扶養控除と配偶者控除・配偶者特別控除の違い【2026年版】
扶養している家族がいる場合、年末調整や確定申告で受けられる税金の控除には「扶養控除」と「配偶者控除」「配偶者特別控除…[続きを読む]

「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」は、毎年、9月~10月ごろに、扶養家族がいる年金受給者が記入する書類です。
令和9年(2027年)分の「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の書き方を、図と記入例を利用してわかりやすく解説します。
目次
年金受給者に対して、年金が振り込まれる際には、所得税が差し引かれて支給されます。これを「源泉徴収」といいます。
ただ、扶養家族がいる場合には、毎月当たり、次の金額が控除されます(一部のみ紹介)。つまり、引かれる税金が少なくなります。
これらの金額を控除するかどうかを決めるのが、「扶養親族等申告書」です。
日本年金機構のほうでは、誰にどんな扶養親族がいるかわかりませんので、年金受給者に申告してもらい、その内容を基に、控除します。
ですので、配偶者や子供・親などの扶養親族がいる場合で、控除を受けたいときは、扶養親族等申告書を提出する必要があります。
この書類を記入するのは、令和8年9月~10月ですが、なぜ「令和9年分なの?」と疑問に思われた方もいるでしょう。
この書類で記入した内容は、令和9年1月以降に振り込まれる(2月分からの)公的年金の源泉徴収に反映されます。そのため、「令和9年分」となっています。
公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金・退職共済年金等)を受給している方で、次の条件にすべて該当する人です。
令和8年分(2026年分)までは、所得税がかかる人だけが対象でしたが、令和9年分(2027年分)からは、住民税(均等割)がかかる人も対象になります。
住民税がかかる公的年金収入の金額は、お住まいの市区町村によって異なります。
主に、1級地、2級地、3級地の3つに別れています。年齢に応じて、次の金額以上の方が対象です。
| 級地区分 | 65歳未満 | 65歳以上 |
|---|---|---|
| 1級地 | 105万円 | 155万円 |
| 2級地 | 101.5万円(102万円※) | 151.5万円(152万円※) |
| 3級地 | 98万円 | 148万円 |
※1万円未満を四捨五入している自治体もあります。
「級地区分」の詳細と、お住まいの市区町村がどの区分に当たるかは、Wikipediaの「級地制度」を参照してください。
お住まいの市区町村によって、微妙に金額が異なることもありますので、不明な方は、お住まいの市区町村にお問い合わせください。
控除の対象となる配偶者・親族(子供・親など)の所得条件は以下のとおりです。
自営業者・フリーランスの場合、合計所得金額で判定しますが、年金受給者や、パート・アルバイトについては、下記の表の金額以下かどうかで判定します。
| 所得 | 給与収入 | 公的年金収入 | |
|---|---|---|---|
| 配偶者 | 95万円 | 169万円 | 65歳以上:205万円 65歳未満:163万円(※) |
| 19歳~22歳の親族 | 85万円 | 159万円 | |
| 19歳~22歳以外の親族 | 62万円 | 136万円 | 65歳以上:172万円 65歳未満:122万円 |
※ 正確には、1,633,334円
