住民税非課税世帯の10万円給付金、最速支給はいつ? 今後の見通しは?

吉田 美紀
執筆
吉田 美紀(よしだ みき)
早稲田大学文学部卒。2020年5月からZEIMOでの編集・監修・執筆活動を開始。ライフマネー・税金・ポイ活に関する記事を50以上監修。

2021年からはYOUTUBEチャンネル「お金のSOSチャンネル」の運営を開始、チャンネル登録者数8400人(※2021年12月時点)。
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この記事では、「住民税非課税世帯への10万円給付金」について、

  • 今どういう状況なの?
  • これからどういう段取りで支給がされていくの? 早くていつ支給になるの?
  • 国会では今どんなことが話し合われているの?

というテーマで、最新情報をふまえて解説します。

1.住民税非課税世帯への10万円給付、今どんな状況? 今後の見通しは?

まずは「住民税非課税世帯への10万円給付金」の今の状況と、これからの流れについてみていきます。

(1)給付金が実際に支給されるまでのプロセスと現状

この給付金については、12/15に衆議院で、12/20に参議院で予算の審議が終わりました。

つまり国としての予算(給付金を支給するための予算)が成立したということです。

そしてこの後さらに、各自治体の議会でも議決が行われます。

その後、各自治体から給付金の対象者に確認の書類が送付されて、対象者からの書類の返送をまって振り込み作業が行われるという流れが見込まれています。

この給付金が実際に振り込まれるまでの流れをまとめると次のようになります。

  1. 衆議院で予算についての審議・採決が行われる
    →2021/12/15に完了
  2. 参議院で予算についての審議・採決が行われる
    →時期:2021/12/20に完了
  3. 国会で予算が成立
    →時期:2021/12/20
  4. 国から各自治体に給付金の詳細等の事務連絡が届く
  5. 各自治体の議会で議決される
    →年内の市町村議会でこの給付金の議決ができるかは各市町村議会のスケジュールによる
  6. 各自治体から給付金の対象者のうち、役所の方で把握している人(令和3年度の住民税非課税世帯)に確認の書類が送付される
    →時期は各自治体による
  7. 各自治体から給付金の対象者のうち、役所の方で把握していない「受給のための申請が必要な人(令和3年から収入が減った人など)」への情報・申請書類などが公開される
    →時期は各自治体による
  8. 各自治体で申請書類や確認書類の受付が始まる
    →時期は各自治体による
  9. 支給対象者が役所に確認書類の返送をする、または申請書を提出する
  10. 給付・振り込み(対象者の手元にお金が届く)
    →時期は各自治体による

(2)給付金の対象者はこのまま待っていればいい?

上記のプロセス⑤の部分、「給付金対象者への確認書類の送付」について補足します。

今回の給付金の対象者は、12/13、12/17の国会質疑によると、

  • 令和3年度の住民税非課税世帯(令和2年の年収が少なかった世帯)
  • 令和3年に入ってから収入が減った世帯

となる見込みです(それぞれどんな世帯が該当するのかは下記の記事で詳しく解説しています)。

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そして令和3年度に住民税が非課税の人、つまり令和2年の年収が少なかった人については役所の方で把握しているので、確認書類が送られてくるのを待っていて大丈夫でしょう(税の申告をしていない人、転居して住民票をうつしていない場合は注意が必要ですが)。

しかし、今年(令和3年)に入ってから収入が減った人については、役所の方でも誰が該当するのかが分かりません。つまり、何らかの形で自ら申し出る、申請をする必要があるはずです。

この辺りの申請方法などについては今後、自治体の情報発信などをチェックする必要があります。

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なお、今回の給付金については「プッシュ型給付金って聞いた……」「マイナンバーカードがないといけないって聞いた……」「銀行にマイナンバーを届けないといけないらしい……」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。そのあたりについては下記の記事で詳しくお話していますが、結論として今回の給付金ではマイナンバーカードは不要となる見込みです。

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2.住民税非課税世帯への10万円給付金の支給時期、最速支給はいつになる?

