新型コロナウイルスに関する、個人への支援策まとめ

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新型コロナウィルス感染症が日本全国に広まっており、政府はイベント中止や学校休業の要請をしています。それに伴い、売上が落ちたり、仕事を休まざるを得なかったりと、経済的に厳しい状況に陥る人も出てきています。

そこで、政府は、個人・企業に対して様々な支援策を打ち出しています。GDPの約2割に当たる108兆円規模の対策を行い、6兆円規模の現金給付を行うとしています。
支援策は多数あり、条件も複雑ですので、ここでは、個人向け支援について、主要なものを整理しまとめていきます。

本記事は、2020年4月6日時点での状況を基にしています。

なお、企業(事業者)への支援については、次をご覧ください。

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1.個人事業主、フリーランスへの支援

個人事業主、フリーランサー向けには、次の支援策が発表されています。

(1)保護者に1日当たり4,100円

新型コロナウィルスの影響で小学校等が臨時休校となり、子どもの世話をするために、仕事ができなくなった親に対して、支援します。

対象となる子供は、一般的には、小学生および幼稚園児・保育園児です。

対象者下記に該当する子どもの世話を行う必要がある保護者
①臨時休業した小学校等(※)に通う子ども
②新型コロナウィルスに感染したか、
または感染したおそれのある、小学校等(※)に通う子ども                              

※学校の範囲は、小学校、義務教育学校(小学校課程)、
特別支援学校(高校まで)、放課後児童クラブ、
幼稚園、保育所、認定こども園等

条件・個人で仕事をする予定であった場合
・業務委託契約等に基づき、報酬が支払われており、
発注者から一定の指定を受けている場合
支援額就業できなかった日について、1日当たり4,100円
適用日2020年2月27日~3月31日
※6月30日まで延長予定
申請期間2020年3月18日~6月30日
申請先学校等休業助成金・支援金受付センター
(地域によって宛先が異なる)

【引用】厚生労働省:新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)

申請方法等の詳細は、次の記事をご覧ください。

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業務委託契約を結んでいること

支援の対象となるためには、業務委託契約を結んでいることが必要です。書面でなくてもメールでも良いですが、事前に取り交わしていることが条件です。

文章で具体的な指示がなく、口頭で行っている場合などは、対象とならない可能性があります。

対象の業務委託契約は時間・場所が指定されていること?

そして、実は、この支援制度でもっとも問題となりそうなのが、対象となる「業務委託契約」の条件についてです。

厚生労働省の資料によると、業務委託契約において、業務従事や業務遂行の態様、業務の場所・日時等について、次のように、発注者から一定の指定を受けていることが必要です。

  • 業務従事や業務遂行の態様(業務の内容など)
  • 業務の場所(業務を行う場所や施設など)
  • 業務の日時(業務を行う予定の日・時間、開始日と終了日など)

しかし、本来、業務委託契約では、業務の時間や場所を指定することはしません。なぜなら、業務の時間と場所を指定すると雇用契約とみなされるおそれがあるからです。業務委託契約では、受託者は成果物に対して責任を負いますが、時間と場所は指示されることなく自己の裁量で行います。

今回の支援対象として、業務の場所・日時等が指定されていることが条件であることは、大いに疑問があるところです。

(2)最大20万円を無利子で貸し付け

上記の支援は、小学校に通う子どもがいる家庭限定でしたが、それでは、支援を受けられない人が多数存在するということで、最大20万円を無利子で貸し付けることになりました。

これは、「個人向け緊急小口資金」といい、もともとある制度です。フリーランスに限らず国民全員が該当すれば融資を受けられます。通常は上限が10万円ですが、フリーランス・個人事業主の場合は、上限が20万円になります。

詳細は、「3.一般国民への支援(1)10~20万円を無利子で貸付」をご覧ください。

(3)収入が減ったフリーランスへの現金給付

政府は、前年同月比で売上が50%以上減った中小企業の事業主やフリーランスに対して、現金給付を行う案を検討しています。支給額は、中小企業が200万円、フリーランス・個人事業主が100万円です。

売上台帳などの帳簿を基に、売上が前年同月と比較して半分以上減ったことを示す必要があります。

【参考】個人事業主・フリーランスへの配慮の要請

支援策ではありませんが、個人事業主・フリーランスと取引がある企業等に対して、次のような各種の配慮をするように要請がなされています。

  • 新型コロナウイルス感染症による影響を理由に個人事業主・フリーランスとの契約を変更する場合には、十分に協議した上で、報酬額や支払期日等の新たな取引条件を書面等により明確化するなどの対応を行うこと
  • 新型コロナウイルス感染症により影響を受けた個人事業主・フリーランスが、事業活動を維持し、または今後再開させる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に発注を行うこと
  • 個人事業主・フリーランスから、発熱等の風邪の症状や、休校に伴う業務環境の変化を理由とした納期延長等の求めがあった場合には、十分に協議した上で、できる限り柔軟な対応を行うこと

【引用】厚生労働省:新型コロナウイルス感染症により影響を受ける個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮について要請します