(注)配偶者・親族の年収(所得)が上記の金額を超えていても、退職所得を除いた年収(所得)が上記の金額以下であれば、対象になります。
なお、控除の対象となる配偶者は、法的な婚姻関係にある配偶者です。事実婚・内縁関係は対象外です。
また、控除の対象となる親族は、6親等内の血族及び3親等内の姻族です。
詳しくは、別の記事をご覧ください。
年金受給者本人が、障害者、寡婦、ひとり親に該当する場合は、対象です。
令和9年分の扶養親族等申告書は、だいたい、10月31日までに提出します。
老齢基礎年金・老齢厚生年金を受給している場合には、日本年金機構から、9月7日以降、扶養親族等申告書の書類一式が郵送されます。具体的な提出期限は、用紙に記載されています。
公務員などで共済年金から年金を受給している場合や、企業年金から年金を受給している場合はは、それらの団体から、だいたい9月末までに、扶養親族等申告書の書類一式が郵送されます。提出期限は、書類の中身をご確認ください。
扶養親族等申告書を提出しなかった場合、控除される金額は、本人の基礎控除に相当する金額だけになります。
控除の対象となる配偶者や親族がいなければ、提出する必要はありません。
一方で、対象となる家族がいるのに提出しなかった場合は、公的年金が振り込まれる際に、税金が多く引かれすぎることになります。
提出期限を過ぎてしまった場合でも、日本年金機構などに連絡して、速やかに提出するようにしましょう。
どうしても間に合わない場合は、確定申告をすれば、引かれすぎた税金が戻ってきます(還付されます)。
扶養親族等申告書には、「新規用」と「継続用」の2種類があります。
「新規用」は、扶養親族等申告書を初めて提出する人の場合です。今まで提出したことがない人には、「新規用」の書類が送付されてきます。
本記事では、「新規用」の書類をメインに解説します。
「継続用」は、前回、扶養親族等申告書を提出したことがある人の場合です。すでに提出したことがある人には、「継続用」の書類が送付されてきます。
配偶者・親族などの情報がすでに印字されていますので、変更がなければ、「変更なし」に「○」をして、返送するだけです。
変更がある場合は、「変更あり」に「○」をし、変更がある箇所について、訂正・追記・抹消をして提出します。
訂正する場合は、訂正箇所に二重線を引いたうえで、その知覚に、正しい内容を記載します。
扶養親族等申告書の提出方法には、「紙」と「電子申請(オンライン)」の2種類があります。
日本年金機構から送付された書類に、ボールペン等で記入して、専用封筒に入れて、切手を貼って提出します。110円切手が必要です。
本記事では、紙の申告書の記入方法を解説します。
マイナンバーカードとスマホ(または、パソコンとICカードリーダライタ)があれば、電子申請(オンライン)で申告書を提出することもできます。
切手代がいらない、期限内であれば提出後も修正できる、などのメリットがあります。
ペーパーレス化登録をすると、翌年から、紙の書類が郵送されなくなります。
マイナポータルやスマホの操作に慣れている人であれば便利かもしれません。
【参照】日本年金機構「個人の方の電子申請(扶養親族等申告書)」
日本年金機構から送付される、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書は、こちらのような書類です。
これは、書類を紛失してしまった人のための書式です。日本年金機構のHPからダウンロードできます。
日本年金機構から送付される申告書は一部だけ書式が異なり、一部は印字されていますが、基本的には同じです。
共済年金などは、それぞれの団体のホームページ等を確認してください。


