e-TaxのID・パスワードを取得するには、どうすればいい?
e-Taxを利用するにはマイナンバーカードが必要ですが、「ID・パスワード方式」なら、マイナンバーカードやICカードリーダライタを持っていなくても、e-Taxを使うことができます。
名前の通り、専用のIDとパスワードでe-Taxを利用する行う方式ですが、その「ID・パスワード」をどうやって取得したら良いのか、疑問に思う方もいるでしょう。税務署に行く必要はありますが、意外と簡単です。
実際に、税務署に行ってID・パスワードを取得してみましたので、その体験を基に、方法を紹介します。
※ここで紹介する手順は、実際とはやや異なる場合もあるかもしれませんが、ご了承ください。
目次
ID・パスワード方式とは?
(1)ID・パスワード方式のメリット
e-Taxには、現在、次の2つの方式があります。
- マイナンバーカード方式
- ID・パスワード方式
「マイナンバーカード方式」は読んで字のごとく、マイナンバーカードを利用します。マイナンバーカードを持っていない場合、申請から発行までに、だいたい1ヶ月くらいかかります。さらに、ICカードリーダライタ、またはスマホも用意する必要があります。
「ID・パスワード方式」は、ID(利用者識別番号)とパスワードを入力するだけで、e-Taxを利用できます。この方法のメリットは、申請すれば、その日のうちに発行されて利用できることです。ただし、ID・パスワードが他人に漏れてしまうと、悪用される可能性もありますので、管理は厳重にしましょう。
(2)ID・パスワード方式の申請方法
e-Taxで利用するID・パスワード方式を申請するには、2つの方法があります。
- ①税務署で申請する
- ②自宅で「確定申告書等作成コーナー」から申請する
税務署で行う方法は、身分証明書を持って税務署に行けば良いだけですので、とても簡単です。今回は、こちらをメインで解説します。
自宅で「確定申告書等作成コーナー」から行う方法は、申請を行うために、マイナンバーカードと、ICカードリーダライタまたはスマートフォンが必要になります。
申請してID・パスワードを取得すれば、その後は、マイナンバーカードとICカードリーダライタまたはスマホは不要になるのですが、そもそも、すでに持っている人は、従来の「マイナンバーカード方式」でe-Taxを利用できますので、あまり必要ないでしょう。
なお、国税庁のサイトには、次のように記載されていますので、もしかしたら、ID・パスワード方式は将来的に使えなくなる可能性があるかもしれません。
①税務署でID・パスワードを取得する
それでは、税務署でID・パスワードを取得する方法を解説します。といいましても、意外なほど簡単です。
STEP1:税務署に行く
行く税務署は、自分の住んでいる地域の税務署でなくても、どこの税務署でもOKです。職場や学校などの近くの税務署で大丈夫です。
持ち物は、顔写真つきの身分証明書のみです(運転免許証やマイナンバーカードなど)。税務署なので、もっといろいろな書類が必要なのではないかと不安に思い、事前に税務署に電話して確認したところ、「顔写真つきの身分証明書をお持ちになるだけで、すぐにその場で発行されます」と回答されました。
税務署に行ったら、まずは、総合窓口に行きましょう。総合窓口で受付をしてくれる場合もありますし、他の窓口であればどこに行けば良いか教えてくれます。
窓口で「e-TaxのID・パスワード方式を申請したいです」と言えばOKです。職員の方が申請用紙を渡してくれますので、上のほうに、名前・住所・電話番号・生年月日を記入して提出します。その後、窓口がすいていれば、数分で呼ばれます。
STEP2:パソコンで申請
呼ばれると、パソコンの前に案内され、必要事項を入力します。わからなければ、入力方法をその場で教えてもらえますので、特に心配はいりません。
「e-Taxの開始届出」画面にて、必須項目のみ入力するように案内されますので、入力していきます(画面は少し異なる可能性があります)。
次に、郵便番号と住所を入力します。すると、提出先税務署は自動的に選択されます。
自分で決めた暗証番号を入力します。英小文字と数字を含む半角8桁以上です。
必須ではありませんが、パスワードを忘れたときのために、秘密の質問と答えも入力しておくと良いでしょう。
納税用確認番号を入力します。半角数字6桁です。
「納税用カナ氏名・名称」欄には、さきほど入力したフリガナがすでに入力されています。
メールアドレスも必要であれば入力します。
この後、確認画面が表示されますので、確認をします。
職員から身分証明書を求められますので、身分証明書を提示します。確認がOKであれば、その場で印刷された次の書類をもらえます。
- ID・パスワード方式の届出完了通知
- 利用者識別番号等の通知
「ID・パスワード方式の届出完了通知」には、IDに相当する「利用者識別番号」だけが記載されています。
「利用者識別番号等の通知」には、パスワード(「暗証番号」)も記載されています。
これで、手続き完了です。自宅に戻って、「利用者識別番号」と「暗証番号」を入力すれば、e-Taxを利用できます。
なお、過去にe-Taxを利用したことがある場合は、ID・パスワードはすでに作成されていますので、「ID・パスワード方式の届出完了通知」のみ発行されます。暗証番号は以前に設定したものを利用します。
②自宅でID・パスワードを取得する
マイナンバーカードとICカードリーダライタがあれば、税務署に行かずとも、自宅で「確定申告書等作成コーナー」からID・パスワード方式を申請することができます。
ただし、注意点ですが、過去e-Taxを利用したことがある人は、この方法で申請すると、新しいID(利用者識別番号)が発行されてしまい、過去のIDに紐づくお知らせ等を閲覧できなくなります。すでにe-Taxを利用したことがある人は、税務署に行って行ったほうが良いかもしれません。
確定申告書等作成コーナーから申請
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の右下のほうに、「ID・パスワード方式の届出」という欄がありますので、そこの「届出を行う」ボタンを押します。
画面の指示に従って、ICカードリーダライタをパソコンに接続し、マイナンバーカードを入れて、読み込ませます。
パスワードを求められますので、数字4桁の「利用者証明用パスワード」を入力します。
※マイナンバーカードには、4種類のパスワードが設定されていますので、間違えないようにご注意ください。3回連続で間違えるとロックされてしまい、市区町村の窓口で解除の手続きが必要になります。
この後は、「e-Taxの開始届出」画面にて、すでに説明したのと同じ方法で入力していきます。
最後の画面までいくと、利用者識別番号と暗証番号が表示されます。画面を保存するか印刷しておくと良いでしょう。