【雑所得・創業したばかりも対象に】持続化給付金の申請方法と計算例

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コロナウイルスの蔓延により、事業に大きな影響を受けているのが、中小企業やフリーランス、個人事業主の皆さんでしょう。そんな中小企業や個人事業主を支援するため、政府が打ち出したのが「持続化給付金」です。

この給付金について、中小企業庁の「持続化給付金」サイトの情報を基に、支給の対象者や金額、いつ給付されるのか?などを、詳しく解説していきます。

【引用】中小企業庁:持続化給付金
https://www.jizokuka-kyufu.jp/

1.持続化給付金とは?

4月7日に、政府は緊急事態宣言を発出しました。コロナウイルスの蔓延に対する、日本政府として初めての明確な指針のため、この宣言は大きな注目を集めました。緊急事態宣言と同時に発表されたのが、総額108兆円という巨額の緊急経済対策です。そしてこの108兆円に含まれているのが「持続化給付金」です。

持続化給付金とは中小企業と個人事業主に対する給付金です。返済義務はありません

さらにほかの給付金や補助金との大きな違いは、その用途に限定がないことでしょう。つまり、給付を受けた企業や個人は、事業にかかわることに関して自由に使用できるのです。

「持続化」という言葉がついていることで勘違いされる方もいらっしゃいますが、「持続的に給付」というわけではありません。この給付金は、「事業の継続を下支えし、再起の糧としていただくため」の給付金であり、「事業を持続化」するための給付金ということになります。

2.給付金の対象者は?いつから?いくらもらえる?

(1)対象者

①事業者の条件

対象者となるのは「中小企業」と「個人事業主」です。

中小企業の条件は資本金または従業員であり、下記のいずれかに該当する場合です。

  • 資本金の額または出資の総額が10億円未満
  • 上記の定めがない場合、常時使用する従業員の数が2000人以下

また、医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人についても幅広く対象となります。
ただし、政治団体、宗教団体、公共法人などは対象外です。

一度、給付を受けた事業者は、再度申請することはできません。

②事業継続の条件

原則、2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者が対象です。

「2020年新規創業特例」というものが後から作られ、2020年1月~3月に創業したばかりの事業者も支給の対象になりました。

③事業収入(売上)の条件

新型コロナウイルス感染症の影響により、事業収入(売上)が前年同月比で50%以上減少している場合に対象となります。

対象となる月は、2020年1月~12月のうち、いずれかの1ヶ月です。どの月で計算するかは、事業者が自由に選択することができます。

なお、都道府県からの休業要請に伴い支給される協力金などを除いて算定することができます。

雑所得、給与所得もOKに

上記の事業収入(売上)の減少について、これまでは、「事業所得」が判断の基準でした。

しかし、インターネットを通じて個人向けのサービスを行う人や、音楽の講師などは、「雑所得」「給与所得」として申告しているケースがあり、対象にはなっていませんでした。

「雑所得」は、副業でネットで商品を販売したりクラウドワーカーとして簡単な業務をしたりする人たちの副業収入も含まれているからです。

ただ、対象から漏れる人が多いという批判があり、「雑所得」「給与所得」であっても、業務委託契約書や源泉徴収票によって、本業収入であることが証明できれば、支給対象となります。

(2)給付額

給付額は、中小企業が最大200万円、個人事業主が最大100万円です。ただしこれはあくまでも「最大」。基本的には「減少した売上金額」の分のみ支給を受けられます。

減少した売上は次の式で計算します。

減少した売上
=(前年の事業総売上)-(前年同月比50%以下の月の売上×12)

例えば中小企業で、減少した売上金額が150万円の場合は、150万円のみ支給を受けることができます。

(5月8日変更点)
当初、10万円未満は切り捨てとしていましたが、10万円未満の金額に対する給付の要望が多かったことから、10万円未満の金額も支給するように変更されました。すでに、10万円未満切り捨てで支給を受けた方は、再度申請しなくても、後日、追加で支給されます。

(3)給付時期

給付の申請は5月1日から開始し、5月8日から給付開始されています。

政府の発表では、5月8日に早速、23,000件、約280億円が支給されたとのことです。

(4)申請期間

給付金の申請期間は、2020年5月1日~2021年1月15日です。

※電子申請の締め切りは、2021年1月15日24時までです。

(5)申請方法

経済産業省は、申請方法について、ホームページに掲載しているほか、Youtubeでも動画で公開しています。

【参照】持続化給付金:申請方法・必要書類

申請手順(申請の流れ)

基本は、Web申請となります。次のような手順です。

  1. 持続化給付金ホームページへアクセス
  2. 申請ボタンを押して、メールアドレスなどを入力(仮登録)
  3. 入力したメールアドレスに、メールが届いていることを確認して、本登録へ
  4. ID・パスワードを入力するとマイページが作成されます。
    法人・個人の基本情報、売上額、口座情報等を入力します。
  5. 必要書類を添付(次節で紹介)

