休業者へ直接給付金、パート・アルバイトの休業補償はいつから?

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【7/13更新】
条件判定と給付額計算を簡易に行うためのスプレッドシートを公開しました。
【7/7更新】
厚生労働省発表の最新内容に合わせて全体を更新。
いつからもらえる?」を更新。

会社が従業員を休業させた場合、原則として、休業手当を支払う義務があります。
しかし、様々な問題から、休業手当を支払わない会社が多く、問題となっていました。

そこで、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」という、従業員が直接、給付金を受け取れる休業手当の制度ができました。パート・アルバイトも対象になります

本記事は、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」ページを基に記載しています。

1.休業支援金・給付金とは?

休業支援金・給付金とは、会社の命令で休業した人がもらえる手当(お金)です。

(1)対象者

次の条件に当てはまる人です。特に「休業手当をもらっていない人」というのがポイントです。

  1. 2020年4月1日~9月30日の間に、会社の命令で休業した人
  2. 休業手当をもらっていない人
  3. 中小企業で働いている人

雇用保険に加入していない非正規労働者、つまりパートやアルバイトの方でも受け取ることができます

対象者となる人/ならない人を整理してみました。

対象者となる人

  • 学生アルバイト(雇用保険に加入していない)
  • 外国人・技能実習生
  • 登録型派遣・日雇派遣労働者
  • 地方公営企業に雇用されている人
  • 個人事業主の同居の親族のうち、雇用保険に加入している人
  • 新たに就職した人(雇われた日の翌々月の休業から対象)
  • 新卒で4月に就職した人(4月から対象)
  • 学生支援給付金をもらった人
  • 児童扶養手当をもらった人

対象者にならない人

  • 海外勤務者
  • 日雇労働者
  • フリーランス(雇用されていない人)
  • 国、地方公共団体等で働く人
  • 本人が感染して、会社が休業となった場合
  • 育児休業給付や傷病手当金をもらっている間に休業となった人
  • 少しでも休業手当をもらった場合(※)

※休業手当は、平均賃金の60%以上を支払う必要がありますが、60%未満であっても、わずかでも休業手当をもらった人は、対象になりません。また、月額3万円を超える見舞金をもらった人も対象になりません。

ここでの「平均賃金」とは、毎月もらっている給料の平均ではありません。やや複雑な話になりますので、詳しくは、「コロナウイルスで休業を命じられたら、休業手当をもらえる?」をご覧ください。

会社によっては、現金が不足していて、なんとか心ばかりの休業手当や見舞金を支給することもありえますが、それがかえって仇となってしまうようです。

(2)いくらもらえるの?

給付金の金額は次のように計算されます。

  • ①1日当たり支給額=休業前の1日当たり平均額(※1)×80%(11,000円が上限)
  • ②休業実績日数=各月の日数(30日 or 31日)-働いた、または労働者の都合で休んだ日数
  • 給付金の金額=①×②

※1 休業前の1日当たり平均額は、休業前6ヶ月分の給与から、ある3ヶ月分の給与を合計して、その3ヶ月分の日数で割って計算します。

給与には、残業代等の手当を含みますが、賞与は除きます。税金や社会保険料を引く前の金額です。

具体例

式だけでは、わかりずらいですので、具体例をあげてみます。

休業前6ヶ月の給与(残業代等の手当を含む)が、次のようだったとします。

10月の給与:21万円
11月の給与:26万円
12月の給与:28万円
1月の給与:22万円
2月の給与:27万円
3月の給与:20万円

この中から、金額が最も多い3ヶ月分を選択します(11月、12月、2月)
そして、1日当たり支給額を計算してみます。

11月、12月、2月の給与の合計=26万円+28万円+27万円=81万円
1日当たり平均額=81万円÷90日=9,000円
→1日当たり支給額=9,000円×80%=7,200円

次に、4月1日から4月30日まで休業したが、10日と14日は6時間だけ勤務、17日は2時間だけ勤務したとします(通常勤務時間は8時間)。

この場合、10日と14日は1日勤務としてカウント、17日は0.5日勤務としてカウントします。

よって、休業実績日数は、30日-2.5日=27.5日となります。

最後に、支給額は次のようになります。

7,200円×27.5日=198,000円 

給付金は非課税

休業支援金・給付金は非課税のため所得税の申告は不要です。社会保険料もかかりません。

通常、正社員の方であれば、税金・社会保険料等で20%以上は引かれていますので、給与額の約80%をもらって非課税ということは、実質ほぼ100%の手当をもらうことと同じといえるでしょう。

(3)いつからもらえるの?

