会社員の確定申告はスマホで簡単! e-Taxの手順を解説【作業画面つき】

この記事では、会社員・アルバイト・パートの方が、スマホで簡単に確定申告を済ませる手順を、実際の作業画面をお見せしながらわかりやすく解説していきます。

この記事はこんな方におすすめです
  • ふるさと納税でワンストップ特例の申請を忘れた、申請が間に合わなかった人
  • 勤め先で年末調整を受けられなかった人
  • バイト・パートを掛け持ちしていた人
  • 会社員・アルバイト・パートの方で医療費控除などのために確定申告が必要になった人

1.スマホによる確定申告(e-Tax)に必要なもの

会社員の方がスマホで確定申告をする際、必ず必要になるは以下の3点です。

  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカードのパスワード
  • 源泉徴収票

マイナンバーカード

確定申告をスマホで済ませるためにはマイナンバーカードが必要です。

まだお持ちでない場合、マイナンバーカードの発行申請から始めることになりますが、マイナンバーカードの発行には2ヶ月ほどかかるため、お急ぎの場合は間に合わないケースもあるでしょう。

マイナンバーカードがなくても確定申告は可能ですが、その場合確定申告書を税務署に郵送するか直接税務署にもっていって提出する必要があります。

マイナンバーカードのパスワード

スマホで確定申告を行うには、マイナンバーカードのパスワードを入力する必要があります。

確定申告で利用するのは以下のふたつのパスワードです。

  • 利用者証明用電子証明書のパスワード……4桁の暗証番号
  • 署名用電子証明書のパスワード……英数字6桁~16桁のパスワード

利用者証明用電子証明書のパスワードは、マイナポイントの申請にも使うものなので覚えている人も多いと思います。

一方署名用電子証明書のパスワードはあまり利用する機会がない上に長めのパスワードなので覚えていない人もいるでしょう。

署名用電子証明書のパスワードも利用者証明用電子証明書のパスワード同様、カードを役所で受け取った時にご自身で設定したものです。

パスワードは役所で控えを記入してカードと一緒に持ち帰っているかと思いますが、忘れてしまった・控えをなくしてしまった場合は役所で再設定するしかありません。

パスワードを思い出せないし再設定の時間もないという場合、確定申告書を税務署に郵送する、あるいは税務署に確定申告書を持っていく形で確定申告をすることになります。

源泉徴収票

会社員、パート、アルバイトの方は勤め先から貰った源泉徴収票が必要です。

手元に用意してから確定申告を始めましょう。

2.【会社員向け】スマホ確定申告(e-Tax)のやり方

準備ができたら早速確定申告を始めましょう。手続きの大まかな流れは次の通りです。

  • 事前準備① マイナポータルアプリのインストール(必須)
  • 事前準備② マイナポータル連携(必要であれば)
  • STEP1 マイナポータルとe-Taxをつなぐ
  • STEP2 e-Taxの初期登録
  • STEP3 確定申告書等作成コーナーにアクセスする
  • STEP4 マイナポータルアプリでログインする
  • STEP5 確定申告書の作成
  • STEP6 e-Taxで確定申告書を送信

次章からはそれぞれの操作手順を作業画面付きでお見せしていきます。

事前準備① マイナポータルアプリのインストール(必須)

マイナポイントを貰う時、公金受取口座の登録のためにマイナポータルアプリをインストールしたという人も多いと思いますが、まだアプリを入れていない方はApp StoreやGoogle Playでマイナポータルアプリをインストールしましょう。

App StoreやGoogle Play内で「マイナポータル」と検索すれば出てきます。

マイナポータルにログインしたことが無い方は、アプリのインストール後、利用者登録まで済ませておきましょう。

登録は以下の4ステップで完了します。くわしくはこちらで手順をご覧いただけます。

  • マイナンバーカードの暗証番号入力
  • スマホでマイナンバーカードにタッチすることによるカードの読み取り
  • 利用規約の確認
  • メールアドレスの入力

登録すればは完了です。

事前準備② マイナポータル連携(急ぎの場合は飛ばしてもOK)

