【2020年】年末調整とは?いつするの?仕組みを分かりやすく解説
毎年10~12月頃になると行われる「年末調整」。 「詳しいルールは分からないけれど、年末調整で税金が返ってくるので嬉…[続きを読む]
アルバイトを始めると気になるのが、税金や制度のこと。
断片的に必要なことや、やらなければいけないことを見聞きすることも多いはず。
特に学生はアルバイトを始める方が多く、これから学ぶべきことも数多く存在します。
まずは、「年末調整」についてこの記事を通して理解していきましょう。
この記事は以下の方におすすめです。
目次
年末調整とは、その年に払った「所得税」を年末に再計算し、払いすぎていた(もしくは足りていなかった)税金を還付したり追加の徴収を行う制度です。
アルバイトの学生でもひと月の給料が88000円を超えると「所得税」という税金が天引きされます。これが源泉徴収です。
そのため、学生のように先月はたくさん稼いだが、今月はテストがあったため、全然シフトに入ることが出来ず、稼ぐことが出来なかったといった場合でも所得税が引かれてしまっている場合があります。
しかし、本来年収が103万円未満の人は支払う必要はありません。
そこで年末調整を行い、確定した所得税額と、毎月控除されていた源泉所得税額との差額を調整するといったことが必要となります。
学生にとってのメリットとして、支払い過ぎた税金が返ってくる(追加で支払う可能性もあり)
ということでしょう。
以下のいずれにも該当する人は、年末調整の対象となります。
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」とは、下記の書類です。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書はアルバイト先から配布され、氏名、住所、生年月日などの基本情報を記述します。
また、後ほど解説する「勤労学生控除」など、税金面で有利になる様々な制度を利用する場合にも必要となりますので、アルバイト先から配布されたら忘れずに記入しましょう。
年の途中でアルバイトを辞め、その同じ年中に別のアルバイトを始めて年末まで勤務している人はどのように対応したら良いでしょうか?
このケースに該当する方は、前のアルバイト先から源泉徴収票をもらい、新しいアルバイト先にその前職の源泉徴収票を提出しましょう。
そうすれば前のアルバイト分も含めて現在のアルバイト先で年末調整をしてもらうことができます。
確定申告とは、個人の1年間の所得税額を確定させるための手続きです。
年末調整も個人の所得税額を確定させる手続きという点では同じですが、年末調整は勤務先の会社が全て手続きを行ってくれます。
一方確定申告は自分で申告書を税務署に提出しなければならないという違いがあります。
基本的にアルバイトや会社員は年末調整で税金の処理は全て完了しますが、一部のアルバイトの方は確定申告を別途行わなければならないケースもあります。その点については後述します。
勤労学生控除とは、各種ある所得控除のうちの1つです。
先程解説した通り、年収が100万円を超えると住民税が、103万円を超えると所得税がかかります。
しかし、学生は少し優遇される制度があり、これを利用することで年収の上限が上がります。
アルバイトの学生にとってぜひとも活用したい制度が、この「勤労学生控除」になります。
勤労学生控除を利用すると、給与収入から27万円を差し引くことができます。
通常、税金がかからない収入のラインは所得税が103万円、住民税が100万円となっていますが、勤労学生控除を利用すれば所得税は130万円、住民税は126万円まで税金がかからないこととなります。
正確には所得控除という制度の一つなので、詳しく知りたいという方はこちらをご覧下さい。
勤労学生控除を利用できる学生は、次のように規定されています。
1について、アルバイトをしている学生であれば誰もが該当します。
2について、年間の給与収入が130万円以下であることが前提で、さらに給与以外の収入がある方は適用できない場合があります。
給与所得以外の控除には例えば、株式の売買で受け取った所得、クラウドソーシングで受け取ったお金など雇用契約をしていない所得が含まれます。
こちらで様々な所得について紹介しているので、興味がある方はご覧下さい。
3については、通常の中学、高校、大学、専門学校の学生であれば該当すると考えてOKです。
なお、通常の大学、大学院、高校などの学生については、特に証明書は必要ありません。
専門学校等の学生については、勤労学生控除の対象となる学校であることの証明書が必要となるため該当する場合は注意しましょう。
