年末調整はめんどくさいけどメリット大!|年末調整を受けるべき理由・簡単にすます方法

給付金 貰えない

毎年のこととはいえ、年末調整書類の記入はややこしいことも多く、ごちゃごちゃした書面を見るだけで嫌になってしまいますよね。この記事では、そんな面倒くさい年末調整について、

  • きちんと年末調整を受けるメリットは何か
  • 年末調整をスルーするとどんなデメリットがあるのか
  • 年末調整を簡単にする方法とお役立ちツール

をお伝えしていきます。

1.年末調整はめんどくさいけどメリット大!|年末調整を受けるべき理由

年末調整の書類をきちんと書いて提出すると、どんなメリットがあるのでしょうか? 主に次の3つのメリットが挙げられます。

  • ほとんどの場合、還付金が入る
  • ほとんどの控除を利用できる(税金の負担を減らすことができる)
  • 自分で確定申告しなくていい

年末調整ではほとんどの場合還付金が入る

私たちの給料からは毎月、「所得税」という税金が天引きされています。そして実は、所得税の天引きではほとんどの場合、「実際に払うべき金額」よりちょっと多めに引かれているのです※。

表のモデルケース(独身、40歳未満、扶養家族なし)を見てみると、年収が増えていくほど多めに天引きされることが分かります。

払いすぎている金額 年収240万 年収360万 年収480万円
天引きされる所得税の金額 44,400円 81,000円 139,300円
実際に支払うべき所得税の金額 39,100円 73,000円 124,500円
差額(払いすぎている税金) 5,300円 8,000円 14,800円

年末調整をきちんと受けると、この「払い過ぎた分の税金」を返してもらうことができます。これが「還付金」で、年末調整後の給料(だいたいは12月か1月の給料)は還付金が上乗せされるので普段より金額が大きくなっているはずです。

逆に言えば、年末調整を受けないと還付金も貰うことができず、税金を払いすぎたままになってしまいます。

年末調整で還付金がどのくらい貰えるのかが気になる方は、まずは↓こちらの自動計算ツールでチェックしてみてはいかがでしょうか。

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※中には逆に「実際に払うべき金額よりちょっと少なく天引きされている」ケースもあり、この場合は年末調整の際に追加で税金の支払いをします。年末調整を受けなかった場合は確定申告によって税金を支払うことになります。

年末調整ではほとんどの所得控除を利用できる

私たちの給料から天引きされている所得税……月々の支払いだけならそこまで気にならない金額かもしれません(むしろ社会保険料や住民税の金額にドン引きする人の方が多いでしょう)。

ですが年間で考えると所得税の金額もかなりもの。たとえば年収500万ぐらいの会社員なら所得の10%で年間約14万、年収800万くらいの会社員なら所得の20%で年間約48万も国に持っていかれてしまいます。家計にとって大きなダメージですよね。

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このため、「家族を養ってる人は生活が大変そうだし税金をやすくしよう」「病気で医療費がたくさんかかってるのに税金たくさんとったら大変そうだし税金を安くしよう」というように、個々人の事情に応じて税金の負担を和らげる制度があります。これが「所得控除」です。

所得控除には、

など14の種類があり、利用できる控除が多ければ多いほど税金は安くなっていく、という事になります。

ただし、所得控除を利用するには自己申告が必要で、条件に当てはまる人の税金が自動的に安くなるわけではありません。

個人事業主の方は確定申告をしないと所得控除を利用できませんが、会社員は年末調整で正しく書類に記入をすればOKです。年末調整で必要な情報をきちんと記載すれば、一部の所得控除を除きほとんどすべての所得控除の申告をすることができ、税金の負担を少なくすることができるのです。

自分で確定申告しなくていい

ここまで、年末調整をきちんと受けるメリットとして「還付金が入る」ことと「所得控除の申告ができること」を挙げました。

が、実は年末調整を受けられなかったとしても、「確定申告」によって所得控除の申告をして還付金を手に入れることが可能です。

最近はスマホで簡単に確定申告をすることができるようになりましたが、それでも税金の知識がない人にとっては敷居が高く、「できればやりたくないなぁ」と感じることも確かでしょう。

会社員の方は基本的に、年末調整を受ければ確定申告が不要なことが多い(会社が代わりに税の申告をしてくれる)ので、この点もメリットといえます。

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2.年末調整をやらないとどうなる? どんなデメリットがある?

