住民税非課税世帯10万円給付金【申請書公開】申請書の書き方・提出方法は?
この記事では「住民税非課税世帯の10万円給付金」について、いくつかの自治体で申請の受付が開始して、申請書が公開されて…[続きを読む]
この記事では、「住民税非課税世帯への10万円給付金」について、
というテーマで、最新情報をふまえて解説します。
目次
まずは「住民税非課税世帯への10万円給付金」の今の状況と、これからの流れについてみていきます。
この給付金については、2021/12/20に国会で予算の審議が終わりました。つまり国としての予算(給付金を支給するための予算)が既に成立しているということです。
続いて、各自治体の議会でも議決が行われます(あるいは首長による専決処分がなされます)。現在このフェーズにある自治体も多いのではないでしょうか。
その後、各自治体から給付金の対象者に確認の書類が送付されて、対象者からの書類の返送をまって振り込み作業が行われるという流れが見込まれています。
この給付金が実際に振り込まれるまでの流れをまとめると次のようになります。
上記のプロセス6の部分、「給付金対象者への確認書類の送付」について補足します。
国が規定する今回の給付金の対象者は、
です。
「令和3年度の住民税非課税世帯」に当てはまる条件についてはこちらの記事で、「家計急変世帯」に当てはまる条件についてはこちらの記事で分かりやすく解説しています。
このうち、令和3年度に住民税が非課税の人、つまり令和2年の年収が少なかった人については役所の方で把握しているので、基本的には確認書類が送られてくるのを待っていれば大丈夫(ただし、世帯の中に税の申告をしていない人や2021/1/2以降に現在の住所に転入した人がいる場合、自治体によっては確認書が届かず自分から申請しないといけない可能性もあります)。
しかし、今年(令和3年)に入ってから収入が減った人については、役所の方でも誰が該当するのかが分からないので、条件に当てはまる方は自分で役所に給付金の申請をする必要があります。
一部の自治体(岐阜県岐阜市など)オンライン申請を実施していますが、それ以外の自治体の場合は申請書を入手し、添付書類と一緒に役所に提出しなくてはいけません。
なお、今回の給付金については「プッシュ型給付金って聞いた……」「マイナンバーカードがないといけないって聞いた……」「銀行にマイナンバーを届けないといけないらしい……」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。そのあたりについては下記の記事で詳しくお話していますが、結論として今回の給付金ではマイナンバーカードは不要となる見込みです。
ここまでお見せしたように、国の予算が成立した後の動きというのは、自治体によって対応スピードが変わってくるでしょう。
国の予算が成立したあとの流れをもう一度見てみましょう。
いずれのフェーズも自治体によって時期が異なりますが、既に確認書の発送や申請の受付を開始している自治体もあります。
全体的なスピード感を調べるため、47都道府県の県庁所在地のHPをチェックしてみましたので参考にしていただければと思います。
1/17時点で明確な支給時期を掲載していたのは以下の自治体です。この他、確認書が返送されてから2~3週間で振り込み予定としている自治体もありました。
1/17時点で明確な支給時期を掲載していたのは以下の自治体です。この他、申請書が届いてから2~3週間で振り込み予定としている自治体もありました。
お住まいの地域のスケジュール感を確認するには、役所のHPや市報などに加えて市町村議会の議員の方のSNSなどをチェックすると公式発表前のスケジュールがわかったりします。
たとえば、北海道釧路市の市議、おおさわ恵介市議は(投稿日時点で)1月中の支給に向け検討中であることをTwitterで投稿しています。
続いて、国会でこの給付金についてどんな議論がされていたのか、というところについてもみていきましょう。
テレビなどでは「18歳以下への給付金」の話題が多く、あまりこの「住民税非課税世帯への給付金」に関する議論が取り上げられないので、実際には国会でどんなことが話し合われていたのか、住民税非課税世帯への給付金に絞って紹介します。
まずは非課税世帯への給付金について、「一世帯10万円」ではなくて、「一人10万円」にしませんかという議論です。
12月13日の国会で、立憲民主党の小川議員が
新マイナポイントのような「マイナンバーカードを普及させるための政策」に使う2兆円があれば、もっと生活困窮者支援ができるはずですよね
という問題提起をしました。
そして12月15日、立憲民主党は「住民税非課税世帯への給付金を、一世帯10万円ではなく、一人10万円にすることなどを盛り込んだ動議(提案)を議会に提出しました。
が、この動議は自民、維新、公明、国民民主、有志の会の反対で否決となりました(立憲民主党・日本共産党は賛成)。
立憲民主党はその後、12/17にワーキングプア層にも同様の給付金を支給する法案を提出し12/22時点で継続審議となっています。
「コロナで困っている人への支援」をするのなら、国民一律の現金給付をしませんかという議論もありました。
12月14日、国民民主党の玉木議員が
使い勝手の悪い制度がいくつあっても、困っている人を救うことはできない。コロナ禍で苦しんでいる人を救うなら、国民に一律で10万円を給付するのが早い
という問題提起をしました。
そして12月15日、国民民主党は「国民に一律で10万円を給付すること」などを盛り込んだ動議(提案)を議会に提出しました。
が、この動議は自民、立憲民主、維新、公明、有志の会の反対で否決となりました(国民民主党・日本共産党は賛成)。
この他、困窮者支援に関する発言や質疑をまとめていきます。
まずは自民党政調会長の高市さん。高市さんは12月13日の国会で、
今回の経済対策には住民税非課税世帯に対する給付金、自立支援金、学生支援緊急給付金、住居確保給付金、子育て世帯に対する給付など、様々な支援が盛り込まれておりますので、自民党の公約でお示しした対象(=コロナで困りの方)についてはカバーされています
という趣旨の発言をしています。現状、政府が提示している支援内容で国民への支援は十分、ということですね。
続いて、自民党の厚生労働部会長の牧原さんです。厚労部会は困窮者支援などについて話し合う部会なので、厚労部会長の発言には注目が必要です!
