マイナンバーカードが健康保険証として使えるってホント?

マイナンバー 健康保険証

病院にかかるときに必ず持っていくのが健康保険証。

実は、2021年3月ごろから、マイナンバーカードを、公的医療保険の「健康保険証」として使えるようになることをご存知でしょうか?

健康保険証としてのマイナンバーカードの概要と、そのメリット、個人情報の漏洩リスクなどの疑問点について解説します。

1.マイナンバーカードが健康保険証代わりに

マイナンバーカードとは、国内の全住民に付与される「マイナンバー」(12桁の個人番号)などを記したICチップが埋め込まれたプラスチック製のカードです。

現在は、病院やクリニックなどの医療機関を受診したり、処方せんを持って調剤薬局で薬を買ったりするとき、患者さんは、健康保険証を提示しています。

医療機関や薬局は、健康保険証を確認することで、目の前の患者さんが公的医療保険に加入していることを知ることができます。そして、医療機関や薬局は、患者さんに治療費や薬代の1~3割の額を請求します。

マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになると、健康保険証を提示する代わりに、マイナンバーカードを提示できるようになります。

(1)2021年3月ごろからサービス開始

総務省は、マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになるのは、2021年3月からと案内しています。

ただ、2021年3月1日の利用開始時にマイナンバーカードが使えるのは、全国の医療機関・薬局の6割程度と見込んでいます。

(2)どうやって使うの?

マイナンバーカードを保険証として利用の流れは以下のとおりです。

  1. 医療機関・薬局の支払いカウンターなどに「カードリーダー」という機器が設置される
  2. 利用者が自分のマイナンバーカードを受付の職員に見せる
  3. 受付の職員は、マイナンバーカードに貼りつけてある顔写真と利用者の顔を確認する
  4. 利用者がマイナンバーカードをカードリーダーにかざす

これで完了です。あとは、請求された医療費や薬代を支払うだけです。

利用者がマイナンバーカードをカードリーダーにかざしたとき、カードリーダーはマイナンバーカードに内蔵されたICチップ内のデータ「電子証明書」を確認します。

それにより、利用者が、どの公的医療保険に加入しているかを、オンラインでチェックできるようになります。

(3)どこの病院や薬局で使えるの?

この制度のスタートは2021年3月1日ですが、その時点で利用できるのは全国の医療機関・薬局の6割ほどです。

したがって、自分が通っている病院で、必ず2021年3月1日からマイナンバーカードが使えるとは限りません。

総務省は、「おおむねすべて」の医療機関・薬局で使えるようになるのは、2023年3月末になるだろう、としています。

(4)利用者(患者さん)は事前登録が必要

健康保険証としてマイナンバーカードを使うには、利用者(患者さん)も準備する必要があります。
利用者が「やること」は次の3つです。

①マイナンバーカードを取得する

マイナンバーカードの申請は郵送またはインターネットで行います。

約1ヶ月後くらいに各市区町村役場でカードを受け取ります。その際に、数字4桁の「利用者証明用電子証明書」とよばれる暗証番号を設定します。

②マイナポータルを利用する準備をする

マイナポータルとは、総務省が設置した、マイナンバーカードを利用して各種の公的手続きが可能なインターネット上のサイトです。

対応したパソコン&ICカードリーダーか、対応したスマホが必要です。
パソコンまたはスマホに専用アプリをインストールします。

③マイナポータルで健康保険証とマイナンバーカードを「ひもづけ」する

「ひもづけ」とは2つのデータを「関連づける」という意味です。マイナポータルに、健康保険証としての利用を申し込むページができる予定です。

パソコンもスマホもない方は、市区町村役場などに設置されるマイナポータル専用端末を利用します。

2.健康保険証として利用できるメリット

この制度は、単に「健康保険証というカード」が「マイナンバーカードという別のカード」に置き換わるだけではありません。

マイナンバーカードのシステムを使うことで、利用者にメリットをもたらします。

(1)健康保険証としてずっと使える

最も大きなメリットは、加入している公的医療保険が変わっても、「切れ目なく」ずっと使えることでしょう。

健康保険証は、公的医療保険を運営している組織が発行します。そのため、次のような場合は、加入する公的医療保険が変わるので、健康保険証を切り替えなければなりません。

  • 学生や無職の人が会社などに就職をした
  • 自営業の人が会社などに就職した
  • 会社などに勤めている人が自営業になった
  • 会社などに勤めている人が主婦・主夫や無職になった
  • 会社などに勤めている人が、別の会社などに転職した