続いて、マイナポータルアプリからマイナポータル連携の設定をしますが、この工程は必須ではありません。

マイナポータル連携の設定をしておけば、確定申告で入力する内容の一部を省略することができます。

年末調整を受けた会社員の確定申告において、マイナポータル連携をするメリットは主に次の通りです。

  • ふるさと納税についての入力を省略できる
  • 医療費の入力を省略できる

ふるさと納税についての入力を省略できる

前年にふるさと納税をしている場合、確定申告の際にふるさと納税をした自治体・金額・寄付した日付を一件ずつ入力します。

これはワンストップ特例の申請をした方でも同様です。

マイナポータル連携をすればこの入力は省略できます。

医療費の入力を省略できる

医療費控除を利用する場合、誰が、いつ、どの医療機関に、いくら支払ったのか、というように医療費の情報を入力する必要があります。

マイナポータル連携を利用すれば、保険適用の医療費については自動で情報が連携されるため医療費の入力や医療費集計フォームによるデータ作成を省略できます。

また、医療費のお知らせを添付する必要もなくなります。

マイナポータル連携のやり方

マイナポータル連携の必要がある方は下記の記事・動画で手順を詳しく解説していますのでご覧ください。

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STEP1 マイナポータルとe-Taxをつなぐ

マイナポータルアプリにログインします

アプリを開き、ログイン・登録のボタンをタップします。

マイナポータルアプリのログイン

パスワード入力画面が開いたら、利用者証明用電子証明書のパスワード(4桁の数字)を入力し、「ログインする」をタップします。

暗証番号の入力

パスワードは3回連続で間違えるとロックがかかり、役所に行かないと解除できなくなるので気を付けましょう。

以下の画面になったらマイナンバーカードをスマホに押し当ててカードを読み取ります。画面が変わり、「カードを外してください」というメッセージがでるまで、スマホからカードを外さないようにしましょう。

読み取りが完了するとアプリのトップに遷移します。

アプリのメニューを開きます

マイナポータルアプリのメニューボタン

アプリのメニューの中から「外部サイトとの連携」を選びます

e-Taxとの連携を選択します

マイナポータルの外部連携(e-Tax)

連携先の中から「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」を選び、「連携」をタップしましょう。

「同意して次へ」をタップします

マイナポータル連携の同意

「マイナポータルとe-Taxをつなぐ」の画面に遷移します

e-Taxが初めての方は「お手続きの流れへ」をタップしましょう。

18_マイナポータルとe-Taxを繋ぐ

すると「お手続きの流れ」の画面に遷移します

この画面を下にスクロールしていきます。

19_マイナポータルとe-Taxを繋ぐ02

ページ下部の「マイナンバーカード・スマホ用電子証明書の利用」をタップ

e-Taxの初回設定

パスワードの入力画面が開きます

面倒くさいですがもう一度暗証番号の入力とカードの読み取りを行います。

マイナンバーカードの読み取り

すると「利用者情報登録 入力」の画面に遷移します

ここで名前や生年月日などの14の項目を入力しますが、マイナンバーカードの読み取りをもう一度行えば氏名、生年月日、住所、性別については自動で入力されます。

21_マイナポータルとe-Taxを繋ぐ04

ここで入力するのは下記の情報です。

  • 氏名(漢字)
  • 氏名(カタカナ)
  • 生年月日(西暦)
  • 性別
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 職業
  • 納税地情報
  • 事業所などの所在地……会社員は空欄でOK
  • 提出先税務署
  • 納税用確認番号

ここの入力で難しいことは特にありませんが迷いやすいところについて補足します。

まず納税地情報について。会社員の場合、納税地は住民票のある住所でOK。「郵便番号から住所入力」を使えば、「提出先税務署」も自動で選択してくれます。

22_マイナポータルとe-Taxを繋ぐ05

なお、提出先税務署については国税庁のホームページでも確認できます。「国税局 税務署を調べる」でググって出てくるページで郵便番号を入れれば管轄の税務署が出てきます。
国税局・税務署を調べる

