香典は経費計上でき、消費税はかからない
香典は原則、
- 経費として計上できます
- 消費税はかかりません
病気見舞金、祝儀、結婚祝い、出産祝いも同じ扱いになります。
ただ、例外がありますので、経費に計上できないケースと消費税がかかる場合もあわせて覚えておいてください。
目次
1.香典などの仕訳
1-1.勘定科目は交際費または福利厚生費
会社や個人事業主が業務のなかで香典、病気見舞金、祝儀、結婚祝い、出産祝いなどの慶弔見舞金(以下、香典など)を支出した場合、原則、経費計上できます。
勘定科目は、支出先が取引先であれば交際費に、支出先が従業員であれば福利厚生費になります。
葬式に出席するために交通費や宿泊費を使った場合も、勘定科目は交際費になります。ただ、旅費交通費に計上しても問題ありません。
1-2.香典などの経費に関する例外と注意点
経費にできるのは業務関連のみです。
個人事業主や社長や社員が自分の家族の冠婚葬祭で支払った香典などは経費になりません。
会社が社員に香典などを支払う場合は、社内規定で金額などを定めておく必要があります。
また、社会通念上、常識の範囲を超える多額の香典などを支払った場合、経費として認められなくなることもあります。
1-3.消費税はかからない
香典などには消費税はかかりません。消費税がかかるのは、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡が行われたときだからです。香典は対価ではありませんし、事業に関連したお金でもありません。
2.香典などの消費税に関する例外
供花には消費税がかかります。税率は2019年9月30日までは8%、10月1日からは10%になります。つまり、標準税率が課せられます。
一方、果物にも消費税がかかりますが、果物は飲食料品なので軽減税率が適用されます。軽減税率は2019年10月1日から始まり、その税率は8%です。
3.領収書について
業務に関連する関係者に香典などを支払ったものの領収書をもらえなかった場合、その事実をメモ書きしておけば、金額の証明になります。
メモには、内容、相手の名前、日付、金額を書いておいてください。そのメモに、香典袋の写真や案内状のコピーを添付しておけば、証拠が強固になります。
4.社葬も原則経費になるが、例外がある
創業者が亡くなった場合などは会社主催の葬儀「社葬」が開かれることがあります。社葬も経費計上できます。
社葬を経費にするには、取締役会の議事録が必要です。取締役会では社葬にする理由、社葬の範囲、金額などを決め、それを議事録に記入しておいてください。勘定科目は福利厚生費です。
社葬の場合、すべての費用について経費計上できるわけではありません。経費計上できる費用とできない費用を紹介します。
4-1.経費として認められる費用
経費として認められる社葬関連の費用は次のとおりです。
- 斎場の会場に関わる費用
- 読経料
- 祭壇費
- 花代
- 警備員
- 新聞広告や葬儀案内などの通知関連
- 参列者の飲食費
4-2.経費として認められない費用
社葬に関連する費用でも、次のものは経費計上できません。
- 墓地や仏壇の費用
- 戒名料
- 香典返しの費用
- 火葬料
- 死亡診断書の費用
これらは例え社葬であっても遺族が負担すべき費用のため、会社の経費に計上できません。同じお寺さんに支払うお金でも、読経料は経費計上できますが、戒名料はできません。
もし経費計上できない費用も会社で負担した場合は、会社の経理処理では遺族への寄付金として計上します。
4-3.受け取った香典は雑収入
社葬であっても、参列者から受け取った香典は遺族に渡すのが一般的です。ただ、渡し方によって会社の経理処理が変わってきます。
香典を直接遺族が受け取った場合は遺族の収入になり、会社は経理処理する必要はありません。ただ「社葬だから」という理由で遺族が香典の受け取りを辞退し、会社が香典を受け取った場合は、雑収入として計上します。もしその後、何らかの理由で会社がそのお金を遺族に渡せば、寄付金として処理します。
5.相続税との関係
葬式費用を、遺族側の相続財産から支出すれば、相続税の計算において債務控除することができます。
創業者が現役中に死亡した場合は、死亡退職金が支払われることも多く、相続税の計算に含まれてきますので、葬式費用を会社の経費として支出するのが良いのか、遺族側の相続財産から支出するのが良いのか、税理士を交えて検討しておくと良いかもしれません。
まとめ
業務関連の香典などは、経費になる、消費税はかからない、と覚えておいてください。ただし例外があるので注意してください。
社葬の場合は経費計上できるものとできないものが区分けされていますので、間違えないようにご注意ください。
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