特別給付金10万円、住民税非課税世帯以外でも貰える人とは?
この記事では、「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」について、
- 住民税非課税世帯以外でも今回の給付金10万円を受け取れるのはどんな人?
- 自分が今回の10万円の給付金を受け取れるかどうかどうやって確認すればいい?
というテーマで解説します。
動画版
目次
1.住民税非課税世帯じゃなくても10万円の臨時特別給付金がもらえる人とは?
今回、住民税非課税世帯『以外』で10万円の給付金を受け取れる人というのは、
- 令和3年1月以降に収入が下がった家計急変世帯の世帯主の方
- 独自に給付金の支給対象を拡大している自治体にお住まいの方
です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2.家計急変世帯も臨時特別給付金10万円を申請できる
まずは、令和3年1月以降に収入が下がった「家計急変世帯」についてです。
(1)家計急変世帯とは?
家計急変世帯というのは、
- 令和3年1月以降に新型コロナの影響で収入が下がった月がひと月以上ある
- その月の収入×12が、自治体ごとに定めている「住民税が非課税になる年収のボーダーライン」を下回る
という二つの条件を満たす世帯のことです。
(2)家計急変世帯に当てはまるかどうかチェックする方法
続いては「家計急変世帯」に当てはまるかどうか、確認する方法・手順についてお話しします。よかったら是非、記事を読みながら、ご自身が家計急変世帯に当てはまるかどうか確かめてみてください。
それでは早速始めましょう。
STEP 1 基準となる月を選ぶ
まずは令和3年1月以降で任意の1月を選びましょう。基本的には令和3年1月以降で一番収入の少なかった月を選べば OK ですが、「コロナ禍の影響でその収入になった」と言える必要があります。
例えば、会社員・パート・アルバイトとの方であれば、
- コロナ禍で会社の業績が悪化してシフトを減らされてしまった……
- コロナ禍で会社が倒産してしまった……
- コロナ禍で勤め先から解雇を言い渡された……
など、個人事業主・自営業の方であれば、
- 外出自粛などの影響でお客さんが減った
- コロナ禍で取引先の業績が悪化して受注の件数が減った
等の理由で収入が減った月を選ぶ必要があります。
また、その月の収入を証明するために給与明細や帳簿などのコピーが必要になるのでその点も留意して基準の月を選びましょう。
STEP 2 基準の月の収入を計算する
続いて、先ほどSTEP1で選んだひと月の、
- 給与収入
- 事業収入・不動産収入
- 年金収入(遺族年金など、税金のかからない年金はカウントしなくてOKです)
を合計します。
STEP 3 基準の月の収入を12倍する。
STEP2で計算した「任意のひと月の月収」を12倍します。
これを今回の給付金の手続きでは「年間収入見込額」と呼びます。
STEP 4 各自治体の定める給付金支給のボーダーラインをチェックする
ここまで計算できれば、あとは、
STEP3で計算した「年間収入見込額」
と、
各自治体の定める「給付金を支給していい年収見込額のボーダーライン」
を比べるだけ!
ご自身の年収見込み額が自治体の定めるボーダーライン以下であれば給付金支給の条件を満たしています。
同じ世帯の中に他にも住民税課税の人がいれば、その人の「年間収入見込み額」を同じようにチェックしてみましょう。世帯員全員が条件をクリアしていれば、その世帯は「家計急変世帯」ということで、今回の給付金の支給対象となります。
なお、このチェックは「給付金申請の世帯の状況」でチェックしてくださいね!
(3)各自治体の定める給付金支給のボーダーライン=「非課税相当収入見込額」の調べ方
各自治体の定める「給付金を支給していい年収見込額のボーダーライン」が具体的にはいくらなのか、確認する方法をお話しします。
このボーダーラインには「非課税相当収入見込額」という名前がついていて、申請書内に具体的に記載されています。
例えば東京23区だと、
- 扶養親族がいない場合は100万円
- 扶養親族が一人いる場合は156万
というふうに。
各自治体のホームページの「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」のページにアクセスして、「非課税相当収入見込額」の表、または申請書が掲載されていればそこでチェックが可能です。
もしお住まいの自治体のホームページでまだ細かい情報が出ていないという場合は、目安を大まかにチェックできるWEBページがあります。
こちらのページにアクセスして、下記の通りに操作してみてください。
STEP1
ページにアクセスしたら、「収入の種類」のところで「給与収入」を選んでください。個人事業主の人でも年金受給者の方でも、どんな収入がある人でも、今回は「給与収入」を選んでしまって下さい。
STEP2
続いて「収入の金額」の所に、さっき計算した「年間収入見込み額(令和3年1月以降の任意のひと月の給与収入と事業収入と不動産収入と年金収入の合計、に12を掛けた金額)」を入力します。
STEP3
- 年齢
- 自治体
- 扶養親族の人数
をそれぞれ入力して「計算する」のボタンをタップ/クリックします。
STEP4
その結果、「住民税は非課税です」というメッセージが出てきたら、その方は給付金支給の基準をクリアしているということになります。
注意点
- 未成年の方、ひとり親または寡婦の方、障碍がおありの方の収入をチェックする時は、ページの上部のチェックボックスで「(未成年または一人親または寡婦または障害者に)当てはまる」のボタンにチェックしてください
- ただし、未成年の方、ひとり親または寡婦の方、障碍がおありの方でもご本人の年収見込額が204万4000円以上の場合は「当てはまらない」の方にチェックを入れてください
- 今回紹介したツールは簡易的な計算ツールなので、端数の部分だったり細かい部分、正確な部分は、申請書がお手元に用意できてから改めて、申請書に記載されている金額チェックしてみてください
(4)年間収入見込み額が基準値を超えてしまった場合
ここまで、家計急変世帯に当てはまるかどうか確認する方法をお話ししてきましたが、計算してみた結果、
世帯の中に、
年間収入見込額(任意の一か月の収入×12)
が
非課税相当収入見込額(自治体ごとに定められている、給付金を支給していい年収のボーダーライン)
を超えてしまっている人がいる場合、「年間『収入』見込額」ではなく「年間『所得』見込額」で判定することもできます。
その判定方法ですが、まずはさっきと同じように令和3年1月以降の任意のひと月を選び、その月の給与収入・事業収入・不動産収入・年金収入を合計したら、その金額を12倍して年間収入見込額を出します。ここまでさっきと同じです。
そしてこの後、「年間収入見込額」の金額から、
- 1年間の給与所得控除の見込み額
- 1年分の経費の見込額
- 1年間の公的年金の控除額
を差し引きます。この金額が「年間所得見込額」です。
ここで、
- 給与所得控除って何!? よくわからないよ!