7月10日から申請が開始されました

申請後、審査が行われ、支給決定まで約2週間くらいかかります。その後、入金まで数日かかります。
そうすると、もらえるのは、早くても7月末くらいになりそうです。

最新の情報が分かり次第、随時、更新します。

(4)申請方法

現状、郵送のみですが、オンライン申請も準備中です。

基本は、労働者自ら申請しますが、会社を通して申請することも可能です。
(ただ、休業手当を支払わないような会社であれば、お願いしても面倒に思われる可能性がありますので、自分で申請したほうが早いでしょう。)

郵送による申請方法を、あとの方で、解説します。

申請期限

休業した期間によって、期限が異なります。郵送の場合は必着です。

休業した期間 申請期限
2020年4月~6月 2020年9月30日
2020年7月 2020年10月31日
2020年8月 2020年11月30日
2020年9月 2020年12月31日

期間によって、何度かに分けて申請することも可能です。

(5)必要書類

  1. 支給申請書
  2. 支給要件確認書(※)
  3. 本人確認書類
  4. 口座確認書類
  5. 休業開始前と休業期間中の給与を証明できるもの

※会社の指示による休業であることを証明するもの。会社と労働者がそれぞれ記入します。
会社の協力を得られない場合は、会社記入欄は空欄でもOKです。この場合、労働局から会社に問い合わせがいきます。

(6)問い合わせ先

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金コールセンター
TEL:0120-221-276
受付時間:月~金 8:30~20:00、土日祝 8:30~17:15

2.郵送での申請方法

郵送による申請方法を解説します。これらの書類を準備します。

  1. 支給申請書
  2. 支給要件確認書
  3. 本人確認書類
  4. 口座確認書類
  5. 休業開始前と休業期間中の給与を証明できるもの

「支給申請書」と「支給要件確認書」は厚生労働省のサイトからダウンロード可能です。見本もあります。

STEP1:支給申請書を記入

主に次の4つのパートに分かれています。

  1. 申請者について
  2. 事業所について
  3. 休業期間と賃金額について
  4. 署名

申請者について

氏名・性別・生年月日・住所・電話番号および振込先口座を記入します。
一部の金融機関はNGですので、厚生労働省サイトの「振込可能な金融機関リスト」でご確認ください。

休業支援金 支給申請書

事業所について

勤めている会社の名称・所在地を記入します。

休業期間と賃金額について

ここが一番重要なところです。

令和2年4月~9月の間で、実際に休業して休業手当を受け取っていない期間を記入します。
休業期間中に労働した日がある場合は、その日数を記入します。

休業前の6ヶ月間のうち、最も給与が高い3ヶ月分を選んで、給与額を記入します。
給与額には、基本給だけでなく、残業手当、住宅手当、家族手当などの各種手当てが含まれます。ただし、賞与額は含まれません。

署名

提出日を記入し、自筆で署名します。

STEP2:支給要件確認書を記入

支給要件確認書は、会社に命じられて休業したかどうかを証明する書類です。

労働者本人が記入する欄と、会社が記入する欄があります。
まずは、本人が記入します。

休業支援金 支給要件確認書

会社に命じられた休業であり、休業手当をもらってないことをチェックしたうえで、署名します。

STEP3:支給要件確認書を会社に記入してもらう

次に、会社に依頼して、支給要件確認書に記入してもらう必要があります。

会社に協力してもらえない場合、つまり、休業証明を拒否される場合には、「事業主名」の欄に、協力が得られないことと、その背景となる事情を記入します。他は空欄でOKです。

休業支援金 支給要件確認書

STEP4:添付書類を用意する

A4サイズの紙にコピーします。

初めての申請時

  • ①運転免許証等の本人確認書類の写し
  • ②振込先口座を確認できるキャッシュカードや通帳の写し
    (口座番号及び名義が確認できる通帳を開いた1ページ目と2ページ目)
  • ③給与明細などの休業前および休業中の賃金額が確認できる書類の写し(※)

※4月休業の場合は、3月以前の3ヶ月分の給与明細と4月の給与明細です。

2回目以降の申請時

本人の情報や振込先口座に変更がなければ、次の書類だけでOKです。

  • 休業中の賃金額が確認できる書類の写し

給与額の証明について

給与額を証明するものとして利用できるのは、次の3つです。

  • ①給与明細
  • ②賃金台帳
  • ③給与の振込通帳

①給与明細があれば、税金や社会保険料が引かれる前の、給与額が記載されていますので、まったく問題ありません。

もし、給与明細がない場合は、会社に依頼して再度発行してもらうか、または、②賃金台帳を送ってもらいましょう。
賃金台帳とは、労働基準法によって作成が義務付けられているもので、労働時間・残業時間や各種手当て金額が記載されています。