ただしどうしても窓口に行く必要が生じた場合は、感染対策を十分に行った上、完全予約制(並んだり窓口に人が集まることがないように)にて窓口受付を行う方針です。

ちなみに、経済産業省は、複数のWeb申請で使用できる「GビズID」というものを発行していますが、今回の持続化支給金に関しては、このGビズIDは不要ですので、GビズIDを持っていない方も安心して申請することが可能です。

申請後の流れ

持続化給付金事務局で、申請内容を確認します。
申請に不備があった場合は、メールとマイページへの通知で連絡が入ります。

通常2週間程度で、給付通知書が発送され、ご登録の口座に入金されます

不給付の場合には、不給付通知が発送されます。

(6)必要書類

申請に必要な書類や情報などについてまとめておきます。

事業者の種類 必要書類
中小企業 ①前事業年度の確定申告書別表一の控え(※1)
および法人事業外業説明書の控え
②対象月の月間事業収入がわかるもの(※2)
③振込先口座の通帳の写し
個人事業主 ①青色申告:2019年分の確定申告書別表一の控え(※1)
および所得税青色申告書の控え
白色申告:2019年分の確定申告書別表一の控え(※1)
②対象月の月間事業収入がわかるもの(※2)
③振込先口座の通帳の写し
④本人確認書類(※3)

※1 確定申告書別表一の控えには収受日付印が押されていること。e-Taxによる申告の場合は、「受信通知(メール詳細)」を添付すること。
※2 売上台帳、帳面その他の当年の確定申告の基礎となる書類
※3 運転免許証、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、在留カード、特別永住権証明書、外国人登録証明書
(スマホなどの写真画像でもOK)

詳細については、持続化給付金のサイトを参照ください。
【参照】持続化給付金:申請方法・必要書類(証拠書類)

このうち、最も疑問になりそうな下記の書類について簡単に解説しておきます。

②対象月の月間事業収入がわかるもの

年度内ですと、外部に報告できるような書類を作成していないこともあるかと思います。その際には、下記のようなデータでもOKです。

  • 経理ソフトから抽出した売上データ
  • Excelで作成して売上データ
  • 手書きの売上帳のコピーなど

経理ソフトを利用していれば、通常、1ヶ月単位での売上データを出力できます。データ保存形式は、PDF、JPG、PNGのいずれかです。

(7)問い合わせ先

持続化給付金に関しては、持続化給付金事業 コールセンターに問い合わせをします。

持続化給付金事業 コールセンター
電話番号:0120-115-570
IP電話からの問い合わせ:03-6831-0613(通話料有料)
受付時間
・7月、8月:8:30~19:00(土日祝含む)
・9月~12月:8:30~19:00(平日のみ)

3.支給額シミュレーション

では、実際の支給額のシミュレーションをしてみます。
支給金の支払いに関する計算式や条件を再度、整理しておきます。

  • 計算式
    (前年度の事業総売上)-(前年同月比50%以下の月の売上×12)
  • 条件
    2020年1月~12月に前年同月比50%以下の月があること。任意の1ヶ月を選択可能。

例1

2019年度の売上 480万円
2019年3月の売上 50万円
2020年3月の売上 20万円

この場合、売上減少額は以下のようになります。

売上減少:480万円-20万円×12=240万円

個人事業主の場合、満額の100万円が支給されます。また、中小企業の場合、満額の200万円が支給されます。

例2

2019年度の売上 480万円
2019年3月の売上 50万円
2020年3月の売上 24万円

この場合、売上減少額は以下のようになります。

売上減少:480万円-24万円×12=192万円

個人事業主の場合、満額の100万円が支給されます。しかし、中小企業の場合、満額の200万円ではなく、減少分の192万円が支給されます。

例3

2019年度の売上 480万円
2019年3月の売上 50万円
2020年3月の売上 30万円

この場合、売上減少額は50%未満ですので、支給対象になりません。

4.支給されるケース/支給されないケース

支給対象になるケース/支給対象にならないケースについて、パターン別に確認します。

売上が前年同月比50%減の月が最低1つはある

例えば、2020年4月の売り上げだけがかなり落ちて前年同月比50%減で、その他の月は前年同月比10%減の場合、事業としてはあまり大きなダメージではありませんが支給対象になるのでしょうか?

この場合、1ヶ月だけとはいえ前年同月比50%減の月がありますので、支給対象となります。

3月以降、売上がかなり落ちたが、前年同月比では50%減まで達していない

続いて2020年3月の売り上げが、同年2月と比較して90%減少したものの、前年同月比では40%減だった場合。この場合は、2月から3月で一気に売り上げは落としていますが、前年同月比の減少幅は50%未満です。

他の月で前年同月比50%以上減の月がなければ支給対象外ということになります。

売上操作で、前年同月比50%減に

最後に、例えば、給付金受領のために5月に納品した商品の売上を意図的に6月分として計上することで、5月の売上を前年同月比50%以上減にした場合、帳簿上は前年同月比50%以上減の月ができますので、支給対象となります。

ただし、5月の売上を意図的に6月に回したことが発覚し不正と判断されれば、不正受給として処罰の対象となる可能性がありますのでご注意ください。

不正と判断されるかどうかは、中小企業庁の判断になると思われます。多数の申請があり、発覚しない可能性もありますが、社会通念上、不正に該当するのではないかと疑われることは行わないほうが妥当ではないかと思われます。

