住民税非課税世帯への10万円給付は年収いくらで支給?|会社員・年金受給者・自営業・個人事業主のケースまとめ

吉田 美紀
執筆
吉田 美紀(よしだ みき)
早稲田大学文学部卒。2020年5月からZEIMOでの編集・監修・執筆活動を開始。ライフマネー・税金・ポイ活に関する記事を50以上監修。

2021年からはYOUTUBEチャンネル「お金のSOSチャンネル」の運営を開始、チャンネル登録者数8400人(※2021年12月時点)。
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住民税非課税世帯

この記事では、現在政府が検討している「住民税非課税世帯への10万円給付金」の支給対象者・支給条件についてお伝えしていきます。

この記事ではこんな疑問にお答えします

  • 住民税非課税世帯への給付金は年収はいくらから貰えるの?
  • 個人事業主や自営業だと住民税非課税の計算はどうなるの?
  • 生活保護や年金と今回の給付金は同時に受けることができるの?

なお、こちらの記事は下記の動画で解説している内容をもとに文章を書きおこしたものですが、最新情報が分かり次第順次記事内容を更新していきます。

1.住民税非課税世帯への10万円給付金が支給される条件は?

今回の給付金を支給する条件について、12/13、12/17の臨時国会では次のように述べられました。

  • 令和3年度の住民税非課税世帯
    (令和2年の年収が一定以下、または生活保護を受けている世帯)
  • 令和3年1月以降に住民税非課税世帯と同様の基準に収入が減った世帯

この記事では、現時点で解っているそれぞれの条件について、具体的にはどんな世帯が当てはまるのか詳しく解説していきます。

2.令和3年度の住民税非課税世帯って何?

今回の給付金の対象となる世帯のうち、まずは「令和3年度の住民税非課税世帯」について具体的な条件をみていきます。

(1)住民税非課税世帯って何?

まず、住民税非課税世帯というのは、

世帯全員が住民税非課税の世帯

です。

これだけだとちょっと意味が分からないかなと思うので、

  • 住民税非課税って何?
  • 世帯って何?

というところについて、それぞれお話ししていきます。

(2)住民税非課税って何?

通常、何かしらの収入がある人は誰でもみんな「住民税」という税金を支払う義務があります。ですが、次の条件のうちどれか一つでも満たしていれば住民税の支払いが免除されます。

  • 生活保護を受けている
  • 前の年の所得が自治体の定める金額よりも少ない
  • 障害がおありでなおかつ前の年の所得が135万円以下
  • 未成年でなおかつ前の年の所得が135万円以下
  • ひとり親・寡婦の方でなおかつ前の年の所得が135万円以下

ざっくりまとめると、生活保護を受けているか前の年の稼ぎが一定以下であれば住民税を支払わなくてよくなって、この状態を住民税非課税と言い、世帯員全員が住民税非課税という世帯であれば「住民税非課税世帯」となります。

今回の給付金についていえば、令和2年の稼ぎが一定以下であれば令和3年度分の住民税が非課税となり、世帯員全員が令和3年度に住民税非課税であれば今回の給付金の支給対象となるということです。

(3)世帯って何? 家族のこと?

続いて「世帯って何?」「世帯員全員って家族全員って事?」という疑問についてですが、世帯というのは

共通の一つのお財布で家賃とか生活費とかを支払っている一つのグループ

というような定義で、世帯員というのは

そのグループのメンバー

を指します。

ただ、今回の給付金について言えば、役所の方で給付金の支給対象を把握するということなので住民票に記載されている世帯・世帯員で判定されるのでしょう。

3.住民税が非課税になる年収とは?

続いて住民税非課税になる年収についてです。

住民税が非課税になる年収は、

  • 住んでいる自治体
  • 養っている家族の人数
  • 収入の種類(給料なのか、事業の売り上げなのか、年金なのか、など)

