【独自支援】全国の大学のコロナ対策まとめ

コロナ 大学支援策

各大学では新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮する学生に対して、独自の支援策を行っています。

その内容は、ネット環境整備のための給付金や、緊急の奨学金の新設など様々です。
支援制度の対象者も、学生全員の場合と経済的に困窮する学生だけの場合があります。

以上を踏まえて、この記事では以下のことをまとめています。

  • コロナで生活が苦しい学生に、具体的にどのような支援があるのか
  • 各大学はどのような支援を行っているのか

また、政府は「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金を創設し、困窮する学生に最大20万円の支援を行うことを発表しました。

支給要件として、「奨学金、または、民間の支援制度を活用している、または活用予定である」というものがあります。

各大学の支援制度もこれに当てはまりますので、理解しておく必要があるでしょう。

1.学生支援策の具体的な内容

各大学では、学生の経済的支援のための対策をとっています。

ここでは、どのような支援策があるのか簡単にまとめていきます。

給付金額や支給対象者、支給方法については大学ごとに異なるため、各大学ホームページをご覧ください。

オンライン環境整備のための給付金

各大学では、コロナウイルス感染拡大を受けてオンライン授業を導入しています。
しかし、学生側はオンライン授業を行う際に、パソコンやWi-Fiなどのネット環境を整備する必要があります。

そこで、多くの大学では学生のネット環境整備に係る費用を支援しています。

生活費補助のための給付金

バイトのシフトが削られたり、仕送りが途絶えてしまった学生のために、各大学は生活費の支援を行っています。

Wi-Fi機器等の貸し出し

オンライン授業の環境整備支援として、Wi-Fiルーターや、パソコンの貸与を行っています。

ただ、全国的に必要な台数が足りておらず、各大学が貸し出せるネット機器の数には限りがあります。

必要な場合は早めに申請する必要があるでしょう。

特別な奨学金枠の設定

各大学では、従来から経済的に困窮する学生に対して奨学金で支援を行っていました。

今回のコロナ禍では、コロナウイルスの影響で家計が急変した学生に向けて、新しく奨学金枠を創設して、学生支援を行っています。

学費の免除・延納・分納

困窮した学生の学費については、全国の大学で授業料免除や授業料の減額を行っています。

学費の延納や分納については、従来から各大学で受け付けていました。
コロナ禍では、学費の納付期限の延長といった対策が取られています。

受付期限がありますので、早めに検討しましょう。

学費の減額・施設設備費の返還

京都芸術大学など一部の大学では学費の返還が行われていますが、生一律の学費減額や施設設備費の返還が行われている大学は非常に少ないです。

早稲田大学の総長が「学費の減額をしない」と表明してから、他の大学でも同様のコメントが発表されており、全国の大学では学生一律の学費の減額は考えられていません。

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【参考】早稲田大学の学費に対する考え方について

学生を臨時アルバイトとして雇用

大学が学生に授業のサポーター(学生の相談員等)や、オンライン授業の環境整備の仕事を任せます。
これに対して、謝礼を支払い学生の生活費に充ててもらうといった支援を行う大学もあります。

学生側は収入源の確保ができ、学校側も授業環境の改善につながるなど両者にメリットのある取り組みです。

2.各大学ごとの支援策まとめ

全国の大学独自の支援策をまとめていきます。
ここではコロナウイルス拡大を受けて新設された支援策を中心にまとめております。

他にも各大学ごとに、奨学金や学費の延納などを独自で行っている場合がありますので、各自大学ホームページで確認しましょう。

なお、今回は一部の大学を掲載しています。順次追記していきます。

北海道・東北

大学名 支援策 支給金額 対象者
札幌大学 ①緊急奨学金
②条件付き給付金
③大学で学生を雇用
④ネット機器貸与
①5~10万円
②2万円×6か月
困窮する学生
札幌学院大学 遠隔授業実施に伴う修学支援 5万円 学生全員に一律給付
名寄市立大学 名寄市立大学学生支援給付金 10万円 学生全員に一律給付
弘前大学 ①弘前大学学生支援奨学金
②家計が急変した家庭の学生に対する授業料免除
①上限なし 困窮する学生
山形大学 ①学生支援奨学金
②オンライン授業のためキャンパス開放
①10万円 困窮する学生

