JAF(日本自動車連盟)の年会費と消費税

車のトラブルに対し、24時間365日、全国どこでもロードサービスを提供しているJAF(日本自動車連盟)は、会員制をとっています。
ところで、JAFの入会金も年会費も、消費税が不課税(対象外)であることをご存知でしょうか。JAFはロードサービスを提供しているので、「役務の提供」とみなされ消費税がかかりそうな気がしますが、そうではないのです。
JAFの年会費と消費税の関係について解説します。
1.年会費などは不課税
JAFの会員は、個人会員、家族会員、法人会員の3種類があります。法人会員の場合、入会金2,000円、法人特定会費、1法人につき年2,000円、車両特定会費、1台につき年2,000円となっています。
JAFは「入会金、年会費ともに非課税」と説明していますが、厳密には不課税です。
2.JAFの会費が不課税になる根拠
JAFの年会費などが、消費税がかからない不課税になっているのは、JAFのサービスが「対価を得て行う役務の提供」に該当しないからです。消費税は「対価を得て行う役務の提供」にかかります。
2-1.会費と役務に対価関係がない
国税庁は消費税法基本通達5-5-3で、団体が会員から受け取る会費と、構成員に提供する役務の提供の間に対価関係がない場合、「対価があった」とはみなさないとしています。
そして国税庁は、会費を支払っている企業などがその支払いを課税仕入れにしていないことを認めています。
同業者団体、組合等がその構成員から受ける会費、組合費等については、当該同業者団体、組合等がその構成員に対して行う役務の提供等との間に明白な対価関係があるかどうかによって資産の譲渡等の対価であるかどうかを判定するのであるが、その判定が困難なものについて、継続して、同業者団体、組合等が資産の譲渡等の対価に該当しないものとし、かつ、その会費等を支払う事業者側がその支払を課税仕入れに該当しないこととしている場合には、これを認める。
2-2.その都度料金を支払っているわけではないから
JAFが会員にロードサービスを提供しても、会員はその都度料金を支払うわけではありません。会員は年会費を払えば、何回でもロードサービスを受けることができます。
このような契約内容の場合、ロードサービスにという役務に対して対価を支払ったとみなすことができないのです。
したがってJAFの入会金も年会費も不課税となります。
ちなみに非課税とは、本来は課税対象でありながら、「社会政策的配慮」と「課税になじまない」の2つの理由により課税しないことに決めた処置です。不課税の取引は、そもそも課税対象にならない取引のことです。
まとめ
JAFは入会金も年会費も不課税です。JAFのホームページでは「非課税」とありますが、国税庁の見解では不課税となります(2019年7月現在)。
JAFの年会費などの支払いを課税仕入れにする必要はありません。