インボイス制度でレシートはどう変わる?|書き方・記載例・保管方法は?

インボイス制度とレシート

この記事では、インボイス制度に起因するレシートの書き方、取り扱いの変化、今後必要となる対応についてお伝えします。

1.インボイス制度でレシートはどう変わるのか

早速ですが、たとえば、スーパーが発行するレシート(スーパーは簡易インボイスを発行できます)は、インボイス制度前後で次のように変わります(変更点は赤字部分です)。

従来の制度(~2023年9月)

インボイス制度前のレシート

インボイス制度(2023年10月~)

インボイス制度対応のレシート

変更点をまとめると次の2点となります

  • 記載項目(追加されている)
  • 端数処理の方法(ルール追加)

レシート記載項目の変更について

インボイス制度では従来の制度(区分記載請求書等保存方式)に比べて、領収書・レシートの記載項目が増えています。

先ほどの図例を見ても、インボイス制度導入の前後で項目が追加されているのが分かりますよね。

領収書やレシートをインボイス制度に対応させるためには、次の3点を追加する必要があります。

  • Tから始まる13桁の番号(適格請求書発行事業者の登録番号)
    (以下「登録番号」と呼びます)
  • 適用税率
  • 消費税額
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なおレシート(簡易インボイス)の場合、税率ごとに区分した消費税額または税率のいずれか一方両方であれば省略可能です(両方の省略は不可)。

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端数処理について

インボイス制度では、端数処理について、

1税率ごとに1回のみ

というルールになっています。

2.インボイス制度では値引きをレシートにどう記載する?

インボイス制度では、消費税額を正確に領収書やレシートに記載することが求められます。

結果として、記載項目が追加になったり端数処理に関するルールが定められました。

同様に、値引きがあった場合の処理についてもルール化されています。

詳細は国税庁のQ&Aをご覧ください。

3.インボイス制度におけるレシートの保管について

インボイス制度が開始すると、領収書を発行する側には、

  • 発行した領収書の写しを保存する義務

が発生します。

スーパーやコンビニなど大量のレシートを発行する業種では、レシートの写しを大量に保存するのは大変ですよね。

レシートの発行者に課される写しの保存義務について、顧客へ交付したレシートそのものを保存しなくても、レジのジャーナルや複数のレシートの明細表・一覧表など、レシートの記載事項が確認できる程度のものが保存されていれば適法に保存義務を満たしていることとなります(インボイスQ&A問76)。

ですので、スーパーやコンビニなど大量のレシートを発行する業種は、レジのジャーナルや明細書の保存でレシートの写しの保存義務に対応することをおすすめします。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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