関東

大学名 支援策 支給金額 対象者
東京大学 ①緊急給付型奨学金
②緊急授業料減免の実施
③ネット機器貸与
④大学で学生を雇用
①5万円 困窮する学生
青山学院大学 ①遠隔授業環境整備支援
②給付型奨学金の拡充
①5万円 ①学生全員に一律給付
桜美林大学 ①学習環境整備充実奨学金
②緊急の経済的支援
③通信端末の無償貸与
①2万円
②調整中
①学生全員に一律給付
②困窮する学生
多摩美術大学 ①緊急支援奨学金
②オンライン対応に係る通信環境等への支援(端末)
③学業継続特別支援(学費の減免)
①10万円
②6万円
③30万円
①②学生全員に一律給付
③困窮する学生
日本大学 ①独自の給付奨学金の拡充
②学修環境補助費
①10万円
②3万円
①困窮する学生
②学生全員に一律給付
早稲田大学 ①新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急支援金
②早大緊急奨学金の受給者人数を拡充
③モバイルルーター、PC貸し出し
①10万円 困窮する学生
横浜国立大学 ①緊急食糧支援
②ノートパソコン貸与
  困窮する学生
千葉商科大学 ①特別修学支援給付金
②生活支援給付金
①5万円
②最大4万円
①学生全員に一律給付
②困窮する学生
城西大学 臨時奨学金 5万円 学生全員に一律給付

中部

大学名 支援策 支給金額 対象者
名古屋大学 ①生活支援金
②新型コロナウイルス感染症対策緊急学生支援基金
①3万円 自宅以外に居住
金沢大学 ①金沢大学緊急学生支援金 ①5万円×最大3か月 困窮する学生
新潟大学 ①授業料免除
②新潟大学修学応援特別奨学金
③新潟大学就学支援貸与金
②3万円×12か月
③5~10万円
困窮する学生
南山大学 ①学習環境整備給付金
②学業継続支援給付金(貸与型)
①5万円
②最大50万円
①学生全員に一律給付
②困窮する学生
中京大学 ①就学支援金 ①5万円 ①学生全員に一律給付

近畿

大学名 支援策 支給金額 対象者
京都大学 ①緊急給付型奨学金
②授業料免除の拡大
③学生の雇用
①12万円 困窮する学生
大阪大学 ①授業料減免
②学生の雇用
③図書の宅配(無償)
  困窮する学生
近畿大学 ①自宅学修支援金
②近畿大学コロナ対策緊急奨学金
③オンライン診療・カウンセリング
④図書の宅配、WEB書籍拡充
①5万円
②20万円
①学生全員に一律給付
②困窮する学生
立命館大学 ①オンライン授業の受講環境整備のための支援金
②立命館大学 緊急学生支援金
①3万円
②9万円
①学生全員に一律給付
②困窮する学生
関西学院大学 ①特別支給2020奨学金
②関学ヘックス(HECS)型貸与奨学金
①上限40万円
②年間授業料相当額
困窮する学生

中国・四国

大学名 支援策 支給金額 対象者
岡山大学 ①岡山大学緊急生活支援金
②オンライン授業のため講義室の開放
①3万円 困窮する学生
広島大学 応急学生支援金 3万円 困窮する学生
香川大学 緊急学生支援金 月3万円 困窮する学生
広島国際大学 ①緊急学修支援金
②オンライン授業実施に伴う支援
③カウンセラーによる遠隔相談
①3万円
②月3千円
①学生全員に一律給付
②困窮する学生

九州

大学名 支援策 支給金額 対象者
九州大学 ①緊急授業料免除
②緊急学生支援金
③基金の創設
②3万円 困窮する学生
熊本大学 ①緊急支援給付金
②通信機器貸出
①月10万円か15万円×2か月 困窮する学生
福岡大学 修学支援金 1万円 学生全員に一律給付
久留米大学 ①修学支援金
②久留米大学奨学金
①2万円 ①学生全員に一律給付
②困窮する学生

3.自治体独自の支援策

熊本県

熊本県は、県内の高校を卒業、または県内の大学や専門学校に在籍する学生に給付金を支払います。

対象は、住民税非課税の世帯で、学生1人当たり5万円が支給されます。
財源は県内の企業からの寄付金などで、約4,000人が対象となる見込みです。

東京都

東京都は、経済的に困窮する学生を対象にアルバイトの機会を提供しています。

学生は、都の臨時職員として「感染拡大防止協力金」の支給手続きの補助などを担当します。

※現在は、採用予定人数に達したため募集を停止しています。

八王子市

八王子市は、国が支給する「学生支援緊急給付金」の支給対象外となった学生に、独自で10万円を給付する方針を決定しました。

国の制度よりも支給要件は緩くなる見込みで、800人分の予算が計上されています。

奈良市

奈良市は、新型コロナの影響でアルバイトができない学生を対象に、市の臨時職員として雇用する支援策を開始します。

対象は、市内在住か市内の大学に通う大学生・専門学生など約100人を採用予定で期間は2か月間です。

4.まとめ

各大学の独自の支援策をまとめると、以下が挙げられます。

  • 学生への給付金(オンライン環境整備、生活費支援)
  • 学校独自の奨学金の新設
  • ネット機器の貸し出し
  • 学費の減免・延納・分納
  • 学生を臨時アルバイトとして雇用

このように各大学は、財源を投入して様々な学生支援を行っています。
各自大学のホームページから確認しましょう。

同時に各大学は、大学以外の支援の活用についても周知しています。

以下の記事で、日本学生支援機構による奨学金について詳しく解説してありますので、ご覧ください。

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服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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