【参照】日本年金機構:令和9年分「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の紙の提出方法
日本年金機構から郵送された申告書には、年金受給者本人のマイナンバー(個人番号)の記入欄はありません。すでに、日本年金機構のほうでマイナンバーを把握しているからです。
送付された申告書を紛失してしまい、日本年金機構のHPからダウンロードした書式を利用する場合には、マイナンバー(個人番号)を記入します。または、基礎年金番号を左詰めで記入します。
年金コードは、老齢基礎年金・老齢厚生年金であれば「1150」です。他の年金については、「日本年金機構:年金コードとは何ですか」をご覧ください。

提出する日を記入します。記入してすぐに提出する予定であれば、記入した日でもよいでしょう。
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A欄には、受給者本人の情報を記入します。

日本年金機構から送付された申告書には、フリガナ、生年月日はすでに印刷されています。住所欄はありません。氏名、電話番号のみ記入します。
本人が障害者である場合は、「1.普通障害」または「2.特別障害」のどちらかを選択して「○」をします。区分は、簡単にいうと、次のようになります。詳細は「日本年金機構:障害者とは」をご覧ください。
障害の程度を示す証明書の添付は必要ありません。
該当する場合、「1.寡婦」または「2.ひとり親」に「○」をします。
「寡婦」とは、夫と離別または死別した、現在婚姻していない女性のことをいいます。
「ひとり親」とは、未婚・離婚にかかわらず、現在婚姻していない、子を扶養している親(男性・女性両方)のことをいいます。
| 死別 | 離婚 | 未婚 | |
|---|---|---|---|
| 扶養家族:子 | ひとり親(男女とも) | ||
| 扶養家族:子以外 | 寡婦(女性のみ) | - | |
| 扶養家族なし | 寡婦(女性のみ) | - | - |
どちらも、次のすべての条件を満たす必要があります。
また、寡婦・ひとり親には、次のような条件もあります。
※合計所得金額から、損失の繰越控除等の適用後の金額
令和9年に退職金をもらう予定の場合で、退職所得を含めないで計算すると、所得500万円以下に該当するときは、住民税だけ控除対象となります。
該当する場合、「4.寡婦」または「5.ひとり親」に「○」をします。
年金受給者本人の所得の見積額が900万円(給与年収1,095万円)を超える場合には「○」をします。その場合、配偶者について受ける控除が減額されます。
高収入で働いていたり、大規模な大家さんとかでない限り、該当する方はほんどないと思われます。
合計所得の見積額が95万円以下の配偶者がいる場合に、記入します。
給与年収では169万円以下、公的年金収入では205万円以下(65歳未満は1,633,334円以下)となります。
配偶者の所得(給与年収、公的年金収入)がこれを超える見込みの場合には、控除対象外ですので、記入する必要はありません。

該当する配偶者がいる場合、配偶者の、フリガナ、氏名、生年月日を記入し、該当する続柄に「○」をします。
「源泉控除対象配偶者」とは、配偶者の合計所得が95万円以下(給与年収169万円以下、公的年金収入205万円以下(65歳未満1,633,334万円以下))、かつ、本人の合計所得が900万円以下の場合です。
「同一生計配偶者」とは、配偶者の合計所得が62万円以下(給与年収136万円以下、公的年金収入172万円以下(65歳未満122万円以下))の場合です。

配偶者のマイナンバー(個人番号)欄に「収録済」と印刷されている場合は、記入は不要です。
「未収録」と印刷されている場合は、配偶者のマイナンバー(個人番号)を記入します(証明書の添付は不要です)。
配偶者の収入が年金のみで、以下に該当する場合は、「○」を記入します。
この収入を超える場合は、合計所得を「万円単位」で記入します。
退職所得がある場合は、「退職所得あり」に「○」をしたうえで、上記の金額から退職所得を除いた金額を記入します。

ここに記入する金額は、給与年収や公的年金収入ではなく、「所得」です。
計算方法がわからなかったり、計算が難しい方は、自動で計算するツールを用意していますので、ご自由にご利用下さい。
配偶者が障害者で、かつ、合計所得が62万円以下である場合は、「1.普通障害」または「2.特別障害」のどちらかを選択して「○」をします。区分はの詳細は「日本年金機構:障害者とは」をご覧ください。
さらに、D⑭「摘要」欄に、障害者の氏名、障害者手帳の種類・等級と交付日を記入します。

配偶者と同居している場合は、「1.同居」に「○」を記入します。
配偶者と別居している場合は、「2.別居」に「○」を記入します。さらに、D⑭「摘要」欄に、配偶者の氏名と住所を記入します。
海外に在住の場合には、「1.非居住者」に「○」をします。親族関係や送金を証明する書類の添付が必要となります。
配偶者の所得の見積額が62万円以下、かつ、令和9年末時点で70歳以上(1958年(昭和33年)1月1日以前生まれ)の場合、「2.老人」に「○」を記入します。
合計所得の見積額が62万円以下(19歳~22歳は85万円以下)の扶養親族(親・子供など)がいる場合に、記入します。
給与年収では136万円以下(19歳~22歳は159万円以下)、公的年金収入では172万円以下(65歳未満は122万円以下)となります。
親族の所得(給与年収、公的年金収入)がこれを超える見込みの場合には、控除対象外ですので、記入する必要はありません。
親族の人数分、記入します。3人目以降は裏に記入します。

