賞与手取り額計算ツール
※雇用保険料率を令和4年10月1日~の値に変更いたしました。 アンケートのお願い ツールの機能改善と品質向上のために…[続きを読む]
1回のボーナス(賞与)の金額60万円は、全体から見るとそれなりにもらっているほうですが、社会保険料や税金を引かれますので、手取りは思ったより少ないかもしれません。
ボーナス60万円の手取りがいくらか? 税金と社会保険料の計算方法を具体例を使ってわかりやすく解説します。
目次
ボーナスの手取り額は、次の項目を基に計算します。
ボーナスの額面金額が60万円のときの手取り額の一覧です。
39歳以下の場合のボーナス60万円の手取り額の一覧です。
扶養親族0人 | 扶養親族1人 | 扶養親族2人 | 扶養親族3人 | |
---|---|---|---|---|
前月給与15万 | 491,733円 | 502,202円 | 512,670円 | 512,670円 |
前月給与20万 | 491,733円 | 502,202円 | 502,202円 | 502,202円 |
前月給与30万 | 481,264円 | 491,733円 | 502,202円 | 502,202円 |
前月給与40万 | 460,327円 | 470,796円 | 481,264円 | 491,733円 |
前月給与50万 | 428,921円 | 439,389円 | 449,858円 | 460,327円 |
40歳以上では「介護保険料」が引かれます。そのため、一般的には、39歳以下の人より手取り額が少なくなります(一部、増えることもあります)。
扶養親族0人 | 扶養親族1人 | 扶養親族2人 | 扶養親族3人 | |
---|---|---|---|---|
前月給与15万 | 487,014円 | 497,382円 | 507,750円 | 507,750円 |
前月給与20万 | 487,014円 | 497,382円 | 497,382円 | 507,750円 |
前月給与30万 | 476,646円 | 487,014円 | 497,382円 | 497,382円 |
前月給与40万 | 455,909円 | 476,646円 | 476,646円 | 487,014円 |
前月給与50万 | 435,173円 | 435,173円 | 445,541円 | 455,909円 |
ボーナスの額面金額が60万の場合の手取りは、額面金額のおよそ75~85%です。
次章で、税金と社会保険料の計算方法を説明します。一番多く引かれるのは、社会保険料です。
ボーナス・賞与の手取り額は、税金と社会保険料を引いて計算します。
最初に社会保険料から計算します。社会保険料は次の4つがあります。
①②③は、会社と従業員で半分ずつ負担しますので、ボーナスから引かれるのは半額です。
協会けんぽ・東京を想定すると、2022年12月時点で、健康保険料率は9.81%です。(加入している健康保険組合によって保険料率が違います。)
40歳以上の方は、介護保険料もボーナスから引かれます(39歳以下の方は引かれません)。
協会けんぽのケースでは、2022年12月時点で、健康保険料率は1.64%(全国一律)です。(加入している健康保険組合によって保険料率が違います。)
社会保険料の中で最も高いのが、厚生年金保険料です。
協会けんぽ・東京のケースでは、2022年12月時点で、健康保険料率は18.3%です。(加入している健康保険組合によって保険料率が違います。)
雇用保険料は、会社と従業員でそれぞれ負担します(負担する金額は違います)。
「一般の事業」では、2022年12月時点で、従業員分の雇用保険料率は0.5%です(建設業、農林水産業、清酒製造業は0.6%)。
ここまでの社会保険料をすべて合計します。
次は税金の計算です。ボーナスにかかる税金は所得税のみです。住民税は発生しません。
源泉徴収税率は、「賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」を見て決定します。
前月の給与から社会保険料を控除した後の金額と、扶養親族の人数で決まります。表の金額の単位は「千円」ですので、ご注意ください。
毎月の給与が40万円だと、社会保険料を控除すると約34万円(計算省略)です。扶養家族は0人の列で、かつ、34万円が間に入る行を探して、その左の税率を参照すると、税率は10.21%です。
最後に、税金と社会保険料を引けば、手取り金額が出ます。
ボーナス60万円の場合の、税金と社会保険料の一覧です。社会保険料(厚生年金保険料)が一番高いです。
項目名 | 金額 |
---|---|
健康保険料 | 29,430円 |
介護保険料 | 4,920円 |
厚生年金保険料 | 54,900円 |
雇用保険料 | 3,000円 |
所得税 | 51,841円 |
手取り額 | 455,909円 |
なお、こちらの動画でも、ボーナスの手取り額の計算方法も説明しています。
