転職先の年末調整で源泉徴収票は必要? ない場合はどうする?
この記事では、転職した人は年末調整の書類をどう記入するのか? 前職の収入を含めるべきか? 前職の源泉徴収票は絶対に必…[続きを読む]
通年採用で入社した、転職した等で、年の途中で入社した場合、年末調整はどうなるのか?
前職があるかないかが一つの大きなポイントです。いくつかのポイントを絞って解説します。
目次
途中入社(年の途中で入社)で、前職がない場合は、他の社員と特に変わりはありません。
会社から配布された年末調整の用紙に記入して会社に提出するだけです。保険料控除を利用する場合は、保険会社から郵送される控除証明書も提出します。
ここで、「前職がない」というのは、その年に働いたことがないかどうかです。
たとえば、2024年6月に途中入社した場合、2023年まで前職で働いていたとしても、退職して2024年は働いていなければ、前職がないということになります。
一方、退職したのが2024年1月で、前職の会社から1月分の給料をもらっていれば、前職があることになります。
途中入社(年の途中で入社)で、前職がある場合は、他の社員よりも提出書類が一つ増えます。それは、前職の会社が発行する源泉徴収票です。
そして、年末調整では、現在の会社での給料と、前職での給料を合計した金額を記入します。
年末調整の「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という書類の「基礎控除申告書」という欄に、もらった給与の金額を記入します。この欄には、すべての給料の合計を記入しますので、両方の会社からもらった給与を合計した金額を記入します
たとえば、現職の会社の給料が600万円、前職の会社の給料が300万円の場合は、合計して900万円となります(下図参照)。
「前職の会社でいくらもらったかわからない」と心配しなくても大丈夫です。退職すると、必ず「源泉徴収票」が発行されます。これは、会社があなたに年間でいくら給料を払ったかを証明するものです。
源泉徴収票の上のほうに、このような形で、支払った給与の金額が記載されています。
源泉徴収票がないと、前職でいくら給料をもらったか証明するものがありませんので、今の会社で年末調整を受けることができません。
その場合、前職の会社から源泉徴収票を発行してもらう必要があります。会社は、源泉徴収票を発行する義務がありますので、必ず発行してくれるはずです。
以前に発行してもらった源泉徴収票を紛失してしまったり、会社とのトラブルがあって退職したときなどは、前職の会社に連絡しづらいかもしれませんが、必要な書類ですので、面倒でも連絡して発行してもらいましょう。
源泉徴収票のもらい方については、こちらの記事を参考にしてください。
新入社員の多くは初めて社会人になるので、前職はないと思いがちですが、アルバイトをしていた人は注意です。正社員でなくても、パート・アルバイトなどで働いた人は前職があることになります。日雇いバイトをしていた場合も、少しでも給料をもらっていれば、前職ありとなります。
新入社員は通常4月に入社しますが、その場合、その年の1月から3月までにアルバイトで支給された給料について、年末調整で申告する必要があります。
なぜかというと、合計した給料の金額が1,000円違うだけで、最低でも所得税が50円くらいは変わってくるからです。さらに住民税の計算にも影響します。
アルバイトをしていた会社に頼んで源泉徴収票を発行してもらう必要がありますが、難しいこともあるでしょう。具体的には、次の記事を参考にしてください。
「前職の会社から源泉徴収票を発行してもらえない」「アルバイト収入を書き忘れた」などの理由で、途中入社前の給料について年末調整できなかった場合は、翌年3月15日までに、自分で確定申告をする必要があります。
1月1日付けで途中入社したのであれば、その年に前職の会社からもらった給料はありませんので、前職の源泉徴収票は必要ありません。
たとえ日雇いバイトだとしても、1円でも給料をもらったら、年末調整で申告する必要があります。そうしないと、所得税や住民税が間違った計算になるからです(細かく言うと、1,000円未満であれば影響しない可能性もありますが、1,000円以上なら必ず影響します)。
日雇いバイトでは、雇用契約もなく、その場で働いて、その日のうちに現金で給料をもらうこともあるでしょう。誰(どの会社)からいくらもらったのか覚えていなければ、年末調整で申告のしようがありません。
ただ、もし思い出したら、確定申告をするようにしましょう。日雇いバイトであなたを雇った会社は、あなたに支払った給料の金額を税務署に申告しているかもしれません。もし給料の金額がかなり大きい場合には、後で税務署からお尋ねされることがないとはいえません。