会社が給与明細も賃金台帳も提示してくれない場合には、③給与の振込通帳を利用します。
ただし、通帳に印字されている金額は、税金や社会保険料などが控除された後の金額です。元の金額はわかりませんので、残念ながら、この金額が給与額とみなされてしまいます。

③給与の振込通帳すらなく、給与額を証明できるものが何もない場合は、給付金をもらうことができません。

STEP5:封筒に入れて切手を貼り郵送

上記の書類をすべて封筒に入れて切手を貼り郵送します。

枚数が多い場合には、84円切手ではなく94円切手が必要になることもありますので、ご注意ください。

宛先はこちらです。

〒600-8799
日本郵便株式会社 京都中央郵便局留置
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対応 休業支援金・給付金担当

厚生労働省サイトの「郵送でのお手続方法」を印刷して、宛先部分を切り取って貼ると楽でしょう。

3.支給額シミュレーション

上記の申請用の書類では、支給額がいくらになるかの計算はありませんので、事前に支給額がいくらかシミュレーションしておくと良いでしょう。

条件判定&給付額計算シート(無料配布)

上記の例のように、条件判定と給付額計算を簡易に行うために、スプレッドシートを公開しております。

【リンク】休業支援金・給付金 計算シート

休業支援金・給付金

無料で配布しておりますので、ご自由にご利用ください。
(閲覧権限のみ付与しておりますので、コピーしてご利用ください。)

4.よくある質問

Q.休業証明を会社からもらえない場合はどうすればいい?

休業したことの証拠として、会社から休業証明をもらう必要があります(支給要件確認書に記載してもらう必要があります)。

しかし、パート・アルバイトの場合、休業後、解雇されてしまっていると、なかなか連絡がしづらいかもしれません。個人経営の小さな店舗の場合、それすらも大変だといって、対応してもらえないかもしれません。

そのような場合は、会社が記入すべき欄は空欄で申請することも可能です。

そうすると、労働局から会社に対して問い合わせがいきます。
しかし、会社が回答に手間取っていると、その間は審査ができず支給が遅れることになります。
最悪、会社が回答を拒否する場合には、審査ができず支払いもできないことになります。

Q.休業手当をもらった日ともらっていない日がある場合は?

休業手当をもらった日については対象となりませんが、休業手当をもらっていない日については対象ですので、申請できます。

Q.新卒で休業前に給与をもらっていない場合は?

新卒で入社したばかりで、休業前に給与をもらっていない場合は、予定されていた給与額を基に計算します。
雇用契約書・労働条件通知書などの賃金額がわかる書類を添付します。

Q.新卒ではなく4月以降に入社した場合は?

新卒ではなく、2020年4月1日以降に入社した場合は、その入社した日の翌月末までの休業は対象とならず、翌々月から対象となります。

たとえば、4月15日入社の人であれば、6月1日からの休業が対象です。

新卒の場合よりも、かなりハードルが高いです。

Q.複数の会社で働いていて休業した場合は?

それぞれの会社で休業した日について申請することができます。

ただし、同時に申請する必要があります。申請の書類は特別な様式になりますので、厚生労働省が準備中です。

5.休業者への直接給付金の問題点は?

(1)休業手当を支払わない会社が増える可能性

従業員が直接国から給付金をもらえるなら、そちらのほうが、会社としても手続きの必要がなく楽ですので、休業手当を支払わない会社が増える可能性があります。

(2)会社から休業手当をもらった人のほうが損する可能性

すでに述べましたが、会社が支払う義務のある休業手当の金額は、平均賃金の60%です。ただし、計算が特殊で複雑なことから、月給制の場合、本人の平均月給の半分より少なくなることも多いです。
しかも、休業手当から、税金・社会保険料が引かれます

一方、休業者への直接の給付金は、本人の直近の平均月給の80%程度が支給されます。
さらに、この給付金は非課税で社会保険料も引かれませんので、実質、平均月給のほぼ100%が支給されることと同じです。

会社から休業手当をもらった人と、直接、国から給付金をもらった人の間では、相当な金額の差が生まれる可能性があります。

また、すでに述べたとおり、会社がわずかでも休業手当を支払ったり、月額3万円を超える見舞金を支払った場合には、今回の給付金の対象となりません。

仮に平均月給30万円の人が、わずか5万円の休業手当をもらったとしたら、もらっていない人が、30万円×80%=24万円の給付金をもらえるのと比べて、かなり損することになります。

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