【2025年版・最新】賞与手取り額・所得税・住民税計算ツール
※社会保険料率を2025年(令和7年)3月1日~の値に変更いたしました。 ※社会保険、雇用保険に加入していないケース…[続きを読む]
この記事では、ボーナス・賞与が15万円の場合、税金や社会保険料としていくら天引きされ、手取りがいくらになるのか、計算方法をわかりやすく解説します。
目次
ボーナスの手取り額は、額面の金額だけでは決まりません。
同じ額面でも、個々人の条件によって天引きされる金額が異なるからです。
こまかな計算方法については次章でお伝えしますので、まずはイメージを掴むため、ボーナスの額面が15万円のとき、手取りがいくらになるのか様々な条件で計算した結果を一覧でお見せします。
※2025年6月時点の最新の税率・保険料率で計算しています。
ボーナスの手取りが決まるポイントの一つは年齢で、39歳以下か40歳以上かで社会保険料の天引き額が異なります。39歳以下の方は、以下の表を見て、ご自身の月給や扶養親族の人数に近い欄をご参照ください。
なお、表の「前月給与」というのはボーナスが支給される月の前月の給料、ということです。健康保険料などが引かれる前の金額で、なおかつ通勤手当は含めません。
前月給与 | 扶養親族0人 | 扶養親族1人 | 扶養親族2人 | 扶養親族3人 |
---|---|---|---|---|
10万円 | 122,790円 | 128,018円 | 128,018円 | 128,018円 |
15万円 | 122,790円 | 125,404円 | 128,018円 | 128,018円 |
20万円 | 122,790円 | 125,404円 | 125,404円 | 128,018円 |
25万円 | 122,790円 | 125,404円 | 125,404円 | 125,404円 |
30万円 | 120,176円 | 122,790円 | 125,404円 | 125,404円 |
40歳以上の方は以下の表をご覧ください。
前月給与 | 扶養親族0人 | 扶養親族1人 | 扶養親族2人 | 扶養親族3人 |
---|---|---|---|---|
15万円 | 121,647円 | 126,826円 | 126,826円 | 126,826円 |
20万円 | 121,647円 | 124,237円 | 126,826円 | 126,826円 |
30万円 | 121,647円 | 124,237円 | 124,237円 | 126,826円 |
40万円 | 121,647円 | 124,237円 | 124,237円 | 124,237円 |
50万円 | 119,057円 | 121,647円 | 124,237円 | 124,237円 |
様々な条件でボーナス15万円の手取りを計算してみると、手取り額は概ね額面の70~85%程度になることが分かります。
つまり、ボーナスが15万支給されても、15~30%程度は天引きされてしまうことになります。
次章では、天引き額の正確な求め方を具体的に解説します。
ボーナスから天引きされる税金・社会保険料の計算方法を、以下のモデルケースで解説します。
ボーナスから引かれる社会保険料は、以下4種類の保険料の合計です。
それぞれ具体的な数字を当てはめて計算していきましょう。
ボーナスから引かれる税金は以下の式で求めます。
源泉徴収税率は、「賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」で調べることができます。
扶養親族の人数と、前月の給与から社会保険料を控除した後の金額をもとに表を参照しましょう。
今回のシミュレーションでは「前月の給与」は30万です。この場合、給与から社会保険料を控除すると約25万4千円(計算省略)となります。
「賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」を見て、扶養家族は0人の列の、25万4千円が間に入る行を探し、左端にある税率を参照すると、税率は6.126%です。
ということで、今回のモデルケースではボーナスから引かれる社会保険料が23,174円、所得税が7,769円でしたので、残る手取りは119,057円という事になります。
項目名 | 金額 |
---|---|
健康保険料 | 7,432円 |
介護保険料 | 1,192円 |
厚生年金保険料 | 13,725円 |
雇用保険料 | 825円 |
所得税 | 7,769円 |
手取り額 | 119,057円 |
ボーナス15万円と聞くと、ちょっと少ないなと思う方もいるでしょう。
実際、ボーナスの1人当たりの平均支給額は、2024年夏が414,515円、2024年冬が413,277円であり、ボーナスが支給される会社の中では低い金額だと言えます(厚生労働省「毎月勤労統計調査」より)。
ボーナスの支給額は業種別でまったく違います。
下表のとおり、宿泊・飲食サービス業では10万円を切っていますので、15万円のボーナスは多いといえます。
旅行業、理美容業、クリーニング業などの生活関連サービスでも20万円弱ですので、15万円はそれより少し少ない程度です。
ただ、平均が80万円を超えるような、電気・ガス業と比較すると、圧倒的な差があります。
産業 | 2024年夏季ボーナス | 2024年冬季ボーナス |
---|---|---|
鉱業,採石業等 | 558,769円 | 612,066円 |
建設業 | 543,670円 | 540,595円 |
製造業 | 547,928円 | 558,186円 |
電気・ガス業 | 881,533円 | 943,474円 |
情報通信業 | 739,621円 | 707,303円 |
運輸業,郵便業 | 395,736円 | 398,540円 |
卸売業,小売業 | 382,412円 | 373,565円 |
金融業, 保険業 | 703,753円 | 641,032円 |
不動産・物品賃貸業 | 588,824円 | 551,281円 |
学術研究等 | 645,387円 | 588,937円 |
宿泊・飲食サービス業等 | 75,897円 | 83,199円 |
生活関連サービス等 | 186,504円 | 184,277円 |
教育,学習支援業 | 567,828円 | 589,333円 |
医療,福祉 | 282,874円 | 308,846円 |
複合サービス事業 | 429,741円 | 455,496円 |
その他のサービス業 | 241,311円 | 236,048円 |
【出典】
・厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等」
・厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」
ボーナスが支給された事業所数の割合は、2024年夏が73.0%、2024年冬が77.8%であり、全国の約2~3割の事業所ではボーナス自体が出ていません。中小企業では特に、ボーナスが支給されない会社も多いです。
産業 | 2024年夏季賞与 | 2024年冬季賞与 |
---|---|---|
5人~29人 | 70.0% | 75.1% |
30人~99人 | 88.9% | 92.1% |
100人~499人 | 93.3% | 94.0% |
500人~999人 | 95.7% | 95.3% |
1000人以上 | 96.6% | 97.4% |
これらをふまえると、金額自体は少なくとも、ボーナスが出る時点で厚遇とみることもできます。