18歳以下の子供に10万円の給付金!いつもらえる?

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【最新情報】
・栃木県那須塩原市で中学生以下の子供に対して現金5万円を12月14日に先行給付する予定です。(11/30更新)
・18歳以下の子供への10万円支給について、11月19日、政府は臨時閣議で決定しました。(11/22更新)

政府は、18歳以下の子どもに10万円の給付金を給付することを決定しました。

まだ詳細は確定していませんが、わかっている範囲で、情報を掲載していきます。

1.18歳以下と生活困窮者に10万円

10月31日に行われた衆院選において、公明党が公約として、18歳以下の子供に1人当たり10万円を給付するとしていました。

選挙結果は、自民党が過半数を取得し、自民党・公明党の連立与党が引き続き組まれる方向です。

そこで、11月5日に、新型コロナウイルス感染症で影響を受けた人たちへの支援策として、18歳以下を対象に1人当たり10万円分の給付金を出す案が政府内で検討されていることが報道されました。

まだ案の段階でありますが、子供のいる家庭にとっては、かなり嬉しい内容となります。

(1)給付の対象者は?

対象者は下記のような案が検討されています。

  • ①18歳以下の子供全員(ただし、年収960万円の所得制限)
  • ②住民税非課税世帯
  • ③生活に困窮する大学生・大学院生等(留学生も含む)

①18歳以下の子供

18歳以下の子供については、年収960万円の所得制限を設ける方向で、11月10日の岸田文雄首相と公明党の山口那津男代表の会談で、正式に合意されました。

「年収960万円」については、夫婦共働きの場合は、収入の高いほうで判断します。

また「18歳以下」について、おそらく現在の高校3年生までが対象になると思われます。
(誕生日が遅いまだ18歳の大学1年生や卒業生は対象外になると考えられます。)

②住民税非課税世帯

生活困窮者については、まだ明確な定義は定まっていませんが、住民税非課税世帯が中心となるようです。
11月26日に臨時閣議で決定された補正予算案では、約1.4兆円の予算を確保していますので、単純計算では、対象は1,400万人(または世帯)ということになります。

18歳以下の子どもがいて、かつ、住民税非課税世帯は、両方もらえるのかどうかも、今のところ不明です。

③生活に困窮する学生

生活に困窮する学生について、約700億円の予算が確保されましたので、単純計算では、対象は70万人くらいです。
次のような学生が対象の予定です。

  • 住民税非課税世帯
  • 「修学支援制度」の利用者
  • 下記の要件を満たし大学が推薦する学生(留学生含む)
    -コロナ禍で収入が大幅に減少
    -自立してアルバイト収入で学費を賄っている

(2)いくらもらえる?

18歳以下の子供の場合、一律10万円です。ただし、5万円ずつ2回に分かれます。

住民税非課税世帯の場合、世帯で10万円なのか、1人当たり10万円なのかはまだ確定情報が出ていませんが、おそらく世帯10万円で検討されているようです。

生活に困窮する学生の場合、おそらく1人当たり10万円の予定です。

(3)いつもらえる?

まだ不明確ですが、次のような案が発表されています。

①18歳以下の子供

18歳以下の子供に対しては、2回のタイミングに分けて給付することが検討されています。

まずは、2021年内に、18歳以下の子供に現金で5万円を配ります。
その後、春の卒入学の時期くらいに、残りの5万円を、現金ではなく子育て支援などに利用できるクーポンで配る予定です。

