【2024年版】年収手取り額・所得税・住民税計算ツール
2024年(令和6年)定額減税に対応しました。 ※個人分、個人と会社の合計分の負担割合を表示するようにしました。 ※…[続きを読む]
キャッシュレス決済を利用すると、ポイントを貯めながらお得にお買い物ができます。中にはポイントサイト・ポイ活サイトなどを活用し、かなりの儲けを得ている方もいるでしょう。
収入には基本的に税金がかかるものですが、こうしたポイント収入には税金がかかるのでしょうか? ポイントをたくさん稼いだら確定申告が必要になるのでしょうか? 一般消費者向けに解説します。
目次
「ポイント」といっても、次のように多種多様なポイントがあります。
これらのポイントが課税対象となるかどうかは、単なる値引きなのか、課税対象となる経済的利益に当たるのかによって、考え方が異なります。
たとえば、次のようなケースです。
これらのケースは「通常の商取引における値引き」と判断されますので、税金はかかりません。
独自のポイントであれば、そのお店の買い物・サービスでしか利用できませんので、「値引き」に該当します。
「楽天ポイント」「dポイント」「Pontaポイント」などの共通ポイントは、幅広いお店やサービスで利用できますので、一見、値引きには見えないかもしれません。ただし、決済代金に応じて付与されたものは、「値引き」という扱いになります。
(100円につき1円分ポイント付与されたということは、1円値引きして99円で販売されたことと同じになる(厳密には違いますが、ほぼ同じ))
【参照】国税庁|No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い
次に、ややこしいのが、クレジットカードを作成・利用したときにもらえるポイントです。
これは、決済代金に応じて付与されたポイントですので「値引き」という扱いになり、税金はかかりません。
一方、
この場合は、決済金額とは関係なくポイントが付与されており、景品のような扱いになります。課税対象となる経済的利益にあたり、税金がかかります。
同じ楽天ポイントでも、付与された理由によって、税金がかからないものと、かかるものがあります。
ポイントが課税対象になるタイミングは「ポイントをもらったとき」「現金化したとき」「ポイントを使用したとき」などいくつか考えられます。どれが正しい考えなのでしょうか?
税務大学校の論文には「ポイントを使用したときに課税対象となると考えられる」との記述がありますが、これは税務署の公式見解ではありません。逆にポイントをもらったときに課税対象となるという意見も存在します。
ただ、現状は「ポイントを使用したとき」という見解が多数派であるようです。なお、この「ポイント使用時」にはポイントを使って買い物をした場合だけではなく、ポイントを現金化した場合も含まれます。
ポイント収入にはどれくらいの税金がかかるのか、心配されている方もいると思います。税金がいくらかかるかは、収入額によって違います。
所得税の税率は「所得」に応じて変動します。当然所得が多ければ多いほど税率も上がります。税率はポイント収入についての所得のみで決定するわけではなく、全ての所得を合計した金額を元に決定されます。例えば給与収入とポイント収入がある方は、その両方の所得の合計額を元に税率が決まるということです。
所得税の概算がどのくらいか知りたい方は、こちらのツールを利用すると簡単に所得税を計算できますので、ご自由にご利用ください。
店舗やネットショップの買い物でポイント還元を受けたり、キャンペーンなどでポイントを獲得したら、確定申告が必要になるのかどうか解説します。
ポイ活の種類や、ポイントの獲得方法にはいろいろありますが、ここでは「ポイント還元」という用語でまとめています。
すでに説明したとおり、獲得したポイントが「通常の商取引における値引き」なのか、そうでないかが重要です。
決済代金に応じて付与されたポイントであれば「通常の商取引における値引き」とみなされますので、確定申告は必要ありません。
一方、キャンペーンなどで付与されたポイントは、通常「値引き」にはなりません。ただし、
は、確定申告は不要です。
原則的には、決済金額によらずに付与されたポイントを一定金額以上使用したら確定申告が必要になります。
その一定金額については、どんな所得に該当するかによって異なりますので、このあと、説明します。
ところで、ポイントをたくさんもらったから、確定申告をした人って、あまり聞いたことがないのではないでしょうか?