5.その他

(1)各種の特例

前年度の決算書類が用意できない、あるいは、2019年に創業したばかりである、などの特殊事情がある場合、各種の特例を利用することができます。

そのうち、一部を紹介します。

創業特例・新規開業特例

2019年1月~12月に創業(開業)した場合、2019年度の事業収入は1年分ありませんので、2019年度の月平均の事業収入を12倍した値を2019年度の事業収入とみなす特例です。

給付額=2019年の年間事業収入÷2019年の設立後月数×12-対象月の月間事業収入×12

2019年10月に開業、12月決算で、2020年3月を対象月とする場合、

  2019年 2020年
10 11 12 1 2 3
万円 30 40 50 30 30 20
  • 2019年の年間事業収入=30+40+50=120万円
  • 2019年の開業月数=3ヶ月
  • 2020年の対象月の事業収入=20万円
  • 給付額=120÷3×12-20×12=240万円

中小企業は上限額200万円、個人事業主は上限額100万円が給付されます。

季節性収入特例

収入に季節性があるなど、特定期間の事業収入が年間事業収入の大部分を占める場合、特例の3ヶ月間の事業収入で算定することができる特例です。

次の2つの条件があります。

  1. 少なくとも2020年のある1ヶ月を含む連続した3ヶ月(対象期間)の事業収入の合計が、前年同期間の3ヶ月(基準期間)の事業収入の合計と比べて50%以上減少していること。
  2. 基準期間の事業収入の合計が2019年の年間事業収入の50%以上を占めること。
給付額=基準期間の事業収入の合計-対象期間の事業収入の合計

毎年3月頃に収入が多い場合、

  2019年
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
万円 0 0 300 200 0 0 0 0 0 0 0 0
  2020年
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
万円 0 0 100 100                
  • 基準期間の事業収入合計=300+200=500万円
  • 対象期間の事業収入合計=100+100=200万円
  • 給付額=500-200=300万円

中小企業は上限額200万円、個人事業主は上限額100万円が給付されます。

その他の特例

その他の特例や、上記特例の詳細は、持続化給付金サイトに掲載されている申請ガイダンスをご確認ください。

【参照】持続化給付金申請要領(申請のガイダンス)中小法人等向け
【参照】持続化給付金申請要領(申請のガイダンス)個人事業者等向け

(2)不正受給について

提出された書類について、不審な点が見られる場合、調査が行われることがあります。調査結果、不正受給と判断された場合、以下の措置が行われます。

  • 給付金の全額に、不正受給の日から返還の日まで、年3%で算定した延滞金を加え、さらに、これらの合計額の2割に相当する額を加えた額の返還請求。
  • 申請者の法人名等を公表。不正の内容が悪質な場合には刑事告発。

仮に、100万円を不正受給し、1年後に発覚して返還した場合、100万円×(1+0.03)×(1+0.2)=123万6千円の返還義務が生じます。

不正受給はしないようにしましょう。

(3)持続化給付金が150万円に増額?

持続化給付金の個人事業主向けの上限は100万円ですが、これが150万円に増額されるのでは?という話題があがっています。

しかし、これは、非常に良く似た名前の「持続化補助金」の内容であり、「持続化給付金」とはまったく別のものです。

「持続化補助金」とは、商工会議所等からサポートを受けて経営計画を作成し販路拡大等に取り組む小規模事業者に対して、その経費の3分の2を補助するものです。今までは、上限100万円でしたが、今後、150万円に引き上げられ、経費の助成率も4分の3にあがる予定です。

【参考情報】

家賃支援給付金

事務所を賃貸している方にとって、収入が減っている中での、家賃の支払いは大きな問題です。

政府では、「家賃支援給付金」と呼ばれる、新型コロナウイルスの影響で家賃支払いが困難になった中小テナントへの支援策も行っています。

下記の条件を満たす中小事業者を対象に、半年分の家賃の3分の2または3分の1を国が助成します。1ヶ月当りの上限は中小企業が100万円、個人事業主が50万円です。

  • ある1ヶ月間で前年同月比で5割以上の減収、または
  • 連続する3ヶ月間で前年同期比で3割以上の減収

短期融資

仕入れ代金や家賃の支払いなど、期限が迫っているとき、仮に、その後に、その代金を賄うことのできるだけの売掛金などの入金があり、単純にタイミングの問題であれば、短期間の融資を受ける方法もあります。

通常の銀行などの金融機関ですと、申し込みから審査、融資実行まで、2週間から1ヶ月程度かかりますが、緊急で資金繰りが必要な場合は、消費者金融のカードローンを利用する方法もあります。

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消費者金融というと、高利の借入れで返済できなくなり将来破産するようなイメージがあるかもしれませんが、返済するための資金の目処がはっきりと見えているのであれば、短期の融資として利用するのも一つの手段といえます。

ただし、返済の目処が立っていなかったり、あるいは、他の借入金を返済するために、カードローンで借りることは絶対に避けるべきでしょう。

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