中学生以下(15歳以下)は、児童手当の仕組みを利用するため、2021年内に給付される予定です。

高校生(16~18歳)は、自治体が振込先口座を把握する必要があるため、申請が必要となり、年明けの給付になる予定です。

一部の自治体で先行して給付する動きがあります。

栃木県那須塩原市では、中学生以下の子供のいる世帯へ現金5万円を12月14日に給付する予定です。

②住民税非課税世帯

給付時期について発表されていません。

③生活に困窮する学生

給付時期について発表されていません。

(4)給付の方法

①18歳以下の子供

18歳以下の子供への給付となりますので、基本的には、その親(世帯主)に対して給付をすることになります。

児童手当をもらっている中学生以下(15歳以下)と、高校生(16~18歳)では異なる給付方法になりそうです。

中学生以下であれば、毎月、児童手当が支給されていて、振込口座もわかっていますので、基本的には、申請しなくても届け出ている口座への振り込みとなりそうです。

一方、高校生の場合は、現状、自動的に支給する仕組みがありませんので、前回の10万円給付金と同様に、親が申請して指定した口座に振り込むことになりそうです。

②住民税非課税世帯

住民税非課税世帯を対象とするのであれば、自治体のほうで把握していますので、申請しなくとも、給付の対象になるかもしれません。ただし、口座情報は伝える必要があるでしょう。

③生活に困窮する学生

住民税非課税世帯であれば、自治体が把握していますので、口座情報を伝えるだけになるでしょう。

そうでなければ、基本的には、大学ごとにどの学生を支給対象にするか判断をしますので、学生は自分の所属する大学に申請することになりそうです。

2.給付の対象者について

年収960万円の線引きはどこから?

中学生までの子どもを扶養している人は児童手当をもらえるのですが、ある基準の収入額を超えると、「特例給付」といって5,000円に減額されます。そのラインが、子ども2人+年収103万円以下の配偶者の場合は、所得だと736万円、年収の目安では960万円になります。

夫が働いていて、妻が専業主婦またはパート、子ども2人という、いわゆる政府の「モデル家庭」を基に、年収960万円という線引を設けたようです。

国税庁の民間給与実態統計調査結果では、年収900万円を超える人の割合は全体の約1割ですので、今回の線引きでもらえなくなるのは、約1割くらいの家庭です。

ただ、昨今では、夫婦共働きも多く、子供の人数によっても生活の大変さは異なりますので、一律で年収960万で良いかは疑問なところです。

所得制限の不公平について

今、一番問題となっているのは、所得制限が、現在の日本の家庭の実態と合っておらず不公平な内容になっていることです。

今回の所得制限は、家族で最も収入の高い人の金額で判断します。
たとえば、夫・妻それぞれ年収950万円で世帯年収1,900万円の家庭の子供はもらえますが、夫だけで年収1,000万円の家庭の子供はもらえないのです。

仮に世帯年収が同じだとしても、1人で年収1,000万円の人のほうが、夫婦合わせて年収1,000万円の人より、税金・社会保険の負担がはるかに大きいにもかかわらず、前者の人はもらえなくなります。

これは大変に不公平な政策といえるでしょう。

政府は迅速な給付のためには、すでにある児童手当の所得制限の枠組みを利用せざるをえないと釈明していますが、自民党の役員でもある、高市政調会長や福田総務会長が「世帯年収が基準であるべきだ」という意見を表明するなど、自民党内でも見直しを求める声が起こっています。

自治体独自の取り組み

11月25日、秋田県横田市で、所得制限でもらえなくなる子供に、独自で10万円を給付する検討をしているとの報道がありました。今後、自治体によっては、独自での給付をする場合もあるかもしれません。

3.10万円給付金の経緯

突然降って湧いたような10万円給付金の件について、これまでの経緯をまとめてみます。

生活困窮者への支援

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた生活困窮者への支援として、2020年に「生活福祉資金の特例貸付」が制度化され、緊急小口資金・総合支援資金と合わせて1世帯最大200万円借りることができました。さらに、2021年7月には最大30万円もらえる「自立支援金」も制度化されました。