牧原議員は12月13日の国会で、
非課税世帯への給付金は、単身世帯と言うと年収100万円ぐらいの人しか使えない。例えば年収150万円ぐらいで都内で一人暮らしをされているという方からしたら、それで生活できるかと言うとなかなか厳しい。こういう方はいろんな制度からあぶれているという状況になっている(困っているのに何の支援もない状態になっている)
という話をされました。これはその通りだなと筆者も思います。さらに、
自立支援金(※2021年7月から始まった給付金制度のこと)は、政府の想定より半数ぐらいしか実は適用されていない。ニーズがないから使われていないのではなく、要件を満たすことが難しくて使えない人が多い。ハローワークで求職しなきゃいけないという条件も厳しくて、働きながら苦しい状況にいるという人には使えない制度になっている
とも言っていて、「コロナ禍で生活に困っているから自立支援金を使いたいけど、条件的に使えない」という人が多いのはその通りだと思います。さらに、
緊急事態宣言中は、携帯電話とか、ガスとか、電気とか、いろんなものの支払いが猶予されていた。が、11月になって一気にその請求が来ている。特に携帯電話が払えないと止められてしまうし、止められるともう就職活動もできないということもある
ともおっしゃっていて、これについても「その通り!」という内容です。そしてこの話がどんな結論で締めくくられたかというと、総理に対して
生活困窮を担当する大臣を内閣に作ってはどうですか
という提案で締めくくられました。直近の問題として給付金の支給対象を拡大することや、自立支援金の条件緩和についての進言・質疑はありませんでした(自立支援金については厚生労働委員会で話がでるかもしれません)。
公明党政調会長の竹内さんは、12月13日の国会で、
住民税非課税世帯に対する給付金については、昨年の収入をもとに判定する今年度の住民税が非課税になっている方だけではなく、今年になってから家計が急変した方も給付金の対象にすべき
という質疑をされました。この答弁では結構大事な情報が出てきたので、こちらの内容については別途記事・動画で詳しくお話ししています。
「令和3年になってから収入が減った場合」の給付金支給条件について、気になる方は以下の記事からご覧いただければと思います。
立憲民主党代表代行の逢坂さんは、12月14日の国会で
十八歳までの子供の給付だけにスポットライトが当たっているようですが、今この年末を迎えて最も苦しんでおられる、お金が必要だとされている方々、生活困窮者の皆さんへの対策、この議論がほとんど出てきていない。住民税非課税世帯、そして住民税非課税の方以外の生活困窮者の皆さんへの対策、これはいったいどうなっていますか?
という質問をしました。
これに対して山際大臣は、住民税非課税世帯に対する10万円の給付金の他の支援として、
などの政策によって生活困窮者の支援をするつもりだと答えました。
これに対して逢坂議員は
緊急小口資金も総合支援資金も借金で、自立支援金については給付金とはいえ条件が厳しくて使えない人がいる
という問題提起をし、さらに
住民税非課税世帯の給付金についてはいつ支給されるのか
ということについても質問していました。
これに対して山際大臣は、
急いでやりたいと思っているが、補正予算が成立した後に実施するということになる。(生活困窮者向けの支援については年末に)間に合うところは間に合わせたいと思っているが、それをこえることもあるだろう
というふうに答えました。この辺り、今年6月に通常国会が終わってから今までにも補正予算の審議ができる時間があったのではないかと思う方もいるでしょう。
12/20の参議院で、山添さんは
首相が総裁選の時から言っていた「非正規、女性、学生、一人親など、コロナでお困りの方に現金を給付する」という話はいったいどこに行ってしまったのか。特に非正規の女性は、同様に非正規の男性よりも給与が低い傾向にある
という問題提起をしました。
国会審議は終了しましたが、今回の給付金についてはまだ不明点もありますので、総務省や厚労省、内閣府等からまた大事な発表があり次第、記事や動画でお伝えできればと思います。
なお、今回の給付金についての総合的な情報をお求めの方は下記の記事で随時、分かっていることをまとめています。