自動車税の免除条件は? コロナや震災による特例はある?

自動車税

毎年毎年訪れる「自動車税」の支払い。家計が苦しいときは特に、重い負担になりますよね。この記事ではそんな「自動車税」の免除が受けられる条件や申請の手順などについて、税理士事務所代表の杉谷大輔さんに解説していただきます!

1. 自動車税が免除される条件【2021年最新】

(1) 自動車税が免除される条件

自動車税には、自動車を取得するときに一度だけかかる「自動車税環境性能割」と、毎年4月1日時点で自動車を持っている人にかかる「自動車税種別割」の二つがあります。

まず、自動車を取得するときにかかる「自動車税環境性能割」は、次のような自動車を取得した場合に免除されます。

  • 取得した自動車が電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車。あるいは、一定の排出ガス基準、燃費基準を満たす自動車
  • 購入価格が50万円以下の自動車
  • 自動車販売業者が売るために仕入れた自動車
  • 一定の障害者の方の日常生活における移動手段として不可欠な自動車

次に、毎年4月1日時点で自動車を持っている人にかかる「自動車税種別割」は、次のような自動車を取得した場合に免除されます。

  • 一定の障害者の方の日常生活における移動手段として不可欠な自動車
  • 車椅子の昇降装置など特殊な装置のついた自動車
  • 中古自動車販売業者が商品として所有する自動車
  • 自動車教習所が所有する教習用自動車
  • 社会福祉法人が社会福祉事業に使う自動車

このうち、障害者の方の免除については後ほど詳しく紹介します。

(2) 自動車重量税が免除される条件

次の自動車を取得したときは、自動車の新規登録時の自動車重量税が免除されます。

  • 次世代自動車(電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車など)
  • 2020年度燃費基準+90%達成車
  • 2020年度燃費基準+50%達成車または+40%達成車

さらに、次世代自動車または2020年度燃費基準+90%達成車については、自動車を取得した3年後に受ける車検においても自動車重量税が免除されます(2020年度燃費基準+50%達成車または+40%達成車の場合は、自動車の新規登録時(取得時)のみ免除されます)。

(3) 自動車税・自動車重量税免除の最新情報(2021年)

グリーン化特例の延長

現行のエコカー減税(自動車重量税の免除)は2021年4月30日までに新車登録を受けた自動車に、現行のグリーン化特例(自動車税種別割の減額)は2021年3月31日までに新車登録を受けた自動車に適用されますが、この適用期限がそれぞれ2年間延長されました。つまり、エコカー減税は2023年4月30日までに、グリーン化特例は2023年3月31日までにそれぞれ新車登録を受ければ、それぞれの適用を受けることができます。

さらに、2021年3月31日までに新車登録をしたガソリン車のうち一定の燃費基準を達成したものについては、自動車税環境性能割の税率が1%減免されます。

新型コロナ・各種災害の影響を受けた場合の対応

なお、新型コロナウイルス感染症や各種災害などの影響で収入が減少したことなどの理由によって自動車に関する税金の支払を期限までに行うことができない場合は、自動車重量税は最寄りの税務署へ、自動車税種別割はお住まいの都道府県へそれぞれ申請することで、納付の猶予を受けられることがあります。

なお、自動車税環境性能割の納付を猶予するか否かは都道府県によって異なるようなので、お住まいの都道府県へお尋ねください(自治体のホームページを見る限りでは、東京都は納付猶予の対象外としている一方、鳥取県は「全ての県税」を納付猶予の対象としているなど、対応にバラツキがあります)。

2. 自動車税の免除(障害者の方)の条件と申請手続きの方法

自動車税は都道府県税ですので、その取扱いは都道府県によって異なります。以下では、東京都の場合の例を紹介します。

(1) 免除の対象となる自動車

次のいずれかに該当する自動車の場合、自動車税環境性能割及び自動車税種別割が減免されます。

所有者  運転する人 用途
障害者本人 障害者本人 指定なし
障害者本人 同居の家族など 障害者の方の通院・通学専用
同居の家族など 障害者本人
同居の家族など 同居の家族など

たとえば、所有者が障害者である夫で、運転するのは障害者ではない妻の場合、その自動車を専ら夫の通院用に使うのであれば免除の対象となりますが、主として妻の通勤用に使うのであれば免除の対象とはなりません。

