?
→【関連記事】年末調整で火災保険料・地震保険料は控除できる?
Q.地震保険料控除を受けたいときの確定申告の手続きは?
→【関連記事】地震保険料控除を受けるための確定申告書の書き方