100均(100円ショップ)でも消費税に軽減税率があるの?

100円ショップ 100均
2019年10月1日に始まった消費税率の引き上げと軽減税率の導入。日々の買い物で貰うレシートを眺めながら「あっ、これは8%なんだ」と思う機会も多いはずです。
 
新しい税率に慣れてきた段階ではあると思いますが、それ以前に長い間モヤモヤしていた疑問の1つに「100円ショップってなぜ100円じゃないの?」というものがあると思います。
 
確かに100円均一を掲げているのに商品を買ってみると支払い金額が「108円」や「110円」だったりしますよね。
 
今回は100円ショップと消費税の関連について詳しく解説していきます。

1.100均(100円ショップ)の軽減税率

 
100円ショップというのはお店の名前ではなく、1つのジャンルを表す言葉でもあります。
売られている商品が全て100円という特徴を持ったお店のことを「100円ショップ」または「100円均一」と呼んでいますね。
 
100円ショップには全国的にさまざまな店舗がチェーン展開しています。
 
代表的なのは「ザ・ダイソー」「セリア」「キャンドゥ」「ワッツ」などがあります。中小店舗でも「ナチュラルキッチン」や「オンリーワン/リアライズ」「オレンジテラ」「ローソンストア100」などもあり、多種多様な100円ショップが全国各地に点在しています。
 
そんな100円ショップですが、いくら100円ショップとはいっても、その他のお店同様に、売られている商品に対して消費税が付加されるのは当然です。
 
同様に、軽減税率も適用されるため、店内で売られている飲食料品は8%、それ以外の商品には10%の消費税を支払うことになります。

2.100均なのに、均一じゃない!

 
「100円均一」というのであればレジで100円玉だけ出して買い物をしたいところですが、実際には100円の本体価格に消費税をプラスした金額を支払っていますよね。
 
「100円均一なのに100円じゃない!」と疑問に思うかもしれませんが、「100円均一」という言葉が指すのはあくまで税別価格のことです。
税別価格の100円に消費税率8%または10%がプラスされて、税込「108円」「110円」で売られています。
 
また、100円ショップと言いつつも、中には200円、300円、500円の値札がついた商品を販売するお店もあります。消費税に関係なく「100円均一」というのはあくまでコンセプトであり、必ずしも全ての商品が100円で売られているわけではありません。
 

3.「100円ショップ」という店名は問題ないの?

 
100円ショップなのに商品の価格が「108円」や「110円」だったりすることにモヤモヤすることも多いですが、そうなると「100円ショップ」という名称に問題はないのか、という疑問も湧いてきますね。
 
実はこの問題は2004年頃に一度議論になったことがあります。
 
関連するのが2004年4月1日から始まった「消費税総額表示の義務化」です。これは店頭に並べられている商品の価格を全て「税込」で表示することを義務付けた制度です。
 
これによって100円ショップで売られている税別100円の商品を「105円(当時の消費税5%)」で表示しなければなりませんでした。
 
それに伴い「100円ショップ」という名称を「105円ショップ」にしなければならないという懸念が一部で起きたのですが、実際のところ、法律上、店名に関する問題はなく、店内に陳列されている商品が税込価格で表示されていれば良いという結論になりました。
 

まとめ

 
これからは「100円ショップ」のことを「(税別)100円ショップ」と変換してみるとスッキリできるでしょう。
 
100円ショップなのに5円玉や10円玉を用意するのは煩わしいと感じますが、最近では大手100円ショップチェーンの「ダイソー」がスマホ決済のPayPayを一斉導入したという発表もされていますので、今後はキャッシュレスでそんなことも気にならなくなるかもしれませんね。
 
【参考】ダイソー:「 PayPay使うなら『だんぜん!ダイソー』キャンペーン」を開催
服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
服部 貞昭 プロフィール この監修者の記事一覧
\この記事が役に立った方は是非シェアをお願いします/
  • Pocket