- 年金の控除額がよくわからない!
という方もいらっしゃるかもしれませんが、給与所得控除や年金の控除額の出し方は申請書の下の方に説明があるのであまり難しく考えなくても大丈夫です。
例えば給与所得控除については
- ご自分が選んだ月の給与収入×12が162.5万以下だった場合……
→給与所得控除は55万円 - ご自分が選んだ時の給与収入×12が162.5万円を超えていて180万円以下であれば……
→給与所得控除は「ご自分が選んだ時の給与収入×12」の40%、から10万円を引いた金額
という風になります。
同じように年金の控除額についても、例えば65歳未満の方なら、
- ご自分が選んだ月の年金収入×12が60万円以下なら…てん
→控除額はご自分が選んだ時の年金収入×12の全額 - ご自分が選んだ月の年金収入×12が6o万を超えていて130万円未満なら……
→控除額は60万円
という風に、申請書に細かく書いてあるのでその通りに計算すれば OK です。
こんなふうに「年間収入見込額」から「給与所得控除・経費・公的年金の控除」を引いて「年間所得見込額」を出したら、「年間所得見込額」が各自治体の定めるボーダーライン(非課税相当所得見込み額)以下になっていれば、給付金の支給条件を満たすことができます。
非課税相当所得見込み額についても申請書に記載してあります。例えば東京23区の例でいうなら、
- 扶養人数0人……非課税相当所得見込額は45万
- 扶養人数1人……非課税相当所得見込額は101万
となります。
各自治体のホームページの「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」のページにアクセスして、非課税相当所得見込額の一覧が載っていればそこでチェックが可能ですが、まだホームページに申請書などが掲載されていない場合は、
XX市 住民税非課税
などのキーワードで検索して、「住民税均等割」が非課税になる所得をチェックしてみましょう。
そうすると大体次のような数式が出てくるので、ご自身の扶養親族の人数を当てはめてボーダーラインの所得計算してみてください。
※ただし、単身者は45万円以下
※ただし、単身者は41.5万円以下
※ただし、単身者は38万円以下
以上が家計急変世帯に当てはまるかどうか確認する手順についてでした。
3.給付金の支給対象を独自に拡大している自治体
続いては、「独自に今回の給付金の支給対象を拡大している自治体」についてお話しします。
国が定める今回の給付金の支給対象者は
令和3年度の住民税非課税世帯
と
家計急変世帯
ですが、自治体によっては
「国の基準で給付金を支給していてはうちの地域で困っている人を助けることができない!」
ということで、自治体独自の予算を計上して給付金の支給対象を拡大、あるいは類似の新しい給付金を支給することを決定しているところもあります。
大阪府寝屋川市
例えば、大阪府寝屋川市では、令和2年の所得が前年の7割以下になっていて5万円以上減っているという人に、5万円ずつ支給することを決めています。この支援事業では、世帯ではなく一人一人に支給するというのも嬉しいポイントかなと思います。
千葉県市川市
また千葉県市川市では、「市川生活寄り添い臨時特別給付金」という給付金制度を立ち上げていて、「令和2年分の世帯構成員全ての合計所得金額が200万円以下」という住民税課税世帯にも10万円の給付金を支給することを決めています。
所得200万円というのはお給料で言うと大体年収で297万前後なので、国の基準よりも対象が広くなっていますね。
愛知県長久手市
また愛知県長久手市では、住民税課税世帯のうち、「住民税所得割だけ非課税」という世帯にも10万円の給付金すると発表しています。この『住民税所得割』が非課税になる条件は、住民税全体が非課税になる条件よりも少し緩くなっているので、長久手市にお住まいで扶養家族が多い方にとってはかなりの朗報かなと思います。
岐阜県関市
また岐阜県関市では、住民税非課税世帯・家計急変世帯に加えて「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」という関市独自の制度の給付対象者にも今回の給付金を支給すると発表しています。
さらに、給付金額についても10万円ではなく12万円に増額しています。
支給対象拡大の動きは全国に広まる……?
ということで、自治体によっては住民税非課税世帯あるいは家計急変世帯でなくても給付金の支給対象になるということです。
こちらは役所の方とよりは市町村議会に左右されるところですね。
こうした自治体独自の動きについても、また新しい情報があり次第記事でお伝えしてきます。