公的年金受給額の計算シミュレーション
現役世代向けに将来の公的年金(基礎年金・厚生年金)の受給額を計算するツールです。 年齢と年収を入力するだけで、簡単に…[続きを読む]
老後の年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)はいくらもらえるのか? 具体的な金額や、計算方法、平均受給額をわかりやすく解説します。
目次
老後にもらえる年金には「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類があります。
老齢基礎年金は、公的年金に10年以上加入していた全員が、65歳以降に受け取れる年金です。
日本の公的年金制度は、簡単にいうと、「国民年金」と「厚生年金」の2つがあり、2階建て方式となっています。
「国民年金」は、フリーランス・自営業者、専業主婦(夫)等が加入する年金で、
「厚生年金」は、会社員・公務員等が加入する年金です。
老齢基礎年金は、国民年金に加入していた人も、厚生年金に加入していた人も、どちらももらうことができます。
厚生年金に加入して保険料を払っている人は、自動的に国民年金の保険料も払っていることになりますので、「2階建て方式」と表現しました。
老齢厚生年金は、厚生年金に加入していた人だけが、原則的に、65歳以降に受け取れる年金です。
厚生年金に加入するのは、会社員・公務員等ですので、その人たちだけがもらえる年金です。
フリーランス・自営業者の人でも、過去に会社に勤務して、厚生年金に加入したことが一度でもある人は、厚生年金をもらえます。
老齢厚生年金をもらえる人は、老齢基礎年金も合わせてもらえます。
老齢基礎年金の金額は、2024年度は、月額68,000円、年額816,000円です。
(1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの人は、月額67,808円、年額813,700円)。
金額は毎年、物価や賃金の変動に合わせて少しずつ変わります
この金額は、20歳から60歳まで40年間フルで国民年金または厚生年金に加入した人がもらえる満額の金額です。
加入期間が40年よりも少ない人は、それに合わせて減らされます。
詳細な計算方法は「老齢基礎年金の計算方法」で解説します。
年金が振り込まれるのは偶数月の15日であり、前月と前々月の分が振り込まれます。
そのため、2月・4月に振り込まれる分は2023年度の金額、6月・8月・10月・12月に振り込まれる分は2024年度の金額となります。
老齢厚生年金の金額は、会社員・公務員等として勤務した期間と年収によって決まります。
たとえば、仮にずっと年収500万円で40年間勤務したとすると、老齢厚生年金は月額91,350円、年額1,096,200円となります。
この金額は、老齢厚生年金だけの金額ですので、老齢基礎年金と合わせると、月額159,350円、年額1,912,200円となります(2024年度)。
老齢厚生年金の金額は、年収と勤務期間に比例しますので、単純に考えると、年収1000万円の人なら2倍、勤務期間が20年の人なら半額になります(実際には少し違いますが、ここでは割愛しています)。
詳細な計算方法は「老齢厚生年金の計算方法」で解説します。
なお、日本年金機構では、2024年度、平均的な収入(賞与含む月額43.9万円)であった夫婦2人(妻は基礎年金のみ)の受給額は、月額230,483円であると発表しています。
老齢基礎年金の金額は、国民年金または厚生年金に加入して保険料を払った期間によって決まります。
2024年度の場合、簡単に書くと、このような式になります。
※1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの人は、813,700円
たとえば、22歳まで学生で2年間未納期間がある場合は、保険料を支払った期間は38年間ですので、
となります。
より正確に計算するには、国民年金保険料を免除・減額された期間を別途計算する必要があります。
国民年金に加入している人は、経済状況に応じて、国民年金保険料の全額免除・減額を受けることができます。
「4分の1免除」「半額免除」「4分の3免除」「全額免除」の4種類があります。
これらの免除された期間(月数)に対して、以下の値をかけます。
2009年4月以降 | 2009年3月以前 | |
---|---|---|
4分の1免除 | 7/8 | 5/6 |
半額免除 | 6/8(3/4) | 4/6(2/3) |
4分の3免除 | 5/8 | 3/6(1/2) |
全額免除 | 4/8(1/2) | 2/6(1/3) |
なお、学生納付特例、納付猶予の期間は、保険料を免除された期間には含まれませんが、追納した場合は、保険料を支払った期間に含まれます。
専業主婦(夫)など、第3号被保険者であった期間は、保険料を支払った期間に含まれます。
たとえば、2020年にコロナ禍で2年間全額免除を受け、残りの38年間は保険料を支払った場合は、このように計算します。
老齢厚生年金の金額は、年収(給与+賞与の金額)と、勤務した期間(厚生年金に加入していた期間)によって決まります。
計算方法は、2003年(平成15年)4月を境に異なります。
「平均標準報酬月額」とは、簡単にいうと、賞与を含まない給料だけの毎月の平均額です。
