【15000円に増額】企業向け、小学校休業等対応助成金の申請方法
【6/12更新情報】小学校休業等対応助成金の上限額を1日15,000円に引き上げ、対象期間を9月末まで、申請期限を12月28日まで延長されました。
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・1人1日当たり15000円に増額(6/1更新)
・増額前に申請しても15000円との差額は貰える?(8/1更新)
本記事の内容は6月12日時点の厚生労働省の情報に基づいています。
- 小学校休業等対応助成金について知らない、基礎から知りたい方
⇒助成金の概要から読み始めましょう - 従業員が助成対象に入るのか、自身がいくらもらえるのかを知りたい方
⇒助成の条件から読み始めましょう - 自身が助成対象であることは分かっていて、申請方法を知りたい方
⇒小学校休業等対応助成金を自分で申請する方法から読み始めましょう
【引用】厚生労働省:小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します
目次
1.小学校休業等対応助成金とは?
新型コロナウィルス感染症の拡大を防ぐため、政府の要請を受け、全国の小中学校、高校、特別支援学校が臨時休校となりました。
小学生などの小さいお子さんがいる方は子どもの世話をするために仕事を休む必要が生じています。
そこで、政府は、臨時休校が原因で有給休暇を取得した従業員がいる企業や、休暇を取得した個人事業主に対して支援をすることにしました。
休暇を取得した従業員がいる企業に支給される助成金と、フリーランス個人に支給される助成金の2種類があります。
対象期間はどちらも、2020年2月27日~9月30日です。
※9月末まで延長されました
1-1.企業向け(従業員が休暇を取得した場合)
新型コロナウイルス感染症により臨時休業になった学校に通う子供の世話をする労働者に対して、通常の年次有給休暇とは別に、有給休暇を取得させた事業主に対して、1日1人当たり15,000円を上限(3月分までは8,330円)に「労働者に支払った賃金相当額」の助成金が支払われます。
この「臨時休業」とは、小学校等が臨時休業した場合に加えて、自治体や放課後児童クラブ、保育所等から可能な範囲で利用を控えるよう依頼があった場合も対象となります。
「労働者」については、雇用保険に加入していない非正規社員やパート従業員も対象です。
本記事では、こちらの内容を解説します。
1-2.個人事業主・フリーランス向け
上と同じく、子供の世話をする保護者が仕事を休まざるを得なくなったとき、1日当たり一律7,500円(3月分までは4,100円)が給付されます。
対象となる保護者や休暇の範囲は、企業向けと同じです。
詳細は「個人向け、小学校休業等対応助成金の申請方法」で解説しています。
2.助成金の条件・金額・申請期間
臨時休校で従業員が特別な有給休暇を取得した場合、事業主に対して助成金が支払われます。
ここでは助成金の対象となる「保護者」や「子供」などの具体的な条件や有給休暇の範囲、助成金額、申請方法などをまとめていきます。
2-1.対象となる労働者
業種・職種を問わず、労働者が以下に該当する「保護者」であれば、対象です。
- 親権者、未成年後見人、その他の者(里親、祖父母等)であって、子どもを現に監護する者
- その他、各事業主が有給休暇の対象とする場合は、子供の世話を一時的に補助する親族も含む
「子ども」の条件については以下のように定められています。
- 新型コロナウイルスへの対応として臨時休業等をした小学校等に通う子供
- 新型コロナウイルスに感染した者
- 発熱等の風邪症状がみられる者
- 新型コロナウイルスに感染した者の濃厚接触者
「小学校等」には以下が含まれます。幼稚園・保育園等も該当します。
- 小学校
- 義務教育学校(小学校課程のみ)
- 各種学校(幼稚園または小学校の課程に類する課程に置くものに限る)
- 特別支援学校
- 放課後児童クラブ
- 放課後等デイサービス
- 幼稚園、保育所、認定こども園、認可外保育施設、家庭的保育事業等、子供の一時的な預かりなどを行う事業
- 障害児の通所支援を行う施設
※障害のある子供については「中学校」「義務教育学校(後期課程)」「高等学校」「各種学校(高等学校までの課程に類する課程」も含む。
学校が休みになっていなくても、学校長が新型コロナウイルスに関連して特別に欠席を認める場合も対象となります。
ただし、保護者の自主的な判断で休ませた場合は対象外となります。
2-2.対象となる有給休暇の範囲
対象期間
対象期間は、2020年2月27日~9月30日です。
※もともとは3月31日まででしたが、一度、6月末まで延長され、さらに9月末まで延長されました。
年次有給休暇とは別の有給休暇が対象
まず、前提として、通常の年次有給休暇は対象となりません。労働基準法で定める通常の年次有給休暇とは別に、有給休暇を取得させた場合が対象です。
年次有給休暇の有無に関わらずに、保護者が希望に応じて休暇を取得できることを目的としているからです。
春休み・土日・祝日に取得した休暇
「春休み・土日・祝日」に取得した休暇については2つのパターンに分かれます。
「臨時休校等をした小学校等に通う子供」に関して、休暇を取得した場合には以下のケースが助成金の対象となります。
- 学校:学校の元々の休日以外の日(春休みや日曜日など元々休みの日は対象外)
- その他の施設:本来施設が利用可能な日
「新型コロナウイルスに感染した、または風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある、小学校等に通う子供」に関して、休暇を取得した場合には以下のケースが助成金の対象となります。
- 学校の春休みなどに関わらず2020年2月27日から2020年6月30日までの間
半日単位、時間単位の休暇
半日単位の休暇や時間単位の休暇についても助成金の対象となります。ただし、勤務時間短縮は休暇とは異なるため対象外です。
就業規則での規定の有無
就業規則に休暇制度に関する規定がない場合でも要件に該当する有給休暇を付与した場合には対象です。
年次有給休暇や欠勤、勤務時間短縮を、後で特別休暇に振り替えた場合
いったんは、通常の年次有給休暇や欠勤、勤務時間短縮で処理し、後で特別休暇に振り替えた場合も対象です。ただし、振り替えについては労働者に説明し、同意を得ることが必要です。
2-3.助成金額
助成金額については、1日1人当たり15,000円が上限となります(増額されました)。
3月31日以前に取得した休暇については、上限が1日1人当たり8,330円です。
【参照】厚生労働省:新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金の上限額等の引上げ及び対象期間の延長について
通常の年次有給休暇を取得した場合に支払う賃金を支払うことが必要です。上限(8,330円または15,000円)を超えて支払った場合、超えた分は支給されませんので、企業側の負担となります。
上限増額前に申請した場合、15000円との差額は貰える?