なお、免除が受けられるのは障害者の方1人につき1台までですので、たとえば障害者の方がご自身で運転する自動車を2台持っているときは、どちらか1台は免除を受けることができません。

(2) 免除の対象となる障害者

免除の対象となる障害者は、以下のいずれかお持ちの方のうち、障害の区分に応じた障害の程度(等級)が一定以上の方です。

  • 身体障害者手帳
  • 戦傷病者手帳
  • 療育手帳(東京都では愛の手帳)
  • 精神障害者保健福祉手帳

たとえば、障害の区分が「下肢機能障害」の場合は、障害の程度が1級から6級の方(つまり身体障害者手帳が交付されている方全て)が免除の対象となりますが、障害の区分が「上肢機能障害」の場合は、等級が1級または2級の方のみが免除の対象となります。

(3) 免除の手続き

① 申請期限

免除申請を行うための期限は次のとおりです。

ナンバーのついていない新車または中古車を取得したとき 自動車登録の日から1か月以内
ナンバーのついている中古車を取得したとき
既に自動車を所有しているとき 4月1日から5月31日までの間

② 申請先

お住まいの都道府県によって異なります。東京都の場合は以下のいずれかです。

  • 都税事務所
  • 都税支所
  • 支庁
  • 自動車税事務所
  • 都税総合事務センター

③ 申請に必要な書類等

障害者本人が所有する自動車に対する免除を申請する場合に必要な書類等は次のとおりです。

  • 減免申請書(ホームページに書式があります)
  • 手帳の原本
  • 運転する人の運転免許証のコピー(両面)
  • 障害者本人の認印

障害者本人の同居の家族が所有する自動車に対する免除を申請する場合に必要な書類等は次のとおりです。

  • 減免申請書(ホームページに書式があります)
  • 手帳の原本
  • 運転する人の運転免許証のコピー(両面)
  • 障害者本人の認印
  • 所有者の住所が確認できる公的証明書(住民票、運転免許証など)

これらの必要書類も都道府県によって異なります(たとえば、神奈川県では上記に加えて自動車検査証(車検証)の提出も必要です)。詳しくは、お住まいの都道府県へお尋ねください。

なお、免除が受けられるのは障害者の方1人につき1台までですので、既に免除を受けていた自動車をお持ちだった障害者の方が別の自動車に関して免除の申請をしようとする場合には、申請期限までに既に免除を受けていた自動車の廃車登録(抹消登録)あるいは名義変更(移転登録)を行う必要があります。

3. 自動車税の免除を受けている場合の車検手続き

(1) 軽自動車以外の場合

平成27年(2015年)3月末までは、車検を受けるときに自動車税の納税証明書の提示が必要でしたが、同年4月以降は納税情報の電子化に伴って納税証明書の提示が不要になりました。自動車税に関する証明書が不要なのは自動車税の免除を受けている場合でも同じです。

(2) 軽自動車の場合

上記の「納税情報の電子化」は、国土交通省の運輸支局等と都道府県のシステム連携によって実現されたものです。細かい話ですが、自動車税種別割は都道府県税で、軽自動車税種別割は市町村民税ですので、軽自動車の場合はこのシステム連携が行われず、納税証明書の電子化がなされていません。

したがって、軽自動車の車検を受けるときは、現在でも軽自動車税の納税証明書を提示する必要があります。

軽自動車税種別割が免除されている方は、各市町村へ申請すると「○○市市税条例第〇〇条により免税」と記載がある車検用納税証明書の交付を受けることができますので、これをディーラーなどへ持参すれば車検を受けることが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は自動車税の免除についてお伝えしました。個人が所有する自動車の場合、心身に障害をお持ちの方やそのご家族であったり、特別な事情がある場合に免除を受けられる可能性があります。

また、免除を受けられない場合でも納税の猶予や分割払いが可能になるケースもありますので、滞納してしまう前に自治体に相談されることをおすすめします。

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税理士
執筆
杉谷 大輔(すぎや だいすけ)
税理士事務所代表。2017年に官報合格。税金の「困った」を「分かった」に出来るよう、日々奮闘しています。
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