によって違うのですが、いくつかのパターンに分けて年収の目安をお見せしていきますね。

(1)収入が給料(パート・アルバイト・会社員)の場合

まずはパターンの一つ目、収入が給料の人、つまりパートやアルバイト、会社員などの方についてみていきます。

アルバイト・パート・会社員の方の住民税が非課税になる年収を表にまとめると次のようになります。

住民税非課税になる年収

表のパターン① 東京23区・大阪市など

まずは東京23区や大阪市のような大都市に多いパターンでは……

  • 独身・家族を一人も養っていない場合は年収100万円
  • 家族を一人養っている場合は年収156万円
  • 家族を二人養っている場合は年収205万円

が住民税非課税のボーダーラインになります。

表のパターン② 川越市・奈良市など

次に川越市・奈良市のような郊外の都市に多いパターンでは……

  • 単身世帯なら年収97万円
  • 家族を1人養っている場合は年収146万円
  • 家族を2人養っている場合は年収187万円

が住民税非課税のボーダーラインになります。

表のパターン③ 秩父市・福知山市など

続いて秩父市や福知山市など、大都市から少し離れた地域に多いパターンですが

  • 単身世帯で年収93万円
  • 家族を一人養っている場合は年収137万円
  • 家族を二人養っている場合は年収168万円

これが住民税非課税のボーダーラインになります。

パターン④ 障害者・未成年・寡婦・一人親の場合

ここまで地域ごとに住民税が非課税になる年収(給料)見てきましたが、

  • 障害がおありの方
  • 未成年の方
  • 寡婦の方
  • ひとり親の方

の場合は、前年の所得が135万円以下、お給料で言い直すと年収204万4000円未満であれば住民税非課税になります。

以上収入が給料の場合に住民税非課税になる年収についてでした。

(2)収入が年金(公的な老齢年金)の場合

続いて、収入が年金の場合についてみていきます。

国民年金や厚生年金で暮らしている方で、65歳未満の方の場合、住民税非課税になるかどうかの年収のラインは次のようになります。

住民税非課税になる年収

パターン①②③とあるのは先ほどの給与のケースと同じで自治体によって基準が違うからですね。

例として東京23区や大阪市のような大都市に多いパターンで言うと、

  • 単身世帯では年収105万円
  • 家族を一人養っていれば年収171万円
  • 家族を二人養っていれば年収218万円

が住民税非課税になる目安になります。

65歳以上の方の場合は次の表の通りで、65歳未満の方より少しボーダーラインが緩くなっています。

住民税非課税になる年収

同じように東京23区や大阪市のような大都市に多いパターンで見ていくと、

  • 単身世帯では年収155万円
  • 家族を一人養っていれば年収211万円
  • 家族を二人養っていれば年収246万円

までなら住民税がかからないということですね。

以上が年金収入の方の住民税非課税になる年収の目安についてでした。

(3)収入が事業所得の場合(自営業・個人事業主など)

続いては、個人事業主や自営業の方のように収入が事業所得の場合です。

事業所得の場合、

収入から必要経費を引いた金額(所得)

が自治体が定める「住民税均等割が非課税になる所得」の基準以下であれば、住民税が非課税ということになります。

ちなみにここで言う「所得」というのは、青色申告控除がある人は青色申告控除を引いた金額で OK です。

事業所得の場合は「どこまで経費に計上して申告するか」は人によるところもあって、仕事によっては生活費の大部分を経費に入れてしまうということもあったりするので、給料や年金と違って「年収いくらから非課税」とはちょっと言えないのですが、具体例で話していくと……

【例①】東京23区で個人事業主をしている独身の方(養っている家族がいない方)なら、前年の収入から必要経費と青色申告控除を引いた金額が45万円以下なら住民税非課税

【例②】東京23区で家族を一人養っている個人事業主の方なら、前年の収入から必要経費と青色申告控除を引いた金額が101万以下なら住民税が非課税

ということになります。

「東京23区以外だとどうなるの?」と言うと、自治体ごとに決められている「住民税均等割が非課税になる所得のボーダーライン」をチェックする必要があります。

住民税が非課税になる所得のボーダーラインは次のような式で決まっていて、自治体によって違うのですが大体は以下の3つのパターンのどれかになることが多いです。

パターン①:東京23区、大阪市など
{35万円×(扶養人数+1)+31万円}以下
※ただし、単身者は45万円以下
パターン②:川越市、奈良市など
{31.5万円×(扶養人数+1)+28.9万円}以下
※ただし、単身者は41.5万円以下
パターン③:秩父市、福知山市など
{28万円×(扶養人数+1)+26.8万円}以下
※ただし、単身者は38万円以下

「自分の住んでいる自治体がどの計算式を使っているかわからない」という方は、「XX市 住民税非課税」のように検索して、お住まいの自治体のホームページにアクセスし、「住民税均等割が非課税になる条件」をぜひ確かめてみてください。

「住民税所得割」ではなくて「住民税均等割」が非課税になる条件をチェックしなくてはいけないところに注意です!