賞与の手取り額を計算するツールもありますので、ご自由にご利用ください。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」のデータでは、ボーナスの1人当たりの平均支給額は、2022年夏が389,331円、2021年冬が380,787円です。ボーナス60万円は平均よりは多いです。
ただ、業種別に見ると、高い業種と低い業種で大きな差があります。
電気・ガス業、情報通信業、金融業・保険業、学術研究等の4つの業種のボーナス金額は60万円以上です。それ以外の業種のボーナス金額は60万円より少ないです。
2022年夏季ボーナス | 2021年冬季ボーナス | |
---|---|---|
鉱業,採石業等 | 595,716円 | 587,736円 |
建設業 | 524,047円 | 490,735円 |
製造業 | 527,118円 | 502,134円 |
電気・ガス業 | 777,339円 | 794,941円 |
情報通信業 | 687,247円 | 671,032円 |
運輸業,郵便業 | 368,827円 | 328,857円 |
卸売業,小売業 | 357,998円 | 344,023円 |
金融業,保険業 | 644,728円 | 625,813円 |
不動産・物品賃貸業 | 494,650円 | 499,336円 |
学術研究等 | 659,687円 | 594,138円 |
飲食サービス業等 | 63,793円 | 56,091円 |
生活関連サービス等 | 157,582円 | 127,657円 |
教育,学習支援業 | 493,306円 | 520,472円 |
医療,福祉 | 275,083円 | 308,301円 |
複合サービス事業 | 428,876円 | 472,170円 |
その他のサービス業 | 217,344円 | 222,276円 |
【出典】
・厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和4年2月分結果速報等」
・厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等」
従業員数別に見ると、大企業ほどボーナスが多くなります。
従業員数 | 夏季賞与 | 冬季賞与 | 合計額 |
---|---|---|---|
5人~29人 | 265,204円 | 273,076円 | 538,268円 |
30人~99人 | 338,240円 | 344,921円 | 683,161円 |
100人~499人 | 417,894円 | 424,899円 | 842,793円 |
500人以上 | 636,176円 | 621,724円 | 1,257,900円 |
従業員数500人以上の企業だと、ボーナス金額は60万円以上です。従業員数499人以下の企業だと、ボーナス金額は60万円よりかなり少ないです。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」(10人以上の企業)のデータでは、20代・30代・40代の1年間のボーナス支給額は、次のようになっています。
年齢 | 1年間のボーナス支給額 | 1回当たりの支給額 |
---|---|---|
20~24歳 | 376,100円 | 188,050円 |
25~29歳 | 648,100円 | 324,050円 |
30~34歳 | 778,400円 | 389,200円 |
35~39歳 | 910,200円 | 455,100円 |
40~44歳 | 1,006,100円 | 503,050円 |
45~49歳 | 1,068,500円 | 534,250円 |
データは年間のボーナス額ですので、夏と冬に年2回ボーナスが支給されるとして、単純に2で割って考えれば良いでしょう。
すると、20代・30代・40代どの年代でも、平均ボーナス金額は60万円未満です。60万円のボーナスは平均より多いことになります。
上記のデータはすべての学歴を含んでいますので、大卒だけで見るとこのようになります。
年齢 | 1年間のボーナス支給額 | 1回当たりの支給額 |
---|---|---|
20~24歳 | 341,500円 | 170,750円 |
25~29歳 | 774,800円 | 387,400円 |
30~34歳 | 931,000円 | 465,500円 |
35~39歳 | 1,175,400円 | 587,700円 |
40~44歳 | 1,351,400円 | 675,700円 |
45~49歳 | 1,519,200円 | 759,600円 |
20、30代の1回当たりのボーナス平均は60万円以下ですので、60万円のボーナスをもらったら平均より多いということになります。
40代の平均は、60万円を超えていますので、60万円のボーナスは平均より少ないです。