ボーナス(賞与)15万円の手取りはいくら? 税金・社会保険料の計算方法

ボーナス

この記事では、ボーナス・賞与が15万円の場合、税金や社会保険料としていくら天引きされ、手取りがいくらになるのか、計算方法をわかりやすく解説します。

1.ボーナス・賞与15万円の手取り額一覧表

ボーナスの手取り額は、額面の金額だけでは決まりません。

同じ額面でも、個々人の条件によって天引きされる金額が異なるからです。

こまかな計算方法については次章でお伝えしますので、まずはイメージを掴むため、ボーナスの額面が15万円のとき、手取りがいくらになるのか様々な条件で計算した結果を一覧でお見せします。

※2025年6月時点の最新の税率・保険料率で計算しています。

(1)39歳以下の場合

ボーナスの手取りが決まるポイントの一つは年齢で、39歳以下か40歳以上かで社会保険料の天引き額が異なります。39歳以下の方は、以下の表を見て、ご自身の月給や扶養親族の人数に近い欄をご参照ください。

なお、表の「前月給与」というのはボーナスが支給される月の前月の給料、ということです。健康保険料などが引かれる前の金額で、なおかつ通勤手当は含めません。

前月給与 扶養親族0人 扶養親族1人 扶養親族2人 扶養親族3人
10万円 122,790円 128,018円 128,018円 128,018円
15万円 122,790円 125,404円 128,018円 128,018円
20万円 122,790円 125,404円 125,404円 128,018円
25万円 122,790円 125,404円 125,404円 125,404円
30万円 120,176円 122,790円 125,404円 125,404円

(2)40歳以上の場合

40歳以上の方は以下の表をご覧ください。

前月給与 扶養親族0人 扶養親族1人 扶養親族2人 扶養親族3人
15万円 121,647円 126,826円 126,826円 126,826円
20万円 121,647円 124,237円 126,826円 126,826円
30万円 121,647円 124,237円 124,237円 126,826円
40万円 121,647円 124,237円 124,237円 124,237円
50万円 119,057円 121,647円 124,237円 124,237円

ボーナスの手取りは額面の70~85%くらい

様々な条件でボーナス15万円の手取りを計算してみると、手取り額は概ね額面の70~85%程度になることが分かります。

つまり、ボーナスが15万支給されても、15~30%程度は天引きされてしまうことになります。

次章では、天引き額の正確な求め方を具体的に解説します。

2.ボーナス・賞与15万円のボーナスの手取り額・税金の計算方法

ボーナスから天引きされる税金・社会保険料の計算方法を、以下のモデルケースで解説します。

  • 40歳会社員
  • 扶養家族なし
  • 前月給与30万
  • 健康保険組合は協会けんぽ・東京(保険料率は2025年6月最新)
税率・保険料率は2025年6月時点の最新の数値で計算します。

(1)社会保険料の計算

ボーナスから引かれる社会保険料は、以下4種類の保険料の合計です。

  • ①健康保険料:  [ボーナスの金額] × [健康保険料率] × 1/2
  • ②介護保険料:  [ボーナスの金額] × [介護保険料率]× 1/2
    ※39歳以下の方は0円(介護保険料の天引きなし)
  • ③厚生年金保険料: [ボーナスの金額] × [厚生年金保険料率]× 1/2
  • ④雇用保険料: [ボーナスの金額] × [雇用保険料率]

それぞれ具体的な数字を当てはめて計算していきましょう。

健康保険料

[ボーナス金額15万円] × [健康保険料率9.91%※] × [1/2] =7,432円
※協会けんぽ・東京(2025年6月時点)

介護保険料

[ボーナス金額15万円] × [健康保険料率1.59%※] × [1/2] =1,192円
※協会けんぽ・東京(2025年6月時点)

厚生年金保険料

[ボーナス金額15万円] × [健康保険料率18.3%※] × [1/2] =13,725円
※協会けんぽ

雇用保険料

[ボーナス金額15万円] × [雇用保険料率0.55%※] =825円
※一般の業種(建設業、農林水産業、清酒製造業は0.65%)

社会保険料の合計

7,432円 + 1,192円 + 13,725円 + 825円 = 23,174円

(2)税金(所得税)の計算

ボーナスから引かれる税金は以下の式で求めます。

[所得税] = [ボーナスの金額 - 社会保険料の合計額] × [源泉徴収税率]

源泉徴収税率は、「賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」で調べることができます。

扶養親族の人数と、前月の給与から社会保険料を控除した後の金額をもとに表を参照しましょう。

源泉徴収税額表 令和7年分

今回のシミュレーションでは「前月の給与」は30万です。この場合、給与から社会保険料を控除すると約25万4千円(計算省略)となります。

「賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」を見て、扶養家族は0人の列の、25万4千円が間に入る行を探し、左端にある税率を参照すると、税率は6.126%です。

[所得税] = [ボーナス金額15万円 - 23,174円] × [6.126%] = 7,769円

(3)手取り額の計算

ということで、今回のモデルケースではボーナスから引かれる社会保険料が23,174円、所得税が7,769円でしたので、残る手取りは119,057円という事になります。

項目名 金額
健康保険料 7,432円
介護保険料 1,192円
厚生年金保険料 13,725円
雇用保険料 825円
所得税 7,769円
手取り額 119,057円

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3.ボーナス・賞与15万円は多い? 少ない?

(1)ボーナスの平均支給額

ボーナス15万円と聞くと、ちょっと少ないなと思う方もいるでしょう。

実際、ボーナスの1人当たりの平均支給額は、2024年夏が414,515円、2024年冬が413,277円であり、ボーナスが支給される会社の中では低い金額だと言えます(厚生労働省「毎月勤労統計調査」より)。

業種別のボーナス平均額

ボーナスの支給額は業種別でまったく違います。

下表のとおり、宿泊・飲食サービス業では10万円を切っていますので、15万円のボーナスは多いといえます。
旅行業、理美容業、クリーニング業などの生活関連サービスでも20万円弱ですので、15万円はそれより少し少ない程度です。

ただ、平均が80万円を超えるような、電気・ガス業と比較すると、圧倒的な差があります。

業種別1人当たり平均賞与額
産業 2024年夏季ボーナス 2024年冬季ボーナス
鉱業,採石業等 558,769円 612,066円
建設業 543,670円 540,595円
製造業 547,928円 558,186円
電気・ガス業 881,533円 943,474円
情報通信業 739,621円 707,303円
運輸業,郵便業 395,736円 398,540円
卸売業,小売業 382,412円 373,565円
金融業, 保険 703,753円 641,032円
 不動産・物品賃貸業 588,824円 551,281円
学術研究等 645,387円 588,937円
宿泊・飲食サービス業等 75,897円 83,199円
生活関連サービス等 186,504円 184,277円
教育,学習支援業 567,828円 589,333円
医療,福祉 282,874円 308,846円
複合サービス事業 429,741円 455,496円
その他のサービス業 241,311円 236,048円

【出典】
厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等」
厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」

(2)ボーナスの平均支給割合

ボーナスが支給された事業所数の割合は、2024年夏が73.0%、2024年冬が77.8%であり、全国の約2~3割の事業所ではボーナス自体が出ていません。中小企業では特に、ボーナスが支給されない会社も多いです。

賞与支給割合
産業 2024年夏季賞与 2024年冬季賞与
5人~29人 70.0% 75.1%
30人~99人 88.9% 92.1%
100人~499人 93.3% 94.0%
500人~999人 95.7% 95.3%
1000人以上 96.6% 97.4%

これらをふまえると、金額自体は少なくとも、ボーナスが出る時点で厚遇とみることもできます。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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