実際のところ、ポイントの利益はグレーゾーンです。そもそも、いつ、いくら分をポイントで支払ったか、記録している人なんてほとんどいないでしょう。だとしたら、確定申告もやりようがないわけです。
税務署も、銀行口座の履歴は調査することはできても、さすがに、細かいポイントを1つずつ追うことはできません。
「原則的には」と書きましたが、ここでは、「あくまでも理論上は、確定申告が必要になるよ」という話をしているということをご了承ください。
どうしても気になる方は税務署に個別に確認されることをオススメします。
受け取ったポイントは、次のいずれかの所得に分類されます。
所得の種類 | 確定申告が 必要になる金額 |
ポイント獲得の例 |
---|---|---|
一時所得 | 70万円超 (会社員の場合) |
・キャンペーン ・プレゼント |
雑所得 | 20万円超 (会社員の場合) |
・アンケート回答 ・アフィリエイト |
事業所得 | (常に必要) | ・個人事業主が業務上で獲得 |
それぞれの所得ごとに、どんなポイントが該当するのか解説していきます。
一時所得とは、臨時的・偶発的な所得のことをいいます。
例えば宝くじの当選金や、競馬や競輪の払戻金、懸賞金、生命保険の満期返戻金保険金等などが一時所得に該当します。
つまり、ポイントのうち「臨時的・一時的」なものが一時所得に該当するこということです。具体的には次のポイントが一時所得に該当します。
これらのポイントは「臨時的・一時的」なポイント収入として一時所得に該当するもの考えられます。
会社員の場合、一時所得に該当するポイント収入は、年間の合計額が70万円を超えた場合に確定申告をする必要が生じます。
こちらは一時所得の計算式です。
一時所得では50万円の特別控除を利用できるため、総収入金額が50万円を超えていなければ一時所得は生じません。50万円を超えていても必要経費を計上できる場合も一時所得が生じません。
会社員の方は、一時所得の金額が20万円以下であれば確定申告は不要です。つまり、ポイント収入が70万円を超えて初めて確定申告の義務が生じるということです。
このように見ていくと、一時所得に該当するポイントで確定申告が必要となる人はかなり少ないものと考えられます。一時所得の確定申告については下記の記事をご参照ください。
ただし、フリーランスや個人事業主の方が一時所得に該当するポイント収入を得た場合には、ポイント収入が50万円を超えたら確定申告をする必要があります。
雑所得とは、それ以外の所得に区分できないその他の所得のことをいいます。
ポイント収入のうち一時所得に該当しないものは雑所得に該当すると考えて良いでしょう。
これらは、アンケートへの回答や、会員登録、サービスを利用することへの対価としてもらうポイントです。こういった対価性のあるポイント収入は雑所得に区分されると考えられます。
会社員の場合、雑所得に該当するポイント収入は、所得が20万円を超えた場合に確定申告をする必要が生じます。
雑所得の計算は「収入―経費」です。したがって年間のポイント収入が20万円を超えていても、経費を差し引いた所得が20万円以下になる場合は確定申告の必要はありません。
ただし、フリーランスや個人事業主の方が雑所得に該当するポイント収入を得た場合には、所得が20万円以下でも確定申告をする必要があります。
ポイント収入のほとんどは、一時所得と雑所得のどちらかに分類されます。
しかし、個人事業を営んでいる人がその事業に関連してポイントをもらった場合には、そのポイント収入は事業所得に該当すると考えられます。
要するに本業を事業所得として申告しているので、その本業に関連したポイント収入も同様に事業所得に計上するということです。
事業所得は48万円を超える場合に確定申告をする必要が生じます。本業による収入とポイント収入を合わせて48万円を超えたら確定申告が必要です。
48万円以下であれば確定申告は不要ですが、個人事業主の方の場合は確定申告をすると所得の証明にもなりますし、青色申告をしていれば損失を最大3年間繰り越せますので、赤字でも確定申告はしたほうが良いでしょう。
確定申告をする場合、ポイントを得るために使った費用は経費として計上できます。例えばポイントサイトやポイントアプリを利用するためのインターネットプロバイダ料金などは、経費として認められる可能性が高いでしょう。他にも携帯電話の利用料やポイントの計算のために購入したノート代なども考えられます。
ただし、経費として計上できるのは「ポイント獲得のために使用した分」のみです。例えばインターネットプロバイダ料金や携帯電話の利用料の1~2割を計上するなど、正しく按分することが求められます。
なお、共通ポイントをもらうためにお店で買い物をした金額や、Go Toポイントをもらうための飲食店の費用などは経費として計上できません。
楽天などのショッピングサイトで行われるいわゆる「ポイントせどり」で付与されるポイントは課税対象となるのでしょうか?
せどりを本格的に行っている場合、事業所得または雑所得として確定申告を行う必要があります。その所得の計算上、付与されたポイントを含めるのかどうかという問題です。
これには様々な見解があるのですが、ポイントせどりで得たポイントは課税の対象となると考えられます。
ポイント投資には以下の2種類があり、それぞれ課税対象となります。
上記2パターンのポイント投資はそれぞれ所得区分が異なります。
ポイントを運用するタイプのポイント投資は「一時所得」に該当します。一時所得が50万円(会社員の副業の場合は70万円)を超えると確定申告をする必要があります。
一方、ポイントを現金化して運用するタイプのポイント投資は「上場株式等の譲渡所得」に該当します。こちらは分離課税となるため、運用益が生じた場合は確定申告が必要となります。ただし、特定口座で運用している方は証券会社が源泉徴収を行っているため、確定申告は不要となります。
ポイントサイトで得たポイントが、決済代金に応じて付与されたポイントであれば、確定申告は不要です。
もし決済代金にかかわらず付与されたポイントであれば、「雑所得」として確定申告が必要となります。ただし、雑所得の金額が20万円以下である場合には確定申告は不要です。
個人事業主が本業の事業に伴ってポイントを取得したり、そのポイントを利用した場合、確定申告の内容に含める必要があります。
具体的に言えば、ポイントを取得した時点ではなく、使用した時点で課税の対象となると考えられます。使用したポイントは事業所得に含めることとなります。
ポイントの処理方法についてはやや複雑ですので、こちらの記事をご覧ください。
獲得したポイントに関する課税関係について、現状所得税法に明確な規定はありません。ただし、国税庁ホームページにポイントに関する課税関係を解説したページがありますので参考にしてください。