【8/1更新】金額が15,000円に引き上げられましたが、8,330円の段階で既に申請を行った事業者は差額を貰うことができるのでしょうか?
FAQによると、次のように記載されています。
- Q13-5
「既に申請をされていたり、支給決定を受けている場合も、令和2年4月1日以降に取得した休暇がある場合には、上限額の引上げにより追加の給付を受けられます。6月15日以降に行う支給決定については、引上げ後の上限額が適用されます。既に支給決定が行われている場合は、該当する方に今後お知らせする予定ですが、順次確認作業を行っていますので、具体的な時期は未定です。ご理解をお願いします 。」
すでに申請を行った事業者は、再申請は不要で、差額をもらえるようです。
2-4.申請期間・申請先
申請期間 | 2020年3月18日~12月28日 |
---|---|
申請方法 | 事業所単位ではなく法人単位で申請 |
申請先 | 学校等休業助成金・支援金受付センター(※)に 郵送(配達記録が残るもの)で提出 |
申請先は、こちらです。
(※以前は、本社等の所在地により4つに分かれていましたが、8月1日より一本化されました。)
新東京郵便局 私書箱132号
学校等休業助成金・支援金受付センター
問い合わせ先は、下記です。
0120-60-3999(受付時間:9:00~21:00、土日・祝日も対応)
3.申請方法
3-1.申請書類
雇用保険に加入している従業員(正社員等)と、加入していない従業員(パート・アルバイト等)で申請様式が異なります。
休業した従業員に、両方に該当する方がいる場合は、それぞれ別々の書類を作成します。
どちらも、次の4つの申請書を作成・提出します。
- 様式第1号①:支給申請書(Excel版)
- 様式第1号②:対象労働者一覧(Excel版)
- 様式第2号:有給休暇取得申請書(Word版)
雇用保険に加入している労働者用/加入していない労働者用の申請書類は、ほとんど違いはありませんが、次のように文言と色が分かれています。
- 雇用保険に加入している労働者用 :各申請書類の右上に、青色の四角の中に「雇用保険被保険者分」と記載
- 雇用保険に加入していない労働者用:各申請書類の右上に、ピンク色の四角の中に「雇用保険被保険者以外分」と記載
手順1. 支給申請書に記入します(様式第1号①)
申請する事業主の情報を記入します。雇用保険適用事業書番号と、労働保険番号が必要になります。
振込先の金融機関を記入します。口座名義が確認できる通帳(見開き1ページ目)等の写しを添付します。
※次の銀行は不可。
ジャパンネット銀行、セブン銀行、じぶん銀行、大和ネクスト銀行、GMOあおぞらネット銀行
不正受給に当たらないことを約束し、該当箇所にチェックします。役員等一覧にも記入します。個人事業主は本人の氏名のみ記入します。
手順2. 休業した従業員を記入します(様式第1号②)
休暇を取得した従業員の情報(通常の賃金額、所定労働日数、所定労働時間、休暇所得日数・時間、合計額等)を、一人ずつ記入します。
「日額換算賃金額(調整後)(円)」という欄がありますが、厚生労働省から新たに公表された様式では、3月31日までの休業分と、4月1日以降の休業分を分けて記入します。
1日当りの賃金が上限15,000円(3月末までは8,330円)を超えている場合は、15,000円(3月末までは8,330円)となります。
全員の合計の休暇取得日数・時間と合計額も記入します。
雇用保険加入者用とそれ以外用での違いは、雇用保険被保険者番号の記載欄があるかないかです。
手順3. 有給休暇取得確認書に記載します(様式第2号)
従業員1人につき1枚ずつ作成します。
対象となる子供の氏名・年齢・学校名・続柄を記入します。有給休暇取得日数を記入し、その理由を選択します。
最後に、対象労働者の氏名を、本人が自筆で署名するか、または、印鑑を押す必要があります。
記載例
厚生労働省のサイトに、詳細な「支給申請書等記載例」がありますので、ご参照ください。
3-2.必要書類
申請書とは別途、次のような書類の提出が必要です。
- 労災保険への加入が確認できる書類(雇用保険適用事業主でない場合)
- 雇用されていることを確認できる書類(雇用保険に加入していない従業員の場合)
- 振込先口座の確認書類
- 対象労働者が有給休暇を取得したことが確認できる書類(タイムカード、出勤簿等)
- 対象労働者に、年次有給休暇の場合と同等の賃金が支払われたことが確認できる書類(給与明細、賃金台帳等)
- 対象労働者の通常の賃金が確認できる書類(賃金台帳、労働条件通知書等)
- 小学校等が臨時休業等をしたことがわかる書類(小学校などの学校お便りや電子メール、学校HPのお知らせ欄など)
詳細は、厚生労働省の資料をご参照ください。