【2023年版】ボーナス(賞与)85万円の手取り・税金はいくら?

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ボーナスが高額になると、そこから天引きされる税金や社会保険料の金額も自ずと大きくなります。

この記事では、ボーナスの額面が85万円のとき、手取り額がいくらになるのか、計算方法をわかりやすく解説します。

1.ボーナス・賞与85万円の手取り額一覧表

ボーナスの手取り額は、前月の給与や扶養親族の人数をもとに計算するため、たとえ額面の金額が同じでも人によって手取り額は異なります。

さらに、介護保険料の天引きは40歳以上になってから始まるため、年齢によっても手取りの金額に差が出ます。

まずは、ボーナス85万円の手取り額がいくらくらいのなるのか、様々な条件で計算した結果を一覧表でお見せします。

※以下、2023年12月時点の最新の税率・保険料率で計算しています。

(1)39歳以下の場合

39歳以下の場合、ボーナス85万円の手取り額は、以下の通りとなります。

前月給与 扶養親族0人 扶養親族1人 扶養親族2人 扶養親族3人
15万円 695032円 709829円 724625円 724625円
20万円 695032円 709829円 709829円 709829円
30万円 680235円 695032円 709829円 709829円
40万円 650641円 665438円 680235円 695032円
50万円 606251円 621048円 635844円 650641円

(2)40歳以上の場合

前述の通り、40歳からは「介護保険料」も天引きされるようになるため、全体的に手取り額がやや下がっています。

前月給与 扶養親族0人 扶養親族1人 扶養親族2人 扶養親族3人
15万円 687613円 702252円 716890円 716890円
20万円 687613円 702252円 702252円 716890円
30万円 672974円 687613円 702252円 702252円
40万円 643696円 672974円 672974円 687613円
50万円 614418円 614418円 629057円 643696円

ボーナスの手取りは額面の70~85%くらい

いろいろなパターンで計算してみると、ボーナスの額面が85万の場合の手取りは、条件によって差はあるものの額面の70~85%程度になることがわかります。

次章では、ボーナスから引かれる税金と社会保険料の計算方法を具体的に解説します。

2.ボーナス・賞与85万円のボーナスの手取り額・税金の計算方法

ボーナスの手取り額は、天引きされる税金と社会保険料の金額を差し引けば計算できます。

ここからは、ボーナスから引かれる税金・社会保険料の計算方法を、以下のモデルケースを用いて解説します。

  • 40歳
  • 扶養家族なし
  • 前月給与30万円
  • 協会けんぽ・東京

計算には2023年12月時点最新の保険料率を適用しています。

(1)社会保険料の計算

ボーナスから引かれる社会保険料には以下の4種類があり、それぞれの金額を計算する必要があります。

  • ①健康保険料
  • ②介護保険料(40歳以上のみ支払い有)
  • ③厚生年金保険料
  • ④雇用保険料

健康保険料の計算式

[ボーナスの金額] × [健康保険料率] ÷ 2
上の式を使って今回のモデルケースについて計算すると、健康保険料の金額は次のようになります。
 
[ボーナス金額85万円] × [健康保険料率10.00%※] × [1/2] =42,500円
※協会けんぽ・東京(2023年12月時点最新)

介護保険料の計算式

 [ボーナスの金額] × [介護保険料率] ÷ 2

上の式を使って今回のモデルケースについて計算すると、介護保険料は次のようになります。

[ボーナス金額85万円] × [健康保険料率1.82%※] × [1/2] =7,735円
※協会けんぽの場合(2023年12月時点)

厚生年金保険料の計算式

[ボーナスの金額] × [厚生年金保険料率] ÷2
上の式を使って今回のモデルケースについて計算すると、厚生年金保険料は次の通りになります。
[ボーナス金額85万円] × [健康保険料率18.3%※] × [1/2] =77,775円
※協会けんぽ・東京の場合(2023年12月時点)

雇用保険料の計算式

[ボーナスの金額] × [雇用保険料率]

上の式を使って今回のモデルケースについて計算すると、雇用保険料は次のようになります。

[ボーナス金額85万円] × [雇用保険料率0.6%※] =5,100円
※「一般の事業」の場合(建設業、農林水産業、清酒製造業は0.7%)

社会保険料の合計

健康保険料42,500円 + 介護保険料7,735円 + 厚生年金保険料77,775円 + 雇用保険料5,100円 =133,110円

(2)税金(所得税)の計算

ボーナスから引かれる税金の計算式は次の通りです。

[所得税] = [ボーナスの金額 - 社会保険料の合計額] × [源泉徴収税率]

源泉徴収税率は、扶養親族の人数と、前月の給与から社会保険料を控除した後の金額によって決まります。

賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」を参照して確認しましょう。

毎月の給与が30万円だと、社会保険料を控除すると約25万4千円(計算省略)ですので、表の縦軸から「扶養家族0人」の列を選び、続いて横軸から、25万4千円が間に入る行を選びます。その左に記載された税率を参照すると、今回の計算に用いる税率は6.126%であることが分かります。

[所得税] = [ボーナス金額85万円 - 133,110円] × [6.126%] = 43,916円

(3)手取り額の計算

ここまでの計算で、社会保険料の合計が133,110円、税金の金額が43,916円と出ましたので、これを額面の85万からさしひき、手取り額は672,974円と計算できました。

項目名 金額
健康保険料 42,500円
介護保険料 7,735円
厚生年金保険料 77,775円
雇用保険料 5,100円
所得税 43,916円
手取り額 672,974円

なお、こちらの動画でも、ボーナスの手取り額の計算方法も説明しています。

賞与の手取り額を計算するツールもありますので、ご自由にご利用ください。

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3.ボーナス・賞与の平均支給額は?

ボーナスの1人当たりの平均支給額は、2022年冬が392,975円、2023年夏が397,129円でした(厚生労働省「毎月勤労統計調査」より引用)。

85万円のボーナスは、平均を大きく上回る金額だと言えます。

また、業種別にみても、全ての業種において平均支給額は85万円を下回ります。

いずれの業種においても、ボーナス85万円は高額の部類に入ると言えるでしょう。

業種別1人当たり平均賞与額
  2023年夏季ボーナス 2022年冬季ボーナス
鉱業,採石業等 551,276円 544,456円
建設業 540,695円 498,569円
製造業 535,180円 514,074円
電気・ガス業 745,209円 805,880円
情報通信業 708,645円 662,768円
運輸業,郵便業 387,908円 390,812円
卸売業,小売業 358,409円 365,502円
金融業,保険業 667,956円 621,410円
不動産・物品賃貸業 656,400円 554,675円
学術研究等 690,847円 634,606円
飲食サービス業等 59,978円 67,605円
生活関連サービス等 186,583円 164,324円
教育,学習支援業 522,001円 537,509円
医療,福祉 270,804円 309,224円
複合サービス事業 425,769円 455,815円
その他のサービス業 238,013円 217,774円

【出典】
厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等」
厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等」

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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