ホテルや飲食店のサービス料の消費税の計算方法

ホテル ラウンジ

ホテルで宿泊したり高級レストランで食事したりすると、本体料金の他にサービス料を請求されます。そして本体料金はもちろんのこと、サービス料にも消費税がかかります。

本体料金に課税されるのは理解できますが、なぜサービス料にまで消費税がかかるのか? 消費税の計算はどうなるのか? 解説します。

1.サービス料とは欧米のチップのようなもの

日本のサービス料は、欧米のチップのような存在です。食事や宿泊やパーティなどの料金を支払うときに、本体料金とは別に請求されます。
サービス料は企業が自由に設定できますが、大体10%から十数%になっています。

サービス料は本体料金とは「別物」のように感じますが、いずれも企業の売上になるので両方ともに消費税がかかります。

2.消費税額は「(本体料金+サービス料)×消費税率」

サービス料がかかる食事などの消費税は、次の計算式で算出します。

(本体料金+サービス料)×消費税率=消費税

それでは次の条件で消費税額を算出してみましょう。

<条件>
食事の税別の本体価格:10,000円
サービス料:13%
消費税率:10%

<シミュレーション>
1:税別の本体価格とサービス料の合計額:11,300円
計算式:10,000円+10,000円×13%=11,300円

2:消費税額:1,130円
計算式:税別の本体価格とサービス料の合計額11,300円×消費税率10%=1,130円

3:支払い増額:12,430円
計算式:税別の本体価格とサービス料の合計額11,300円+消費税額1,130円=12,430円

サービス料13%のレストランで10,000円の食事をすると、消費税(税率10%)込みの総額は12,430円になります。

3.サービス料の勘定科目と仕訳方法

ホテルや飲食店・レストランのサービス料は、本来の料金とは別に請求されるとしても、そのサービスの対価の一部とみなされます。

よって、本来の料金の勘定科目を利用し、その経費に含めて計上します。

さきほどの例では次のような仕訳をします(レストランでの食事は、取引先との食事であると仮定)。

借方科目 金額 貸方科目 金額
接待交際費(課税10%) 11,300円 現金 12,430円
仮払消費税等 1,130円    

仕入税額控除にはインボイスが必要

上記の消費税について、仕入税額控除を適用するにはインボイスが必要です。

サービス料を請求するような高級ホテルや高級レストランは、おそらく課税事業者であり、適格請求書発行事業者として登録しているはずですので、ホテルやレストランに依頼してインボイスを発行してもらってください。

レシートに登録番号が記載される形の簡易インボイスでも大丈夫です。

まとめ

サービス料は「十数%かかる」と表現されることから、消費者によっては「税のようなもの」と感じてしまうかもしれません。それで、サービス料に消費税がかかる、と聞くと二重課税されているような気になります。

しかし、サービス料は企業側の純粋な売上なので「本体料金+サービス料」の合計額に消費税がかかるわけです。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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