医療費控除に子供の予防接種は含まれる? コロナのワクチンは?

予防接種

秋が深まり冬に入るとインフルエンザの予防接種を受ける方も多いでしょう。こうした「予防接種・ワクチン接種」は確定申告で「医療費控除」を申請できるのでしょうか? この記事では医療費控除と予防接種について解説します。

この記事ではこんな疑問にお答えします

  • 医療費控除に予防接種・ワクチン接種は含まれるの?
  • 医療費控除対象外のものを申請してもばれないの?
  • コロナのワクチンができたら医療費控除を申請できるの?

1.予防接種やワクチン接種は医療費控除に含まれないの?

予防接種やワクチン接種は確定申告で医療費控除として利用できるのでしょうか? 様々なケースについて解説します。

(1)医療費控除にインフルエンザやロタの予防接種は含まれる?

インフルエンザやロタウイルスなどの予防接種代は医療費控除には含まれません。そもそも医療費控除とは「医師の診断や治療に必要な費用」について控除を受けられる制度です。予防接種はあくまで「予防のための費用」であるため、医療費控除の対象とはならないのです。

ただし例外もあります。医者の勧めにより予防接種を受けた場合には医療費控除の対象となる場合もあります。例えば親族が感染の危険性が高い病にかかり、その感染を予防するため医師の勧めにより予防接種を受ける場合には、その費用は医療費控除の対象となります。この場合には医師の診断書をもらう必要があります。

予防接種はセルフメディケーション税制の対象

予防接種の費用は医療費控除の対象とはなりませんが「セルフメディケーション税制」を受けることができます。セルフメディケーション税制は確定申告で利用できる控除の一種で、医療費控除とどちらか1つを選択して受けることができます。

セルフメディケーション税制はインフルエンザの予防接種など、健康の保持増進や疫病の予防への取り組みにかかった費用が該当となります。予防接種の他には人間ドックや健康診断、ドラッグストアで購入する対象の医薬品などが該当します。

年間の支払額が12,000円を超えていれば確定申告で控除を利用できますので、該当しそうな方は領収書を保管しておきましょう。

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(2)医療費控除にワクチンの接種は含まれる?

ワクチンの接種には医療費控除の対象となるものとならないものとがあります。先ほど述べた通りインフルエンザワクチンやロタウイルスワクチンなどは対象とはなりませんが、例えば医師の勧めにより接種するB型肺炎ワクチンなどは医療費控除の対象となります。

これも先ほど触れましたが、B型肺炎のような「介護を行う家族が感染する危険性が高い病気」を医師の勧めにより接種する場合は医療費控除の対象となります。控除を受けるためには領収書のほか、医師の診断書をもらう必要があります。

また、がん治療に使用される丸山ワクチンも医療保険料の対象になります。丸山ワクチンは予防のためのワクチンではなく、医師による治療のために接種するワクチンです。このような性質のワクチンは医療費控除が利用できるのです。

コロナのワクチンができたら医療費控除を受けられるの?

では、現在猛威を振るっている新型コロナウィルスのワクチンが完成した場合、その接種は医療費控除の対象となるのでしょうか? 結論から言うと、新型コロナウィルスのワクチンは医療費控除の対象とはなりません。これはあくまで「予防」のためのワクチンであるため、インフルエンザワクチン等と同様の理由で控除は利用できないこととなります。

2.医療費控除に予防接種を入れてしまったらどうなる? ばれないこともある?

(1)医療費控除に予防接種を入れて確定申告してしまったらどうすればいい?

もし医療費控除に予防接種を入れて確定申告をしてしまったらどうなるのでしょうか? まず、悪意を持って事実と異なる申告をしたわけではなく、単純なミスによる誤りであれば、脱税として罰せられることはないと考えて良いでしょう。

確定申告期限までに修正する場合は確定申告書を再提出

もし誤って確定申告をしてしまった場合、税務署に対して誤った申告をしてしまったことになるので、申告内容の修正が必要となります。毎年3月15日の確定申告期限までに再提出する場合は当初の確定申告と同じ手順で確定申告書を出しなおします。