この要請自体を知らない企業も多いと思われ、どこまで効果があるかはわかりませんが、新型コロナウイルスを理由とした取引停止などがなるべくないようにすることが求められています。

2.会社員・公務員等への支援

(1)ベビーシッター利用者補助

ベビーシッター利用者への補助制度は従来からあるものです。「ベビーシッター派遣事業」というもので、会社に勤める従業員が子育てをしながら勤務するために、ベビーシッター派遣サービスを利用した場合に、子ども1人当たり2,200円を上限に割引を受けられます。具体的には、勤務先の会社から割引券を入手し、ベビーシッターに依頼する際に使います。

ただし、割引券発行の許可を受けた企業に勤める労働者のみが対象です。

新型コロナウイルス対策として、3月に限っては、120回分まで利用でき、1家庭当たり最大264,000円まで補助を受けられます。また、この補助を受けた分は、非課税所得となりますので、税金がかかりません。

(2)保護者である従業員1人につき1日当たり最大8,330円

学校が臨時休校となり子供を持つ保護者が有給休暇を取得したときには、勤め先の会社に対して、1人当たり最大8,330円の支援がされます。有給休暇をとりやすい環境になることが期待されます。

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3.一般国民への支援

(1)10~20万円を無利子で貸し付け

新型コロナウィルス感染症の影響で休業等を余儀なくされ、一時的に生活資金が必要な人向けに、無利子で貸付をします。連帯保証人は不要です。また、失業した人に対しても支援策があります。

これらは、「個人向け緊急小口資金」と呼ばれ、もともと制度としてあったものですが、今回、特例により内容が拡充されています。

受付は3月25日より開始されました

緊急小口資金:主に休業された方向け

対象者新型コロナウィルス感染症の影響で休業等により収入が減少し、
緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯
貸付上限・学校等の休業、個人事業主等(※)の特例の場合のみ20万円以内
・それ以外は、10万円以内
据置期間
(返済猶予)
1年以内
返済期限2年以内
貸付利子無利子
所要日数申請から交付まで1週間程度(東京都の場合)

※世帯の構成員の中に個人事業主がいて、収入が減少した場合

返済期限は最長2年(24回)ですので、仮に満額で、20万円を借りた場合、毎月8,333円ずつ返済することになります。

総合支援資金:主に失業された方向け

対象者新型コロナウィルス感染症の影響で収入減少または失業で
生活が困窮し日常生活の維持が困難となっている世帯
貸付上限月20万円以内(2人以上)
月15万円以内(単身)
貸付期間は原則3ヶ月以内
据置期間
(返済猶予)
1年以内
返済期限10年以内(120回以内)
貸付利子無利子
所要日数申請から交付まで最短20日(東京都の場合)

【引用】厚生労働省:生活福祉資金貸付制度

返済期限は最長10年(120回)ですので、仮に満額で、20万円×3ヶ月=60万円を借りたとしても、毎月5,000円ずつ返済すれば良いことになります。緊急の場合には、利用すると良いでしょう。

最大80万円を無担保・無利子で貸付

上記の「緊急小口資金」と「総合支援資金」は併用することが可能です。
つまり、条件に合致する場合は、最大、

緊急小口資金20万円+総合支援資金20万円×3ヶ月分=80万円

を、無担保・無利子で借りることができます。

世帯に対する貸付制度

どちらも、「個人」というよりは、世帯」に対する支援であることがポイントです。受給申請の際には、本人だけでなく世帯全員の収入の状況がチェックされます。

申請先

お住まいの市区町村の社会福祉協議会です。下記のリンクから探すことができます。

【参照】都道府県・指定都市社会福祉協議会のホームページ(リンク集)|全国社会福祉協議会

さらなる詳細は次の記事で解説しています。

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(2)税金・社会保険料の支払い猶予

税金・社会保険料について、支払を猶予する制度があります。

税金の納税猶予制度

新型コロナウイルスにより影響を受けて、国税を一時的に納付できないときは、最大1年間、納税を猶予することになりました。
個人の2019年度分の所得税や、前事業年度の法人税・消費税などが対象です。
最寄りの税務署にご相談ください。

【参照】国税庁:納税についての猶予制度

地方税についても、各自治体ごとに猶予制度がありますので、最寄りの自治体にご相談ください。

税金を支払えないからといって、放置すると、延滞金が発生しますのでご注意ください。

国民年金保険料・国民健康保険料等の免除・納付猶予制度

新型コロナウイルスにより影響を受けて、厚生年金保険料等を納付できないときは、保険料の免除または納付猶予制度があります。
最寄りの年金事務所にご相談ください。
国民年金保険料を払わずに放置すると、障害基礎年金・遺族基礎年金・老齢基礎年金を受け取れない可能性があるので、ご注意ください。

また、国民健康保険料についても、減免の制度があります。
お住まいの自治体にご相談ください。
国民健康保険料を払わずに放置すると、差し押さえ、保険証の剥奪などの可能性もありえますので、ご注意ください。

