消費税増税でおむつや生理用品はどうなる?日用品は軽減税率対象外
いよいよ2019年10月1日に消費税が増税され、合わせて軽減税率制度が始まりました。 しかし、軽減税率の対象について…[続きを読む]
軽減税率8%の対象は、簡単に要約すれば、次の2つです。
よく言われるような「生活必需品」ではなく、あくまで上の2つが基本です。
新聞についてはそれほど難しいことはありませんが、飲食料品の種類は多数ありますので、どこまでが対象になるか分かりにくいです。
そこで、軽減税率の対象となる商品、特に飲食料品の範囲について、詳しく解説します。
目次
まずは、飲食料品の範囲について簡単に説明し、2章以降で、詳細に説明します。
ここでいう「飲食料品」とは、販売店が「飲食料品」として販売する物のことです。
一般にスーパーで売っているような、野菜、果物、肉、魚、菓子などだけでなく、ジビエ肉や一般に日本で食用文化のないものも、販売店が「飲食料品」として販売すれば軽減税率の対象です。
酒類も食品の範囲に含まれていますが、軽減税率の対象にはなりません。いわゆる嗜好品は除くという趣旨でしょう。
また、飲食料品を購入する場合は軽減税率の対象ですが、外食では対象になりません。調理されて提供される食事は、飲食料品というよりも、食事を提供するサービスだからです。
以上をまとめますと、軽減税率対象の「飲食料品」とは、次のようになります。
新聞については、「○○新聞」という商品名で販売されていますので、その範囲はほぼ明確ですが、主な条件が2つあります。
一つは、定期購読の契約をしていることです。自宅やオフィスに配達される新聞は軽減税率の対象ですが、コンビニや駅中の売店で購入する新聞は対象になりません。
二つ目の条件は、週2回以上発行される新聞に限るということです。一部を除いて、たいていの新聞は毎日発行されますので、ここはあまり考えなくても良いでしょう。
ここでは、飲食料品の範囲についてさらに詳しく述べていきます。
基本的には、人の食用として販売されているかどうかがポイントといえます。
通常、金魚は観賞用ですので軽減税率の対象外ですが、販売店が「食用金魚」として販売すれば軽減税率の対象となります。
またペットフードは栄養価もあり人が食べることもできますが、これはあくまでもペット動物のために販売されているものであり、人の食用として販売されていませんので、軽減税率は適用されません。
通常、ペットフードを人の食用として販売するお店はないでしょう。
食品添加物も実は軽減税率の対象になり得ます。
食用として販売しているローズオイルやラベンダーを購入した人が、それを香水の原料として使用したとしても、食用として販売している限り、軽減税率の対象です。
逆に工業用水として販売しているローズオイルやラベンダーは、それを購入した人が食用に利用したとしても、食用として販売されていませんので、軽減税率は適用されません。
このように、食用にも工業用水にもなりうる添加物については、どちらの用途で販売されているかが重要になりますので、メーカーは商品の用途を明確に表示する必要があります。
また「重曹」も同様で、食品添加物として販売される重曹は、「食品」に該当し8%となります。
ただし、日用品売り場などで、洗剤として売られていれば10%となります。
ビール、ワイン、日本酒などのお酒も食品の一種ですが、酒類は軽減税率の対象から除かれています。そのかわり、酒類に該当しなければ、軽減税率の対象となります。
酒税法2条1項では、アルコール分1度以上の飲料を「酒類」として定めていますので、アルコール度数で判定することになります。
ノンアルコールビールはアルコール分を含みませんので、軽減税率が適用されます。
実際にアルコール分がどのくらい含まれているかは、メーカーしかわかりませんので、各メーカーはアルコール度数を確実に表示する必要があります。
ワインは食品の原材料として利用されることもありますが、アルコール分1度以上であれば酒類のため、軽減税率の対象となりません。
みりん、料理酒など調味料に利用されるものでも、アルコール分1度以上であれば、やはり軽減税率の対象となりません。
ただし、みりん風調味料などで、アルコール分1度未満であれば、軽減税率の対象となります。
また、料理酒の中でも醗酵調味料(アルコール分が1度以上ではあるが塩などを加えることにより飲用にできないようにしたもの)も同様に軽減税率が適用されます。
ウィスキーボンボンはチョコレートの中にウィスキーやブランデーが入っているチョコレート製品です。
通常2~3.5%程度のアルコール分が含まれていますが、製品としてはチョコレートに分類されるため、酒税法が適用されません。よって、軽減税率の対象となります。
酒類の場合は、消費税よりも酒税のほうが高いです。
酒税法改正で今後、税金の金額が変わりますが、たとえば、現状、ビールの場合は350ml換算で77円です。
お酒については、軽減税率の対象外となることよりも、むしろ、酒税の今後の動向に注目したほうが良いかもしれません。
薬局で処方される医薬品が食品でないことはわかりますが、コンビニやスーパーで購入可能な、栄養ドリンクやサプリメントは軽減税率の対象になるのでしょうか?
これらに関しては、医薬品医療機器等法に規定する「医薬品」「医薬部外品」「再生医療等製品」(まとめて「医薬品等」)に該当すれば、軽減税率の対象になりませんし、該当しなければ軽減税率の対象になります。
サプリメントには、特定保健用食品、栄養機能食品、健康食品、美容食品などと呼ばれる様々な種類がありますが、「医薬品等」に該当するかどうかで決まります。
どれが「医薬品等」に該当するか、または該当しないかは、商品のパッケージなどに記載されています。
軽減税率の対象は
①飲食料品(酒類を除く)
②新聞
の2点が基本です。
飲食料品の中では外食などいくつか除外されるものがありますが、基本的には「販売店が人の食用として販売」していれば軽減税率の対象です。
軽減税率について、もっと簡単にいろいろ知りたい人向けに、写真つきで、わかりやすく解説しています。
軽減税率の対象について不明なときは、最寄りの税務署にご相談ください。