確定申告の各種控除での必要書類まとめ
確定申告では、どのような控除が適用できるのか、どんな書類が必要なのか、解説します。[続きを読む]
派遣社員の場合、年末になると派遣会社から年末調整の書類が送られてきますが、同封された書き方を見ても、よくわからず、誰に相談したらいいかわからない方も多いはず。
この記事では、派遣社員の方がつまずきやすいポイントを抑えながら、年末調整の概要と書類の書き方について解説していきます。
目次
年末調整はその年の所得税額を確定させる手続きです。勤務先が手続きを全て行ってくれるため、確定申告の手間が省けるというメリットがあります。
一般の会社員であれば大半の人が受けられる年末調整ですが、派遣社員の方でも多くの場合、年末調整を受けることができます。
派遣社員だからといって給料収入を得ている以上、一般の会社員と異なるところはありません。
ただし、派遣社員の中には年末調整を受けることができないケースもあります。以降それぞれについて解説していきます。
派遣社員の方で、以下の2つの条件をいずれも満たしている方は年末調整を受けることができます。
年末調整は基本的に年末時点で派遣会社に在籍している人が対象となります。ただし、12月の給与を受け取った後に退職した方もその派遣会社で年末調整を受けることができます。
また、年末調整を受けるためには「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」という書類を派遣会社に提出していることが必須です。
これは、1社でしか働いていない、または、掛け持ちをしているがメインの会社であることを、会社に伝えるための書類です。
通常は、派遣会社に入社時に、必要書類として記入して提出しているはずです。
複数の派遣会社を掛け持ちしている場合は、年末調整できないこともあり、次で説明します。
以下の二つの条件のいずれかに該当する派遣社員の方は年末調整を受けることができません。
年末調整は年末時点で在籍している会社で行うものです。したがって例えば11月に退職してしまった方などは年末調整を受けることができません。
ただし、派遣会社を退職した後に別の会社に転職した方は、その転職後の会社で年末調整を受けることができます。
年末調整は、1つの会社でしか受けることができないのです。
したがって副業として派遣会社に在籍している方は本業の勤務先では年末調整を受けることができますが、派遣社員としての給与については確定申告をする必要があります。
派遣会社を掛け持ちしている方も同様に、1つの派遣会社では年末調整を受けることができますが、もう1つの派遣会社から受け取った給料については確定申告をする必要があります。
年末調整ができないということは、自分で確定申告をする必要があります。派遣社員が確定申告を行う方法については後ほど解説します。
派遣会社で年末調整をした方の中には、年末調整に加えて確定申告も行った方がいいケースもあります。
なぜなら、確定申告では年末調整では受けられない「控除」を利用できるからです。確定申告で控除を受けることでさらに税金の還付を受けられる可能性があるため、下記に該当する方は確定申告を検討することをおすすめします。
上記いずれかの条件を満たしている場合、「医療費控除」「寄附金控除」「雑損控除」「住宅借入金等特別控除」といった控除を利用することができます。確定申告の詳細は別記事で詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。
ここからは派遣社員が年末調整をする具体的な方法と手順を解説していきます。
一般の会社員は勤務先で年末調整を行いますが、派遣社員は勤務先ではなく派遣元(派遣会社)で年末調整を行います。
なお、年末調整の手順は派遣会社によって異なる場合があるため、詳細は派遣会社の指示に従うようにしてください。
派遣会社から年末調整の申告書類が送付されます。遅くても11月中には届くと考えて良いでしょう。年末調整の申告書類には下記のものがあります。
上記の通り年末調整申告書は3種類あります。
1の扶養控除申告書は、年末調整を受ける人は必ず記入します。すでに記入したことがあるかもしれませんが、12月31日時点の見込みの状況を記入します。
2の申告書の「基礎控除」欄は年末調整を受ける人はほぼ全員が記入する必要があり、配偶者を扶養している方は配偶者控除欄も記入する必要があります。