続いて納税用確認番号について。これは電子納税に必要な番号で、6桁の数字を自由に設定します。

全部入力出来たら「内容確認する」をタップします

23_マイナポータルとe-Taxを繋ぐ06

ここまでの入力内容が表示されます

内容に間違いがないか確認しながら下にスクロールしていきます。

24_マイナポータルとe-Taxを繋ぐ07

最後まで確認して問題なければ「送信する」のボタンをタップ

25_マイナポータルとe-Taxを繋ぐ08

すると「利用者情報登録完了・つながる設定」の画面に切り替わります

画面を下にスクロールします。

26_マイナポータルとe-Taxを繋ぐ09

ページ下部の「つながる設定」のところで「同意する」ボタンをタップ

27_マイナポータルとe-Taxを繋ぐ10

STEP2 e-Taxの初期登録

前章までの手順を終えると、こちらの画面が出てきます

アカウントの連携完了画面

「e-Taxを利用」というボタンをタップしましょう。

e-Taxの本人確認画面に遷移します

画面を下にスクロールしましょう。

29_e-Tax_本人確認

「マイナンバーカードの読み取り」のところまでスクロール

「この端末で読み取り」を選びます。

30_e-Tax_本人確認02

更にもう少しだけ下にスクロール

「この端末で読み取り」のボタンをタップします。
e-Taxの本人確認(端末で読み取り)

するとまたパスワードの入力画面に遷移します

マイナンバーカードのパスワードの入力とマイナンバーカードの読み取りを行います。

マイナポータルとe-Taxの連携(署名用パスワード入力)

 

ここで入力するのは今までの4桁の数字ではありません。アルファベットと数字を含む6文字から16文字のパスワード(署名用電子証明書のパスワード)です。

アルファベットは大文字で入力します。

マイナンバーカードの読み取り後、本人確認完了のメッセージが表示されます

この画面で「次へ」をタップします。
e-Taxの本人確認(確認完了)

STEP3 確定申告書等作成コーナーにアクセスする

ここまでのステップは、e-Taxの初回利用のための作業ですので、一度完了したら、翌年からは不要です。

ここからは、いよいよ確定申告書を作成していきます。こちらは毎年行う作業です。

まずは確定申告書等作成コーナーにアクセスしましょう。

Googleなどで「確定申告書等作成コーナー」で検索すれば一番上に出てきます。

01_確定申告書作成コーナー_Google検索

あるいは、マイナポータルアプリの「確定申告」のメニューからアクセスすることも可能です。まずはアプリのトップ画面で「確定申告」の項目を選び……

マイナポータルアプリの確定申告メニュー

次の画面で「確定申告書等の作成」をタップすると、確定申告書倒錯性コーナーに遷移します。

マイナポータルアプリから確定申告を開始する

確定申告書等作成コーナーにアクセスできたら下の方にある作成開始をタップ

02_確定申告書等作成コーナー_作成開始

使い方の説明をスクロールして「次へ」を選びます

03_確定申告書等作成コーナー_案内

「作成する申告書等の選択」という画面に遷移したら、「所得税」を選びます

04_確定申告書等作成コーナー_申告書選択

下にスクロールして「作成する年分」を選びます。

2024年の収入についての手続きなら、令和6年分を選びます。

年分選択

また下にスクロールして「提出方法等に関する質問」に回答します。

以下、順番に質問が出てきますので、それぞれ「はい」で回答します。

  • マイナンバーカードをお持ちですか
  • ご利用のスマートフォンはマイナンバーカードの読み取りに対応していますか

提出方法

二つとも「はい」で回答すると、マイナンバーカードを利用した確定申告(e-Tax)が可能になり、確定申告書の作成から提出までオンラインで完結させることができます。

マイナンバーカードや対応するスマホがなかったり、確定申告書を提出する前に税務署の職員さんにチェックしてもらいたい場合は上記の質問のいずれかに「いいえ」で答えましょう。

