103万の壁・123万の壁・160万の壁の計算方法

税金 計算

103万円の壁・123万円の壁・160万円の壁など、いろいろな年収の壁がありますが、それぞれの計算方法を、図を使ってわかりやすく紹介します。

1.103万円の壁の計算方法

「103万円の壁」とは、年収103万円を超えると、

  • 所得税がかかる壁
  • 扶養から外れる壁

です。

2024年までは、基礎控除がほぼ全員一律で48万円、給与所得控除の最低額が55万円でしたので、合計して103万円です。

基礎控除48万円+給与所得控除55万円=103万円

年収の壁 103万円の壁

(1)103万円は何月から何月までの収入?

所得税の年収の計算では、1月1日から12月31日までの給料収入を合計します。

所得税 計算 期間

実際に振り込まれた給料の金額を合計します。

たとえば、月末締め翌月25日払いの会社では、12月分の給料は翌年1月に振り込まれますが、12月分の給料は含みません。
逆に、昨年12月分が今年1月に振り込まれたものは含みます

(2)103万円は交通費・ボーナスを含む?

103万円の計算には、交通費(通勤手当)は含みません

ボーナス(賞与)は含みます。そのほか、残業手当、住宅手当、家族手当、皆勤手当など、給料と同等とみなされるものは含みます。

ただし、結婚祝い金・出産祝い金・病気の見舞金など、慶弔見舞金は含みません。

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(3)103万円の壁は、123万円・160万円にアップ

2025年の所得税改正で、103万円の壁は引き上げられました。123万円の壁と、160万円の壁の2つの壁ができあがりました。

  • 所得税がかかる壁:103万円→160万円
  • 税金の扶養から外れる壁:103万円→123万円

期間や交通費の計算方法などは、どの金額でも、すべて同じです。

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2.123万円の壁の計算方法

「123万円の壁」とは、2025年から初登場の壁です。年収123万円を超えると、

  • 扶養から外れる壁

です。

2025年から、扶養に入るための所得条件が48万円→58万円にアップ、給与所得控除の最低額が55万円→65万円にアップしたので、合計して123万円です。

所得条件58万円+給与所得控除65万円=123万円

年収の壁 123万円の壁

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3.160万円の壁の計算方法

「160万円の壁」とは、2025年から初登場の壁です。年収160万円を超えると、

  • 所得税がかかる壁

です。

2025年から、基礎控除の最低額が48万円→95万円にアップ、給与所得控除の最低額が55万円→65万円にアップしたので、合計して160万円です。

基礎控除95万円+給与所得控除65万円=160万円

年収の壁 160万円の壁

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4.123万円の壁・160万円の壁の計算方法の違い

123万円の壁・160万円の壁は、それぞれ似ているようでいて、まったく違う壁であり、計算方法も違います。

壁を超えると 計算方法
123万円の壁 扶養から外れる 所得条件58万円+給与所得控除65万円
160万円の壁 所得税がかかる 基礎控除95万円+給与所得控除65万円

123万の壁は、扶養の所得条件58万円で計算しているのに対して、160万円の壁は、基礎控除95万円で計算しています。

年収の壁 123万円の壁年収の壁 160万円の壁

扶養から外れる123万円の壁を、所得税がかかる160万円の壁と、勘違いしないようにご注意ください。

5.大学生の150万円の壁の計算方法

「150万円の壁」とは、2025年から初登場の壁です。主に大学生など、19歳以上~22歳以下の年齢限定の壁です。年収150万円を超えると、

  • 親が受ける特定親族特別控除の控除額が減る壁

です。

年収123万円を超えると、扶養から外れますが、19歳以上~22歳以下の人は、年収150万円以下であれば、親は同じ金額(63万円)の特定親族特別控除を受けられます。

63万円の特定親族特別控除を受けるための所得条件が85万円、給与所得控除の最低額が55万円→65万円にアップしたので、合計して150万円です。

所得条件85万円+給与所得控除65万円=150万円

年収の壁 150万円の壁

監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を10年以上担当。
税金やお金に関することが大好きで、関連記事を2000本以上、執筆・監修。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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