3の申告書は保険料控除の対象となる人は提出する必要があります。
それぞれの書き方については、下記のリンクからご覧ください。
なお、添付書類についても、控除の対象となる方は、必要に応じて用意しましょう。
②で準備した書類を派遣会社に提出します。提出方法は派遣会社の指示に従ってください。年末調整の結果、税金が還付になる場合は12月支払いの給与で調整されます。
提出が遅れると12月の給与計算に間に合わない可能性がありますので、提出期限はしっかり守るように心がけましょう。
年末調整を受けられない派遣社員の方は、自分で確定申告をする必要があります。
「毎月の給料から源泉所得税が天引きされているから確定申告は必要ない」という考えは間違いです。給料から引かれている源泉所得税はあくまで概算の金額なので、正確な税額を計算するためには年末調整や確定申告が必須となるのです。
確定申告は慣れていない方には難しく感じるかもしれませんが、確定申告をすることで給料から引かれすぎた税金が戻ってくる可能性があります。面倒がらずに確定申告を行いましょう。
派遣会社で年末調整を行ったとしても、確定申告をしなければならないケースもあります。具体的には下記に該当する方です。
先ほども説明しましたが、年末調整は1つの勤務先でしか行うことができません。
したがって、掛け持ちで働いていて2か所以上の派遣会社から給与を受け取っている方や、副業として派遣会社に登録している方は、年末調整を受けられなかった勤務先の給与について確定申告をしなければなりません。
また、派遣会社からの給与収入以外に、報酬として受け取っている副業収入や不動産賃貸収入などがある方も確定申告をする必要があります。ただし、副業や不動産収入などの所得が20万円以下である方は確定申告は不要です。
最後に「医療費控除」「寄附金控除」「雑損控除」「住宅ローン控除」など、確定申告でのみ受けられる控除を利用したい方も確定申告の必要があります。このケースに該当する方は確定申告の義務はありませんが、確定申告を行うことで税金の還付を受けることができます。
確定申告の方法を簡単に解説しますので、イメージを掴んでいただければと思います。
まず、確定申告書の調達方法です。確定申告書は税務署から貰ってくるか、もしくは国税庁のホームページからダウンロードすることができます。また、確定申告の際には源泉徴収票や各種控除を利用するための証明書等が必要となりますので、それらも準備しておきましょう。
確定申告の期間はその年の翌年2月16日~3月15日ですが、確定申告をすることで税金が還付になる方は翌年1月1日から提出が可能です。提出方法は「①税務署に持参する」「②郵送する」「③e-taxからオンラインで提出する」という3通りあります。
確定申告書の記入方法など、より詳細について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
派遣社員の年末調整について、よくある質問と回答をまとめましたので参考にしてください。
年末調整をしないとその年の所得税が正確に計算されていない状態となります。
そのため、利用できる控除がある場合は、本来の納税額より多くなり、還付額が減ってしまいます。
したがって自分で確定申告を行う必要があります。
忘れてしまった場合はこの記事をご参照ください。
年末調整の期限は翌年1月31日です。
期限内であれば派遣会社で年末調整を行ってくれる可能性がありますので、会社の担当者に確認してみましょう。
期限を過ぎてしまった場合、派遣会社の担当者に「年末調整ができるかどうか」を確認し、対応してもらえない場合は自分で確定申告をする必要があります。
年末調整は1つの勤務先でしか受けることができません。
つまり掛け持ちの方のアルバイト先では年末調整はができないため、そのアルバイト収入については確定申告を行う必要があります。ただし、アルバイトの給与収入が年間20万円以下である場合は確定申告は不要です。
ごく短期間の派遣や日雇いの派遣の場合、最初に雇用契約を交わしているかどうかがポイントとなります。
雇用契約を結んでいれば通常の派遣と何ら変わりはないため年末調整をすることが可能です。雇用契約を交わしていない場合は年末調整を受けることはできないため、確定申告を行う必要があります。
この記事を簡単にまとめます。