【2025年版】ボーナス(賞与)85万円の手取り・税金はいくら?

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ボーナスが85万円というように高額になると、天引きされる税金や社会保険料の金額も自ずと大きくなってしまいます。

この記事では、ボーナスの額面が85万円のとき、手取り額がいくらになるのか、計算方法をわかりやすく解説します。

1.ボーナス・賞与85万円の手取り額一覧表

ボーナスの手取り額は、前月の給与や扶養親族の人数をもとに計算するため、たとえ額面の金額が同じでも人によって手取り額は異なります。

さらに、介護保険料の天引きは40歳以上になってから始まるため、年齢によっても手取りの金額に差が出ます。

まずは、ボーナス85万円の手取り額がいくらくらいのなるのか、様々な条件で計算した結果を一覧表でお見せします。

※以下、2025年12月時点の最新の税率・保険料率で計算しています。

(1)39歳以下の場合

39歳以下の場合、ボーナス85万円の手取り額は、以下の通りとなります。

前月給与 扶養親族0人 扶養親族1人 扶養親族2人 扶養親族3人
20万円 695,807円 710,620円 710,620円 725,433円
30万円 680,993円 695,807円 710,620円 710,620円
40万円 651,367円 666,180円 680,993円 695,807円
50万円 606,927円 621,740円 636,553円 651,367円
60万円 606,927円 606,927円 606,927円 606,927円

(2)40歳以上の場合

前述の通り、40歳からは「介護保険料」も天引きされるようになるため、全体的に手取り額がやや下がっています。

前月給与 扶養親族0人 扶養親族1人 扶養親族2人 扶養親族3人
20万円 689,326円 704,001円 704,001円 718,676円
30万円 674,650円 689,326円 704,001円 704,001円
40万円 645,300円 674,650円 674,650円 689,326円
50万円 615,949円 615,949円 630,624円 645,300円
60万円 601,274円 601,274円 601,274円 615,949円

ボーナスの手取りは額面の70~85%くらい

いろいろなパターンで計算してみると、ボーナスの額面が85万の場合の手取りは、条件によって差はあるものの額面の70~85%程度になることがわかります。

次章では、ボーナスから引かれる税金と社会保険料の計算方法を具体的に解説します。

2.ボーナス・賞与85万円のボーナスの手取り額・税金の計算方法

ボーナスの手取り額は、天引きされる税金と社会保険料の金額を差し引けば計算できます。

ここからは、ボーナスから引かれる税金・社会保険料の計算方法を、以下のモデルケースを用いて解説します。

  • 40歳
  • 扶養家族なし
  • 前月給与30万円
  • 協会けんぽ・東京

計算には2024年6月時点最新の保険料率を適用しています。

(1)社会保険料の計算

ボーナスから引かれる社会保険料には以下の4種類があり、それぞれの金額を計算する必要があります。

  • ①健康保険料
  • ②介護保険料(40歳以上のみ支払い有)
  • ③厚生年金保険料
  • ④雇用保険料

健康保険料の計算式

[ボーナスの金額] × [健康保険料率] ÷ 2
上の式を使って今回のモデルケースについて計算すると、健康保険料の金額は次のようになります。
 
[ボーナス金額85万円] × [健康保険料率9.91%※] × [1/2] =42,117円
※協会けんぽ・東京(2025年12月時点最新)

介護保険料の計算式

 [ボーナスの金額] × [介護保険料率] ÷ 2

上の式を使って今回のモデルケースについて計算すると、介護保険料は次のようになります。

[ボーナス金額85万円] × [介護保険料率1.59%※] × [1/2] =6,757円
※協会けんぽの場合(2025年12月時点)

厚生年金保険料の計算式

[ボーナスの金額] × [厚生年金保険料率] ÷2
上の式を使って今回のモデルケースについて計算すると、厚生年金保険料は次の通りになります。
[ボーナス金額85万円] × [厚生年金保険料率18.3%] × [1/2] =77,775円

雇用保険料の計算式

[ボーナスの金額] × [雇用保険料率]

上の式を使って今回のモデルケースについて計算すると、雇用保険料は次のようになります。

[ボーナス金額85万円] × [雇用保険料率0.55%※] =4,675円
※「一般の事業」の場合(建設業、農林水産業、清酒製造業は0.65%)

社会保険料の合計

健康保険料42,415円 + 介護保険料6,800円 + 厚生年金保険料77,775円 + 雇用保険料5,100円 =132,090円

(2)税金(所得税)の計算

ボーナスから引かれる税金の計算式は次の通りです。

[所得税] = [ボーナスの金額 - 社会保険料の合計額] × [源泉徴収税率]

源泉徴収税率は、扶養親族の人数と、前月の給与から社会保険料を控除した後の金額によって決まります。

賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」を参照して確認しましょう。

源泉徴収税額表 令和7年分

毎月の給与が30万円だと、社会保険料を控除すると約25万4千円(計算省略)ですので、表の縦軸から「扶養家族0人」の列を選び、続いて横軸から、25万4千円が間に入る行を選びます。その左に記載された税率を参照すると、今回の計算に用いる税率は6.126%であることが分かります。

[所得税] = [ボーナス金額85万円 - 131,324円] × [6.126%] = 44,026円

(3)手取り額の計算

ここまでの計算で、社会保険料の合計が131,324円、税金の金額が44,026円と出ましたので、これを額面の85万からさしひき、手取り額は674,650円と計算できました。

項目名 金額
健康保険料 42,117円
介護保険料 6,757円
厚生年金保険料 77,775円
雇用保険料 4,675円
所得税 44,026円
手取り額 674,650円

なお、こちらの動画でも、ボーナスの手取り額の計算方法も説明しています。

賞与の手取り額を計算するツールもありますので、ご自由にご利用ください。

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3.ボーナス・賞与の平均支給額は?

ボーナスの1人当たりの平均支給額は、2024年夏が414,515円、2024年冬が413,277円でした。(厚生労働省「毎月勤労統計調査」より引用)。

85万円のボーナスは、平均を大きく上回る金額だと言えます。

また、業種別にみても、全ての業種において平均支給額は85万円を下回ります。

いずれの業種においても、ボーナス85万円は高額の部類に入ると言えるでしょう。

業種別に見ると、高い業種と低い業種で大きな差があります。

業種別1人当たり平均賞与額
産業 2024年夏季ボーナス 2024年冬季ボーナス
鉱業,採石業等 558,769円 612,066円
建設業 543,670円 540,595円
製造業 547,928円 558,186円
電気・ガス業 881,533円 943,474円
情報通信業 739,621円 707,303円
運輸業,郵便業 395,736円 398,540円
卸売業,小売業 382,412円 373,565円
金融業, 保険 703,753円 641,032円
 不動産・物品賃貸業 588,824円 551,281円
学術研究等 645,387円 588,937円
飲食サービス業等 75,897円 83,199円
生活関連サービス等 186,504円 184,277円
教育,学習支援業 567,828円 589,333円
医療,福祉 282,874円 308,846円
複合サービス事業 429,741円 455,496円
その他のサービス業 241,311円 236,048円

【出典】
厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等」
厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」

東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
税理士試験 財務諸表論 科目合格。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を10年以上担当。
税金やお金に関することが大好きで、関連記事を2000本以上、執筆・監修。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
著書「届け出だけでもらえるお金大全
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