「書面」あるいは「ID・パスワード方式」の提出方法を選べます。書面を選ぶと、オンラインで作成した確定申告書を印刷して税務署に提出することになりますので、提出前に税務署で内容をチェックしてもらえます。

更に下にスクロールしてマイナポータル連携の有無を選択します

マイナポータル連携の設定ができている場合は「連携する」を選んでください。

この記事では、医療費控除やふるさと納税をより容易にするため「連携する」パターンで解説しますが、マイナポータル連携をしていなくても確定申告は可能なので、その場合は「連携しない」を選びます。

確定申告書等作成コーナー

どちらかを選んだら「次へ」をタップします。

STEP4 マイナポータルアプリでログインする

前章までの手順を終えると、こちらの画面が表示されます。

確定申告書等作成コーナーからマイナポータルへ

下にスクロールして利用規約の内容を確認し、問題なければ「同意して次へ」をタップ。

13_確定申告書等作成コーナー_マイナポータルアプリ連携02

続いて出てくるこの画面で「次へ」をタップ

14_確定申告書等作成コーナー_マイナポータルアプリ連携03

マイナンバーカードを読み取ります

マイナポータルの認証ページに遷移するので、「マイナンバーカードでログイン」をタップし、ます。

認証画面

以降、案内に従ってマイナンバーカードの読み取りを行いましょう。カードの読み取りは、マイナポータルアプリのログイン同様、暗証番号(4桁の数字)の入力⇒スマホにマイナンバーカードを押し当てる、の流れです。

読み取りができたら、「外部サービスに戻る」をタップしてください。

外部サービスに戻る

認証完了

「次へ」のボタンをタップして確定申告書等作成コーナーに戻ります。

認証完了

STEP5 確定申告書の作成

前章までの手順を終えると確定申告書作成コーナーに戻ってきます

↓の画面で「次へ」のボタンをタップします。
e-Taxの登録状況確認

本人情報等を入力する画面が出てきます

31_確定申告書等作成コーナー_本人情報

ここで入力するのは次の情報です。会社員の場合「事業所」についての入力欄は空欄のまま次に進みましょう。

  • 氏名(漢字)
  • 氏名(カナ)
  • 性別
  • 生年月日
  • 職業……「会社員」など
  • 屋号……会社員は空欄でOK
  • 世帯主の氏名と続柄……世帯主が自分なら「ご自身が世帯主」をタップ、違うのなら世帯主の氏名と世帯主からみた続柄(子、妻、など)を入力
  • 納税地……会社員は「住所地」を選択
  • 住所
  • 電話番号
  • 提出先税務署

全部入力出来たら「内容を登録する」をタップ

32_確定申告書等作成コーナー_本人情報02

今まで入力した内容の確認画面が出てきます

間違いがないかチェックしながら下にスクロールしていきます。

33_確定申告書等作成コーナー_本人情報03

ページの一番下までチェックして間違いがなければ「次へ」をタップ

34_確定申告書等作成コーナー_本人情報04

マイナポータルから証明書の取得をするかどうか選択します

取得情報の選択

ふるさと納税の寄付情報や医療費控除の情報をマイナポータルから引き出したい場合は「取得する」を選択し、マイナポータル連携の事前準備等をしていない場合は「取得しない」を選んで「次へ」をタップします。

医療費控除の家族合算をする場合などは、家族分についても「取得する」を選びましょう。

なお、家族分の情報を取得する場合、事前準備がもう一つ必要です(マイナポータルの代理人設定)。そちらについては下記の記事・動画で解説していますので、こちらをご覧ください。

以降、自分の分の情報のみ、マイナポータルから取得するパターンで解説していきますので、マイナポータル連携で情報を取得しないを選択した方はここから少し読み飛ばしてください。