しかし、どちらも期限を迎えることから、生活困窮者に対する新たな支援策が必要となっていました。

衆院選での公約

10月31日に行われた衆院選において、各党は給付金の公約を掲げました。ここでは、与党である自民党、公明党の公約を掲載します。

  • 自民党:非正規雇用者・女性・子育て世帯・学生をはじめ、コロナでお困りの皆様への経済的支援
  • 公明党:18歳以下のすべての子どもに「未来応援給付」(一人あたり一律10万円相当の支援)

自民党は、具体的な金額には言及していませんでした。対象者は、「非正規雇用者・女性・子育て世帯・学生をはじめ、コロナでお困りの皆様」としていましたが、具体的には絞り込んでおらず幅広い含みをもたせていました。

一方、公明党は「18歳以下のすべての子どもに一人当たり一律10万円相当の給付」と対象者と金額を明確に盛り込んでいました。

衆院選は、自民党の勝利に終わり、引き続き公明党と連立与党を組みますが、自民党と公明党で公約の内容が異なることから、現在、政府内では議論が紛糾しています。

議論の方向性

自民党・公明党の両者では、10万円相当の支援という金額の点では一致していますが、対象者には大きな隔たりがあります。

公明党は、18歳以下の子どもに一律給付という姿勢を崩していませんが、自民党は、低所得層の生活困窮者への支援の方向を目指しています。

世論調査では、18歳以下の子どもへの一律給付は子供のいる高所得者へは給付するのに独身の低所得者は給付されないで不公平だという意見や「バラマキ」だという意見が多くを占めています。

対象者の調整に難航して給付が遅れれば、生活困窮者支援という本来の目的を達せられなくなります。

結局、公明党は自民党に譲歩する形で、所得制限を設けることになりました。

5万円分のクーポン券

10万円給付は現金と誰もが思っていた矢先、突如、半分の5万円分はクーポン券で配布されることが発表されました。

いったいどこから、現金給付がクーポン券に置き換わってしまったのか定かでありませんが、これはかなりの愚策といえます。

現金のほうが圧倒的に使い勝手が良いからです。クーポン券は、指定された店舗でしか利用できず、子育て支援ということであれば商品も限定される可能性があります。そうなると、結局、ほとんど使われないことになりかねません。

現金であれば貯金にまわる部分もありますが、それはいつか使われますので、長期スパンで見れば無駄にはなりません。一方、クーポン券は期限がありますので、その期限が過ぎれば完全なる無駄に終わってしまいます。

政府は、本当にこのまま突っ走るのか、注目されるところです。

過去最大55.7兆円の財政支出を決定

政府は11月19日、過去最大となる55.7兆円の財政支出を臨時閣議で決定しました。民間資金も入れた事業規模は78.9兆円になります。ただ、それぞれの支出の項目を見ると、既存の政策の延長や再給付などが目立ち、賢い支出とは言いにくい状況です。

給付金関連では、それぞれ、以下の予算を計上して、正式に決定しました。

  • 18歳以下への10万円相当の給付金:約2兆円
  • 住民税非課税世帯への10万円給付金:約1.5兆円
  • マイナポイント2万円分:約2兆円

4.今回の給付金の問題点

2020年の10万円の給付金でも、検討段階で問題点が続出し、最後は結局、国民全員に一律10万円という結果になりましたが、今回の給付金にも様々な問題点があります。

そのうち、大きなものをここで紹介します。

(1)年収960万円の所得制限で、迅速な給付ができない

今回の給付金では、年収960万円のラインで所得制限を設けて、その年収以下(または少ない)人に支給をすることになるようです。

ただ、ここで、非常に大きな課題点があります。それは、誰がどうやって、年収960万円のチェックをするのかです。

まず、年収960万円という考え方は、給与所得者であればわかりやすいですが、自営業者の場合は、事業内容によって、売上の考え方がまったく異なりますので、所得(売上-経費)で判断する必要があります。その所得も、経費の付け方で如何様にでも変化しますので、所得の基準をいくらにするのか難しいところです。