該当する親族がいる場合、親族の、フリガナ、氏名、生年月日を記入し、該当する続柄に「○」をします。
「源泉控除対象親族」とは、親族の合計所得が85万円以下(給与年収159万円以下)、かつ、16歳以上の場合です。
「扶養親族」とは、親族の合計所得が62万円以下(給与年収136万円以下)の場合です。
16歳未満の扶養親族は、扶養控除の対象にはなりませんが、住民税非課税の計算などにおいて扶養親族に含まれます。
親族のマイナンバー(個人番号)欄に「収録済」と印刷されている場合は、記入は不要です。
「未収録」と印刷されている場合は、親族のマイナンバー(個人番号)を記入します(証明書の添付は不要です)。
親族が、令和9年末時点で19歳~22歳(2005年(平成17年)1月2日~2009年(平成21年)1月1日生まれ)の場合、「○」を記入します。
「特定扶養親族」または「特定親族」に該当しますので、控除額が多くなります。
親族が、令和9年末時点で70歳以上(1958年(昭和33年)1月1日以前生まれ)の場合、「○」を記入します。
「老人扶養親族」に該当しますので、控除額が多くなります。
親族が障害者で、かつ、合計所得が62万円以下である場合は、「1.普通障害」または「2.特別障害」のどちらかを選択して「○」をします。区分はの詳細は「日本年金機構:障害者とは」をご覧ください。
さらに、D⑭「摘要」欄に、障害者の氏名、障害者手帳の種類・等級と交付日を記入します。

親族と同居している場合は、「1.同居」に「○」を記入します。
親族と別居している場合は、「2.別居」に「○」を記入します。さらに、D⑭「摘要」欄に、親族の氏名と住所を記入します。
海外に在住の場合には、「国外在住」に「○」をし、該当する区分の番号に「○」をします。親族関係や送金を証明する書類の添付が必要となります。

親族の1年間の所得の見積額について、下記のいずれか該当する金額に「○」をします。
令和9年に退職機をもらう予定の場合で、「退職所得がある方」欄で、次のどちらかに該当する見込みのときは、「○」をします。
計算方法がわからなかったり、計算が難しい方は、自動で計算するツールを用意していますので、ご自由にご利用下さい。
摘要欄には、すでに説明したとおり、以下のような内容を記入します。
扶養親族等申告書
そのほか、扶養親族が9人以上いて、C欄:「扶養親族等」に書ききれないときは、この欄に記入します。
それでも書ききれないときは、便箋などに記入して、申告書に同封します。
扶養親族等申告書の記入が完了したら、記入漏れや誤りがないか、確認します。
そして、返信用封筒に入れ、110円切手を貼って、郵送します。
申告書の提出先は、次のいずれかの住所になります。
返信用封筒を紛失した場合は、日本年金機構に連絡して送付先を確認したうえで、その住所を、一般の封筒に記入して郵送します。
令和9年分の扶養親族等申告書に記入する、「年間所得の見積額」は、令和9年(2027年)1月1日から12月31日までの、1年間の所得の見積額です。
給与収入や公的年金収入ではなく、所得の金額を記入します。
所得の計算方法がわからない方に向けて、自動で所得を計算するツールを用意しています。
令和9年に、就職・退職・開業・廃業・結婚・離婚などの大きな異動の予定がなければ、令和8年の所得をもとに見積もります。
大きな異動の予定がある人は、それらを考慮して見積もります。
公的年金収入しかない人は、令和8年に受給予定の金額と同額とします。
あくまでも「見積額」ですので、厳密でなくても構いません。
提出期限を過ぎてしまっても、速やかに提出してください。
ただし、提出する時期によっては、令和9年の最初の年金振込(2月分)に間に合わない可能性もあります。
その場合、一時的に多く税金が引かれますので、令和10年2月~3月に確定申告をして精算します。
提出期限を過ぎて時間が経ってしまったときは、一度、日本年金機構に確認することをオススメします。
扶養親族が減った・増えた場合、または、扶養親族の所得(年収)が変わった場合、申告書を再提出する必要はありません。
令和9年分については、令和10年2月~3月に確定申告をすることで、正しい税額で精算されます。
押印は不要です。
記入誤りを訂正する際には、二重線で抹消してください。訂正印は不要です。