【2024年版】年末調整・確定申告の障害者控除の書き方
この記事では、障害者控除の対象者や要件などを詳しく解説します。年末調整や確定申告の書類の記入例も紹介します。[続きを読む]
年末調整では、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「障害者」欄に、「特別障害者」という言葉が登場します。
特別障害者とは何か? 通常の障害者とはどう違うのか? 控除額が違うのかについて、説明します。
目次
所得税・住民税では、本人または扶養家族が障害者である場合に、障害者控除を受けることができます。
所得税・住民税における障害者の区分として「一般の障害者」「特別障害者」の2つがあります。「特別障害者」のほうが「一般の障害者」より、障害の程度が重くなります。
「一般の障害者」「特別障害者」の違いについては、「一般の障害者と特別障害者の違い」で詳しく述べます。
なお、この区分は、あくまでも、所得税と住民税での区分であり、医療や福祉での区分とは異なりますので、ご了承ください。
さらに、特別障害者は、同居しているか別居しているかで、別の区分となり、控除額が異なります。
同居している人は「同居特別障害者」と呼ばれます。別居している人は通常の「特別障害者」です。
「一般の障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」で控除額は次のように違います。
区分 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
一般の障害者 | 27万円 | 26万円 |
特別障害者 | 40万円 | 30万円 |
同居特別障害者 | 75万円 | 53万円 |
障害者控除については、こちらで詳しく解説しています。
「一般の障害者」と「特別障害者」の違いは次の表のようになります。
障害者控除の要件 | 障害者 | 特別障害者 |
---|---|---|
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人 | ー | 全て特別障害者に該当 |
児童相談所、精神保健指定医等により知的障害者と判定された人 | 右記以外 | ・療育手帳の程度が「A」 ・愛の手帳の程度が「1度」及び「2度」 ・児童相談所等から療育手帳の「A」相当の判定書を受けている人 |
精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人 | 2級~3級 | 1級 |
身体障害者手帳に身体上の障害があると記載されている人 | 3級〜6級 | 1級~2級 |
満65歳以上の人で、市区町村や福祉事務所長の認定を受けた人 | 市区町村等の認定に従う | 市区町村等の認定に従う |
戦傷病者手帳の交付を受けている人 | 右記以外 | 特別項症~第3項症 |
原子爆弾被爆者で厚生労働大臣の認定を受けている人 | ー | 全て特別障害者に該当 |
その年の12月31日時点で6ヶ月以上寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人 | ー | 全て特別障害者に該当(自力で排便等が不能な状態等) |
障害の内容によって等級が細かく別れています。どちらに該当するか不明な場合は、国税局電話相談センター等にお問い合わせください。
【参照】国税に関するご相談について
年末調整で、障害者控除を受けるには、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の障害者欄に必要事項を記入します。
具体的な記入方法は次の通りです。
①本人または同一生計配偶者、扶養親族に障害者がいる方は、「障害者」欄にチェックを記入します。
②③④「本人」「同一生計配偶者」「扶養親族」のうち、障害者に該当する方の欄にチェックを記入します。「一般の障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」の3つの区分がありますので、該当する区分の箇所に、該当する人の人数を記入します。
⑤ここは、障害者とは関係ありませんので、不要です。
⑥障害者に該当する方の詳細として、以下の内容を記入します。
⑦ 年内に異動があった場合のみ、その日付と理由を記入します。
【記入例】税金信子、身体障害者3級、身体障害者手帳、平成20年12月7日交付