【新型コロナウイルス】中小企業向け一時給付金の概要|最大60万円

ビル街 朝

1新型コロナウイルスの影響で二度目の緊急事態宣言が発表され、飲食店を中心とした事業主は時短営業など厳しい状況に立たされているかと思います。

今回はこの支援策として発表された「緊急事態宣言に伴う外出自粛等の影響を受けた事業者への一時支援金事務事業」について、現時点で分かっていることを解説していきます。

情報が更新され次第、随時追加していきます。

  • 3月11日更新:具体的な申請ステップについて内容を充足させました
  • 2月22日更新:一時支援金の概要について内容を充足させました
  • 2月3日更新:一時金の上限金額が法人は最大60万円・個人事業主は30万円に引き上げられました

【引用】経済産業省:緊急事態宣言の再発令を受けた経産省の支援措置について

1.今回の給付金の概要

今回の新型コロナウイルス感染症拡大防止のため発令された緊急事態宣言に伴い、飲食店では、時短営業やお酒の提供を控えるなどの対策が必要となりました。

そこで、不要不急の外出・移動の自粛により影響を受け、売上が減少した中堅・中小事業者に対して最大60万円を上限とした一時支援金を給付する事業を実施することとなりました。

なお、今回の正式名称は「緊急事態宣言に伴う外出自粛等の影響を受けた事業者への一時支援金事務事業」になります。

2.一時支援金の対象者は?いつから?いくらもらえる?

(1)対象者

対象となるのは、緊急事態宣言に伴い直接的、または間接的に食材や商品などを取り引きしている中堅・中小業者や、外出自粛の影響を受けた事業者です。

要件として、以下の二つが中小企業庁より発表されています。

  • 緊急事態宣言発令地域の飲食店と直接・間接の取引があること
  • 緊急事態宣言発令地域の不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けたことにより、本年1月または2月の売上高が対前年比▲50%以上減少していること

対象となる事業については、飲食店や飲食店の取引先に限らず、旅館やタクシー事業者などの緊急事態宣言で影響を受けた幅広い業種が対象となります。

(2)給付額

法人は最大60万円以内、個人事業主等は最大30万円以内とされています。

具体的には以下の計算式の通りです。

  • 前年または前々年の対象期間の合計売上ー2021年の対象月※の売り上げ×3か月

※対象期間は1月から3月。なお、対象月は対象期間から任意に選択月を選ぶことが出来ます。

(3)給付時期

具体的な給付時期に関してはまだ発表されていません。

今後発表され次第、追記してまいります。

(4)申請期間

申請期間は以下の通りです。

【事前確認】

  • 2021年3月1日~5月31日

【通常申請】

  • 2021年3月8日~5月31日

【特例申請】

  • 2021年3月3月19日~31日

(5)申請方法

申請は以下のステップで進めていきます。

具体的には、事前申請・確認を行い、その後事務局に申請を行う流れとなります。

  • アカウントの申請・登録
  • 事務局のWEBサイトから身近な登録確認機関を検索、事前確認の依頼と予約を行う(電話・メール)
  • 事前確認を行う(TV会議、対面、書類の有無の確認や質疑応答による形式的な確認)
  • 事前確認完了後、WEBページにて必要事項を入力し、事務局に申請

事前確認

事前確認のステップについて解説します。

  • 申請者アカウントの発行
  • 事前確認用の書類準備
  • 登録確認機関の検索
  • 事前予約・事前確認
申請者アカウントの発行

申請者アカウントを事務局のWEBサイトから作成します。

その際、「申請ID」が自動発番されます。

事前確認用の書類準備

事前確認用の書類は、以下の通りです。

なお、登録確認機関の会員、事業性の与信取引先、顧問先等の場合は、①~⑤は省略することができます。その場合は、⑤のみをお手元にご準備ください。

  1. 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  2. 履歴事項全部証明書※2(申請時から3か月以内に発行された履歴事項全部証明書)
  3. 収受印のついた2019年1月~3月までのすべての確定申告書の控え※2、3
  4. 2019年1月から2021年対象月までの各月の帳簿書類(売上台帳、請求書など)※4
  5. 2019年1月以降の事業の取引を記録している通帳
  6. 宣誓・同意書(所定の様式)

※1 中小企業の場合
※2 e-Taxの場合は、受信通知メールのある確定申告書の控え又は受付日時が印字された確定申告書の控え
※3 個人事業者等の場合は、確定申告義務がない場合その他合理的な事由がある場合は、住民税の申告書の控え、中小法人等の場合は、合理的な理由で提出できない場合は、税理士の署名がある事業収入を証明する書類で代替可能
※4 書類の量が膨大な場合は、登録確認機関が任意に選択した複数年月の帳簿書類でも可

