休業者給付金とは?パート・アルバイトも直接受け取れる休業手当

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会社が従業員を休業させた場合、原則として、休業手当を支払う義務があります。
しかし、様々な問題から、休業手当を支払わない会社が多く、問題となっていました。

そこで、政府は、「休業者給付金」という、従業員が直接受け取れる休業手当の制度を発表しました。パート・アルバイトも対象になる予定です。

まだ提案の段階であり、詳細や支給時期については不明ですが、5月15日時点で分かっていることをまとめました。

1.休業者給付金とは?

(1)休業した人がもらえる手当

休業者給付金とは、会社の命令で休業した人がもらえる手当(お金)です。新型コロナウイルス感染症の経済対策として、今回、初めて支給されます。

休業と失業の違い

「休業」と似た言葉に「失業」があります。まず休業と失業の違いについて確認します。

失業者とは会社を辞めた(辞めさせられた)方、休業者とは会社に籍はあるものの会社都合で仕事を休業した方のことです。

基本的に失業者には失業手当(失業保険)が、休業者には休業手当という制度があります。失業保険は国や政府系機関が支払いますが、休業手当は雇用主(会社)が支払う制度です。

休業手当と今回の新制度「休業者給付金」の違いに関しては後で詳しく解説します。

(2)いくらもらえるの?

現状、発表されている内容は、

  • 本人の直近の平均月間賃金の80%程度
  • 支給上限を33万円/月程度
  • 1日当りの上限を15,000円に引き上げ

という点です。

(3)誰がもらえるの?

休業した人のうち、会社から休業手当をもらっていない人が、給付金をもらえます

今回、特に画期的なのは、雇用保険に加入していない非正規労働者、つまりパートやアルバイトの方でも受け取れるという点です。

(4)いつからもらえるの?

5月14日に発表された段階では、まだ「検討中」という段階です。これから関係閣僚や各省庁で話し合いが始まる状態ですので、いつから支給されるかは不明です。

2.休業手当との関係

上でも簡単に触れましたが、従来の「休業手当」とは、雇用主(会社)が従業員に支払う手当です。
これに対し、今回の「休業者給付金」は、従業員が直接、国に申請を出し、国から直接受け取れる給付金となる予定です。

なぜこのような制度が新たに登場したのかをまとめます。

(1)休業手当が支払われない!

労働基準法では、会社が従業員に休業させたとき、平均賃金(※)の60%以上の休業手当を支払わなければならない、と定めています。

しかし、休業手当を支払わない会社が多くあります。多くの企業では、休業で売上が減ってしまい資金がないため、休業手当を支払えないからです。

※ここでの「平均賃金」とは、毎月もらっている給料の平均ではありません。やや複雑な話になりますので、詳しくは、「コロナウイルスで休業を命じられたら、休業手当をもらえる?」をご覧ください。

(2)不調に終わった雇用調整助成金

休業手当を支払った会社を支援する制度として「雇用調整助成金」があります。支払った休業手当の全額ではありませんが、申請すると、その会社に、1人1日あたり8,330円を上限として支給されます。

しかし、雇用調整助成金は申請に多くの書類が必要など、手続きが非常に複雑であり、多くの会社がその利用をためらう状態になっています。

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申請手続きが複雑だということは、受理してもらうにも時間がかかります。その間の休業手当は会社が立て替えて支払い続ける必要があり、それすら厳しい会社も少なくありません。

上記のような理由から、雇用調整助成金を申請する会社は少ないですし、従業員に休業手当も支払われない状態が続いています。
しかし、休業で生活が厳しくなる方は増える一方ですので、会社が立て替える必要がなく、国が直接、従業員に支給する給付金が必要となったのです。

3.申請と支給はどのようになる?

現状で窓口は全国のハローワークになると考えられており、郵送もしくはオンラインでの申請になることが有力視されています。

従業員は、会社から休業証明書をもらい、それをハローワークに提出して、直接、給付金をもらえる予定です。

4.休業者給付金の問題点は?

(1)休業手当を支払わない会社が増える可能性

従業員が直接国から給付金をもらえるなら、そちらのほうが、会社としても手続きの必要がなく楽ですので、休業手当を支払わない会社が増える可能性があります。

(2)会社から休業手当をもらった人のほうが損する可能性

すでに述べましたが、会社が支払う義務のある休業手当の金額は、平均賃金の60%です。ただし、計算が特殊で複雑なことから、月給制の人の場合、本人の平均月給の半分より少なくなることも多いです。

一方、休業者給付金は、本人の直近の平均月給の80%程度を支給予定とされています。

会社から休業手当をもらった人と、直接、国から給付金をもらった人の間では、30%以上の金額の差が生まれる可能性があります。

(3)休業証明書を会社からもらえるのか?

休業したことの証拠として、会社から休業証明書をもらう必要があります。

しかし、パート・アルバイトの場合、休業後、解雇されてしまっていると、なかなか連絡がしづらいかもしれません。個人経営の小さな店舗の場合、休業証明書を作ることすらも大変だといって、発行してもらえないかもしれません。

そのような従業員に対して、どのように救済するのか、まだ何も議論されていないようです。

まとめ

まだ、政府により計画段階である休業者給付金。その申請方法や受給資格については変更になる可能性があります。

また、そもそもの財源も未定であり、新たに予算を計上するのかどうかも含めて、成立まではまだある程度時間がかかりそうです。

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