2024年6月から4万円の所得税の定額減税、対象者と金額・減税方法
2024年6月から、所得税3万円+住民税1万円=合計4万円の特別減税を受けられます。令和6年度(2024年度)特別減…[続きを読む]
ZEIMOではこの度、政府の実施する定額減税について、世間でどのように認識されているのかを調査するため、アンケートを行いました。
以下に、回答結果を報告します。
本調査の内容やグラフを引用・転載する際は、出典元(ZEIMO)を明記してください
全国の男女1000名にアンケートを取ったところ、
「定額減税」という言葉を目にした・耳にしたことはありますか
という設問に対し、約8割が「はい」と回答しました。
残りの2割は定額減税という言葉自体に見覚え、聞き覚えがないと回答しており、その約半数は収入がない、つまり直接は定額減税の対象とならない人でした。
一方、自身に収入があり、定額減税の対象となる可能性があっても定額減税について認識していない回答者も全体の約1割ほどいる結果となりました。
以降は、「定額減税という言葉を聞いたことがある、見たことがある」と答えた回答者に絞って、追加で行ったアンケートの結果をまとめます。
定額減税についてどのように認識しているか、いくつかの設問を用意したところ、「所得税と住民税が一定額減税される」と正しく認識していたのは約3割にとどまりました。
定額減税についてどのように認識しているのか、以下の選択肢の中からもっとも近いものを選んでもらったところ約2割が定額減税を給付金制度と混同していることがわかりました(選択肢1または2を回答)。
※金額のみ認識と異なる場合は金額の設定を無視して最も認識に近い選択肢を回答
※正答は4
また、給付金ではなく減税であり、なおかつ毎月減税を受けられるのではなく累計で一定額の減税を受けると正しく認識している回答者は5割にとどまりました。
さらに、定額減税で減税の対象となる税金について以下の選択肢から選んで回答してもらったところ、正答である「所得税・住民税」を選べたのは4割にとどまる結果となりました。
なお、先ほどの設問とこちらの設問で両方正答できた割合は3割まで絞られます。
定額減税では以下のように、住民税と所得税でそれぞれ減税額を計算します。
扶養親族がいなければ減税額は合計4万ですが、配偶者や親族を扶養している場合は減税額は8万、12万と、扶養親族の人数に応じて増額していきます。
しかし、今回のアンケートでは、扶養親族が1名以上いる回答者の33%が、自身が受けられる減税額を4万と誤認していました。
扶養親族の人数に即した正しい減税額を認識していたのは、扶養親族のいる回答者のうち26%にとどまっています。
定額減税では、もともとの所得税額、住民税額が減税額より低い、つまり定額減税で引ききれない場合は差額を1万円単位で切り上げる形で給付金(調整給付)が支給されます。
しかし、定額減税の減税額がもともとの税額を上回る場合はどうなるのか、以下の選択肢の中から回答してもらったところ、約4割の人が「わからない」と回答しており、正答(選択肢2)を選べた回答者は約2割にとどまりました。
調整給付の対象となる場合、自治体の案内に従って受給の申請を行う必要がありますが、そもそも調整給付について正しく認識していない人が多く、申請漏れのリスクは否めません。
調整給付の対象者には自治体からの案内がありますが、郵送物を日ごろからあまり確認していないケースや住所の変更届を出していないケース、あるいは自治体のミスにより案内が届かないケースなども考えられ、この場合、調整給付について正しく認識していなければ対処ができない可能性が高いといえます。
今回の調査では、全国の男女1000名のうち約8割が「定額減税」について聞いたことがあると回答しましたが、そのうち定額減税について正しく認識しているのは3割程度で、定額減税で引ききれない場合に支給される調整給付について正しく認識しているのは少数にとどまるという結果となりました。
定額減税は複雑な制度であり、役所等の混乱も想定できます。正しい減税額が控除されないケースも十分考えられますので、制度を正しく認識しておくことが必要です。
ZEIMOでは定額減税についてわかりやすく解説しています。