マイナポータル連携の利用規約を確認します

マイナポータル連携の利用規約を確認し、問題なければ「利用規約に同意する」にチェックをいれて、「次へ」をタップします。

利用規約に同意

マイナポータルと連携します

「連携」をタップします。

マイナポータル連携

マイナポータル連携で取得するデータを選択します

マイナポータル連携で取得できるデータが表示されますので、利用したいデータにチェックをいれましょう。

39_マイナポータル連携04

留意事項を確認してデータを連携します

留意事項を確認し、「上記の留意事項を確認した」にチェックを入れて、ページ最下部の「次へ」をタップします。

留意事項の確認・同意

確定申告書作成コーナーに戻ってきます

取得情報一覧

マイナポータルから取得した情報に誤りがなければ「次へ」をタップします。

続いて「xmlデータの読込」画面に遷移します

44_確定申告書等作成コーナー_xmlデータの読込

マイナポータルから取得した情報以外に、読み込みたいデータがある方は「ファイルを選択する」のプラスマークをタップしてデータの読み込みをします。

ここでデータを読み込めば、この後いくつかの項目の入力を省略できます。

ここで読み取れるデータは下記の通りで、拡張子は.xmlである必要があります。

  • 給与所得の源泉徴収票データ
  • 公的年金等の源泉徴収票データ
  • 小規模企業共済等掛金控除証明書データ
  • 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書データ
  • 医療費通知データ
  • 生命保険料控除証明書データ
  • 地震保険料控除証明書データ
  • 寄付金受領証明書データ
  • 寄付金控除に関する証明書データ
  • 特定口座の年間取引報告書データ
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書データ

データの読み込みが完了したら「次へ」をタップ。

特に読み込むデータがない方もそのまま「次へ」をタップします。

年末調整をきちんと受けていて、収入や控除について内容の変更がないのであれば、ここで読み込むとしたら寄付金控除に関する証明書と医療費通知が主になるでしょう。その場合、控除の申請に必要な情報をマイナポータル連携ですべて取得しているのであればxmlデータを読み取る必要はありません。

↓次の画面では申告する収入を選びます。

所得の選択

今回は会社員の確定申告を想定しているので「給与」のみ選択しますが、他にも副業収入や年金収入などがある人は全て選択するようにしましょう。

なお、画面上部の本人情報(生年月日)は自動で入力されていますので、間違いがないか確認してください。

源泉徴収票の枚数などについて回答します

所得の選択で「給与」を選ぶと、画面の最下部に1~4問の質問が出てきますので、それぞれ回答します。

  • お持ちの「給与所得の源泉徴収票」は1枚のみですか
  • 勤務先で年末調整が済んでいますか
  • 年末調整の内容を変更しますか
    など

など

所得に関する質問

全て回答したら「次へ」をタップします。

「お手持ちの源泉徴収票は一枚のみですか」と「勤務先で年末調整が済んでいますか」は大体の人が「はい」の答えで大丈夫だと思いますが、掛け持ちや転職などで源泉徴収票が2枚以上ある人などは「いいえ」を選びましょう。