年末調整がどうしても面倒くさく、書類を提出しないと次のようなデメリットが発生します。還付金が支払われないだけでなく、住民税が高くなったり給料の手取りがさがるなど、家計に直接影響が出てしまうので気を付けましょう。

  1. 年末調整書類の提出は法律で義務付けられている
  2. 還付金が支払われない(税金を支払いすぎて損をする)
  3. 住民税が高くなる
  4. 源泉徴収が乙欄になる(天引きされる税金の金額が増える)
  5. 確定申告をしなくてはいけなくなる
  6. ペナルティ(加算税や延滞税)を受けるリスクがある
  7. ふるさと納税のワンストップ特例が利用できなくなる

それぞれのデメリットについて、詳しくは次の記事で解説しています。

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3.年末調整がどうしてもめんどくさい! 簡単にする方法はないの?

年末調整をしないと数多くのデメリットがあることを解説してきました。それでもどうしてもめんどくさいと感じる方もいることと思います。ここからはできるだけスムーズに年末調整を乗り切るためのヒントを解説していきます。

(1)年末調整ソフトを利用してオンラインで書類を作成する

年末調整書類を自力で書く自信がない方は、年末調整ソフトを使用すればより簡単に書類を作成することができます。年末調整ソフトは様々ありますが、国税庁が無料で公開している年末調整ソフトを使うのが一番確実でしょう。

国税庁:年末調整控除申告書作成用ソフトウェア

年末調整ソフトにはPC版とスマホアプリ版の両方があり、質問に答えて必要情報を入力していけば面倒な計算などは自動で行ってくれます。

作成した年末調整書類はデータ出力、もしくは紙面での印刷が可能となっています。

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(2)年末調整書類を提出する前にコピーしておき翌年の参考にする

年末調整書類に記載する内容は、基本的に毎年大きく変わることは少ないと考えられます。したがって前年に作成した年末調整書類をコピーしておき、翌年の作成の際に参考にするのは有効な方法です。

年末調整書類で記載が難しいのは自力で計算しなければならない生命保険料控除・地震保険料控除の欄だと思いますが、ここの内容も保険の契約内容を変更したり新規の保険に加入していなければ記入する数字は同じです。また、基礎控除申告書や配偶者控除申告書も前年の記入内容を参考にすればスムーズに作成することが可能です。

ただし所得税法は定期的に改正されるため、書類の形式が変わるなどしていた場合は変更点がないか確認することが必要です。

(3)会社の担当者にどの程度書けばいいかを確認してみる

会社が年末調整ソフトを使用している場合、年末調整書類をすべて記入しなくても会社側で計算してくれる可能性があります。例えば生命保険料控除や地震保険料控除は、年末調整ソフトに年間の保険料支払額を入力すれば控除額を自動計算してくれます。また、配偶者控除申告書も配偶者の年収を記入しておけば所得金額は自動計算されます。

これらの内容は自力で計算しようとするとめんどくさいものですが、ソフトを使用している経理担当者からするとそこまで大変な作業ではありません。正しく記入する自信がない方は、経理担当者に「どこまで数字を埋める必要があるか」と確認してみましょう。会社によっては必要最低限の情報が記入されていればOKとしてくれる可能性もあります。

4.めんどくさい年末調整を簡単にするツールとマニュアル

年末調整で提出する書類は基本的に次の3種類です。それぞれ、記入の仕方を具体的に図解で解説していますので、ぜひご活用ください。

それから、年末調整書類を書く上で特にに面倒くさいのは、ご自身や配偶者の所得の計算の部分でしょう。

ご自身、配偶者の年収を入力するだけでそれぞれの所得、区分、控除額を自動計算するツールを作成しましたので、こちらもぜひご活用ください。

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なお、住宅ローン控除の1年目の方は次の書類の提出も必要ですのでぜひマニュアルをご活用ください。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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