チャットレディ・メールレディの確定申告のやり方
チャットレディ・メールレディで一定以上の報酬を得ている場合、確定申告をしなくてはいけません。
インターネット上のやりとりだけでお仕事や報酬の受け取りが完結するので、なんとなく「確定申告をしなくてもバレなそう」と思ってしまいがちですが、税務署の調査能力は高く、脱税をするとかなりの高確率で発覚します。
この記事では、チャットレディ・メールレディの業務内容に即して、確定申告のやり方を解説します。
目次
1.確定申告とは
チャットレディとは、女性がパソコンやスマホのテレビ電話機能を使って、男性と会話(チャット)をする仕事です。
一方、メールレディとは、女性が男性にメールを送って楽しんでもらう仕事です。
サイト上で登録して、仕事を終えたら、運営会社が報酬を振り込んでくれます。
どのような報酬形態であっても、一定以上の収入を得たら所得税や住民税など(以下、税金)を支払う必要があります。
そして、確定申告とは、自分が支払うべき税金を自分で計算して税務署に申告する手続きです。
(1)確定申告書
毎年確定申告をしている個人事業主の(本業でやっている)チャットレディ・メールレディであれば、毎年1月ごろに税務署から「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」(以下、確定申告書)が届くので、それに必要事項を記入して、添付書類と一緒に税務署に提出します。
確定申告を行う期間は、通常、2月16日から3月15日までの1カ月間です(土日祝日がある場合、ずれます)。
本業は会社員で、副業でチャットレディ・メールレディをしている方は、税務署で確定申告書を入手します。会社から源泉徴収票を受け取ったら、給与所得とあわせて申告をします。あとは、個人事業主と同じです。
確定申告書には、チャットレディ・メールレディで得た報酬や経費などを記入します。経費については後で説明します。
(2)確定申告をしないと重いペナルティを課される
確定申告をしなければならない人がその手続きを行わないと、最悪、脱税と認定されます。
2019年に、お笑い芸人が確定申告を3年も行なっていなかったことなどが発覚し、社会問題になりました。そのお笑い芸人は3,400万円の税金を支払うことになりました。
この額は、ルールとおりに支払っていた場合に課せられる税額をはるかに上回ります。ペナルティとして、延滞税・無申告加算税・重加算税などがかかります。
2.チャットレディ・メールレディに確定申告が必要なケース
本業が会社員で、副業としてチャットレディ・メールレディをしている場合、1月1日から12月31日までの1年間の所得額が20万円を超えると、確定申告が必要になります。
所得額が20万円以下なら、確定申告は不要です。
個人事業主になって専業でチャットレディ・メールレディをしている場合は、1年間の所得48万円を超えると確定申告が必要になります。
※2020年の所得税改正で、基礎控除が38万円から48万円にアップしまして、確定申告が必要な所得の基準もアップしました。
所得は収入ではない点に注意してください。
収入とは、運営会社から銀行口座に振り込まれるお金です。所得は収入から経費を差し引いたお金です。
3.青色申告と白色申告の違い
確定申告には青色申告と白色申告がありますので、その違いを説明します。
(1)経理処理の難しさと節税効果の大きさが違う
青色申告は、最大65万円の青色申告特別控除があり、税金の額を低くすることができますが、「複式簿記」という複雑な経理処理をする必要があります。
白色申告は、「単式簿記」という、お小遣い帳のような簡単な経理処理で済みますが、特別控除はありません。
青色申告をするときは、事前に税務署に「所得税の青色申告承認申請書」という書類を提出する必要があります。白色申告では特に何の手続きも必要ありません。
(2)青色申告をしたほうがよい人
多額のお金を稼いだり、数年以上にわたって長くチャットレディ・メールレディをしたりする場合、複式簿記のスキルを身につけて青色申告に挑戦してみてはいかがでしょうか。そのような人は、青色申告による節税効果が大きくなるからです。
最近は、経理や確定申告のクラウドサービスもありますので、そのようなサービスを使えば、本格的に経理を学ばなくても青色申告ができます。
稼ぎが少額だったり、短期間しかチャットレディ・メールレディをするつもりがなければ、白色申告でも良いでしょう。複式簿記で経理処理をするのは「大変」ですし、確定申告サポートサービスの多くは有料だからです。
4.経費の計上方法
確定申告で、多額の経費を計上すると、税金が安くなります。次のような費用は、チャットレディの経費として認められる可能性が高いでしょう。
- インターネットの利用料
- テレビ電話の利用料
- パソコン・スマホ等の機器代
- 化粧品代
メールレディであれば、メールをするためのパソコン・スマホと通信料くらいでしょうか。
ただし、これらの費用が経費になるのは「仕事に使う分」だけです。例えば、インターネットの利用料として毎月3,000円支払っている場合で、利用割合がプライベート9割、チャットレディ1割の場合、経費になるのは毎月300円(1割)までです。そのため確定申告では、年間3,600円(=300円×12カ月)までしか、経費として認められません。
テレビ電話の利用料も化粧品代も同じです。
利用割合は、本人が決めることができますが、税務署の職員から「利用割合の根拠」を聞かれることがありますので、しっかりした根拠を基に決めてください。
まとめ
チャットレディ・メールレディでも、一定以上の収入があれば、確定申告をして税金を支払う必要があります。それを怠ると脱税と認定されて、重いペナルティが課されることがあります。
確定申告が必要な「所得のライン」は、副業者が20万円、専業者が48万円です。毎月の収入が数万円になってきたら、確定申告に注意したほうがよいでしょう。