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年金の繰り下げ受給には、以下6つのデメリットがあります。
ここでは、年金の繰り下げ受給のデメリットについて解説します。
目次
繰り下げ受給の一番大きなデメリットは、想定より早く亡くなると、年金を十分にもらうことができず損をすることです。
よく「早死にリスク」と呼ばれますが、繰り下げ受給は早死にリスクに弱い制度です。
もし70歳まで繰り下げた場合、81歳11か月まで生きないと元がとれません。75歳まで繰り下げた場合は、86歳11か月まで生きないと元がとれません。これは額面ベースで計算した場合であり、手取りベースで考えると、さらに長生きしないと元がとれません。
年金を繰り下げると、待機期間中は年金を受け取れないため、その間の生活費として自己資金が必要になります。65歳以降も働いて収入がある場合や、貯蓄が十分にある場合は問題ありませんが、どちらもない場合は生活が苦しくなる可能性があります。
65歳以降も働ける時代とはいえ、体力の低下により今までと同じように働くのが難しくなることも考えられます。無理をして働くことで、病気やケガにつながる可能性もあります。
繰り下げを選択する場合は、待機期間中も無理なく生活できるだけの資金があるか、事前に確認しておくことが重要です。
年金が増額されるのはメリットですが、その分、税金や社会保険料も増えます。
日本の所得税は累進課税であり、所得が増えるほど税率が上がる仕組みのため、年金収入の増加に伴い税負担も大きくなります。
たとえば、本来の年金が月額16万円、年額192万円の場合、税金や社会保険料を差し引いた手取り額は約173万円です(75歳以上・新宿区在住のケース)。
仮に75歳まで繰り下げて84%増額された場合、年金は月額約29.4万円、年額約353万円となりますが、手取り額は約295万円です。手取りベースでは約70%程度の増加にとどまります。
「加給年金」とは、65歳未満の配偶者がいる場合に、老齢厚生年金に上乗せして支給される年金です。年額約42万円と比較的大きな金額ですが、繰り下げ待機期間中は受け取ることができません。老齢厚生年金自体を受給していないためです。
対策としては、老齢基礎年金のみを繰り下げ、老齢厚生年金は65歳から受給する方法があります。この場合、加給年金は受け取ることができますが、加給年金自体は増額されません。
「振替加算」とは、配偶者が65歳になると加給年金が終了する代わりに、配偶者の老齢基礎年金に上乗せされる給付です。1966年(昭和41年)4月1日以前生まれの配偶者が対象となります。金額は生年月日により異なりますが、1961年(昭和36年)4月2日以前生まれの場合は年額約1万6千円(2025年時点)です。
配偶者が自身の年金を繰り下げている間は、老齢基礎年金を受給していないため、振替加算も受け取れません。対策としては、老齢基礎年金は65歳から受給し、老齢厚生年金のみを繰り下げる方法があります。この場合、振替加算は受け取れますが、増額はされません。
一般的に振替加算の金額は小さいため、年金の増額効果のほうが上回るケースが多いといえます。
65歳以上の人が亡くなった場合、遺族は本人が受け取っていなかった年金(未支給年金)を受け取ることができます。しかし、繰り下げ待機期間中に亡くなった場合は、その一部しか受け取れないことがあります。
たとえば、繰り下げ待機中の人が72歳で亡くなった場合、年金の時効は5年のため、67歳からの5年分のみが対象となり、それ以前の分は受け取れません。また、未支給年金は増額されません。
さらに、繰り下げ後に受給を開始してすぐに亡くなった場合は、過去にさかのぼって受給することができないため、結果的にほとんど年金を受け取れない可能性があります。
老齢厚生年金の受給者が亡くなった場合、遺族は遺族厚生年金を受け取ることができます。その金額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。
ただし、年金を繰り下げて増額していても、遺族厚生年金の金額は増えません。あくまで65歳から受給した場合の本来の年金額をもとに計算されます。