勤労学生控除を利用することによって、所得税がかからない収入のラインが103万円→130万円まで引き上がることは説明したとおりです。
しかし、親の扶養のラインは勤労学生控除は考慮されないため、収入のラインは103万円のままです。要するに、収入が103万円を超えてしまうと、親の扶養からは外れてしまうことになります。
あなたが扶養から外れることで親の税金が高くなってしまうため、アルバイト収入が103万円超130万円以下になりそうな方は、事前に親に相談しておくことをおすすめします。
通常の学生の方は、アルバイト先から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に氏名、住所、生年月日などの必要事項を記入すればOKです。
ただし、アルバイト先から上記申告書が配布されない場合は、アルバイト先の担当者に給与所得者の扶養控除等(異動)申告書がほしい旨を伝えましょう。
また、先ほど解説した勤労学生控除を利用する場合も、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の該当欄にチェックを記入します。
また、その右側の欄に「学校名」「入学年月日」「所得の見積額」を記入します。所得は見込みでOKです。
ポイントとして、収入ではなく所得を記入する点です。
給与所得=収入ー55万円で計算することが出来ます。
以下は給与収入110万円での記入例となります。
年末調整の手順は別記事でも解説していますので、参考にしてください。
大半の学生の方は上記の処理で完了ですが、その他下記に該当する方などは「給与所得者の保険料控除申告書」等の別書類を提出することで、さらに控除を適用することができます。
何やら面倒くさそうな年末調整の手続きですが、年末調整を行うことで下記のようなメリットを受けることができます。
アルバイトの毎月の給料からは、概算の所得税額が引かれています。年末調整をすることで正確な所得税額が計算されるのですが、大半の方は支払い過ぎた税金が戻ってくることとなります。
ただし必ず税金が戻ってくるとは限りません。学生の方にとってはかなり稀なケースではありますが、場合によっては年末調整によって追加の税金を支払うこととなる可能性があることも頭に入れておきましょう。
年末調整を行うことで、上述の勤労学生控除を受けることができます。
もしアルバイト先で年末調整を行わなかった場合、支払い過ぎた税金を取り戻すためには自分で確定申告をして、勤労学生控除の適用を受けなければなりません。
自分で確定申告をするのは年末調整と比べてかなりの手間となりますので、忘れずに年末調整を行うようにしましょう。
以下のいずれかに該当する方は、年末調整以外に自分で確定申告をしなければならない可能性があります。
年末調整は1つの会社でしか行えないことになっています。
したがってアルバイトを掛け持ちしている方は、メインのアルバイト先でのみ年末調整を行い、サブのアルバイト先の給与については自分で確定申告を行わなければなりません。
ただし、サブのアルバイト先の給料が20万円以下の場合には、確定申告の必要はありません。
年末調整は年末時点で勤務しているアルバイト先で行います。
したがって年の途中でアルバイトを辞めて、その年中に新しいアルバイトをしていない人は、自分で確定申告を行わなければなりません。
アルバイトの給与以外に、副業の所得が20万円以上ある人は確定申告を行わなければなりません。
ここで注意してほしいのが、「収入」ではなく「所得」であるという点です。例えばクラウドソーシングサイト等で報酬形式で収入を得ている場合、その収入から必要経費を引いた金額が所得となります。
給与以外の形態で収入を得ている学生の方は、経費の領収書等を保存しておく習慣をつけた方が良いでしょう。
年末調整で勤労学生控除などの所得控除を利用することを忘れてしまった場合、別途確定申告を行うことでその控除を受けることができます。
確定申告で利用できる控除は他にも複数あるため、詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
最後にこの記事を簡単にまとめていきます。
【年末調整が必要な場合】
【年末調整を行うメリット】
【勤労学生控除とは】
この記事を最後まで読んでいただいた方におすすめの記事をピックアップさせていただきました。
税金についてもっと詳しくなって、周りより一歩リードできるようになりましょう!
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