妻の保険も夫の年末調整で控除できるの?

配偶者 妻

年末調整では、その年に保険料を支払っていたら、保険料控除を受けられます。

ところで、妻の保険料を夫が支払っていたら、夫の年末調整で控除できるのをご存じでしょうか?

意外に間違いやすい箇所ですので、年末調整における保険料控除の仕組みとあわせて、わかりやすく解説します。

1.保険料控除のポイントは「支払った人」

保険に加入すると、いろいろな用語があって、ちょっとややこしいですよね。

保険者保険会社など契約を引き受ける人
被保険者保険の対象になる人
契約者保険会社と契約した人
保険料負担者(支払者)保険料を支払う人
受取人保険がおりるとき、保険金を受けとる人

夫が加入する生命保険なら、夫が自分を対象として、自分で契約して、自分で支払い、亡くなったら、妻が受け取ることが多いと思います。
つまり、夫が被保険者・契約者・支払者で、妻が受取人です。

ついでに、妻も対象として、夫が契約して、保険料は夫が支払い、亡くなったら、夫が受け取るというのもあります。
これは、夫が契約者・支払者・受取人で、妻が被保険者です。

保険加入には、いろいろなパターンがありますが、年末調整の保険料控除で重要なのは、「保険料負担者(支払者)」、つまり、誰が保険料を支払ったかです。

実際に保険料を支払った人が、年末調整で保険料控除を受けられます

さきほどあげたケースでは、どちらも夫が保険料を払っているので、夫の年末調整で控除できます。

妻の名義でも夫が保険料を支払っていれば控除できる

意外と間違いやすいのが、妻の名義(契約者)の保険で、夫が保険料を払っている場合です。
これも、夫が保険料を払っているので、夫の年末調整で控除できます。

問い合わせが多いので、国税庁も見解を公表しています。

A(=夫)がその保険料を支払ったことを明らかにした場合は、生命保険料控除の対象として差し支えありません。
(中略)
必ずしも払込みをする者が保険契約者である必要はありません(所得税法第76条第5項、第6項)。
したがって、保険契約者が保険料を支払うのが通例ですが、契約者の夫であるAが支払ったことを明らかにした場合には、Aの生命保険料控除の対象となります。

【引用】国税庁:妻名義の生命保険料控除証明書に基づく生命保険料控除

妻の名義の生命保険などでも、夫が支払ったことを明らかにした場合は、夫の生命保険料控除の対象となるのです。

2.保険加入パターン別 控除できる?できない?

保険加入にはいろいろなパターンがありますが、パターンごとに、夫の年末調整で控除できるか、控除できないかを整理してみました。

被保険者契約者支払者受取人夫の年末調整で
控除できる
控除できる
控除できる
控除できない
控除できる

このように、夫が保険料の支払者であれば控除できますが、妻が支払者だと控除できません(妻が働いていれば妻の年末調整で控除できます)。

3.支払ったことをどうやって証明する?

さて、妻が契約者の保険でも、夫が支払ったことを明らかにした場合は、夫の生命保険料控除の対象となるのですが、

ここで、「支払ったことを明らかにした場合」とはどのような場合なのでしょうか?

会社によっては、証明を求めないこともありますが、もし従業員が嘘の申告をしていたときは、会社の責任になってしまいますので、証明を求めることもあります。

夫が支払っていることが明らかなケース

夫の口座から引き落としで払っていれば、夫が支払っていることが明らかです。通帳を見せるか、通帳のコピーを提出すれば良いでしょう。残高部分を会社の人に見られるのは嫌かもしれませんので、その部分を塗りつぶしても大丈夫です。

夫が支払っているか不明なケース

妻の口座から引き落としで払っている場合は、グレーゾーンです。

妻が専業主婦であれば、その口座にあるお金は、夫が提供したものだと言えば良さそうですが、もしかしたら、結婚前に妻がもともと貯めたお金から支払っているとも疑われかねません。通帳を見せて、夫が妻の口座に毎月振り込んでいることを証明できればいいのかもしれません。

妻が働いている場合は、さらにグレーです。その保険料を妻の収入から払ったのか、夫の収入から払ったのか、証明はかなり難しいです。

会社から控除を拒否されたらどうする?

妻の口座から引き落としているようなグレーゾーンなケースでは、会社も責任を負いたくないですので、夫の年末調整で保険料控除を拒否するかもしれません。

その場合は、自分で税務署で確定申告をする必要があります。ただ、税務署からも同様に疑われる可能性があります。

解決策としては、夫の口座から引き落としに変更して払うのが良いでしょう。

4.保険料控除には上限あり、妻が払ったほうが有利なことも

さいごに、少し発展的な話題ですが、生命保険料控除には上限があります。

ここでは、詳しい説明を省略しますが、ざっくりいうと、生命保険料だけなら年間に払った保険料が8万円を超えると、いくら払ったとしても、保険料控除の金額は上限が4万円で、それ以上は控除されません

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もし、夫や子供の保険料だけで年間8万円を超えてて、かつ、妻が働いているのであれば、妻の保険料は妻が自分で払って、妻の年末調整で控除したほうが有利になります。

保険料が高額な場合は、そもそも、その保険が本当に必要なのかどうかも合わせて検討してもいいかもしれません。

妻の保険の年末調整に関するよくある質問

妻の保険も年末調整で控除できますか?

妻が契約者の生命保険などでも、その保険料を夫が支払っていれば、夫の年末調整で生命保険料控除を受けることができます。

妻の口座から引き落としで保険料を払っていますが、夫の年末調整で控除できますか?

本当に夫が保険料を支払っていることを証明できれば、夫の年末調整で生命保険料控除を受けることができます。ただ、証明するのが難しいこともありますので、できるかぎり、夫の口座から引き落としで支払うように変更したほうが望ましいでしょう。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1200以上作成(2022年時点)。
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