今回は、医療費控除を受けたい会社員を想定して、

  • 源泉徴収票1枚
  • 年末調整済
  • 年末調整で申請した内容に変更はナシ

というケースで解説しますが、別のパターンでも大筋は変わりませんのでご安心ください。

次の画面では申告する年分のお給料について入力します

源泉徴収票を手元に用意して、内容を転記していきます。入力方法には、

  • 源泉徴収票をカメラで撮って内容を読み取る方法
  • 源泉徴収票を見ながら内容を手入力していく方法

の2通りがあり、まずはどちらの方法で入力するかを選びます。

源泉徴収票の読み取り

今回はカメラで入力するパターンで解説しますので、「入力方法の選択」欄の直下にある、「カメラで源泉徴収票を読み取る」をタップしてください。

「カメラで源泉徴収票を読み取る」をタップすると、撮影の注意点が表示されます

注意点を確認したら「撮影する」をタップします。

46_確定申告書等作成コーナー_源泉徴収票の撮影02

スマホのカメラが起動したら、源泉徴収票を撮影します

撮影すると、「この画像の内容を読み取りますか」という質問が出てくるので、撮影内容に問題がなければ「読み取る」をタップします。

47_確定申告書等作成コーナー_源泉徴収票の撮影03

「読取完了」の画面が出たら「次へ」をタップ

48_確定申告書等作成コーナー_源泉徴収票の撮影04

うまく撮影できていれば、撮影した源泉徴収票の情報が、入力欄に反映されます

48_確定申告書等作成コーナー_源泉徴収票の補正01

読み取れなかった項目については結局手入力が必要です

赤くなっている入力欄は必須項目なので、源泉徴収票を見ながら数字をうつしましょう。

49_確定申告書等作成コーナー_源泉徴収票の補正02

入力欄をタップすると、画面上部の源泉徴収票見本に赤枠が点滅します。「この入力欄は、源泉徴収票のここに書いてある内容を転記してください」というガイドです。

自動で入力出来た部分も、間違いがないか念のため源泉徴収票を見て確かめましょう。

2024年分の確定申告では、定額減税に関する入力欄があります。入力欄Fの「源泉徴収時所得税減税控除済額」と「控除外額」にそれぞれ、定額減税をすでに受けている金額、まだ受けられていない金額を記入しましょう。源泉徴収票の摘要欄に書いてあります。

源泉徴収票の内容が正しく入力出来ているのを確認出来たら「補正完了」のボタンをタップ

50_確定申告書等作成コーナー_源泉徴収票の補正03

源泉徴収票が複数枚ある場合は続けて入力をします。

給料についての入力ができたら、「控除の入力」の画面に遷移します

利用したい控除をタップして、それぞれの画面で必要事項を入力します。全て入力出来たらページ下部の「次へ」をタップしましょう。

控除の入力

年末調整を受けていて、なおかつ年末調整の申告内容に間違いや変更点がない場合、この画面では、確定申告でしか申請できない医療費控除、寄付金控除(ふるさと納税の控除)、雑損控除などについて入力します。

この記事では、会社員がよく利用する、医療費控除や寄付金控除の入力について解説しますので、どちらも利用しない人はここから少し読み飛ばしてください。

医療費控除

医療費控除を利用するには、どんな医療費をいくら支払ったのかなど、医療費の情報を入力する必要があります。

マイナポータル連携をしている場合、保険適用の医療費については既に連携されているため、その分の入力は不要です。医療費通知のxmlデータを読み込んでいる場合も同様です。

マイナポータル連携・xmlデータで読み込んだもの以外に、支払った医療費がある場合、こちらの画面で入力を行います。

医療費の追加入力

上記の作業画面を見てもわかるように、医療費の入力方法にはいくつかあります。

  • 医療費通知(書面)を利用する
    ……「医療費のお知らせ」などの「医療費通知」に記載された医療費の合計を手入力。別途明細書を作成する必要はありませんが、医療費通知の原本を5年間保存しておく必要があります
  • 領収書を見ながら個別に入力する
    ……病院の領収書などを見ながら、誰が、どの医療機関に、どういう名目でいくら払ったのか、をひとつひとつ入力します
  • 医療費集計フォームを利用する
    ……医療費集計フォーム(xlsx)を利用し作成したデータを読み込みます。医療費の件数が多いときに便利ですが、作成はPCでの作業が推奨されます

お好きな入力方法を選んで入力しましょう。

また、「おむつ使用証明書」など、証明書をお持ちの方は、医療費控除申請画面の最下部、「医療費の証明書等がある」にチェックをいれて「入力」ボタンから、証明書の名称や証明年月日、医療機関名などを入力してください。

寄付金控除

ふるさと納税などをした場合は寄付金額等の入力が必要です。

マイナポータル連携によって寄付情報を取得している場合、その分の入力は不要です。寄付金控除証明書のxmlデータを読み込んでいる場合も同様です。

それ以外の寄付については、ふるさと納税のマイページなどを見ながら、いつ、どこの自治体にいくらふるさと納税したのか一件ずつ手入力します。

証明書等の内容を入力する」をタップしましょう。

ふるさと納税の情報入力

入力画面が出てきたら、ふるさと納税をした自治体と金額などを一件ずつ手入力していきます。

ふるさと納税の情報

控除の入力を終えると計算結果が表示されます

税金の還付金額(あるいは追納金額)と、その根拠となる収入・所得金額、所得控除額、税額などが出てきますので、下にスクロールしながら確認していき、間違いがなければ「次へ」をタップします。

