【2024年版】賞与手取り額・所得税・住民税計算ツール
※社会保険料率、雇用保険料率を令和6年3月1日~の値に変更いたしました。 ※社会保険、雇用保険に加入していないケース…[続きを読む]
ボーナス・賞与が20万円の場合、額面からいくら、税金等が天引きされ、最終的に手取りはいくらぐらいになるのでしょうか。また、ボーナス20万円というのは一般的に高いのでしょうか、安いのでしょうか。解説します。
目次
ボーナス(賞与)の手取り額は、次の内容によって決まります。
ボーナスの額面金額が20万円のときの手取り額を、一覧表にしました。
※2024年6月時点の最新の税率・保険料率で計算しています。
39歳以下の場合、ボーナス20万円の手取り額は、以下の通りとなります。
前月給与 | 扶養親族0人 | 扶養親族1人 | 扶養親族2人 | 扶養親族3人 |
---|---|---|---|---|
15万円 | 163556円 | 167038円 | 170520円 | 170520円 |
20万円 | 163556円 | 167038円 | 167038円 | 167038円 |
30万円 | 160074円 | 163556円 | 167038円 | 167038円 |
40万円 | 153110円 | 156592円 | 160074円 | 163556円 |
50万円 | 142664円 | 146146円 | 149628円 | 153110円 |
40歳以上では「介護保険料」も引かれるので、39歳以下の人より手取り額が少し減ります(一部、増えることもあります)。
前月給与 | 扶養親族0人 | 扶養親族1人 | 扶養親族2人 | 扶養親族3人 |
---|---|---|---|---|
15万円 | 162022円 | 165471円 | 168920円 | 168920円 |
20万円 | 162022円 | 165471円 | 165471円 | 168920円 |
30万円 | 158572円 | 162022円 | 165471円 | 165471円 |
40万円 | 151674円 | 158572円 | 158572円 | 162022円 |
50万円 | 144775円 | 144775円 | 148224円 | 151674円 |
ボーナスの額面が20万の場合の手取りは、額面のだいたい70~85%くらいになります。
次の章では、税金と社会保険料の計算方法を説明します。税金よりも社会保険料のほうがたくさん引かれます。
ボーナス・賞与の手取り額は、税金と社会保険料を引いて計算します。
最初に社会保険料から計算します。社会保険料は次の4つがあります。
①②③は、会社と従業員で半分ずつ負担しますので、ボーナスから引かれるのは半額です。
協会けんぽ・東京のケースでは、2024年6月時点で、健康保険料率は9.98%です。(加入している健康保険組合によって保険料率が違います。)
介護保険料は40歳以上の方だけ、ボーナスから引かれます。39歳以下の方は引かれません。
協会けんぽのケースでは、2024年6月時点で、保険料率は1.6%(全国一律)です。(加入している健康保険組合によって保険料率が違います。)
社会保険料の中で最も高いのが、厚生年金保険料です。2024年6月時点で、保険料率は18.3%です。
雇用保険料は、会社と従業員それぞれの負担分がありますが、金額は違います。
「一般の事業」では、2024年6月時点で、従業員分の雇用保険料率は0.6%です(建設業、農林水産業、清酒製造業は0.7%)。
ここまでの社会保険料をすべて合計します。
次は税金の計算です。ボーナスにかかる税金は所得税のみです。住民税は発生しません。
源泉徴収税率は、「賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」を見ればわかります。
まず、表の上部を見て扶養親族の人数から見るべき列(縦のライン)を選び、続いて前月の給与から社会保険料を控除した後の金額から見るべき横のラインを選び、表の左端にある所得税率を確認しましょう。
なお、表の金額の単位は「千円」です。
毎月の給与が30万円だと、社会保険料を控除すると約25万4千円(計算省略)です。扶養家族は0人の列で、かつ、25万4千円が間に入る行を探して、その左の税率を参照すると、税率は6.126%です。
あとは、税金と社会保険料を引けば、手取り金額が出ます。
ボーナス20万円の場合の、税金と社会保険料を一覧にしました。社会保険料(厚生年金保険料)が一番高いです。
項目名 | 金額 |
---|---|
健康保険料 | 9,980円 |
介護保険料 | 1,600円 |
厚生年金保険料 | 18,300円 |
雇用保険料 | 1,200円 |
所得税 | 10,348円 |
