年末調整は退職後も受けられる? 受ける必要がある?

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年末調整は通常、10月~11月頃に行いますが、その前に退職した場合はどうすれば良いのでしょうか。わかりやすく解説します。

1.退職後の年末調整は必要? どこで受ける?

年末調整は基本的に、年末の時点で在席している会社で受けるものです。

もしも年末調整時期より前に退職する場合、退職して年内に再就職/転職するかしないかで対応が変わってきます。

それぞれの対応方法について確認していきましょう。

2.退職後、年内に再就職しない場合

繰り返しになりますが、年末が来る前に退職する場合、その会社で年末調整を受けることは基本的にはできません。

このルールの例外は次の通りで、以下のいずれかに該当する場合は年末でなくても年末調整を受けることができます。

  • (1) 海外支店等に転勤したことなどの理由により非居住者となった人
  • (2) 死亡によって退職した人
  • (3) 著しい心身の障害のために退職した人(退職した後に再就職をし給与を受け取る見込みのある人は除きます。)
  • (4) 12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
  • (5) いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後その年に他の勤務先から給与の支払を受ける見込みのある人は除きます。)

引用元:国税庁HP

これらのいずれにも当てはまらない場合、年の途中で退職したら、年末調整を受けることはできません。

年末調整は所得税を清算する手続きであり、多くの場合は払い過ぎていた所得税を年末調整の還付金として払い戻してもらうことになります(場合によっては、逆に年末調整で追徴課税が発生するケースもあります)。

ですので、年末調整を受けられないと、所得税を払いすぎたままになってしまったり、あるいは所得税の支払いが足りない状況になってしまうため、ご自身で確定申告する必要があります。

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3.退職後、年内に再就職/転職する場合

退職後、年内に別の会社に再就職/転職する場合、新しい方の勤め先で年末調整を受けることになります。

通常の年末調整と異なるのは次の2点です。

  • 前職の源泉徴収票を提出すること
  • 前職の給与と現職の給与の合計額を申告すること

前職の源泉徴収票を提出する

前職の源泉徴収票がないと、新しい勤務先で年末調整を受けることができません。

もしも前職からまだ源泉徴収票をまだもらっていないという場合、前の会社に連絡して源泉徴収票を発行してもらいましょう。

なお、源泉徴収票の発行は会社の義務であり、社員の退職後1か月以内に源泉徴収票を交付しなければならないと所得税法第226条に定められていますので、必ず発行してもらうことができます。

前職の源泉徴収票をなくした場合も再発行してもらうことができますので、少し気まずいかもしれませんが連絡してみましょう。

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ただし、退職した時期によっては、源泉徴収票の発行が現職の年末調整に間に合わない可能性もあります。

この場合は現職で年末調整を受けることはできないため、ご自身で確定申告を行いましょう。

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前職の給与と現職の給与の合計額を申告する

年末調整では通常、以下の3種類の書類を提出します。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の基礎控除申告書(兼)給与所得者の配偶者控除等申告書(兼)所得金額調整控除申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書

このうち、給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書には、今年支給された給与の合計額を記入します。

この金額には、前職で支給された給与も含める必要があります。前職で貰った源泉徴収票をもとに計算しましょう。

なお、退職金は収入に含める必要はありません。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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