健康保険証を切り替えると、一時的に、最新の健康保険証が手元にない期間が生じます。過去の健康保険証を利用すると、後で精算手続きが必要であり面倒です。

マイナンバーカードを健康保険証として利用できれば、健康保険証の切り替えがなく、安心です。

ただ、加入している公的医療保険を脱退したり、別の公的医療保険に加入したりするには、別途、従来とおりの手続きが必要になります。

(2)確定申告の医療費控除が簡単になります

1月1日から12月31日までの1年間の医療費が高額になると、「医療費控除」という、税金が安くなる仕組みを使うことができます。
マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにしておくと、医療費控除の手続きが簡単になります。

医療費控除を行うには確定申告が必要です。確定申告では、かかった医療費の領収書をそろえなければなりませんが、それが必要なくなります。

マイナポータルで、医療費情報を取得できるようになるので、その情報を確定申告に使うことができます。

医療費情報をマイナポータルから引き出せるようになるのは、2021年秋ごろを予定しています。

(3)窓口への書類の提出が不要に

マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにしておくと、高齢受給者証や高額療養費の限度額認定証などの書類を、医療機関や薬局に持参しなくてよくなります

医療機関・薬局が、マイナンバーカードの情報を使って、公的医療保険の資格を確認できるようになるからです。

(4)自分自身に関する医療情報を確認できる

マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにしておくと、マイナポータルで、自分の薬剤情報や特定健診情報を確認できるようになります。
このサービスの開始は2021年秋ごろを予定しています。

さらに、利用者(患者さん)が同意すれば、医師や歯科医師は、その患者さんの薬剤情報と特定健診情報を、オンラインで確認できるようになります。
薬剤師も、薬剤情報を確認できるようになります。

これにより、医療の質が高まることが期待できます。

3.個人情報の漏洩リスクはどの程度あるのか

メリットがあれば、デメリットがあります。
マイナンバーカードを健康保険証として利用すると、個人情報が漏れるリスクが高まる可能性はあります。

ただ、国もその点は承知していて、さまざまな策を講じています。

(1)マイナンバーは利用しない

個人情報漏洩対策として、医療機関や薬局は、「12桁のマイナンバー」を使いません

医療機関・薬局が使うのは、マイナンバーカードのICチップに保存されている「電子証明書」のデータだけです。

ただ、マイナンバーカードの裏面には「12桁のマイナンバー」が明示されています。したがって、悪意のある病院の受付職員などが、利用者の「12桁のマイナンバー」を暗記することは可能です。

しかし、マイナンバー「だけ」を知っている状態では「なんの」手続きもすることはできません。

(2)マイナンバーカードを紛失しても医療情報は洩れない

ITに詳しい悪意ある者が、他人のマイナンバーカードを入手して、ICチップに保存されているデータを解読できたとしても、そこには医療情報は入っていません

したがって、マイナンバーカードを紛失しても、受診歴や薬剤情報などが漏れることはありません。

マイナンバーカードを紛失したときは、下記の電話番号に連絡すれば、24時間365日、カードの利用を一時的に停止できます。

  • マイナンバー総合フリーダイヤル
    TEL:0120-95-0178
    平日9時30分~20時00分、土日祝9時30分~17時30分

4.よくある質問

マイナンバーカードを健康保険証として利用するにあたり、次のような疑問が湧くと思います。
その回答を紹介します。

Q.今の健康保険証はなくなるのか

A.健康保険証は、今までと同じく発行されます。医療機関・薬局に行ったときにマイナンバーカードを忘れた場合は、健康保険証を利用することができます。

Q.パソコンやスマホを持っていないが、どうすればいいのか

A.マイナンバーを健康保険証として利用するには、インターネット上のサイト「マイナポータル」で事前登録する必要があります。そのためには、パソコンやスマホなどが必要になります。

パソコンやスマホを持っていない人は、各市区町村役場に設置される「マイナポータル専用端末」で事前登録できます。

まとめ

本記事のポイントを簡単にまとめます。

  • 2021年3月から、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになる
  • 一番大きなメリットは、就職・転職時に、健康保険証の切り替えが必要ないこと
  • セキュリティ対策もされているので、カードを紛失しても個人の医療情報が漏れることはない

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