たとえば、月給30万円、年間の賞与合計120万円で年収480万円の人の場合、平均標準報酬月額は30万円です。
2025年時点でだいたい40代以上の人は、この期間も計算が必要なことになります。
「平均標準報酬額」とは、簡単にいうと、給料と賞与を含む毎月の平均額です。
たとえば、月給30万円、年間の賞与合計120万円で年収480万円の人の場合、平均標準報酬額は40万円です。
最後に、両方の期間をそれぞれ計算して合計します。
ここでは、わかりやすくするために、2003年4月以降入社の人が、ずっと年収500万円(月額416,666円)で40年間働いた場合の、老齢厚生年金を計算してみます。
老齢厚生年金には、上記のほかに、場合に応じて、下記のように様々な加算額があります。今回は計算を省略します。
ここで、老齢厚生年金の超簡単な計算方法を紹介しておきます(2003年4月以降限定です)。
「5481」⇒「5500」と省略してもOKです。
たとえば、年収500万円で40年間働いた場合は、
です。
厚生労働省発表の最新のデータを引用します。
【引用】厚生労働省:令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
2023年度(令和5年度)の老齢基礎年金(国民年金)の平均受給額(月額)は、57,700円です(25年以上の加入期間がある、すでに基礎年金をもらっている人の平均)。
2023年度に新たに65歳になった人の平均受給額は、55,252円です。
また、厚生年金や共済の加入期間がなく、老齢基礎年金だけしか受給しない人の平均受給額は、52,870円です。
老齢基礎年金の月額の受給額別の人数をグラフにしてみました。
全体および男子・女子とも6万円代がピークであり、ほぼ満額に近い金額をもらっている人が一番多いと考えられます。ただ、満額をもらえていない人も半分以上存在します。
(7万円を超えている人がいるのは、被用者年金(企業や官公庁に勤めている人が加入する年金)の分が上乗せされているためです。)
2023年度(令和5年度)の老齢厚生年金(厚生年金)の平均受給額(月額)は、147,360円です(老齢基礎年金の金額も含む)。
老齢基礎年金も受給している人の平均受給額は、151,312円です。こちらのほうが一般的な人に近い値でしょう。
老齢厚生年金の月額の受給額別の人数をグラフにしてみました。
全体平均では14~15万円がピークですが、男子だけでは17~18万円あたりがピーク、女子だけでは9~10万円あたりがピークとなっています。
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老齢基礎年金の受給額は毎年変更されます。過去の各年度ごとの推移です。
年度 |
1956年4月2日以降生まれ
|
1956年4月1日以前生まれ
|
||
---|---|---|---|---|
月額 | 年額 | 月額 | 年額 | |
2008年度 | 66,008 | 792,100 | 66,008 | 792,100 |
2009年度 | 66,008 | 792,100 | 66,008 | 792,100 |
2010年度 | 66,008 | 792,100 | 66,008 | 792,100 |
2011年度 | 65,741 | 788,900 | 65,741 | 788,900 |
2012年度 | 65,541 | 786,500 | 65,541 | 786,500 |
2013年度 (4~9月) |
65,541 | 786,500 | 65,541 | 786,500 |
2013年度 (10~3月) |
64,875 | 778,500 | 64,875 | 778,500 |
2014年度 | 64,400 | 772,800 | 64,400 | 772,800 |
2015年度 | 65,008 | 780,100 | 65,008 | 780,100 |
2016年度 | 65,008 | 780,100 | 65,008 | 780,100 |
2017年度 | 64,941 | 779,300 | 64,941 | 779,300 |
2018年度 | 64,941 | 779,300 | 64,941 | 779,300 |
2019年度 | 65,008 | 780,100 | 65,008 | 780,100 |
2020年度 | 65,141 | 781,700 | 65,141 | 781,700 |
2021年度 | 65,075 | 780,900 | 65,075 | 780,900 |
2022年度 | 64,816 | 777,800 | 64,816 | 777,800 |
2023年度 | 66,250 | 795,000 | 66,050 | 792,600 |
2024年度 | 68,000 | 816,000 | 67,808 | 813,700 |
※1956年4月2日以降生まれ、1956年4月1日以前生まれのどちらも、2022年度までは同じ金額です。
※年金支給額の1円未満の端数は、50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げます。切り捨てられた端数の合計額は2月に加算して支給されます。