手取り額 | 158,572円 |
なお、こちらの動画でも、ボーナスの手取り額の計算方法も説明しています。
賞与の手取り額を計算するツールもありますので、ご自由にご利用ください。
ボーナス20万円は世間一般から見て少ないのでしょうか、多いのでしょうか。全国のデータから確認してみましょう。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の結果では、ボーナスの1人当たりの平均支給額は、2023年夏が397,129円、2023年冬が395,647円でした。
全体でみると、ボーナス20万円は平均を下回るということになります。
ボーナスの支給額は業種に大きく依存する傾向にあります。
下表のとおり、飲食サービス業や生活関連サービスにおいてはボーナス20万円は高額と言えますが、その他業種ではボーナス支給額は20万を超える傾向にあります。
2023年夏季ボーナス | 2023年冬季ボーナス | |
---|---|---|
鉱業,採石業等 | 551,276円 | 581,210円 |
建設業 | 540,695円 | 499,260円 |
製造業 | 535,180円 | 523,946円 |
電気・ガス業 | 745,209円 | 803,194円 |
情報通信業 | 708,645円 | 713851円 |
運輸業,郵便業 | 387,908円 | 411,790円 |
卸売業,小売業 | 358,409円 | 367,165円 |
金融業,保険業 | 667,956円 | 645,024円 |
不動産・物品賃貸業 | 656,400円 | 548,808円 |
学術研究等 | 690,847円 | 630,490円 |
飲食サービス業等 | 59,978円 | 69,234円 |
生活関連サービス等 | 186,583円 | 170,269円 |
教育,学習支援業 | 522,001円 | 535,395円 |
医療,福祉 | 270,804円 | 290,826円 |
複合サービス事業 | 425,769円 | 459,608円 |
その他のサービス業 | 238,013円 | 239,074円 |
【出典】
・厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等」
・厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等」
全体の平均から見てボーナス20万円は比較的少ないと言えることが分かりました。ただ、ボーナス(賞与)は給与と違い、必ずしも支給されるとは限りません。中小企業では、会社の業績が悪いとボーナスが支給されないことも多いです。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」のレポートによると、ボーナスが支給された事業所数の割合は、2022年冬が70.5%、2023年夏が65.9%でした。
3割前後の会社ではそもそもボーナスの支給自体がないということですので、これをふまえると、ボーナスが支給されること自体が恵まれているといえるかもしれません。
ボーナスの支給割合についても業種によって差があります。
2023年夏季ボーナス | 2022年冬季ボーナス | |
---|---|---|
鉱業,採石業等 | 100.0% | 100.0% |
建設業 | 67.8% | 76.4% |
製造業 | 72.4% | 76.6% |
電気・ガス業 | 87.1% | 90.3% |
情報通信業 | 70.5% | 75.1% |
運輸業,郵便業 | 66.2% | 75.4% |
卸売業,小売業 | 66.5% | 67.9% |
金融業,保険業 | 88.8% | 89.6% |
不動産・物品賃貸業 | 71.2% | 80.2% |
学術研究等 | 73.1% | 81.6% |
飲食サービス業等 | 50.2% | 54.9% |
生活関連サービス等 | 45.3% | 50.8% |
教育,学習支援業 | 73.0% | 75.5% |
医療,福祉 | 67.7% | 73.9% |
複合サービス事業 | 97.2% | 93.5% |
その他のサービス業 | 68.6% | 73.6% |
大企業ほどボーナス支給割合が高くなります。
従業員数 | 夏季賞与 | 冬季賞与 |
---|---|---|
5人~29人 | 63.2% | 67.3% |
30人~99人 | 88.7% | 90.1% |
100人~499人 | 93.1% | 93.6% |
500人以上 | 96.5% | 97.4% |
大企業ではほとんどの会社でボーナスが支給されますが、従業員30人未満の中小企業ではボーナスが支給されない割合も高いと言えます。