(4)収入が複数あるケースは要注意!

ということで、ここまで

  • 収入が給料の場合
  • 収入が年金の場合
  • 個人事業主・自営業の場合

でそれぞれ住民税非課税になる条件について見てきましたが、ひとつ、注意が必要なのは、

「給料と年金」、「給料と副業収入」、のように、収入が2種類以上ある場合は、二つの所得を合わせた合計金額が自治体の定める基準以下にならないと住民税非課税にはならない

ということです。

4.自分が住民税非課税かどうか簡単に調べる・確かめる方法は?

ご自身が住民税非課税かどうかの調べ方・確かめ方についてお話しします。

(1)住民税が非課税かどうかを調べる方法

一つ目は自治体のホームページをチェックして自分の所得を自分で計算してみるという方法です。

ただこちらについては税金についての知識がないとちょっとややこしかったり面倒くさかったりはしますね。

二つ目の方法は、役所で非課税証明という書類をもらえるかどうか聞いてみて、もらえるようであればその年の住民税は非課税ということで、この確かめ方が一番確実で簡単ではあります。

難点を言うなら、この書類の発行には手数料がかかってしまう自治体もあるという事です。

三つ目の調べ方は、5月から6月頃に役所やお勤め先から住民税に関するお知らせが来たか来なかったかで住民税非課税かどうかをチェックする方法です。

住民税の支払い義務がある(=住民税非課税ではない)場合、5~6月頃に役所、またはお勤め先から住民税に関する通知書・納付書が届きます。このため今年(令和3年)の5~6月頃にこうした通知が来なかった方は令和3年度の住民税が非課税となっている可能性が高いです。

ただ、通知が来ないのは単純に手違いというような可能性もあるのでこの方法については確実なチェックの仕方というわけではありません。

(2)住民税が非課税かどうかを簡単にチェックできる無料ツール

会社員・パート・アルバイトのような「収入が給料のみ」の方、または「収入が年金のみ」という方であれば、下記のWEBページで住民税非課税かどうかを自動で簡単にチェックできます。

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また、下記のアプリでも住民税が非課税かどうかをチェックできます。

このアプリについては今のところ、住民税非課税かどうかを判定する機能だけなのですが、今後さらに生活に困った時に役立つ機能などを追加していく予定です。

5.令和3年に収入が減った世帯に給付金が支給される条件

(1)令和3年度の住民税非課税世帯以外で給付金が支給される条件は?

12/13、12/17の予算委員会では、今回の「住民税非課税世帯への10万円給付」について、

令和3年度の住民税非課税世帯
(=令和2年に年収が一定以下だった世帯、または生活保護世帯)

に加えて、

令和3年1月以降(令和4年9月まで)に住民税非課税世帯と同様の基準に収入が減った世帯

も給付金の支給対象になる見込み、という質疑がありました。

「住民税非課税世帯と同様の基準」とはどういうことなのでしょうか? 国会での山際大臣の答弁によると

令和3年1月以降(令和4年9月まで)の任意の一か月の収入を年収換算(12倍)した結果、世帯全員が住民税非課税基準を下回る

という場合に、今回の給付金を支給することを検討しているようです。

例えば東京23区在住で独身のパート・バイト・会社員なら……

  • 今年(令和3年)1月以降の任意の1ヶ月の月収×12が100万以下なら給付金が出る
  • =今年1月以降に月収が8万3000円以下の月が一回でもあれば給付の対象になる

同様に東京23区在住で家族を1人養っているパート・バイト・会社員なら……

  • 今年(令和3年)1月以降の任意の1ヶ月の月収×12が156万以下なら給付金が出る
  • =今年1月以降に月収が13万円以下の月が一回でもあれば給付の対象になる

東京23区在住で家族を2人養っているパート・バイト・会社員なら……

  • 今年(令和3年)1月以降の任意の1ヶ月の月収×12が205万以下なら給付金が出る
  • =今年1月以降に月収が17万円以下の月が一回でもあれば給付の対象になる

