配当金にかかる税金、配当所得とは?
配当所得は十種類ある所得の一種であり、税金(所得税と住民税)が課されます。どんな所得か、どのように課税するか、控除は…[続きを読む]
株の配当金が入ったら、確定申告は必要でしょうか。通常、上場株式などの配当を受け取った場合は確定申告をしたほうがお得になることが多いですが、一方確定申告をすることで損をするケースもあります。
この記事では、配当所得の確定申告が必要かどうか、また有利不利を見分けるポイントについて説明します。
これらの要件に当てはまる人は確定申告が必ず必要となります。
これらの場合、配当所得支払金額に対して所得税(20.42%)のみが源泉徴収されていますが、住民税は源泉徴収されていません。これは、住民税の納税義務がないのではなく、別途、確定申告が必要であることを意味しています。
*1 大口株主:発行株式総数の3%以上を保有する株主。
*2 少額配当:一銘柄について、一回の支払い金額が10万円以下の配当(配当額の計算期間が1年でないときは「10万円×配当計算期間の月数(最高12か月)÷12」以下の配当を指します。なお、「配当計算期間」とは、配当計算期間の初日から配当の支払い基準日までの期間を指します。)
確定申告を必要としなくても、申告をしたほうがいいことがあります。
配当所得の確定申告について、「申告分離課税」と「総合課税」の二つの申告方法があります。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
まず、選ぶポイントとして譲渡損失があるかで「申告分離課税」と「総合課税」のどちらがいいかを判断します。
申告分離課税では、配当と譲渡損失が通算できます。つまり、配当額で株式売買で出して損失を補填することができるため、本来の配当所得には課税されなくなります。
また「総合課税」は、累進性になっていますが、「申告分離課税」は一律20.315%になりますので、課税所得が330万円以上の場合は申告分離課税を選んだほうが税率を低く抑えられます。
一つ注意するべき点は、「申告分離課税」で申請する場合、「配当控除」は適用できません。
従って、譲渡損がある場合、以下のいずれかの場合であれば「申告分離課税」のほうが有利になります。
譲渡損失がない場合、かつ課税所得が695万円以下の場合は、確定申告をしたほうが基本的に有利になります(実効税率は考慮していません)。
なぜかというと、「総合課税」は配当所得を配当所得以外の所得と合算して所得税を課税するため、累進性になっていて、課税所得に応じて税率は高くなっていきます。
所得税の税率方法については以下の記事をご参考ください:
主な目安としては、課税所得が695万円以下の場合は、税率が源泉徴収の税率と申告分離課税の税率よりも低くなり、有利になると言えます。一方、695万円以上の課税所得の方は、申告せずに源泉徴収で済ませたほうがよいでしょう。
「配当」という名前でも、「配当所得」ではない場合があります。何が「配当所得」に当たるのか、詳しくはこちらの記事をご覧ください。