ここまでお見せしたように、国の予算が成立した後の動きというのは、自治体によって対応スピードが変わってくるでしょう。

国の予算が成立したあとの流れをもう一度見てみましょう。

  1. 各自治体の議会で議決される
    →年内の市町村議会でこの給付金の議決ができるかは各市町村議会のスケジュールによる
  2. 各自治体から給付金の対象者のうち、役所の方で把握している人(令和3年度の住民税非課税世帯)に確認の書類が送付される
    →時期は各自治体による
  3. 各自治体から給付金の対象者のうち、役所の方で把握していない「受給のための申請が必要な人(令和3年から収入が減った人など)」への情報・申請書類などが公開される
    →時期は各自治体による
  4. 各自治体で申請書類や確認書類の受付が始まる
    →時期は各自治体による
  5. 支給対象者が役所に確認書類の返送をする、または申請書を提出する
  6. 給付・振り込み(対象者の手元にお金が届く)
    →時期は各自治体による

上記の一つ目のプロセスについてですが、各市町村の議会が開かれるスケジュールは地域によって異なります。このため、年内にこの給付金についての議決ができる市町村もあるでしょうし、議決が年明けになる市町村もあるでしょう。

早いところでは既に動き始めている市町村もあります。

徳島県徳島市では12月16日の市議会でこの給付金について議決がされる見込みになっていて、1月下旬には給付金の対象者への確認書類を送付し始めて、2月の中旬を目途に給付を始めるという方針を発表しています。

また、北海道釧路市の市議、おおさわ恵介市議は(投稿日時点で)1月中の支給に向け検討中であることをTwitterで投稿しています。

市としての公式発表ではありませんが、この記事の更新日時点で最速の予定としては上記の釧路市の1月中の支給、と思われます。

3.住民税非課税世帯への10万円給付金について、国会ではどんなことが話し合われた?

続いて、国会でこの給付金についてどんな議論がされていたのか、というところについてもみていきましょう。

テレビなどでは「18歳以下への給付金」の話題が多く、あまりこの「住民税非課税世帯への給付金」に関する議論が取り上げられないので、実際には国会でどんなことが話し合われているのか、住民税非課税世帯への給付金に絞って紹介します。

(1)住民税非課税世帯への給付金は、1人10万の給付をすべきではないのか?

まずは非課税世帯への給付金について、「一世帯10万円」ではなくて、「一人10万円」にしませんかという議論です。

12月13日の国会で、立憲民主党の小川議員が

新マイナポイントのような「マイナンバーカードを普及させるための政策」に使う2兆円があれば、もっと生活困窮者支援ができるはずですよね

という問題提起をしました。

そして12月15日、立憲民主党は「住民税非課税世帯への給付金を、一世帯10万円ではなく、一人10万円にすることなどを盛り込んだ動議(提案)を議会に提出しました。

が、この動議は自民、維新、公明、国民民主、有志の会の反対で否決となりました(立憲民主党・日本共産党は賛成)。

立憲民主党はその後、12/17にワーキングプア層にも同様の給付金を支給する法案を提出し12/22時点で継続審議となっています。

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(2)国民全員に一律10万円を給付すべきではないか?

「コロナで困っている人への支援」をするのなら、国民一律の現金給付をしませんかという議論もありました。

12月14日、国民民主党の玉木議員が

使い勝手の悪い制度がいくつあっても、困っている人を救うことはできない。コロナ禍で苦しんでいる人を救うなら、国民に一律で10万円を給付するのが早い

という問題提起をしました。

そして12月15日、国民民主党は「国民に一律で10万円を給付すること」などを盛り込んだ動議(提案)を議会に提出しました。

が、この動議は自民、立憲民主、維新、公明、有志の会の反対で否決となりました(国民民主党・日本共産党は賛成)。

(3)その他、生活困窮者支援に関する国会での発言・質疑

この他、困窮者支援に関する発言や質疑をまとめていきます。

  • 自民(政調会長)高市さん(12/13)
  • 自民(厚生労働部会長)牧原さん(12/13)
  • 公明(政調会長)竹内さん(12/13)
  • 立憲民主(代表代行)逢坂さん(12/14)
  • 日本共産党 山添さん(12/20)

自民(政調会長)高市さん(12/13)

まずは自民党政調会長の高市さん。高市さんは12月13日の国会で、

今回の経済対策には住民税非課税世帯に対する給付金、自立支援金、学生支援緊急給付金、住居確保給付金、子育て世帯に対する給付など、様々な支援が盛り込まれておりますので、自民党の公約でお示しした対象(=コロナで困りの方)についてはカバーされています

という趣旨の発言をしています。現状、政府が提示している支援内容で国民への支援は十分、ということですね。

自民(厚生労働部会長)牧原さん(12/13)

続いて、自民党の厚生労働部会長の牧原さんです。厚労部会は困窮者支援などについて話し合う部会なので、厚労部会長の発言には注目が必要です!