さらには、不動産・株式の売却益や、副業による収入は含めるのかなど、いろいろなケースに対する判断が必要となります。

また、年収(所得)の証明方法として、会社から発行される源泉徴収票または確定申告書を利用することが考えられますが、現時点では、今年(2021年)の収入は確定していませんので、昨年(2020年)の収入(所得)に基づいて判断することになります。

しかし、このコロナ禍で1年が経てば経済状況も大きく変わっていていますので、1年前の収入があまり参考にならない可能性があります。1年前が良くても今経済的に苦しい人もいますし、逆パターンの人もいます。

また、「年収960万円」について、夫婦共働きの場合、収入の高いほうで判断するとのことですが、結婚・離婚などで世帯構成が大きく変化した場合の対応も必要です。

しかし、これは相当に時間のかかる確認作業となり、自治体の職員が対応するとなれば悲鳴をあげることになるでしょう。

こんなことになると、迅速な給付どころか、給付までに何ヶ月も待たされる自治体も出てきかねません。

子供への給付として児童手当があり、児童手当にも所得制限がありますが、これはある程度の時間をかけて議論され立法化されて決められたものです。突然降って湧いたような10万円給付金の所得制限を明確にするのは簡単なことではありません。

所得制限を設ける場合は、政府はその道筋を早めに示してほしいところです。

(2)5万円のクーポン発行でコストアップ&利便性ダウン

18歳以下の子供への給付10万円のうち、半分の5万円は子育て支援に利用できるクーポン券で発行されることになりました。

しかしながら、「迅速な経済支援」という観点からすると、これは最悪の政策といえます。

委託費&運用でコストアップ

まず、クーポンを発行するということは、政府と自治体の支出アップにつながります。

クーポンを発行するためには、その仕組を整え、紙面であれば印刷、電子であればシステム構築が発生します。さらに、クーポンを利用可能な店舗を募集し、審査・登録が必要です。商品を子育て支援関連に限るのであれば、さらに細かい商品の審査まで必要になります。

これらを実行するには、民間業者への委託が必要ですが、5万円×2000万人×90%(所得制限)=9,000億円規模のクーポン券発行となると、少なくとも2,000億円くらいの委託費が必要となるでしょう。

さらに、おそらく、クーポン券を利用できる店舗は各自治体ごとに決めることになるでしょうから、自治体での職員の対応コストも大変なものになります。

利便性ダウン

「子育て支援に利用できるクーポン券」でいったい、どこで何を買えるのかが問題になります。

クーポンを利用できる店舗と商品が限定されることになり、日常的に利用している店舗で商品を購入できなければ、せっかくクーポンをもらっても利用できません。

子育て支援というと、文房具や参考書などという案があがっているようですが、家庭によって子どもに使うお金の使途は様々であり、いわゆる「教育費」で簡単に分類できるものでもありません。たとえば、プログラミング教育のために子どもにパソコンを買ってあげたとしても、パソコンが対象商品に含まれていなければ、利用の価値はないでしょう。

さらに、配布時期に問題があります。来年の春、入学の時期ということですが、そもそも、入学や進学に必要なもの(制服やかばんなど)は、年明けくらいから揃えていき、入学直前の時期にはほぼ揃っています。その段階でクーポンが配られても、あまり意味がありません。

消費者の利便性が悪いクーポンを配れば、そのほとんどが利用されず、委託費と運用コストのほうが高いという最悪の事態になりかねません。

まとめ

  • 対象は18歳以下と生活困窮世帯
  • 18歳以下は現金5万円(中学生以下は年内、高校生は年明け)とクーポン券5万円分(2022年春)
  • 生活困窮世帯には現金10万円
  • ただし、不公平感が否めずクーポン券にも問題があり、政府内や世論でも批判が根強く
  • 給付の対象者や金額が大幅に変わる可能性もあります

給付金については、詳細がわかり次第、こちらで情報を記載していきます。

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監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに850以上作成(2021年時点)。
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