確定申告期限後に修正する場合は「修正申告」

もし確定申告期限後に訂正を行う場合には「修正申告」を行う必要があります。修正申告は「確定申告書Bの第一表・第五表」に必要事項を記入して行います。修正申告に期限はありませんが、なるべく早く行うことをおすすめします。

税務署からの指摘で修正申告をすると「過少申告加算税」がかかる

もし税務署から「確定申告が間違っている」という指摘を受けてから修正申告を行うと、追加で支払う税金の10%の過少申告加算税がかかってしまうため注意しましょう。

(2)医療費控除のうっかりを防ごう

医療費控除の対象となるもの・ならないものの判断は難しいものです。予防接種以外にも「うっかり医療費控除に含めてしまった」というミスや、逆に「うっかり医療費控除に入れ忘れてしまった」というミスも考えられます。

医療費控除に入れてしまいがちなものとしては以下のものが挙げられます。

勘違いしてしまいやすい医療費控除対象外の費用
  • 治療とは無関係のマッサージや鍼灸師、柔道整復師等による施術
  • 健康診断費用
  • 健康管理や美容目的のサプリメント
  • 美容整形費用、美容目的の歯列矯正等
  • 医師や看護師に対する謝礼金

うっかり医療費控除に入れてしまうもののうち代表的なものは、予防接種のほか健康診断費用やマッサージ費用などが挙げられます。ただし、予防接種や健康診断費用はセルフメディケーション税制の対象には含まれます。

一方、医療費控除に入れ忘れてしまいがちなものとしては以下のものが挙げられます。

勘違いしやすい医療費控除対象内の費用
  • 治療を目的としたマッサージ、鍼灸師、柔道整復師等による施術
  • 病院への通院にかかった交通費や送迎費用(付き添いも対象)
  • 入院時にかかった部屋代、食事代
  • 松葉杖、補聴器、コルセット等の医療用器具
  • 治療目的である歯列矯正代
  • 妊娠中の検査、検診、通院費用等

この中でも特に忘れやすいのが「通院にかかった交通費」です。これは例えば「一人では行動できない状態の親族の付き添い」でタクシーを利用した場合にも医療費控除の対象となります。控除を受けるためには領収書が必要となりますので、しっかり保管しておきましょう。

その他、医療費控除の対象になるもの、ならないものについては別記事で詳細を解説しているので参考にしてください。

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(3)療費控除に予防接種を入れて申告してもばれない?

「予防接種を医療費控除に含めてもばれないんじゃ?」と考えている方もいるかもしれません。確定申告では医療費の領収書を提出する必要はなく、自分で作成した「医療費控除の明細書」を提出します。明細書は自分で作成するものですから、虚偽の記載をすることもできてしまうわけです。

ばれるかばれないかの話で言うと、それは運でしかありません。ばれる可能性もあるし、ばれない可能性もあります。「金額も少ないし、税務署もそこまでしっかり見ないだろう」という考え方をする方もいるでしょう。

ただし、故意に虚偽の記載をすることは先ほどの「うっかりミス」により誤りとは全く事情が異なります。故意の仮装・隠蔽によって追加の税金が出た場合には、その追加の税金の35%の「重加算税」が課されます。ばれてしまった場合のペナルティはかなり重いものです。

最終的には個人の良心次第ということになりますが、予防接種費用を医療費控除に含めて申告しようか悩んでいる方は考え直すことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は予防接種が医療費控除の対象になるのかどうかをお伝えしました。最後にこの記事の重要ポイントをおさらいしましょう。

この記事の重要ポイント

  • 医療費控除は「医師の診断や治療に必要な費用」に使える制度
  • インフルエンザやロタの予防接種は「予防のための費用」だから医療費控除に含まれない
  • 予防接種の費用は「セルフメディケーション税制」に含めることができる
  • 医者の勧めにより予防接種を受けた場合には医療費控除の対象となる場合もある

記事内でも解説していますが、予防接種は医療費控除の対象にはなりませんがセルフメディケーション税制の対象です。お子さんの予防接種などで一定の金額を使った方やご家庭用のお薬などを購入された方はこちらも検討されることをおすすめします。

医療費控除とセルフメディケーション税制についてもっと詳しく

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