入院費用は医療費控除の対象になる?

医療費

入院費用は確定申告によって申請すれば医療費控除として一部戻ってくる可能性があります。ただしすべての払った費用が控除の対象になるわけではありません。今回は入院費の医療費控除についてくわしく解説していきます。

1.入院費用で医療費控除の対象になるもの

入院費用で医療費控除の対象になるのは以下の費用です。

  • 治療代
  • 手術代
  • 入院代
  • 入院時に病院が提供をする食事代
  • 病院で用意されたシーツやまくらカバー等のクリーニング代
  • 医師の指示による療養上必要な差額ベッド代
  • 医師の指示による医療器具の購入代
  • 入退院時の電車代、バス代
  • 出産時など緊急性がある、自力で歩行困難などの場合におけるタクシー代
  • 付添人を頼んだときの付添料

2.入院費用で医療費控除の対象にならないもの

  • 手術時等における医師や看護師へのお礼代
  • 入院時に病院が提供をする食事以外の、売店等で購入した食事代や出前、外食代金
  • 入院時に必要なパジャマ等の衣類、洗面具等の用品代、入院セット(パジャマ、タオル、日用品など)代
  • パジャマ等のクリーニング代
  • 入院時の散髪代
  • 入院時のテレビや冷蔵庫等の使用代
  • 付添人のベッド、食事代
  • 医師の指示以外の、自己都合による個室入院などの差額ベッド代
  • 医師の指示以外の、医療器具の購入代
  • 入退院時の自家用車のガソリン代、駐車場代、高速道路代
  • 自力で歩行可能な場合におけるタクシー代
  • 見舞に来た人のための電車代、バス代、タクシー代

3.入院給付金はどう扱われる? 

(1) 給付金などは支払った費用から差し引く

医療費控除では、支払った医療に関する費用から保険などで補てんされた金額を差し引きます。健康保険組合等の高額療養費や生命保険契約などの特約により支払われる入院費給付金、医療費に対する損害賠償金(交通事故で被害者となった場合等)などを受給した場合、その金額を支払った医療費から差し引く必要があります。高額療養費とは、同一月に支払った医療費が自己負担額の上限を超えた場合に健康保険組合から給付される給付金です。

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入院に係る費用を補てんする入院給付金の計算は個別の治療ごとに行います。その給付の目的となった入院に係る医療費の額から給付金を差し引きできない額が生じた場合でも他の医療費の額から差し引く必要はありません。

(2) 受け取った給付金の申告は正確に

医療費控除を受ける際に、給付金や保険金を受け取った場合の確定申告は正確に行いましょう。税務署では、申告者の銀行口座や保険会社から提出される支払調書などをもとに不正申告をチェックしています。

医療費控除の領収書などは確定申告時には提出は必要ありませんが、調査のため提出や提示を求められる場合があるため5年間は保存が義務付けられています。給付金を申告しなかった場合に不正が発覚すると医療費控除額は修正され、延滞税や重加算税などの対象となりますので正確な申告を心がけるようにしましょう。

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(3) 給付金などに該当しないもの

入院などに際して以下のような金銭を受け取った場合は「保険などで補てんされる金額」には該当しません。

  • 重度障害や死亡に対する保険金
  • 健康保険などから給付される傷病手当金や出産手当金

4.医療費控除は入院で保険金がおりても利用できる? 

(1)保険金が医療費を超える場合

医療費控除は同一世帯の医療費の合計額から医療費控除の対象となる支払った費用を引き、さらに10万円※を引いた金額がある場合だけ利用できます。 ※所得金額が200万円未満の場合は所得金額の5%

医療費よりも受け取った保険金が多い場合は、自己負担額は実質無いので、医療費控除を受けることはできません。ただし、給付金による補填分の差し引きは他の医療費からは差し引かない事になっています。ある治療で保険金がおりて医療費控除の対象とならずとも別の治療による医療費等が控除の対象額を上回った場合は、控除を受けることが出来ます。

(2)年をまたいで保険金を受け取る場合

年をまたいで保険金を受ける場合はどのように医療費控除の申告をしたら良いでしょうか?
この場合、治療費などがかかった金額に応じて各年ずつに分配して、医療費から差し引く形として申告します。

5.まとめ

いかがだったでしょうか。今回は入院費用の医療費控除について解説していきました。結局どこまでが医療費控除の対象になるのかといえば、治療や療養のための費用だったかどうかです。交通費のタクシーの費用の取り扱いなど緊急性などを勘案して判断されます。医療費が高額になる場合はもちろん、医療費控除の対象になるのであれば確定申告をすべきです。

もし判断に困ったら税理士や税務署の方に聞いてみることをおすすめします。また、医療費控除は申告の際に領収書などの提出は必要ありませんが、税務調査などに備えて5年間は保存の義務があります。領収書などはきちんと取っておくようにしましょう。

なお、今回は医療費控除に限定したお話をしましたが、他の医療費控除を受けられる物について知りたい方は下の記事をご覧ください。

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