登録確認機関の検索

事務局のWEBサイトに記載の「登録確認機関一覧」から事前確認を依頼する身近な登録確認機関を検索します。

上記で紹介した通り、関連のある機関に依頼することで必要書類を大幅に減らすことが出来ますので、該当する機関がある方はそちらをご確認ください。

事前予約

登録確認機関に、事前予約の連絡を行い(電話やメールなど)、日程や方法を調整します。

事前確認の実施

事前確認では、以下のような内容を実施します。

  1. 申請ID、電話番号、法人番号及び法人名(法人の場合)、氏名及び生年月日(個人事業主)などの確認
  2. 本人確認
  3. 確定申告書の控え、帳簿書類、通帳の有無の確認
  4. 帳簿書類、通帳のサンプルチェック(登録確認機関が任意に選択した複数年月における取引の確認)
  5. 3、4が存在しない場合、その理由の確認
  6. 宣誓・同意事項等を正しく理解しているかを口頭で確認
  7. 登録確認機関が事前確認通知番号を発行(発行後申請者はマイページより申請が可能)

申請

申請のステップについて解説していきます。

  • 申請に関わる基本情報を記載する
  • 必要書類を添付
  • 申請ボタンを押下
申請に関わる基本情報を記載

ここでは、法人名/屋号、住所、氏名、連絡先、2019年1月から2021年3月までの毎月の法定帳簿に対応した月間事業収入等※1を記入します。

※1 2021年の対象月に1月又は2月を選択した場合は、その対象月の翌月以降の月間事業収入の入力は任意です。
2019年1月から2020年12月までの間に設立・開業した場合は、設立・開業した月よりも前の月の月間事業収入の入力は任意です。
白色申告を行っている場合、青色申告を行っている者であって所得税青色申告決算書を提出しない場合、又は特定非営利活動法人若しくは公益法人等であって月次の事業収入を確定的に記入できない場合は、2020年12月以前の各月の月間事業収入の入力は任意です。

必要書類を添付

必要書類については、下記の「必要書類」をご確認ください。

申請ボタンを押下

最後に申請ボタンを押下し、申請は終了です。

(6)必要書類

必要書類は以下の通りです。

  • 収受日印付き確定申告書の控え※1、2,3,4,5
  • 売上台帳(2021年の対象月の売上台帳)
  • 宣誓・同意書(代表者又は個人事業主が自署したもの)
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)※6
  • 履歴事項全部証明書※7(申請時から3か月以内に発行された履歴事項全部証明書)
  • 通帳(銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・名義人が確認可能なページ)
  • その他事務局が必要と認める書類(上記のほかに依頼する場合があります)

※1 e-Taxによる申告の場合、受付日時の印字又は受信通知メールの添付があること。
※2 2019年1月~3月及び2020年1月~3月までをその期間に含む全ての確定申告書の控え。
※3 確定申告義務がない場合その他合理的な事由がある場合は、住民税の申告書の控え
※4 主たる収入を雑所得・給与所得で確定申告した個人事業者等として申請する場合は、
基準年の確定申告書第一表の「収入金額等」の「事業」欄に記載がないこと(又は0円)。
※5 適正に確定申告を行うこと。
※6個人事業主等の場合
※7中小法人の場合

(7)問い合わせ先

やり方などで分からなくなってしまった方については以下の連絡先にお問い合わせください。

なお、平日はつながりにくくなっており、日曜日であれば比較的つながりやすいようです。

  • 0120-211-240
  • 03-6629-0479

受付時間は土日、祝日含む8時30分~19時になります。

3.支給額シミュレーション

具体的には以下の計算式の通りです。

  • 前年または前々年の対象期間の合計売上ー2021年の対象月※の売り上げ×3か月

【中小企業の飲食店】

  • 前年の対象期間の合計売上:400万円
  • 2021年の対象月の売り上げ:80万円

この場合計算式に当てはめると以下の通りです。

  • 前年または前々年の対象期間の合計売上(400万円)ー2021年の対象月の売り上げ(80万円)×3か月=160万円

上限額は60万円であるため、給付金は60万円となります。

4.支給されるケース/支給されないケース

具体的な支給ケースはまだ未定です。

しかし、こちらの資料から給付対象となりうるケースについては紹介されておりますので、ご確認下さい。

スライドの26ページより、参考として記載されています。

参考:一時金の詳細|経済産業省

5.その他

すでに発表されている制度として、「持続化給付金」があります。

持続化給付金については申請方法や計算例、対象者など詳しく解説しておりますので、ぜひご確認ください。

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服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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