計算結果の確認

次の画面で還付金の受け取り方法を選択します

この還付金をどの口座に振り込んで欲しいのか、「還付金の受け取り方法」のところで設定をします。

還付金の受け取り方法として、好きなものを選びましょう。

還付金の受け取り方法の選択

例えば三井住友銀行の口座に入金してほしいなら、「ゆうちょ銀行以外の銀行等への振り込み」、を選んで、その下に出てくる入力欄に銀行名や口座番号を入力します。

53_確定申告書等作成コーナー_還付方法の選択02.jpg

この入力が面倒くさいなと思う方は、先ほどの選択肢で「公金受取口座への振込み」を選ぶのがおすすめ。公金受取口座を登録済みであれば、改めて口座情報を入力する必要はありません。

口座の設定をして、還付金の振り込み通知を書面(はがき)とオンライン(e-Taxのメッセージボックス/ログイン必須)のどちらで受け取りたいかを答えたら「次へ」をタップ。

通知方法の選択

財産債務調書の作成

続いて出てくるのが「財産債務調書」の作成画面です。いきなり物々しいフレーズが出てきてぎょっとしてしまうかもしれませんが、10億円以上の財産を保持している人でなければ関係ありませんので、無視して下にスクロールしてください。

住民税に関する入力をします

財産債務調書をスルーしてスクロールすると、「住民税に関する事項の選択・入力」画面が出てきます。

住民税に関する質問

該当する項目があればチェックを入れて、案内に従って必要事項を入力します。

すべての入力が完了したら「次へ」をタップします。

すると本人情報の入力画面に遷移します

既に自動で入力済みなので間違いがなければ下にスクロールして「次へ」をタップします。
確定申告書等作成コーナー 本人情報等

次の画面でマイナンバーの入力をして「次へ」をタップ

確定申告書等作成コーナー マイナンバー入力

これで入力系はおしまいです。

STEP6 e-Taxで確定申告書を送信

前章までの手順を終えると、「送信前の申告内容確認」画面に遷移します

この画面では今まで入力した内容をもとにつくられた確定申告書を確認できます。

申告書の確認

「申告書等を表示する」というボタンをタップすると、PDFファイルが開き、ここまで作成した申告書を閲覧できます。

問題なければPDFを閉じ、元の画面で「次へ」をタップします。

次の画面は特記事項がなければノータッチのまま「次へ」をタップ

56_確定申告書等作成コーナー_特記事項

次の画面で「送信する」のボタンをタップ

確定申告書等作成コーナー 申告書の送信

メッセージ画面で「送信を実行する」をタップ

57_確定申告書等作成コーナー_送信

これで確定申告書の提出まで完了します。

まとめ

スマホで確定申告をするのに必要なものは?

会社員の方がスマホで確定申告をする場合、マイナンバーカード、マイナンバーカードのパスワード、源泉徴収票の3点が必要です。

スマホで確定申告(e-Tax)をするにはどうすればいい?

スマホによる確定申告の流れは次の通りです。

  • 事前準備① マイナポータルアプリのインストール(必須)
  • 事前準備② マイナポータル連携(必要であれば)
  • STEP1 確定申告書作成コーナーで書類の作成を開始
  • STEP2 マイナポータルとe-Taxをつなげる
  • STEP3 e-Taxの初期登録
  • STEP4 e-Taxで確定申告書を作成
  • STEP5 e-Taxで確定申告書を送信

細かな手順は本文をご覧ください。

吉田 美紀
執筆
吉田 美紀(よしだ みき)
早稲田大学文学部卒。2020年5月からZEIMOでの編集・監修・執筆活動を開始。ライフマネー・税金・ポイ活に関する記事を50以上監修。

2021年からはYOUTUBEチャンネル「お金のSOSチャンネル」の運営を開始、チャンネル登録者数2.8万(※2023年3月時点)。
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