という方向で検討されているということですね。

そしてこのボーダーラインでは支給の対象外となる場合(収入で見て基準を満たさない場合)は、「各種控除を適用した後の一年間の所得での判定も可能とする」との発言もありました。

こちらについては社会保険料控除などを適用したうえでの判定が可能になるという事であればボーダーラインは緩和されるかと思いますが、政府側からもう少し詳しい説明が欲しいところですので、引き続き各省庁、各自治体のHPを確認して新しいことが分かり次第この記事を更新していきます。

(2)令和3年から収入が減ったケースの注意点

なお、この「令和3年以降に収入が下がったケース」については二点注意点があります。

  • 申請が必要になる
  • 「新型コロナの影響による減収」であることを申告または証明する必要が出てくる可能性がある

申請が必要になる

一つめは、給付金を受け取るためには申請が必要という点です。令和3年度の住民税非課税世帯については役所が把握しているため自分から申請せずとも給付の案内が届きますが、令和3年以降に収入が減って給付金の対象となった場合は自ら名乗り出なければいけないのです。

詳細は下記の記事でお話ししています。

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「新型コロナの影響による減収」であることを申告または証明する必要が出てくる可能性がある

この給付金については少しずつ、HPで情報を公開する自治体がでてきました。「XX市 住民是非課税世帯 臨時特別給付金」などで検索するとお住まいの地域の自治体の情報がチェックできますし、市町村議会の議員の方が公式決定ではないものの現在どんな方向で検討中なのかをTwitterなどで経過報告してくれているところもあります。

いくつかの自治体のHPを確認した結果、「令和3年からの減収世帯」については「『新型コロナの影響により』、住民税非課税世帯と同等に収入が減った世帯」と記載している自治体がありました。

減収が「新型コロナの影響」かどうかをどのように申告、あるいは証明することが求められるのかは現時点で不明ですが、今後場合によっては単純に収入が一定以下になることだけでなく、追加の条件が付く可能性もあります。

6.住民税非課税世帯への給付金は生活保護・年金と同時に受けられるの?

続いて年金や生活保護と今回の住民税非課税世帯の給付金を同時に受給できるかどうかについてみていきます。

(1)年金と住民税非課税世帯への給付金

こちらについては、今のところ年金受給者が今回の給付金の支給対象から外れるというようなニュースもありません。

またそもそも、住民税非課税世帯の多くは高齢者の方だったりもするので、「年金受給者を給付対象から外す」ということは、この給付金に当てられた予算を見る限りまずないでしょう。

ということで、年金を含めた前年の所得が、前章でお見せしたような自治体が定める基準(住民税均等割が非課税になる基準)をクリアしていれば、年金受給者の方も今回の給付金の支給対象になるでしょう。

(2)生活保護と住民税非課税世帯への給付金

続いて生活保護と今回の給付金を同時に受けることができるのかについてです。

11月26日に閣議決定した補正予算案を見る限り、この給付金に割り当てられた予算は、「生活保護世帯も含めた全ての住民税非課税世帯に10万円ずつ配るにはちょっと足りないんじゃないかな?」というような金額(1兆4000億)だったのですが、12/10の国会(参議院代表質問・日本共産党田村議員からの質問)で岸田首相は

生活保護世帯を含む住民税非課税世帯に対して10万円を給付することとしています。その上で本給付金は生活保護制度における収入認定からも除外する方向で検討をしております。

と発言しました。

ということで、現状では

  • 生活保護世帯も「住民税非課税世帯への10万円給付金」の支給対象
  • 住民税非課税世帯への10万円給付金は収入認定にカウントされない

という方向で検討されているようです。

7.住民税非課税世帯への給付金はいつもらえる? 申請はどうなるの?

今後、この給付金が実際に支給されるまでにはどのくらいかかるのでしょう?

  • 住民税非課税世帯への給付金が今どのような状況? 今後の見通しは?
  • 給付金の申請はいるの、いらないの?
  • 最速の支給日はいつになるの?

という点については下記の記事で詳しく解説しています。

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また、

  • 今回の給付金はプッシュ型って聞いたけどどういうこと?
  • マイナンバーカードがないと給付金がもらえないって本当?

という疑問をお持ちの方は下記の記事も併せてご覧いただければと思います。

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今回の給付金についての総合的な情報をお求めの方は下記の記事で随時、分かっていることをまとめています。

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