(3)公共料金の支払い猶予

3月19日、経済産業省は、必要に応じて電気・ガス等の公共料金の支払いを猶予するように、電力・ガス事業者に対して要請しました。

各電力・ガス会社では、申請をした人に対して料金の支払期限を1ヶ月延ばします。

東京都は、水道・下水道料金について最大4ヶ月まで支払いを猶予し、その後の猶予期間の延長の相談に応じるとしています。他の自治体でも同様の措置がなされると考えられます。

NTTグループは、携帯電話料金、クラウドサービス料金などの支払いを猶予すると発表しました。支払期限が2月末以降の請求について、5月末まで支払いを猶予します。KDDI、ソフトバンクも支払いを猶予すると発表しています。

他の公共料金について、どこまでが支払い猶予の対象となるのかは示されていませんが、支払いが困難なときには、放置せず、まずは、サービス提供会社に連絡することをお勧めします

(4)収入が減った1世帯30万円の現金給付(検討中)

4月3日、政府は、収入が一定以上減った世帯に対して、1世帯当たり30万円の現金給付をする方向で最終調整に入りました。

2008年のリーマンショックの後では、国民全員に1人当たり12,000円が支給されました(18歳以下と65歳以上の人は20,000円)。今回は、それを上回る金額が必要だという議論になっています。

給付対象については、子育て世帯や低所得世帯に限るという検討も行われましたが、最終的に、「所得が一定以上減った世帯」となるようです。

仮に、30万円を1,000万世帯に支給すると、3兆円になります。

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ちなみに、アメリカでは、50億ドル(約55兆円)の財政支出により、大人1人当たり1,200ドル(約13万2千円)、子供1人当たり500ドル(約5万5千円)を4月に支給すると発表されました。

(5)学生の通信料を軽減

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクは、25歳以下の学生を対象に、通信量を軽減すると発表しました。

4月、教室での授業をオンライン授業に切り替える大学が増えていますが、動画を利用した授業では、通信量が学生の大きな負担となりますので、通信プランの一部を無償化します。

4月中は追加料金なしでも50ギガバイトまで速度制限なしでインターネットに接続できるようにします。

(6)終息後の経済対策

政府は、コロナウイルス感染症が終息した後、4ヶ月程度の期間に、次のような内容を検討しています。

  • 旅行会社を通して国内の旅行商品を購入した人に代金の半分程度、最大3万円分のクーポン券を発行
  • チケット会社を通してイベントチケットを購入した場合、2割相当を補助

ただ、「旅行会社」「チケット会社」がどこまで対象になるかという問題点があります。特定の旅行会社、チケット会社だけが対象になれば、それらの会社での購入が集中します。それ以外の会社は収入が入らなくなり、倒産の危機を招きます。

(7)目立った減税策は特になし

減税関連で発表されているものとして、次の内容があります。

  • 住宅ローン減税の優遇条件を緩和
    住宅ローン減税を受けられる期間が通常の10年間から13年間に緩和されていますが、2020年末までに入居することが条件となっています。今回の影響で入居が遅れる人に対して配慮する検討をしています。
  • 自動車税の減税措置を延長
    自動車の購入時に燃費に応じて購入額の1~3%課税する「環境性能割」について、2020年9月末まで1%分軽減されています。これを、2021年3月末まで半年延長します。

それ以外は、今のところ、一般国民に対する支援策は発表されていません。社会保険料の値下げ等もありません。

ただし、税金や社会保険料(国民健康保険料・国民年金保険料)の支払いが困難なときには、減免・免除や猶予を受けられることもありますので、未納のままにしないで、まずは早めに該当の役所に相談されてください

4.一部の自治体で独自支援

一部の自治体では独自の支援を発表しています。そのいくつかを紹介します。
各自治体による支援については、お住まいの自治体にお問い合わせください。

千葉市 子育て世帯に最大20万円を無利子で貸し付け

千葉市は、小学校の臨時休校で休業し生活が困窮している家庭に対して最大20万円を無利子で貸与すると発表しました。
受付期間は3月10日~31日で、返済期間は12ヶ月以内となっています。

【参照】千葉市:新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業に伴う緊急生活資金貸付のご案内

徳島県 県内の勤労者に最大50万円を実質無利子で貸し付け

徳島県では、徳島県内に住所があり、徳島県内の事業所に勤務している個人に対して、最大50万円を生活資金として、実質無利子で貸し付けます。
無担保で、返済期間は5年以内です。別途、保証料(年0.7~1.2%)が必要です。
申込期限は6月30日で、四国労働金庫の徳島県内の各支店で申し込みます。

【参照】徳島県:新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受ける勤労者を対象とした融資を開始しました(令和2年3月10日)

新潟県 離職者生活ローン、県税の納税猶予

新潟県は3月17日、県としての緊急対策案を発表しました。

離職者生活ローン

倒産や解雇等で離職した人に対して生活資金等を融資します。

貸付金額10万円以上50万円以内
返済期間5年以内(据置期間6ヶ月)
県税の納税等の猶予

新型コロナウイルスの影響で県税の納税が困難となった場合には、納税を最大1年間猶予します。

【参照】新潟県:新型コロナウイルス感染症緊急対策(令和2年3月17日新潟県報道資料)

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