牧原議員は12月13日の国会で、

非課税世帯への給付金は、単身世帯と言うと年収100万円ぐらいの人しか使えない。例えば年収150万円ぐらいで都内で一人暮らしをされているという方からしたら、それで生活できるかと言うとなかなか厳しい。こういう方はいろんな制度からあぶれているという状況になっている(困っているのに何の支援もない状態になっている)

という話をされました。これはその通りだなと筆者も思います。さらに、

自立支援金(※2021年7月から始まった給付金制度のこと)は、政府の想定より半数ぐらいしか実は適用されていない。ニーズがないから使われていないのではなく、要件を満たすことが難しくて使えない人が多い。ハローワークで求職しなきゃいけないという条件も厳しくて、働きながら苦しい状況にいるという人には使えない制度になっている

とも言っていて、「コロナ禍で生活に困っているから自立支援金を使いたいけど、条件的に使えない」という人が多いのはその通りだと思います。さらに、

緊急事態宣言中は、携帯電話とか、ガスとか、電気とか、いろんなものの支払いが猶予されていた。が、11月になって一気にその請求が来ている。特に携帯電話が払えないと止められてしまうし、止められるともう就職活動もできないということもある

ともおっしゃっていて、これについても「その通り!」という内容です。そしてこの話がどんな結論で締めくくられたかというと、総理に対して

生活困窮を担当する大臣を内閣に作ってはどうですか

という提案で締めくくられました。直近の問題として給付金の支給対象を拡大することや、自立支援金の条件緩和についての進言・質疑はありませんでした(自立支援金については厚生労働委員会で話がでるかもしれません)。

公明(政調会長)竹内さん(12/13)

公明党政調会長の竹内さんは、12月13日の国会で、

住民税非課税世帯に対する給付金については、昨年の収入をもとに判定する今年度の住民税が非課税になっている方だけではなく、今年になってから家計が急変した方も給付金の対象にすべき

という質疑をされました。この答弁では結構大事な情報が出てきたので、こちらの内容については別途記事・動画で詳しくお話ししています。

「令和3年になってから収入が減った場合」の給付金支給条件について、気になる方は以下の記事からご覧いただければと思います。

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立憲民主(代表代行)逢坂さん(12/14)

立憲民主党代表代行の逢坂さんは、12月14日の国会で

十八歳までの子供の給付だけにスポットライトが当たっているようですが、今この年末を迎えて最も苦しんでおられる、お金が必要だとされている方々、生活困窮者の皆さんへの対策、この議論がほとんど出てきていない。住民税非課税世帯、そして住民税非課税の方以外の生活困窮者の皆さんへの対策、これはいったいどうなっていますか?

という質問をしました。

これに対して山際大臣は、住民税非課税世帯に対する10万円の給付金の他の支援として、

  • 緊急小口資金・総合支援資金の特例貸付、自立支援金の申請期限延長
  • 求職者支援制度(無料の職業訓練を受けながら月10万円給付金を受け取ることのできる制度)の要件緩和

などの政策によって生活困窮者の支援をするつもりだと答えました。

これに対して逢坂議員は

緊急小口資金も総合支援資金も借金で、自立支援金については給付金とはいえ条件が厳しくて使えない人がいる

という問題提起をし、さらに

住民税非課税世帯の給付金についてはいつ支給されるのか

ということについても質問していました。

これに対して山際大臣は、

急いでやりたいと思っているが、補正予算が成立した後に実施するということになる。(生活困窮者向けの支援については年末に)間に合うところは間に合わせたいと思っているが、それをこえることもあるだろう

というふうに答えました。この辺り、今年6月に通常国会が終わってから今までにも補正予算の審議ができる時間があったのではないかと思う方もいるでしょう。

日本共産党 山添さん(12/20)

12/20の参議院で、山添さんは

首相が総裁選の時から言っていた「非正規、女性、学生、一人親など、コロナでお困りの方に現金を給付する」という話はいったいどこに行ってしまったのか。特に非正規の女性は、同様に非正規の男性よりも給与が低い傾向にある

という問題提起をしました。

国会審議は終了しましたが、今回の給付金についてはまだ不明点もありますので、総務省や厚労省、内閣府等からまた大事な発表があり次第、記事や動画でお伝えできればと思います。

なお、今回の給付金についての総合的な情報をお求めの方は下記の記事で随時、分かっていることをまとめています。

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